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櫻井幸雄の人生相談

2018.02.19

Question

第7回 35歳まで独身だったら1人でマンションを買います。アドバイスください。

櫻井幸雄先生、こんにちは。
35歳まで独身だったらマンションを購入しようと思っています。なにかアドバイスをもらえませんか?

現在は32歳のシングル。人生設計について考えることが増え、マンションの購入についても悩んでいます。
現在パートナーがいないこともあり、老後の家賃や資産の不安から、そろそろマンションの購入を考えているのですが…女性のシングルでマンションを買ったら結婚が遠のくという都市伝説?や両親・周囲の目、その他1人でローンを払いきれるのかなど、いろいろと気になっていることがあります。
「女性のシングル」の場合のマンション購入に関するアドバイスをもらえませんか?
(32歳会社員女性)

20世紀まで、独身女性がマンションを買うケースは希でした。理由は2つあります。

1つは、独身女性に最適な間取り=1LDKが少なかったから。「分譲マンションと言えば、3LDK」という時代だったのですね。
もう1つの理由は、シングル女性は住宅ローンを組みにくかったからです。当時はまだ「女性は結婚するもの。結婚したら、仕事を辞めるもの」という考えが残っており、退職したらローンの返済ができなくなる。
だから、「独身時代に1LDKを購入する必要はない」と…今から考えたらずいぶん封建的な考え方が残っており、女性で住宅ローンを組む人は少なかったのです。

「女性のシングルがマンションを購入したら、結婚が遠のく」と言う人には、当時の考え方が少し残っているのかもしれません。しかし、21世紀に入ってから、状況が変わりました。

まず、分譲マンションに1LDKの間取りが増えました。特に、都心部や郊外でも駅に近い場所のマンションには必ずといっていいほど1LDKの間取りがあります。

そして、シングル女性でも住宅ローンを組みやすくなりました。だいたい、女性はダメとするのは差別です。今の時代、そのようなことは許されません。

それに、女性シングルの場合、堅実に頭金を貯めている人が多く、金融機関は歓迎すべきお客様と気づいたわけです。

以上の変化で、2004年から2007年くらいまで、コンパクトマンションブームが起きました。3LDKよりもコンパクトな1LDK、2LDKをシングル女性が盛んに買う現象が起きたわけです。
そして、今、2回目のコンパクトマンションブームが起きようとしています。前回のブームから10年あまりが経過し、「そろそろマンションを買ってみたい」という新たな需要が生まれたことが原因でしょう。

それに、今の日本は、男女とも生涯未婚率が高まっています。国立社会保障・人口問題研究所が実施した「出生動向基本調査(独身者調査)」によると男性で23%、女性で14%が生涯結婚をしないとされています。1LDKの需要は今後、さらに高まるはずです。
出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ( http://www.ipss.go.jp/

周囲の目など気にせず、早めに購入することを勧めます。今払っている家賃と同程度のローン返済なら、返済はむずかしくないでしょう。もし、勤めを辞め、収入が途絶えたら…その時は、中古で売却すれば良いのです。
都心部や郊外でも駅近に位置する1LDKであれば、買った時と同じ値段で売れる可能性が高く、逆に値上がりしているかもしれません。買った時と同額で売れれば、それまで払った頭金とローン返済金の多くを取り戻すことができます。でも、マンションを買わず、賃貸に住み続けていたら、それまで払い続けた家賃は1円も戻ってきません。
どちらが得かは、はっきりしているのではないでしょうか。

情報提供:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

1984年から週刊住宅情報の記者となり、99年に「誠実な家を買え」を大村書店から出版。以後、多くの著書を送り出し、新聞雑誌への寄稿、コメント出しも精力的にこなす。2000年の文化放送「梶原放送局」を皮切りに、テレビ・ラジオに多く出演。