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2018.03.30

Question

間近に迫る東京五輪!「選手村」、五輪後はどうなるの?

2020年の東京五輪が近づいてきましたね。都内ではさまざまな場所で五輪に向けた準備が進められているみたいです。その中でふと気になったのですが、選手が宿泊する「選手村」は五輪閉会後どうなるのでしょう?せっかく建てた宿泊施設なので、壊してはもったいないと思います。東京五輪の選手村について教えてください。

Answer

東京都の整備計画により、最先端の「持続可能な成熟都市のモデル」へと変貌することが発表されています。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

選手村って?どれくらいの規模で建設されるの?

韓国平昌で開催された冬季五輪もついに閉幕。多くの感動を届けてくれた大会となりました。次回はいよいよ2020年の東京五輪。夏季大会としては前回の東京五輪(1964年)以来56年ぶり、冬季を含めても長野五輪(1998年)以来22年ぶりの日本での開催となります。自国開催ともなれば、より身近に新たな夢と感動を届けてくれると、期待も増しますよね。

さて、今回はその東京五輪の選手や役員など参加者が期間中滞在する「選手村」についてお話ししたいと思います。現在建設が進んでいる選手村は東京五輪後どうなるのでしょうか?選手村の使い道についてご紹介していきましょう。

村規模の大建設!?五輪選手村
選手村とは、ご存知の通り選手および役員が開催期間中滞在する宿泊施設のことです。この選手村、「村」といっても、大会期間中に選手や役員など利用する人数は膨大になります。今回の平昌冬季五輪では、約3,500人が滞在する選手村が作られました。

一方、夏季五輪は、冬季五輪よりも参加者の数が多く、その規模は「村」というよりは1つの「街」を作ることに匹敵するでしょう。先のリオデジャネイロ五輪では、17,000人もの利用を想定して選手村が作られたようですよ。

1964年五輪後、選手村は公営住宅等に
そんな大掛かりな選手村の建設はその準備も大変。膨大な費用と時間をかけて作り上げた「村」のその後の利用方法については、世間の大きな関心事の1つではないでしょうか?

前回開催の東京五輪では、東京都渋谷区代々木神園町に「代々木選手村の集合住宅」を建設し、翌1965年、改修を経て現在の国立オリンピック記念青少年総合センターが開業しました。冬季五輪の会場となった札幌と長野の選手村は、現在はそれぞれUR賃貸、公営住宅として利用されているようです。

現在建設が進む東京五輪の選手村

2020年開催の東京五輪の選手村については、東京都がその計画を以下のように公表しています。※1

建設予定地 :東京都中央区晴海5丁目地内
最寄り駅 :都営大江戸線「勝どき駅」下車徒歩約10分
建設工事着手日 :平成29年1月
開発面積 :約18ヘクタール

現在も建設中の開発敷地内は、特定建築者(施設建築物の建築の実施者)によって整備され、基盤整備工事のほか、幹線道路の延長や4路線の道路の整備、住宅の建設が進められています。※2

住宅については、50階建ての高層棟2棟、14階~18階建ての板状棟22棟で、合計約5,650戸が建設される予定になっています。区域内は5-3街区、5-4街区、5-5街区、5-6街区、5-7街区と5つの街区に分かれており、5-3街区から5-6街区までが住宅棟、5-7街区が商業棟という構成になっているようです。

平成31年12月には五輪に必要な部分の整備は完了する予定となっており、大会終了後には改修工事に着手。平成36年度内に開発事業として当該地区の整備を終えるとされています。

建設の進捗状況やスケジュールについては東京オリンピック・パラリンピック事務局ホームページや、東京都都市整備局ホームページより公表されておりますのでご参考にしてください。

※1出典: 東京オリンピック・パラリンピック事務局ホームページ
(https://www.2020games.metro.tokyo.jp/taikaijyunbi/torikumi/facility/kankyou/hyoukasho_ariakearena/index.html)
※2出典: 東京都都市整備局ホームページ
(http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/daiichiseibi/chiku/harumigo/kawara.html)

将来、「環境先進都市東京」へ変貌する選手村

ここまで、簡単な選手村の整備計画の概要についてお話ししました。概要の規模を見ればわかる通り、本当に1つの新しい「街」が都心部と目と鼻の先にできあがります。

東京都オリンピック・パラリンピックホームページ内では、東京の都市づくりビジョンとして「世界の範となる魅力とにぎわいを備えた環境先進都市東京の創造」を掲げ、建設される住宅は一般的な住宅だけでなく、サービス付き高齢者向け住宅、若者向けシェアハウス、外国人向けサービスアパートメント等が計画されています。世代や国を越えた居住者を想定しているようですね。
大会後の整備では居住者の子どもの通う学校の建設や晴海ふ頭公園の再整備も挙がっています。

次世代型エネルギーを活用
住宅のほか、最先端設備や都市構想も進んでいます。例えば、エネルギー。
水素ステーションや次世代型燃料電池の利用など、水素社会の実現を目指し、再生可能エネルギーを活用したエネルギーマネジメントを実施する予定のようです。
併せて、住宅の分譲棟にも家庭用燃料電池の採用も計画されています。

新たな都市交通の導入
さらに、これらのような新たな都市交通も導入予定。
・BRT(Bus Rapid Transit:バス専用レーン)の設置
・マルチモビリティステーション(BRT発着ターミナル、カーシェアとシェアサイクルの共通ポート)の整備
・水上交通の社会実験も兼ねた船着場の利用

次世代の都市交通のモデル都市を目指しているのでしょう。

ユニバーサルデザインの街づくり
また、世代や国を越えた居住者を想定ということを先にお伝えしましたが、子どもから高齢者の方はもちろん、障害を持つ方や外国人の方など、全ての人に優しい都市を目指しています。

施設や設備といったハード面のバリアフリーや、言語の壁をなくすサイン表示などのソフト面でのバリアフリー(それら2つの概念を併せて「アクセシビリティ:accessibility」と呼ぶ)を実現させていくとされています。

2020年の東京五輪という国家規模のイベントにあわせ、日本を代表する民間デベロッパーが集結して開発される選手「村」から最先端の「街」へ変貌する晴海地区。
「持続可能な成熟都市のモデル」として、大会終了後も要注目ですね。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。