櫻井幸雄の人生相談

2017.12.25

Question

夢見がちな夫、ルーフバルコニーや最上階。予算に合わない部屋ばかり気に入ります。

櫻井先生、こんにちは。
今住んでいる賃貸マンションの更新を機に、分譲マンションの購入を考えています。
現在は夫と2人で賃貸マンションに住んでいますが、来年出産を予定しており、「夢のマイホームを!」とモデルルーム見学を始めました。

夫が積極的に物件を探してくれ、その気持ちはありがたいのですが、夫が見つけてくる物件は予算に見合わないようなものばかり…。これから始まるマイホーム生活や子どもとの生活を考えると、あれもこれもと欲が止まらないようです。

もう少し堅実に、自分たちの収入に見合ったマンション探しをしてほしいのですが、どうしたらいいのでしょうか…?
(26歳パート妻)

自分の予算のことを考えず、夢のような住まいの写真やホームページばかり見ている……これは、誰でも一度は経験することです。夢の住まいを見て、こんなところに住めたら素敵、などと考えますが、価格見て、目が覚める。そう、普通は「買えもしない家のカタログを見ても仕方ない。それより、自分の予算で買える家は?」と現実に戻るものです。

ところが、ご主人はなかなか現実と向き合おうとしないのですね。
質問を受けた時、以前に回答した「なかなか買う気になってくれないご主人」と同じ傾向かなと思いました。しかし、ご質問のご主人は、飽きもせず予算に合わない部屋ばかり気に入っているようです。
これは、「買う気にならないご主人」とはタイプが異なります。「買いたい」という気持ちはしっかりあるのでしょう。ただ、目が向いている方向が上(高級)すぎるのが問題なのです。

マイホーム探しをする時、「立地から絞り込む」人が大勢います。自分は、都心に住みたい、私は神奈川県で海のそばがよい、などと、自分にとって好ましい立地条件を設定するわけです。私が知る限り、マイホーム購入者の大部分が、この立地優先で物件を探し始めます。

ところが、ご主人はそうではないようです。立地優先ではなく、建物優先の人だと思えます。それに対して、奥さんが立地優先で便利な場所のマンションばかり探してくると、妥協点はみつかりません。というのも、都心に近い場所や、郊外でも駅に近い場所は土地の値段が高くなり、ゆったりした広さのマンションは見つけにくくなるからです。

限られた予算で、そのような便利な場所のマンションを買おうとすると、選べるのは狭い住戸、面白みのない間取りになりがち。しかし、建物重視のご主人は、そんな魅力の薄い住戸には関心を示しません。それで、夢のような住戸、間取りを検索してしまう……そういう状況があるのかもしれません。

解決策として、「駅から離れたマンション」を探すことをオススメします。
郊外で駅から離れた場所、具体的には駅から徒歩10分以上の物件を探すのです。駅から離れたマンションは建物の魅力を上げようとします。駅に近いマンションよりも住戸が広い、バルコニーも大型、住戸内の設備も充実する、というような魅力付けが行われるわけです。駅から離れても商業施設がマンションの近くにあるとか、駅まで居住者専用のシャトルバスを備えるマンションもあり、それなら奥様も生活しやすいでしょう。

そのようなマンションを見つけ、ホームページを見せてみてはいかがでしょうか。ご主人の顔色が変わるかもしれません。

情報提供:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

1984年から週刊住宅情報の記者となり、99年に「誠実な家を買え」を大村書店から出版。以後、多くの著書を送り出し、新聞雑誌への寄稿、コメント出しも精力的にこなす。2000年の文化放送「梶原放送局」を皮切りに、テレビ・ラジオに多く出演。