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収納ガイド

2018.04.26 更新:2019.07.25

Question

着物・浴衣の収納方法とは?

娘に着物を譲ろうと久々に出してみたら、ポツポツとシミがついていてショックを受けました。頻繁に着る機会がないのですが、どのように保管したらよかったのでしょうか。着物のケアと収納の仕方を教えてください。

Answer

最低でも1年に1回は虫干しを。ホコリを取り、シワがつかないように「たとう紙」に包んで平置き収納しましょう。

情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

着物の収納の仕方

冠婚葬祭や入学式、卒業式などで、1年に何度も着ないような特別な洋服や着物ってありますよね。いざ着ようと思って久しぶりに出してみると、なぜか黄ばんでいたり、なかったはずのシミがついていたりと、大切にしまっていたはずの一張羅が肝心なときに着られなかったという経験はありませんか?

長年大事に保管してきた着物。いざというときにこそ美しく着たいですよね!そのためには、保管方法やお手入れ方法が重要なカギとなります。

タンスに収納した着物
※イメージ写真

着物の虫干しとは?
着物の大敵は、湿気。カビや虫食いも湿気が原因です。大切な着物を湿気から守る方法が「虫干し」というお手入れ方法です。

「虫干し」とは着物を湿気やカビ、長時間の折ジワから守るために、後述する「たとう紙」から出して風通しのよい場所で、以下の具合に年に3回干す作業のことです。

●7~8月の土用干し
●10~11月の秋干し
●1~2月の寒干し

着物をカビや虫から守るためには、この干し方ができたら理想的ですよね。そうはいっても年に3回も干すのは大変という方も多いかと思いますが、日本の風土は多湿で、着物をしまいっぱなしにしておくのは危険です。最低でも1年に1回は干すようにしましょう。

虫干しの仕方と注意点
「虫干し」に最適な時期は、比較的湿気の少ない2月頃。2~3日晴天が続いた後のお天気のよい日の10時から14時頃までの間に干します。一時的な作業なので、着物専用のハンガーがなくても普段お使いのハンガーに干していただいて大丈夫です。

虫干しの注意点は、直射日光の当たらない風通しのよい場所に干すこと。直射日光に当たると色焼けしますから注意しましょう。干す時間は、2~3時間程度です。

シワが気になる場合は、着物の裏側に当て布をして、軽くアイロンをかけましょう。

その後、専用ブラシでホコリを落とします。専用ブラシがない方は、丸めたタオルなどを使い、布目に沿って襟、肩、裾の順に軽くなでるようにしてホコリを払い、全体にシミなどがないかをチェックします。問題なければ着物をたたみ、たとう紙に収納して、虫干しは完了となります。

なお、たとう紙が黄ばんでいたり、紐が外れている場合は新しいモノに交換します。たとう紙の黄ばみが着物に移ることもあります。少しでも変色していたら、新しいたとう紙を用意して、最適な状態で着物を保管するようにしましょう。

虫干しは着物だけでなく、長襦袢や帯も同様に行い、草履は半日陰の場所に立てかけて湿気を取ってからホコリを払って収納します。

基本の着物のたたみ方
着物をたたむ際は、「本だたみ」という一般的なたたみ方を行いますが、余計なシワをつけないためにも手順に沿ってたたむようにしましょう。振袖、長襦袢、羽織、雨コートなど種類によってたたみ方も違うので注意が必要です。ここでは、振袖ではない着物と長襦袢のたたみ方を紹介します。

着物と長襦袢のたたみ方のイラスト

肌着類は使用後すぐに洗濯を!
肌着類や足袋については、直接肌に触れるモノなので、使用後はすぐに洗濯機の手洗いコースなどで洗濯します。足袋は洗濯機に入れてしまうと型崩れの原因になるので、手洗いをおすすめします。足袋の裏は洗濯機ではなかなか落ちない黒ズミが付着しているので、汚れ部分に固形石鹸をつけて手洗いをしましょう。

着物の収納の仕方と最適な保管場所とは?

着物の収納に最適なのは桐箪笥とはいえ、桐箪笥は高価なモノで容易には手に入りにくいだけではなく、「そもそも置く場所がない」という方が多いのではないでしょうか?最近では、着物を箪笥に入れず、押し入れやクローゼットに保管するケースが増えています。
ここでは、着物の収納の仕方と、桐箪笥の代用品として活用できる着物の収納アイテムについてご紹介します。

着物はたとう紙に包んで収納
着物を収納するには必ずたとう紙に包んで、シワがつかないように平置きにして収納します。また、紫外線が当たると着物は色焼けするため、直射日光を避けて収納し、保管することが大切です。

桐箪笥が選ばれる理由
昔から着物の収納に桐箪笥が用いられてきました。なぜ桐箪笥は着物の収納に最適なのでしょうか?

