櫻井幸雄の人生相談

2018.01.22

Question

独身時代に買ったマンション、婚約者が「結婚後も住み続けるの?」と言います。

櫻井先生はじめまして。
現在婚約中の会社員です。婚約者と結婚後の住まいについて意見が割れており、相談をさせていただきます。

私は独身時代に1LDKのマンションを購入しており、結婚後はそのままこの家に住むつもりでいたのですが、婚約者に新居について相談されました。この家に住もうと説得したところ、「新居について一緒に考えたかった。キッチンはもっと広い方がいいし、今後を考えると部屋はもう一つ欲しい。近くに小学校もないし、教育環境も整っていないよ。」と言っています。

確かに彼女の言う通り、子どものことや将来のことを考えると引っ越した方がいいのかなと思うのですが、まだまだローンが残っています…。今、結婚のタイミングで住み替えた方がいいのでしょうか?それとも、子どもが産まれるタイミングに住み替えを考えた方がいいですか?
(38歳会社員男性)

独身時代に1LDKを購入されたのですね。とても良いことだと思います。私は、半年ほど前に「買って得する都心の1LDK」(毎日新聞出版刊)という本を出しました。一人暮らしの賃貸住宅は家賃が割高で8万円から12万円の家賃を払っている人が少なくありません。その家賃相当額をローン返済にまわすと、新築マンションの1LDKを購入できます。その1LDKは、将来、結婚しても決して邪魔にならないので、思い切って買いましょう、と勧めています。

ご質問者は、まさに、その1LDKを購入し、まもなく結婚されるわけです。購入された1LDKは決して邪魔にはなりません。対処法を解説しましょう。

1LDKのあるマンションは便利な場所に立地します。一人暮らしですから、郊外で駅から離れた場所のマンションでは生活がしにくいからです。都心部とか、郊外でも駅に近いなど、便利な場所のマンションに1LDKがつくられます。
便利な場所の1LDKであれば、購入後数年で値上がりする可能性が高まります。特に、2012年から現在までの5年間は、マンション価格が上がっており、「今売れば、買ったときよりも高く売れる」という物件が多くなります。

ご質問者の1LDKも高く売れるのではないでしょうか。買ったときよりも高く売れるのであれば、中古で売却し、その代金で住宅ローンを精算。さらに手元に数百万円が残る可能性もあります。それは、これまで毎月返済してきた分が差額として残るからです。

たとえば、10年前に2500万円の1LDKを2500万円のローンを組んで買ったとします。その1LDKが中古で2500万円の価格で売れた場合、プラスマイナスゼロのようですが、実際はそうではありません。10年間でローンの残高は減っているからです。10年間の返済で500万円以上減っているはず。すると、2000万円で住宅ローンを返済した後、500万円程度の現金が手元に残ります。これを、次に買うファミリー向け3LDKの頭金にすればよいのです。

別の方法もあります。
それは、1LDKを売却せず、賃貸に出して家賃収入を得る。その家賃収入で1LDKのローン返済を継続。一方で、新たに購入する3LDKは新規の住宅ローンを組むという方法です。

今はセカンドハウスローンなどもあり、2つの住宅をそれぞれローンで購入することができます。私としては、この方法をオススメします。というのも、最初に買った1LDKは便利な場所にあるため、今後さらなる価格上昇も見込めます。便利な場所にあるため、賃借人も確保しやすいでしょう。ということは、将来、個人年金代わりの収入をもたらしてくれることに…。まさに“金のなる木”のようなものなので、今手放すのは惜しいと思います。

2つのローンを組むことはできるのかどうかは、新たに買おうとするマンション販売センターでざっくばらんに相談してみてください。案外、すべて解決する方法を出してくれるかもしれません。

情報提供:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

1984年から週刊住宅情報の記者となり、99年に「誠実な家を買え」を大村書店から出版。以後、多くの著書を送り出し、新聞雑誌への寄稿、コメント出しも精力的にこなす。2000年の文化放送「梶原放送局」を皮切りに、テレビ・ラジオに多く出演。