収納ガイド

2018.04.26 更新:2018.05.10

Question

着物・浴衣の収納方法とは?

娘に着物を譲ろうと久々に出してみたら、ポツポツとシミがついていてショックを受けました。頻繁に着る機会がないのですが、どのように保管したらよかったのでしょうか。着物のケアと収納の仕方を教えてください。

Answer

最低でも1年に1回は虫干しを。ホコリを取り、シワがつかないように「たとう紙」に包んで平置き収納しましょう。

情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

着物の収納の仕方

冠婚葬祭や入学式、卒業式などで、1年に何度も着ないような特別な洋服ってありますよね。いざ着ようと思って久しぶりに出してみると、なぜか黄ばんでいたり、なかったはずのシミがついていたりと、大切にしまっていたはずの一張羅が肝心な時に着られなかったという経験はありませんか?

長年大事に保管してきた着物。いざという時にこそ美しく着たいですよね!そのためには、保管方法やお手入れ方法が重要なカギとなります。

着物の虫干しとは?
着物のお手入れに一番適しているのが「虫干し」です。「虫干し」とは着物を湿気やカビ、長時間の折ジワから守るために、たとう紙から出して風通しのよい場所で、一説によれば以下の具合に年に3回干す作業のことです。

・7~8月の土用干し
・10~11月の秋干し
・1~2月の寒干し

着物を虫から守るためには、この干し方ができたら理想的ですよね。そうはいっても年に3回も干すのは大変!という方は、最低でも1年に1回は干すようにしましょう。

「虫干し」に最適な時期としては、比較的湿気の少ない2月頃、2~3日晴天が続いた後のお天気のよい日の10時から14時頃までの間に干します。一時的な作業なので、着物専用のハンガーがなくても普段お使いのハンガーに干していただいて大丈夫です。

色焼け防止のために直射日光の当たらない風通しのよい場所で2~3時間程度干します。その後、専用ブラシでホコリを落とします。専用ブラシがない方は、丸めたタオルなどを使い、布目に沿って襟、肩、裾の順に軽くなでるようにしてにホコリを払い、全体にシミなどがないかをチェックしてから、たたんでたとう紙に収納し完了となります。

虫干しは着物だけでなく、長襦袢や帯も同様に行い、草履は半日陰の場所に立てかけて湿気を取ってからホコリを払って収納します。

基本の着物のたたみ方
着物をたたむ際は、「本だたみ」という一般的なたたみ方を行いますが、余計なシワをつけないためにも手順に沿ってたたむようにしましょう。振袖、長襦袢、羽織、雨コートなど種類によってたたみ方も違うので注意が必要です。 ここでは、振袖ではない着物と長襦袢のたたみ方を紹介します。

肌着類は使用後すぐに洗濯を!
肌着類や足袋については、直接肌に触れるものなので、使用後はすぐに洗濯機の手洗いコースなどで洗濯します。足袋は洗濯機に入れてしまうと型崩れの原因になるので、手洗いをおすすめします。足袋の裏は洗濯機ではなかなか落ちない黒ズミが付着しているので、汚れ部分に固形石鹸をつけて手洗いをしましょう。

着物の収納場所や収納アイテムとは?

着物の収納には、湿度の調節機能がある桐箪笥が最適です。吸湿性に優れた桐は、湿度が高くなると湿気を吸収して膨張し、湿度が低くなると湿気を放出して収縮します。そのため中の着物は余分な湿気を溜めることなく、カビの発生を予防できるというわけです。

湿気の調節をしてくれること以外にも、桐箪笥には虫がつきにくく、燃えにくいという特性もあります。とはいうものの、桐箪笥は高価なモノであり容易には手に入りにくいだけでなく、置く場所もないという方が多いのではないでしょうか。

