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櫻井幸雄の人生相談

2018.06.25

Question

第17回 契約会に行ったら周りはファミリーだらけ!このまま購入に進んで大丈夫?

こんにちは!櫻井先生、助けてください~。
37歳独身の私。友人女性が自分のマンションで悠々自適に過ごしているのを見て「かっこいい!」と思い、マンション購入を決心しました。気に入った部屋も見つけルンルン気分で先日契約会に行ってきたのですが、そこで購入に対してガクッと気分が下がる出来事が…!

何と!契約会に来ていた、私以外の全員がファミリーだったのです。もちろんファミリーが多いのは予想していましたが、2~3人は私のような独身もいるかと思っていたんです。ところが全員ファミリーとは思いもせず…。
子どもが嫌いとか、ファミリーが苦手とか、そういうことではないのですが、何とも肩身が狭い感じ…。すっかり気落ちしてしまいました。

正直、このままマンション購入に進んでいいか悩んでいます。こんな時、世の人たちや櫻井先生なら、どうするのでしょうか?私が気にしすぎなだけですか?ご意見をください。
(37歳会社員女性)

休日、1人で外食に出かけたら店内は家族連ればかり…これは嫌ですね。私も休日に仕事に出かけると、よくそのような場面に遭遇します。4人掛けのテーブルを1人で占有すると、周囲に迷惑をかけているような気になります。お店の人が「どうぞ」といってくれても落ち着きません。
その点、カウンター席のある飲食店、2人掛けのテーブル席があるお店はいいですね。何だか自分の居場所が確保されているようで、落ち着きます。

同じようなことが分譲マンションでもいえるのでしょうか。具体的にいえば、ファミリー世帯ばかりの中に1人暮らしの人間が混じると落ち着かない、という状況があるのかもしれません。

結論を申し上げましょう。飲食店と異なり、マンションではそんなこと気にする人は希です。「ファミリー世帯もいるし、夫婦2人暮らしもいる、1人暮らしだっている」、多くの人はそれが当然だと思っています。

ただし、世の中には変わった人もいることは確か。休日に1人で食事している人を見ると「何で1人なんだろう」という目を向けてくる人や、単身で食事する女性をニヤニヤ眺めている男性など…何を考えているか知らないけれど、全て余計なお世話だよ、と意見したくなります。そんな人は、残念ながらどこにでもいます。しかしそれは少数ですよ。普通の人は、相手のことを尊重し、必要以上に踏み込まないものです。

もう1つ、大事なことをお教えしましょう。それは、1人暮らしの人が分譲マンションを買う場合、ファミリー世帯が多いマンションが狙い目になる、ということです。ファミリー世帯が多いということは、賃貸に貸し出される住戸が少ないことを意味しています。賃貸に出す目的で分譲マンションを買う人、いわゆる「大家さん」志向の人は、ワンルームや1DKなどコンパクトな住戸を好んで購入します。その方が安く購入できるし、借り手も見つかりやすいためです。

そのため、20㎡程度の小さなワンルームばかりのマンションを買うと、隣近所は賃貸で借りている人ばかり、という状況が生じがちです。中には狭いワンルームに外国人が何人も暮らしているケースもあるかもしれません。むしろそうしたシチュエーションの方が、色々と考えてしまうことでしょう。ファミリー世帯は、夜中に酒に酔って騒いだりしません。彼らの多くは子育てに忙しく、隣近所のことを詮索する暇などありません。

また、ファミリー世帯は昼間も在宅の家庭が多くなるので、マンション内の治安も保たれやすくなります。同じマンション内で挨拶を交わす主婦らができたりすれば、万一病気になったときなどに助けてくれるかもしれません。将来、大きな地震が起きて、停電・断水が何日も続くときなども、お互い助け合うことができるでしょう。そのためにも、マンション内で垣根を作らず、ご近所づきあいを大切にし、地域の清掃活動などにも積極的に参加すべきです。

単身者の多いマンションではご近所づきあいをする機会は決して多くありません。その方が面倒なしでよい、と考える人が多いからでしょう。つまり、殻にこもることになりがちです。その点、子育てをしているお母さんには心を開いている人が多いように思います。子どもに対してオープンマインドなので、他人にも自然とそうなるのかもしれません。

そのような人たちと新たなおつきあいをはじめるのも、悪くはありませんよ。コミュニケーション能力を身につけられ、今まで自分が触れてこなかった世界を知ることができるのですから。

情報提供:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

1984年から週刊住宅情報の記者となり、99年に「誠実な家を買え」を大村書店から出版。以後、多くの著書を送り出し、新聞雑誌への寄稿、コメント出しも精力的にこなす。2000年の文化放送「梶原放送局」を皮切りに、テレビ・ラジオに多く出演。