マンション購入ガイド

2017.05.31

Question

史上最低金利とは?住宅ローン金利の推移はどうなっているの?

「今は史上最低金利」という話をよく聞くので、マンション購入のチャンスなのかなと考えています。実際、今は住宅ローンを借りるのにいいタイミングなのでしょうか?そもそも、なぜ今はこんなに金利が低いのですか?住宅ローンの金利について、今までの推移も踏まえて教えていただきたいです。

Answer

日本では現在景気対策のために金利が低く設定されています。住宅ローンを借りるにはいいタイミングと言えますが、焦らずご自身の気に入る住宅を見つけることが大切です。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

住宅ローンの金利とは?

住宅ローンの金利、預金の金利など、世の中にはいろいろな金利がありますよね。

金利とは、お金の貸し借りの際に元本(借り入れる額)の他に上乗せされる利子(利息)のことです。この利子がいくらかを計算したものが金利です。

金利は基本的に「1年間で元本に対して何%の利子が発生するか」という年率で表されます。

利子の仕組み
私たちが銀行などからお金を借りる際は、その借りた額や期間などの条件に応じて、利子を支払う仕組みになっています。

逆に、私たちが銀行に預金した場合、銀行から預金者に対して利子が支払われます。

銀行にとって、貸した先から受け取った利子と、預けてくれた人に払った利子の差額が儲けになるので、貸し出すローン金利のほうが、預金金利より高めになっているわけです。

このような利子付きの貸し借りは、なんと今から約4000年もの昔、メソポタミア文明の象徴と言われるハムラビ法典に明記されていたというから驚きですよね。当時の利子は大麦や銀などでのやりとりでしたが、貸し借りの歴史は古く、利子や金利の計算も私たち人間の暮らしに浸透していたんですね。

住宅ローン金利の決まり方とは?

住宅ローンも種類によって、いろいろな金利があります。一般的には、毎月第一営業日に各金融機関が、ローンの種類別ごとに適用される金利を発表しています。

変動金利型の住宅ローン金利
よく見かける変動金利型の住宅ローンは、半年ごとに金利が見直されます。 これは「短期プライムレート」といわれる、各金融機関が貸出期間1年以内の融資をする際の最優遇金利をもとに金利が決められています。

各金融機関の店頭で表示される変動金利の基準金利は、この「短期プライムレート+1%」で決められるのが一般的です。

短期プライムレートの金利は日本銀行(以下、日銀)の政策金利を見ながら決められます。
「短期プライムレート」というと、「短期」という言葉から金利が頻繁に変わるというイメージがあるかもしれませんが、ここ数年はずっと1.475%となっています。(※2017年5月現在)

固定金利型の住宅ローン金利
一方、フラット35など長期固定金利型の住宅ローンは、長期金利をもとに決められています。
長期金利とは、新規発行の10年国債の金利を指します。こちらは10年国債の需要と供給のバランスによって日々変わっています。しかし、2016年9月からこの長期金利に対しても、政策金利として日銀がコントロールする方針が出されています。

なお、日銀の政策金利は、景気が悪いときには金利を下げ、銀行が企業へ低い金利で融資できるよう誘導し、景気を調整するためにコントロールされています。

「史上最低金利」とは?なぜこんなに低いの?

支払う側からすると、金利は低いほうがありがたいものですよね。

その金利が「史上最低」「過去最低」と言われています。日本では景気回復のために、しばらく低金利政策やゼロ金利政策がとられてきました。

マイナス金利政策で長期金利が低下
さらに、2016年1月に導入された日本銀行のマイナス金利政策は、「金利はプラスが当然」という今までの常識を覆す内容で、それによって住宅ローンの金利も更に下がり、2016年の夏には多くの金融機関で史上最低の金利を更新しました。

マイナス金利とは、お金を預けるときに利子がつくのではなく、逆に手数料のように支払うことを指します。

この政策によって、銀行は日本銀行にお金を預けると、利子を支払う負担が増えることになりました。そこで、銀行は低い金利でも他への融資を増やしたり、国債を購入する方がよいと考えました。

その結果、国債の金利が下がり、長期金利の低下を招き、それが長期固定金利型を中心とした住宅ローンの金利引き下げへとつながっていったのです。

短期金利のみでなく、長期金利も政策金利の対象に
なお、2016年の9月には、物価の安定的な上昇を目指して、日銀は今までの政策を強化する形で、短期金利に加えて長期金利も政策金利としてコントロールする方針を出しました(長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策)。

金融政策決定会合では期間10 年の国債金利が0%程度で推移するように国債の買い入れ額を調節しています。

これらが史上最低の金利を生み、今も低い金利が続いている背景です。

銀行どうしの金利引き下げ競争も低金利の要因に
こうした流れの中で、銀行どうしの激しい金利引き下げ競争が続いていることも、低い金利の要因と言えます。

住宅ローンは金融機関にとっては、何十年もの間にわたってお客様を確保できる大きな柱です。そのお客様を新規に獲得するためにも、各金融機関が店頭の基準金利から更にいくらか差し引くという金利引き下げ競争にしのぎをけずっているのが現状でしょう。

過去の金利はどれくらいだった?

このように、最近は低金利が続いていますが、過去30年くらいを遡ると、金利はどのような推移だったのでしょうか?

過去30年くらいを振り返ると、H2年H3年の頃はバブル経済の真最中でしたので、変動金利で8%前後の時代がありましたが、過去30年程度の平均では3%台に収まると言えます。

長期固定金利は低金利時代に選べば将来も安心
今のような低金利時代に長期間金利が固定される長期固定金利型を選ぶのなら、今の基準で固定されることになるので、将来の金利推移は心配無用になるでしょう。

変動金利は将来の金利上昇の可能性を考慮
一方、変動金利型を選ぶ場合、仮に当面は変化がなくても、今後20年~30年という返済期間中には金利が上昇へと変わる可能性があることを忘れないでくださいね。

今は住宅ローンの借り時?

住宅ローンの金利だけを見て「借り時かどうか?」と聞かれたら、やはりこれだけの低金利で長期間借りられるのは大きなメリットなので、借り時と言えるでしょう。

焦らずに納得できる住宅を購入しよう
とは言え、住宅ローンはご自宅を購入するための手段の一つにすぎません。
「住宅ローンの金利が低いから」あるいは「住宅ローンの金利が低いうちに…」と焦って住宅を購入しても、その後ですぐに住居を変えるような事態になっては本末転倒です。

目的は、やはり私たち自身が幸せを感じられる、すてきな住まいを確保することにありますよね。ですから、まずは誰とどのような住まいに暮らすのかをしっかりと整理し、そこでワクワクと生活しているビジョンを明確にすることが大切です。

それがあるからこそ、住まいという大切な拠点を確保するための住宅ローンを、効率よく最大限活かすことができるようになると思います。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP®認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。