マンション購入ガイド

2017.04.14 更新:18.07.31

Question

住宅購入をもっとお得に!気になる「すまい給付金」の全て

住宅の購入を検討しています。「すまい給付金」という現金給付制度があるのを知りました。どのような制度なのでしょうか?教えてください。

Answer

平成26年4月から消費増税による負担を軽減するために創設した制度。申請して受け取れる額は、最大で30万円です。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

そもそも「すまい給付金」って?

新築マンション購入は、その後の生活をがらりと変える、人生においてとても大きな買い物。かかるお金も高額ですよね。そんな負担を少しでも軽減できる制度が、この「すまい給付金」。
人によっては最大30万円を受け取れることもありえるこの制度を、分かりやすくご紹介していきます。

消費税の負担を、軽減してくれる制度
2014年、消費税が5%から8%に引き上げられました。2019年の10月には、10%に引き上げられる可能性があり、消費者の負担も年々増えていくことが予想されます。そんな住宅購入にかかわる消費税負担の増加分を軽減するために設けられたのが、すまい給付金制度です。

給付金は、10万~30万とある程度まとまった額。実施期間としては、は平成26年(2014)~平成33年(2021)の12月を予定していますので、この期間にマンションを購入し入居される、もしくはされた人は、ぜひチェックしておきましょう。

また、よく混同されてしまう、住宅ローン控除(住宅ローン減税)との違いについてご紹介します。
そもそも、住宅ローン減税は、支払っている所得税(所得税から引ききれなかった場合は住民税)から控除されるもの。つまり、収入(所得)が低い人ほど、この住宅ローン減税の恩恵が受けづらくなっているのが現状です。
一方、すまい給付金は、消費税の負担軽減のために設けられた制度ですが、住宅ローン減税の恩恵を十分に受けられない収入層に対して、住宅ローン減税とあわせて利用できるようになっています。よって、すまい給付金は、収入によって給付される額が変わるのが特徴です

すまい給付金はどんな人が受け取れるの?

気になるのは、すまい給付金を受けられる対象者の資格ですよね。最近住宅の購入をした、もしくはする予定はあるけれど、自分は条件を満たしているのか?そもそも条件って?

すまい給付金の対象となるには大きく2つ、対象者自身の要項と、対象住宅の要項を満たすことが必要となります。

あなたはすまい給付金を受け取れる?その1:対象者の要件
給付金を受け取れるのは以下の項目を全て満たしている人になります。

(1)住宅を所有している(不動産登記上の持分保持者)
(2)購入した住宅に住んでいる(住民票において、住んでいることが確認できる)
(3)収入が一定以下である(詳細については、『すまい給付金ってどれくらいもらえるの?』にて後述)
(4)住宅ローンを利用している(利用していない場合は、年齢が50歳以上であること)

項目のなかでも、特に注意したいのは、(3)の収入の部分。
よく見かけるネット記事には、年収が510万以下であるという記述も見られますが、あくまでもそれらは目安であり、家族構成やそのほかの状況によっても、この部分は大きく変わっていきます。

さらに50歳以下の人ですまい給付金を申請する場合は、(4)のように、住宅ローンを利用していることが条件になります。すまい給付金上における住宅ローンの定義は、以下のとおりです。

・自分が住むために購入する住宅の借入金であること
・期間が5年以上の借入金であること
・金融機関等からの借入金であること
※親戚や知人からの借入金は、ローンの条件を満たさないので注意しましょう。

あなたはすまい給付金を受け取れる?その2:対象住宅の要件
すまい給付金を受け取るには、対象者としての条件を満たす以外にも、住んでいる住宅の種類や条件によっても違ってきます。こちらでご紹介します。

(1)住宅の購入に際して、引き上げ後(8%)の消費税が適用されていること
(2)床面積が50m2以上であること
(3)住宅の品質について、第三者機関からの検査を受けていること

ここで注意したいのは、新築住宅か、中古によって、給付の要件がそれぞれ異なること。
中古(再販)住宅を購入した場合は、売り主が宅地建物取引業者であること(売買契約書の売主が宅地建物取引業者であること)が必要です。
よくある個人間売買によって購入した中古住宅においては、もともと消費税がかからないので、消費税の負担軽減が目的のすまい給付金も対象外となります。

また前述したように、住宅ローンを利用していない場合は、50歳以下の方はすまい給付金の申請はできません。

すまい給付金でもらえる額を算出するにはどうすればいい?

