マンション購入ガイド

2017.04.14

Question

すまい給付金って何?そのメリットって?

住宅の購入について考えています。政府が行っている給付金制度「すまい給付金」について詳しく教えてください。「すまい給付金」を申請するためには制限などがあるのでしょうか?また、申請時に用意するものや期間があれば教えてください。

Answer

「すまい給付金」の受給資格・金額・対象となる住宅には制限があります。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

もう消費税アップに焦らないですむ!「すまい給付金」って何?

憧れのマイホーム。「家を買うといいことありそう…」と思う方は多いですよね。
住宅ローン減税や現金でもらえる「すまい給付金」もあり、マイホーム購入を前向きに考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この「すまい給付金」とは、消費税率の引上げによって家を買う人の税負担が重くなるのを、少しでも減らすためにつくられた制度(平成26年4月以降の引渡し物件から平成33年12月までの入居が対象)です。

国土交通省のパンフレットをみると、すまい給付金の案内として「最大30万円」と大きく出ています。
この30万円とは、消費税率が8%の時の給付額の上限で、今後消費税率が引き上げられると変わります。

今まで、何を購入するにも「消費税が上がる前に」という、駆け込み購入がよく見られました。特に、住宅のように何千万円もの大きな買い物では、数パーセントの違いはかなり大きい金額になりますね。

この「すまい給付金」によって、
・消費税率が8%の時は、収入額の目安が510万円以下の方を対象に最大30万円
・消費税率が10%になったら、収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円
給付されることになっています。

つまり、一定範囲内の収入の方に対しては、消費税が上がってもその負担を軽減できるように給付額が増えることがわかりますね。

「すまい給付金」はどんな人がもらえる?

「すまい給付金」は、以下の4つの条件を満たした方が受け取れるものです。

(1)住宅を取得して所有し、登記上の持分があること
(2)その住宅に自身が居住していること
(3)収入が一定額以下であること
(4)住宅ローンを利用しない場合は50才以上であること

もう少し詳しくみてみましょう。

(1)・(2)仮に別居の父親が資金を出したとして、頭金として持分を共有した場合でも、居住しているという条件を満たさないため、「すまい給付金」を受け取ることはできません。

(3)「収入が一定以下」という条件があるのは、「すまい給付金」は所得税・住民税が軽くなる「住宅ローン減税」の恩恵を十分に得られない年収の方に、「住宅ローン減税」とあわせて負担を軽くするためのものだからです。

(4)住宅ローンを利用する人は年齢関係なく「すまい給付金」を受け取れます。しかし、住宅ローンを利用せず現金で住宅を取得した人は、「住宅を引き渡された年の12月末時点で50才以上の方だけ」が対象になるので注意が必要です。例えば、夫が住宅ローンを組んで、妻が頭金を出して、住宅を購入した場合、夫は「すまい給付金」を受け取れますが、妻が50歳未満の場合は、残念ながら受け取ることができないのです。

「すまい給付金」はどれくらいもらえる?

「すまい給付金」は最大30万円と言われますが、以下の式で計算されます。

「すまい給付金」= A:給付基礎額(10万円~30万円) × B:持分割合

A:給付基礎額(10万円~30万円)について
この給付基礎額は収入が少ない人ほど高く設定されています。
この収入とは、一般的な年収を元にするのではありません。実は、扶養家族の有無や医療費などによって、各家庭の実際の負担は変わってくるからです。それらを反映できるように、諸経費や扶養控除を差し引いた後の「課税所得」と連動するよう、収入については、都道府県民税の所得割額で決められています。

B:持分割合について
不動産の登記事項証明書(権利部)で確認され、1人で所有している場合は100%、複数で共有している場合は、その持分割合が反映されます。

例えば、複数で持分を共有して住宅を取得したHさんの場合、以下のようになります(消費税8%の場合)。

■Hさん(会社員 年収450万円、住宅ローンあり、持分80%)
⇒給付基礎額20万円×持分割合80%=給付額16万円

■Hさんの妻(収入なし、頭金を出して、持分20%)
⇒Hさんの妻が50歳以上なら、給付基礎額30万円×持分割合20%=給付額6万円
⇒Hさんの妻が50歳未満なら、給付額0円

取得する家にも条件がある?

「すまい給付金」は、質の良い住宅が増えるよう促す目的もあるので、受け取るためには、住宅の質に関しても一定の要件があります。

新築住宅の場合は以下のようになっています。

(1)人の居住の用に供したことのない住宅であって、工事完了から1年以内のもの
(2)住宅部分の床面積が50㎡以上であること
(3)第三者機関の検査を受けた住宅であること

もう少しく詳しくみてみましょう。

(1)もし、新築分譲マンションでも、実際に購入したのが工事完了から1年を経過した後だった場合は、どうなるのでしょうか?
その場合、中古住宅の給付要件としてチェックされ、住宅性能表示を利用している住宅など売買時に検査を受けていることや、売主が宅地建物取引業者であることが求められます。

(2)床面積について、マンションでは「住宅ローン控除」の要件と同じように、契約書等に記載される壁芯寸法(壁の中心線)による面積ではなく、壁の内側を囲む内法寸法による面積なので、しっかり確認することが大切です。

(3)住宅ローンを利用するケースでは、住宅瑕疵担保責任保険へ加入した住宅または住宅性能表示制度を利用した住宅など施工中に検査を受けている住宅が対象です。また、住宅ローンを利用しないで現金で購入される場合、フラット35適合証明が必要です。

「すまい給付金」はいつまでに申請し、いつ頃受け取れる?

なお、こうした「すまい給付金」を受け取るには、住宅の引き渡しを受けてから1年以内(当面は1年3か月以内)に申請することが必要です。

具体的には、給付申請書や確認書類を「すまい給付金事務局」へ郵送するか、「すまい給付金申請窓口へ持参することで手続きが可能です。

申請は、持分のある1人1人が手続きをすることになりますが、複数で共有している場合は「まとめて申請」という仕組みを利用して、重複する確認書類の一部について提出を省略することもできます。

申請書類を提出し、約1.5か月から2か月程度で、「すまい給付金」が振り込まれる予定です。追加の家具や調度品調達の資金にできそうですね。

このように「すまい給付金」は本来、住宅購入時の消費税の負担増を少しでも軽くする目的で利用できる制度です。これからも消費税アップのタイミングを極度に気にすることなく、まずはご自身のマイホーム取得プランに向けてしっかり考えて準備をしてくださいね。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP(r)認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。