着物はたとう紙にたたんで収納
着物を収納するには必ずたとう紙に包んで、シワがつかないように平置きにし、直射日光を避けなければいけません。クローゼットに収納する場合には、着物用の布製の収納ケースに入れ、枕棚に収納するのがおすすめです。その時、防湿剤と防虫剤も一緒に入れて収納するようにしましょう。たとう紙も黄ばんできたり、紐が外れている場合は新しいものに交換して着物の最適な保存状態を保ちましょう。

プラスチックケース収納はこまめなケアが必要
プラスチックケースの収納は安価でサイズの種類も豊富な上、軽くて大変扱いやすい方法ですが、通気性が悪いため着物には向いていません。ただ、防湿剤と防虫剤をこまめに取り換え、「虫干し」を定期的に行うことで着物をキレイに保管することも可能です。防湿剤と防虫剤に関しては薬剤によって併用できないものもあるので、使用上の注意を確認するようにしましょう。

グルーピングによる小物収納の工夫
着物には、帯揚げ、帯締め、帯板、腰紐、帯枕、留め金、襟芯などたくさんの付属品となる小物があります。帯揚げ、帯締めに関しては着物の種類や柄によって数も増えてくるので、小物の種類ごとにグルーピングして収納するとよいでしょう。

小物類の収納も着物同様、桐箪笥が向いていますが、ない場合はプラスチックの引き出しタイプの収納ケースを使用し、防湿剤と防虫剤を入れて保管するようにしましょう。

浴衣の収納とは?

浴衣のお手入れ、収納方法に関しては基本的に着物と同じになりますが、シーズン中とシーズンオフで違ってきます。

シーズン中の浴衣のケア
浴衣のお手入れ、収納方法に関しては基本的に着物と同じになりますが、まずシーズン中の浴衣のお手入れ方法についてはよほどの汚れがない限り3、4回着てから洗います。汗を吸収した箇所に霧吹きをかけてタオルを当て汗を拭き取り、直射日光の当たらない場所に干して乾燥させます。シワが気になるところはアイロンがけをしてください。

シーズンオフの浴衣のケア
シーズンオフの浴衣のお手入れは素材によって異なります。品質表示を確認し、自宅で手洗いできる浴衣は洗濯機の手洗いコースでも洗濯可能ですが、基本は手洗いで生地を傷めないようにやさしく揉み洗いを行います。

色落ちしやすいものもあるので他の衣類と一緒に洗わないようにして、ぬるま湯やお湯を使わず、水に手洗い用洗剤を溶かし、たたんだ浴衣を入れて揉み洗いをします。洗い終わったら型崩れしないように洗濯ネットにたたんで入れて、洗濯機の脱水のみを軽く行います。脱水後は丁寧にシワを伸ばし、風通しのよい場所で陰干しをします。パリッと仕上げたい場合は洗濯のりを使用するか、アイロンがけの際にのりづけを行ってください。

扱いやすいポリエステル素材の浴衣
ポリエステル素材の浴衣の場合は洗濯機の手洗いコースでも洗濯が可能ですが、強い脱水は避けるようにしましょう。ポリエステルの浴衣は乾きも早く、アイロンがけも不要なので扱いやすい素材となります。

もし着物の汚れを見つけたら

着物にとってシミや汚れは寿命を短くしてしまう一番の原因となります。雨粒1滴でも放っておくと大きなシミになっていることが多々あります。汚れやシミを発見した時点で着物洗いの専門の業者に相談するようにしましょう。

着物は一度着た後のお手入れ具合によって、来年・再来年、ひいては娘・孫へと受け継いでいける状態を保つことができます。家族の絆、思い出を引き継ぐ作業だと思って、1点1点大切に扱うようにしましょう!

情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

整理収納アドバイザー2級認定講師、ファイリングデザイナー2級。インブルーム株式会社にて多くのお客様のご自宅で整理収納サービスを行う。世代や環境に合わせ、様々な角度から「快適で暮らしやすく、そして美しい」空間づくりを提案。