すまい給付金の申請条件のひとつに、収入が一定以下であるという条件があります。
購入した住宅の価格ではなく、実はこの申請者の年収によってすまい給付金の金額が決まるので、とても大事な部分といえます。

ここでは、年収がいくら以下であれば条件を満たせるのか、また、いくらもらえるのかを、計算式や具体例などを交えてご紹介していきます。

受け取れる給付金の額は、住宅取得者の収入及び不動産登記上の持分割合で決まります。計算式では「給付基礎額×持分割合」で求めることができます。
給付基礎額、持分割合など、それぞれ聞きなれない言葉かと思います。言葉の意味について、解説していきましょう。

●給付基礎額
給付基礎額とは、都道府県民税の所得割額をもとに決められています。
給付基礎額の元になるこの所得割額は、年間の収入から、給与所得控除を差し引いて所得金額を出し、さらに基礎控除・扶養控除・社会保険料控除などの所得控除を差し引いた課税所得額に対し、都道府県民税の税率(政令指定都市以外は4%)をかけて算出されます。

この給付基礎額によって、消費税が8%時の際は、すまい給付金が10万,20万,30万に設定されています。

2019年以降の消費税が10%になれば、すまい給付金が10万~50万と、最高額が増えるようになります。

●持分割合って?
持分割合とは、住宅(不動産)の名義を、誰がどれくらいの割合で所有しているかを示す言葉です。
夫婦で住宅を購入する際は、それぞれ頭金や住宅ローンの負担額に応じて割合を決めて登記をするのが一般的です。

なので、夫婦でペアローンなど住宅ローンを組んでいるところでは、夫と妻、それぞれが給付金の申請をすることが可能になります。その場合のすまい給付金の求め方は、各人の収入によって算出します(後述参照)。

収入の確認をしよう
給付基礎額を知るには、自分の収入を確認しておく必要があります。
収入にかんして、給付申請に必要なのは個人住民税の課税証明書(「課税証明書」)。これによって証明される都道府県民税の所得割額で給付基礎額を確認する必要があります。そのため、手続きの際は必ず引越し前の住宅の所在する市区町村発行の課税証明書を入手するようにしましょう。課税証明書は、毎年5~6月頃に当年度分の発行が開始されます。

なお、あらかじめどのくらいもらえるのか目安を知るための試算であれば、自分の収入について、源泉徴収票や支払調書、給与明細書を確認するとよいでしょう。試算は次のコーナーでご紹介します。

シミュレーションで算出しよう
すまい給付金額を計算するにあたって、ツールで簡単に計算することも可能です。
こちら(簡易版)では、①購入時の消費税率、②持分割合、③住宅ローン利用の有無、④年収、⑤扶養家族の人数、の5項目を入力するだけで、給付金を計算してくれます。ぜひ活用しましょう。

すまい給付金はこちらのシミュレーションで簡単に算出ができます!

具体的に見たい!すまい給付金はどれくらいもらえるの?

具体的に、すまい給付金はどれくらいの収入があれば、いくらもらえるのか気になりますよね。住宅ローンの有無、持分割合や扶養家族の人数などを反映した一例をご紹介します。

●Aさんの夫(40歳)の場合(住宅ローン利用あり)
消費税率:8%時
住宅の持分割合:80%
所得割額:450万円
扶養家族:一人(子)

給付基礎額は20万円×持分80%=給付額は16万円。

●Aさんの妻(35歳)の場合(住宅ローン利用あり)
消費税率:8%時
住宅の持分割合:20%
所得割額:300万円
扶養家族:なし

給付金額は30万円×持分20%=給付額は6万円

すまい給付金はどうやって申請すればいいの?

