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櫻井幸雄の人生相談

2018.05.28

Question

第15回 優柔不断でマンションを決められない!どこで区切りをつけたらいい?

櫻井先生こんにちは!なかなか購入に踏み切れず悩んでいるマンションについて相談させてください…!

45歳バツイチ女性です。数年前に夫と別れ、高校生の娘と2人暮らしをしています。
隣県には、70歳半ばになる両親が2人で住んでいるのですが、最近実家の段差につまずいて怪我をしたり、体調を崩したりと心配事が尽きません。そこで、思い切って両親と子どもと一緒に4人で住めるマンションを購入することに決めました!

ところが、優柔不断な性格の私。条件に合うマンションを見つけるもののなかなか購入に踏み切れません。もっといいマンションがあるのではないか…、この点が気になる…と次から次へと心配事が浮かび、結局結論は後回しに。このままではいつまでも買えない気がします…。

マンション購入について検討している多くの方に共通する悩みかと思いますが、どこで区切りをつけるべきでしょうか…?優柔不断な私でもできる解決策を教えてください!
(45歳会社員女性)

マイホーム購入で踏ん切りがつかない。そう嘆く方は意外に多いものです。
ある人には「踏ん切りがつかないので、櫻井さん、このマンションを褒めて」と頼まれたこともあります。専門家が太鼓判を押してくれれば、安心して購入できる、というわけです。ならば、と思い「最高です」「買わなきゃ損」「間違いなし」と何個も太鼓判を押したのですが、「まだまだ」「それでは踏ん切れない」といわれてしまいました。

ご質問者同様、その方もかなり「優柔不断」だったのですね。だから、他人がどんなにアクセルを踏ませようとしても無理。結果として、ブレーキを踏む足の力が強くなってしまいました。車はシステム上、アクセルとブレーキを同時に踏み込んだ場合にはブレーキの方が勝ります。決して前には進みません。同様に、いくら周りが「買いましょう、買いましょう」といっても、本人がブレーキを踏んでいる場合にはどうしたって前には進まないのです。

この状況を打破するためには、そうした「ブレーキを踏む力」を弱めさせることが大切です。周りの人が話を前に進めさせようとすればするほど、本人は目一杯ブレーキを踏むもの。だったら、話を前に進めさせようとしなければよいのです。そうすれば、ブレーキを踏む力が弱まります。

前述した人も、こちらが「これだけ背中を押しても決断できないだったら、もう購入は無理かもしれません」と話したら、逆に「何てことをいうんですか、私は買いたいのに!」といい出しました。なるほどこの手があったかと思い、私はさらに引きました。

「いや、買わない方がいい」
相手「買いたい!」
「このマンションで大丈夫ですか?」
相手「大丈夫、このマンションしか買いたい物件はないんです」

こうしたやり取りの末、遂にその方はそのマンション購入を決断されました。
この方は、反対されるとむしろ燃え上がるタイプだったのですね。でも今回、この手はご質問者には使えません。だって今、手の内をさらけ出しちゃいましたからね。

ご質問者の場合、今回慎重に検討してきたことを無駄にする必要はありません。その上で、「なかなか最終的に決断できない。このままだとこのマンションは見合わせることになる」、こう考えてみてはいかがでしょうか。まさにそうなるという瞬間、その後どうなるかを想像してみてください。

例えば別の人が現れて、「こんな物件が残っていた、ラッキー!」と喜んで契約してしまうかもしれません。ご質問者が色々な側面から検討し、「これはよい」と思った物件です。他の人が目をつけるのは時間の問題でしょう。後から来た人に買われたら、悔しいに決まっています。そんな悔しい思いをしたくないなら、ブレーキから足を離すしかないのです。

大体、その物件を買って失敗することがあるでしょうか。ご質問者は内容的に見て、仕事を持っている方だと推測されます。同居する予定のご両親は、足腰が弱ってきたとのこと。そのような家庭が、不便な場所のマンションを買うとは思えません。駅から歩ける範囲で買い物に便利なマンションを選ぶはずです。

そしてまず、「駅に近く、買い物に便利なマンション」は値下がりしません。10年、20年経っても、買ったときと同じ値段か、もしかしたら買ったときよりも高い値段で売れる可能性が高いといえます。値下がりしないのであれば、損をすることがなく、失敗もありません。買い物をして「失敗した」と思うのは「想定したほど使わない商品」や「すぐに壊れる商品」、そして「不要になったとき転売しにくい商品」です。

その点、便利な場所のマンションはどうでしょう。「想定したほど使わない?」、そんなことはありえません。24時間365日使い倒します。「すぐ壊れる?」、壊れませんし、万一壊れたら、必ず直してくれます。「不要になったとき転売しにくい?」、便利な場所のマンションは将来も売りやすく、値下がりしにくいもの。こんなに値下がりしにくい商品は他にありません。
つまり、踏ん切りをつけた後、「失敗した」と思わない商品が今回のマンションなのです。ぜひ、安心して決断してください。

情報提供:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

1984年から週刊住宅情報の記者となり、99年に「誠実な家を買え」を大村書店から出版。以後、多くの著書を送り出し、新聞雑誌への寄稿、コメント出しも精力的にこなす。2000年の文化放送「梶原放送局」を皮切りに、テレビ・ラジオに多く出演。