


欧米での街づくりは、まず街路が基本となります。どんな小さな通りにも名前があり、どの通りの、どのあたりに面しているかがその家の住所となります。すなわち、通りはその家のアイデンティティの拠りどころでもあるのです。
街路は人と人とをつなぐネットワークであり、街路に沿った広場やサロンは、大切な社交場となります。人々はバルコニーやテラスに花を飾ることで通りに彩りを与え、道行く人に気軽に声をかけます。
人と住まいと街路が有機的につながることで街が形成され、そのつながりこそが人の暮らしを豊かなものにする。そんな街路と住まいの関係に着目したのが〈ザ・ハウス港北綱島〉です。

〈ザ・ハウス港北綱島〉では敷地の中央に、メインストリートとなるプロムナードと、遊歩道としての小道をレイアウトしました。プロムナードにはところどころにクランクを設け、風景に変化を持たせています。また、社交場としてのパブリックスペースをプロムナード沿いに設置することで、人と人とを結ぶ街路の役割をより明確なものにしました。
プロムナードに並行して作られる小道は、1階の各住戸を緩やかにつなぎながら、人と住まい、住まいと社会を結ぶネットワークとしての機能を果たします。道行く人に気軽に声をかけたり、外で遊ぶ子供たちを見守ったり。まさに、街路と住まいの本来の関係がそこにはあります。
マンションのオープンスペースを、単なる庭や森とするのではなく、街路をレイアウトするという発想。それはなによりも人と人とのつながりを大切にしたかったからに他なりません。毎朝、街路を通って出勤する。夕方、子供たちが街路を通って帰ってくる。都会では希薄になってきた意識が、そんな日常を通してよみがえってくるはずです。

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