桐は吸湿性に優れた木材で、湿度が高くなると湿気を吸収して膨張し、湿度が低くなると湿気を放出して収縮する性質を持っています。桐箪笥は湿度の調節機能があるため、中の着物は余分な湿気を溜めることなく、カビの発生を予防できるというわけです。また、湿気の調節をしてくれること以外にも、桐箪笥には虫がつきにくく、燃えにくいという特性もあります。

最近は、桐を使ったケースも出ています。桐箪笥を買うほどではない方、箪笥から溢れた少量の着物を収納したい方におすすめです。小型の衣装ケースなので、押入れやクローゼットに収納できます。

多様な収納方法

●布製の収納ケース
不織布製でファスナー付きの衣装ケースも着物の収納に向いています。ケースひとつに、着物一式を収納できます。

●プラスチックケース
安価でサイズの種類も豊富なプラスチックケース。軽くて大変扱いやすい衣装ケースですが、通気性が悪いため着物には向いていません。しかし、防湿剤と防虫剤をこまめに取り換え、「虫干し」を定期的に行うことで着物をキレイに保管することも可能です。

収納する際、プラスチックケースに5枚以上の着物を入れないように注意しましょう。
重さでたたみじわがついたり、型崩れの原因になります。また、湿気は下に溜まりやすいので、良い着物は一番上へ収納するようにします。

小物はグルーピングして収納
着物には、帯揚げ、帯締め、帯板、腰紐、帯枕、留め金、襟芯などたくさんの付属品となる小物があります。帯揚げ、帯締めに関しては着物の種類や柄によって数も増えてくるので、小物の種類ごとにグルーピングして収納するとよいでしょう。

小物類の収納も着物同様、桐箪笥が向いています。ない場合は小さな桐箱や、プラスチックの引き出しタイプの収納ケースを使用し、防湿剤、あるいは防虫剤を入れて保管するようにしましょう。

着物関連小物の名称

防虫剤、乾燥剤は1種類を使用
防虫剤や乾燥剤を何種類も衣装ケースに入れるのはタブーです。何種類も入れると化学反応を起こし、変色やシミの原因になることもありますから、入れるモノは1種類にしましょう。また、防虫剤や乾燥剤は、着物に触れないように、ケースの隅に置くようにします。

衣装ケースの最適な保管場所とは?
着物の衣装ケースやプラスチックケースは、クローゼットや押し入れに保管します。
湿気は下に溜まりますから、上の枕棚へ保管するとよいでしょう。

プラスチックケースは床に直に置かず、すのこを敷き、その上に乗せます。それだけで、通気性がよくなります。

また、天気のよい日には、クローゼットや押し入れの戸を開けて風を通すように心がけましょう。

浴衣の収納とは?

浴衣のお手入れ、収納方法に関しては基本的に着物と同じになりますが、シーズン中とシーズンオフで違ってきます。

シーズン中の浴衣のケア
浴衣のお手入れ、収納方法に関しては基本的に着物と同じになりますが、まずシーズン中の浴衣のお手入れ方法についてはよほどの汚れがない限り3、4回着てから洗います。

汗を吸収した箇所に霧吹きをかけてタオルを当て汗を拭き取り、直射日光の当たらない場所に干して乾燥させます。シワが気になるところは、ひっくり返して当て布を置き、裏面からアイロンがけをしてください。

ハンガーにかけてクローゼットに収納する場合は、着物用のハンガーを用意します。ただし、ハンガーにかけっぱなしにすると、布の重みで形が崩れるため、シーズン中でもたたんで収納することをおすすめします。

シーズンオフの浴衣のケア
シーズンオフの浴衣のお手入れは素材によって異なります。品質表示を確認し、自宅で手洗いできる浴衣は洗濯機の手洗いコースでも洗濯可能ですが、基本は手洗いで生地を傷めないようにやさしく揉み洗いを行います。

色落ちしやすいモノもあるので他の衣類と一緒に洗わないようにして、ぬるま湯やお湯を使わず、水に手洗い用洗剤を溶かし、たたんだ浴衣を入れて揉み洗いをします。洗い終わったら型崩れしないように洗濯ネットにたたんで入れて、洗濯機の脱水のみを軽く行います。脱水後は丁寧にシワを伸ばし、風通しのよい場所で陰干しをします。パリッと仕上げたい場合は洗濯のりを使用するか、アイロンがけの際にのりづけを行ってください。

扱いやすいポリエステル素材の浴衣
ポリエステル素材の浴衣の場合は洗濯機の手洗いコースでも洗濯が可能ですが、強い脱水は避けるようにしましょう。ポリエステルの浴衣は乾きも早く、アイロンがけも不要なので扱いやすい素材となります。

もし着物の汚れを見つけたら

着物にとってシミや汚れは寿命を短くしてしまう一番の原因となります。雨粒1滴でも放っておくと大きなシミになっていることが多々あります。汚れやシミを発見した時点で着物洗いの専門の業者に相談するようにしましょう。

着物は一度着た後のお手入れ具合によって、来年・再来年、ひいては娘・孫へと受け継いでいける状態を保つことができます。家族の絆、思い出を引き継ぐ作業だと思って、1点1点大切に扱うようにしましょう!

情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

整理収納アドバイザー1級認定講師/&STORAGE代表 1000件を超えるご家庭の整理収納サービスや多数の住宅メーカーで収納監修を手掛ける。(セミナー受講生は6000名を超える)人・モノ・空間を整え『美しく、心地よく暮らしやすい』を提案している。