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櫻井幸雄の人生相談

2018.05.14

Question

第14回 【人生相談編】旦那に激怒!離婚したいけど将来に不安が

櫻井先生こんにちは!43歳既婚、保育園と小学校に通う2人の子どもの母です。
旦那に愛想を尽かし別れたいのですが、将来に不安があり悩んでいます。

平日は派遣として働き、帰ってからは家事、休日は育児と、毎日忙しなく過ごしています。世にありふれたことかとは思いますが、そんな私に対し休日でも家事も育児もせず、スマホゲームをする旦那。何度注意しても直ることはなく、挙句には逆切れして今は1人で実家に戻っています。

こんな旦那にもう未練はありませんので、離婚を検討中。しかし、子どもはまだ小さく、派遣の私が子どもたちに十分な生活を送らせてあげることができるのか不安です。
現在住んでいる家は旦那名義で購入したものなので、家を追い出される可能性もあります。

家族や友人に相談してみましたが、離婚には賛否両論。櫻井先生にもアドバイスをいただきたいです。
(43歳派遣妻)

離婚を考えていらっしゃるのですね。
その気持ち、分かります。このままの生活を続けたら、自分の人生は何だったんだろう、と思ってしまう。あの人のために、損をするのは嫌だ。だから、別れてしまいたい…こうした気持ちを抱いている人は世の中に多いものです。

そして、それが高じて実際に別れてしまう人もいますが、離婚を断念する人も多いことでしょう。その結果、人生の最後に後悔することも…。「たとえ苦労しても、あのとき勇気を持って踏み出せばよかった」と悔やむわけです。
人間「実行した後悔」よりも「実行しなかった後悔」の方が深く、後を引くものです。あの時一歩踏み出せばよかった。なぜ、踏み出さなかったのか。たった一度の人生なのに。多くの人が人生の最後にそんな思いを持つといいます。

後悔したくなければ、足を前に踏み出しましょう。勝手な生き方をしている夫に目に物を見せてやりましょう。どうだ、思い知ったか、と。そうできたら気分がいいでしょうね。溜飲が下がる、とはまさにこのことと思えるでしょう。

さて、問題はその後です。小さな子どもを2人抱えて、自立しなければなりません。
母子家庭への援助が大きい行政区に引っ越し、家賃の安い公共賃貸に住むとして、元夫から養育費が見込めるでしょうか?きちんと養育費を払ってくれるような人間だったら、ご質問者もそこまで愛想を尽かすことはなかったと思います。今の家を売却しても、ローンの残債を支払えば、手元に残るのはわずかでしょう。

となると、離婚後は子育てをしながら、お金を稼がなければなりません。これは、かなり困難な道となります。収入が途絶えると、親子の生命の危機さえ招きかねません。そのようなリスクは、できれば避けたいですよね。

女性が子どもを連れて離婚するには、以下のような条件を備えていると安心です。

・収入が見込める資格や特技、勤務先を有している
・親の助け(お金と子育て両面)が見込める
・次の結婚相手がいる

都合のよいことばかり挙げているようですが、2人の子どものことを考えると、それが現実というものです。ご質問内容から推測すると、現実的なのは「親の助け」が得られるかどうか、ではないでしょうか。親御さんも高齢でしょうから、直接金銭面の援助を受けることは期待できないでしょう。それでも、親の家に住み、電気・ガス・水道と食費の一部を助けてもらう。そして、仕事に出ている間、子どもを親御さんに見てもらう。それらが可能であれば、離婚に踏み出すことができるのではないでしょうか?

もし、それが無理なら…。別の方法を考えてみましょう。ズバリ、ダメ夫の再教育です。
再教育といっても、スパルタ方式ではいけません。「家でスマホゲームに熱中している」というのは、現実逃避が想像されます。もしかしたら、ご質問者が厳しいのかもしれません。

以前見たインドの映画で、こんな台詞が出てきました。
「短所や弱みを、決して責めたり、笑ったりしないのが家族だ」
よい言葉だと思いました。でも、ついそのことを忘れて、人は責めたり笑ったりしてしまいます。特に、配偶者に対してはきつく責めてしまいがちです。

ご質問者はいかがですか。欠点を改めてもらいたいという気持ちが強すぎないでしょうか。頭ごなしに短所を挙げ、だからアンタはダメだなどと決めつけていないでしょうか。そうしたことで手綱を取ろうとしても、上手くいくものではありません。ぷいと横を向かれてしまいます。

かといって、むやみにおだてる必要もありません。男にとって本当に効くのは、「真摯な願い」です。真剣に正面から涙を浮かべてお願いされれば、男の気持ちは簡単に変わるものです。照れくさければ、手紙やメールで、「今日は、どうしても伝えたいことがあります」と切り出してもいいでしょう。

離婚に踏み切る前に、あと少しだけ、試してみてはいかがでしょうか。

情報提供:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

1984年から週刊住宅情報の記者となり、99年に「誠実な家を買え」を大村書店から出版。以後、多くの著書を送り出し、新聞雑誌への寄稿、コメント出しも精力的にこなす。2000年の文化放送「梶原放送局」を皮切りに、テレビ・ラジオに多く出演。