自分に給付金の申請資格があることが分かった後は、いよいよ申請です。
申請までの流れは、必要種類の入手、記入→申請(窓口への提出もしくは郵送)となります。
ここでは、項目ごとに手順や、申請から着金までにかかる期間をご紹介していきます。

[ 1 ]必要書類を取り寄せよう
申請に必要な書類はさまざまあり、新築や中古、ローンの有無によっても変わっていきます。
契約時に受け取った書類などは、確実に把握できる場所に保管しておきましょう。

●共通で必要なもの

必要なもの 取得場所
すまい給付金の申請書 国土交通省のすまい給付金サイト
住民票の写し 市区町村役場の窓口
http://sumai-kyufu.jp/download/
建物の登記事項証明書・謄本 法務局への交付請求
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/online_syoumei_annai.html
個人住民税の課税証明書
(または非課税証明書)
市区町村役場の窓口
工事請負契約書または不動産売買契約書のコピー 不動産業者を通じて契約時に受け取る
振込先口座が確認できる書類 銀行の通帳のコピー
売買時等の検査実施が確認できる書類 検査機関が発行(新築・中古、ローン有無などで申請書が異なる)

●新築で必要なもの

必要なもの 取得場所
住宅瑕疵担保保険法人検査実施確認書 検査機関が発行

●中古で必要なもの

必要なもの 取得場所
中古住宅販売証明書 売主(宅地建物取引業者)

●ローンを利用している場合に必要なもの

必要なもの 取得場所
住宅ローンの金銭消費貸借契約書のコピー 住宅ローン借入先(金融機関等)

●ローンを利用している場合(新築のみ)に必要なもの

必要なもの 取得場所
フラット35S基準の適合が確認できる書類 適合証明書の交付を行う適合証明機関

[ 2 ] 申請をしよう
すまい給付金の申請は、住宅の引き渡しから約1年以内(2018年現在は1年3か月に延長)が申請期限になっていますので、注意してください。

申請の方法は、すまい給付金事務局に書類を郵送、もしくは全国のすまい納付金申請窓口に持参する2パターンがあります。窓口の場所は、国土交通省によるすまい給付金サイトを参照するとよいでしょう。

すまい給付金申請窓口はこちらで確認

また、申請してから審査が入り、実際に着金となるのは、目安として2~3カ月ほど。余裕をもって準備を進めることをおすすめします。

まだまだある!住まいにかかわる補助金&軽減制度

すまい給付金以外にも、住宅購入にかかわる補助金、減税制度はまだまだあります。少しでも当てはまりそうなものがあれば、ぜひチェックを!

住宅ローン控除
確定申告(会社員は2年目以降年末調整される)を行うことで、収めている所得税等から一定の額が控除される制度。
年末に残っている住宅ローン残高の1%分を限度として、10年間にわたって所得税(所得税から引ききれなかった場合は住民税)から控除されます。消費税8%時に住宅を購入すると、最大で年間40万、10年合計で400万(一定の基準を満たした認定住宅の場合、最大で年間50万円、10年合計で500万円)が戻ってくる仕組みです。
新築住宅、中古住宅、リフォーム住宅など、それぞれ基準があるので、すまい給付金と一緒に、確認したい制度のひとつ。

住宅ローン控除は、すまい給付金との併用も可能です。それぞれ申請と審査が必要で、要件も変わってくるので、確認をしてみてください。

特に、併用できるとはいえ、すまい給付金は年収が低い方が有利な制度であるのに対し、住宅ローン控除は、所得税が多く、住宅ローンも多い人の方が金額の多くなる制度です。根本的に計算方法が違い、特に収入基準が全く違うので、誰でも併用できると楽観は禁物。必ず、要件を確認して、すまい給付金は、収入の明細をもとにシミュレーションをされることをおすすめします。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP(r)認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。