マンション購入ガイド

2017.06.16

Question

マンション購入の予算の決め方とは?

そろそろうちもマンションを…と考え物件サイトを見ているのですが、まず予算の決め方がよくわかりません。素敵なマンションを購入したいけれど、将来支払いが苦しくなると困るし…。マンションを購入する際の、予算の決め方について知りたいです。

Answer

年収から計算される一般的な融資可能額ではなく、自分が返せる借入額と頭金をもとに予算を決めましょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

マンションを買いたいと思ったときに、「自分はいくらのマンションなら買えるの?」と思うことは多いでしょう。

そんなとき、「銀行などの金融機関がいくらまで貸してくれるか?」という融資可能額から決めてしまうと、思わぬ落とし穴にハマってしまうことがあります。

家は購入してからが本番。新しい生活がスタートしてから、「なんだか生活が苦しくなってきた…」なんてことのないように、あらかじめ自分たちの暮らしに合ったプランで予算を考えましょう。

無理のない借入額とは?

自分の生活スタイルや家計の現状から考える
まずは自分たちの暮らしに目を向けて、今後の住宅の維持コストを考慮し、「住宅ローン返済にあてられるお金がどれくらいあるか?」という視点から無理のない借入額をチェックしてみましょう。

(1)家計から住宅費にあてられるお金を洗い出す
家賃や社宅費など、現在毎月支払っている住宅費から、以下のように、住宅費にあてられるお金を洗い出してみましょう。

仮に社宅などで住宅費負担が低い場合でも、住宅購入の頭金などのために積み立てに回してきた月額がある場合は、購入後の住宅費に含めることができます。

家計から住宅費にあてられる月額 (例)
今の家賃(毎月負担額) 10.0万円
今まで住宅用に積み立てしてきた月額 3.0万円
合計(A)13.0万円 13.0万円

(2)住宅購入後にかかる維持コストを調べる
次にチェックしたいのは、購入後に住宅ローンの他にかかる維持コストです。

(1)で挙げた月額をまるまる住宅ローンに回してしまうと、購入後の家計負担が膨らみ、生活のゆとりがなくなってしまうことがよくあります。購入後の維持コストを忘れないように注意しましょう。

マンションであれば、
・住みたいエリアのチラシなどで周辺の相場を見る
・マンション販売の担当者に聞く
などをすると、購入後にかかる大体の維持コストを把握することができます。

マンション購入後にかかる固定資産税の相場がわからない場合は、目安として約月1~2万円を見込んでおくとよいでしょう。

固定資産税についてはこちらの記事「マンション購入後にかかる固定資産税とは?」で詳しく説明しています。

マンション購入後にかかる維持コストの月額 (例)
マンション管理費+修繕積立金 1.5万円
固定資産税 年間分を月割 1.5万円
合計(B) 3.0万円

以上の(A)(B)から、毎月無理なく返済できる住宅ローンの月額(C)を求めます。

(A)‐(B)=(C) (A)‐(B)=(C)13万円‐3万円=10万円

つまり、上記の例の場合、およそ月10万円が、(C)住宅ローンの毎月返済額の目安といえます。

(3)ローンシミュレーターで無理のない借入額を算出する
住宅ローンについて、上記で求めた(C)毎月返済額をもとに、(D)自分にとって無理のない借入額を求めることができます。

借入額を求めるには、以下のようなローンシミュレーターなどを使うと便利です。
住宅ローンシミュレーション「月々の支払額から計算」

ローンシミュレーションで、頭金をゼロに設定すると、借入額=物件価格となります。

ボーナスがある方は、ボーナスから無理のない金額(ボーナスの2~3割)を住宅ローン返済にあてることもできます。

今回は例として
・ボーナス返済なし
・最近の金利傾向として1%程度
・働いて定年までの期間として35年
で試算すると以下のようになります。

(C)無理のない毎月返済額 10万円
(D)自分にとって無理のない借入額
(金利1%、ボーナスなし、期間35年で試算)
3,545万円
金融機関でいくらまで借りられる?

ここまでで、無理のない借入額がわかりました。

これに対して、銀行など金融機関が「いくらくらいまで貸してくれそうか?」について、金融機関の一般的な審査基準から見てみましょう。

自分ではちょうどいいと思うローン額が決まっても、その金額自体が金融機関の融資可能水準かどうか、目安がわからないと机上の空論になってしまいますよね。

そこで、年収による返済能力面から簡単にチェックできる一般的な融資限度額を見てみましょう。

融資限度額の試算方法
試算に必要な項目は、以下のような内容です。
・年収(会社員は前年度年収、自営業者は確定申告の課税所得)
・金利(一般的な審査用金利の目安は4%、詳細は金融機関によって異なる)
・返済期間(45歳までの方は、最長35年までOK、期間が長い方が借入可能額は増える)
・返済方法(一般的にどの金融機関でも扱っている「元利均等」を選択)
・他の借入額(住宅ローン以外に車のローンや教育ローンなどがあれば入力)

銀行のHPでも各種のローンシミュレーションはできますが、住宅金融支援機構のフラット35のページ内の「年収から借入可能額を計算」※を利用すると、以下のような試算結果になります。

「元利均等」方式での試算 (例)
年収 年収 650万円
金利(審査用) 4%
返済期間 35年
他の借入額 なし
(E)借入可能額・融資上限額の目安 4,281万円

この(E)借入可能額は、あくまで年収という数字で、金融機関による融資可能額をざっくりと概算で試算したものですので、この数字だけで予算を決めてしまうのは要注意です。

ご自身の考えるライフスタイルや家計支出から見た無理のない借入額が、現実的に借入可能かどうかを見るための数字としてお考えください。

マンション購入の予算の決め方とは?

「無理のない借入額+頭金=物件予算」と考える
以上の例から、将来的に無理のない住宅ローンの借入額(D)3,545万円が、年収から見た借入可能額(E)の範囲内と確認できました。

後は、どれだけ自己資金の中から頭金をプラスできるかで、物件予算は決まってきます。
・ご自身の貯蓄
・夫婦の貯蓄
・両親などからの資金援助
を含め、いくらくらいをマンション購入に向けて準備できるか、整理してみましょう。

そして、自己資金の中から、諸費用(物件価格の5%程度)を除いて、物件購入にあてられる頭金の金額を求めてみましょう。

仮に頭金を700万円とすると、物件予算は、以下のように求めることができます。

(D)自分にとって無理のない借入額
(金利1%、ボーナスなし、期間35年)
3,545万円
(F)頭金 700万円
無理のない物件予算(D)+(F) 4,245万円

つまり、(D)の無理ない借入額をベースに、(F)の頭金を上乗せして、物件予算を求めると、将来的に安心して暮らしていけるマイホームを実現できるといえます。

頭金をできるだけ早く増やしたい場合は、ご両親などに相談して、資金援助を賢く活かす方法もありますので、こちらの記事「マンション購入にうれしい住宅取得資金贈与の特例とは?」もご参考ください。

※フラット35「年収から借入可能額を計算」
http://www.flat35.com/simulation/simu_03_2.html

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP®認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。