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2018.04.27

Question

火災以外の補償も厚い!火災保険とは?

念願のマンション購入を目前にして、保険の加入を検討しています。火災保険は火事に遭ったら困るので入ろうと思っていますが、最近では台風などにも補償の範囲が広がっていると聞きました。火災保険について詳しく教えてください。

Answer

火災に限らず、家のさまざまな損害を補償する火災保険。補償内容を吟味して自分に合う保険を選択しましょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

目次

火災保険とは?

家を購入する際や住宅ローンを組む際に、必ず検討することとなる火災保険。
火災保険と聞くと、火事に遭ったときのための保険とイメージする方もいるかもしれません。しかし、実際には火災以外の事例で補償されることも多く、火災保険の名称は「家庭総合保険」「住宅総合保険」等といった商品名が一般的になっています。
ここからは、火災保険の基本と、選ぶ際のポイントについてお伝えします。

火災保険の補償対象は大きく2つ
火災保険の補償対象は大きく2つ。「建物」と「家財」が対象となり、その両方またはどちらかという形で保険契約することとなります。

[ 1 ] 建物
一戸建てやマンション、ビルなどの建造物
※畳、建具その他これらに類するもの、電気、通信、ガス、給排水、衛生、消火、冷房・暖房等の設備のうち建物に付加したもの、浴槽、流し、ガス台、調理台、棚その他これらに類するもののうち建物に附属したもの、門、塀もしくは垣または大規模な物置、車庫その他の附属建物も含まれる。主に建物に付いているものが含まれるのがポイント

[ 2 ] 動産(家財)
建物の中にある家具や衣服などの、日常生活に使用している不動産以外のもの
※家電製品、家の中にあるバッグやコート、布団、本など

幅広い災害・被害を補償
火災保険は単なる「火災」のみでなく、風災・水災を含めた家のさまざまな損害を補償します。

補償内容
自然災害 落雷、破裂、爆発、風災、雹(ひょう)災、雪災、水災
住宅被害 水濡れ、物体の落下・飛来・衝突、騒じょう・集団行動などによる破壊、盗難、偶然な事故による破損・汚損

最近は台風被害が多く、強風で屋根の一部が飛んでしまったという風災や、洪水で床上浸水した水災、落雷で電化製品が壊れたなどの損害の他、排水管が詰まり床が水浸しになった場合の水濡れ、窓を割られて空き巣に入られたときの盗難被害等も増え、火災保険の給付事例も多様化しています。

なお、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失によって、建物・家財が損害を受けた場合は、火災保険の対象から外れ(免責となり)国の原資が入る「地震保険」で補われることになっています。というのも、被害が非常に広範囲で損害保険会社では損害を補い切れないリスクがあるからです。

「新価」で補償額を決定
ここまで、さまざまな補償内容についてご紹介しました。では、これらの補償額はどのように決まるのでしょうか?火災保険は契約した額で支払われる生命保険と違い、損害に応じて支払われる「損害保険」です。その支払い額の上限は、契約時に「保険金額」を設定することで決まります。

建物の保険金額は、エリア、構造、築年数、広さなどによって変わりますが、同等の建物と動産を新たに揃えるのに必要な金額(「新価」という)をベースに設定するのが基本のようです。家財の保険金額は、専有面積や家族構成による目安が提示され、それを元に設定します。

そして、実際に支払われる保険金は契約した保険金額を上限とし、被害程度を段階的に区分された割合に応じて計算されます。その基準は保険会社によって異なりますが、損害額が新価80%以上だと「全損」とみなされ、契約した保険金額の全額を受け取れるのが一般的なようです。

マンションでも火災保険って必要?

ここまで、火災保険の基本情報についてお話ししました。けれど、「うちは火災なんて起こさないわ」「木造じゃないし…」というように火災保険の必要性について悩む人もいるのではないでしょうか?

確かに分譲マンションは、鉄筋コンクリート造がほとんどなので、火災などには強いかもしれません。しかし、両隣・上下宅が密着しているがゆえに、万一災害が発生した際に、近所から被害を受けてしまったり、逆に被害を与えてしまったりする可能性は十分あり得ます。

日本では「失火責任法」という法律により「重過失がない限り、出火元は責任を負わない」というルールが決められています。よって、近所からのもらい火で損害を被っても、重過失がない場合は損害賠償を求めることができず、自分の財産は自分で守ることが必要なのです。こうした事情を知っておくと、マンションでも十分に備えておく必要がありそうですよね。

補償範囲はマンションの特徴に合わせよう!
分譲マンションの建物は、共用部分と専有部分の2つに分けられます。

・共用部分…エントランスや廊下、避難経路になるバルコニーや玄関扉・窓など
・専有部分…所有者個人のスペース

このうち、共用部分を対象とした保険は管理組合でかけていることがほとんどのため、専有部分は自分で保険に加入する必要があります。
では、自分で専有部分に関して契約する補償範囲は、どのように考えたらよいのでしょうか?先ほどの補償の内容に照らし合わせてみましょう。

補償範囲 必要度
落雷、破裂、爆発、雪災、水災 火災保険の基本補償
雹(ひょう)災、風災 地域によって必要度は低い(台風などが少ない)
水災(土砂崩れ含む) マンションが河川や海・湖や山・崖の近くの立地でなく、高層階の場合必要度は低い
水濡れ マンションの最上階の場合必要度は低い
物体の落下、飛来、衝突、
騒じょう・集団行動などによる破壊
マンションが高層階の場合、必要度は低い
盗難、偶然な事故による破損・汚損 セキュリティによっては、必要度は低い
火災保険料っていくらくらい?

火災時に安心な火災保険についてよく分かりましたね。続いて、実際に火災保険を契約したときの保険料についてお話しします。

火災保険の保険料は、損害保険会社によってさまざまです。老舗の損保会社から、ネット系損保で必要な内容だけ加入することができるタイプまで色々ありますが、以下、目安として例示してみました。

<例>
・専有延床面積75㎡(上塗り基準)の都内新築マンション
・保険金額1,000万円
・契約期間10年

補償範囲 保険料(一括)
最低限の補償でよい場合
(火災、落雷、破損、爆発、風災、雹(ひょう)災、雪災を補償)
約1.4万円~約2万円など
上記の他、補償する場合
(水濡れ、衝突、騒じょう、盗難、破損・汚損等まで補償)
約2.3万円~約3.7万円程度

このように、補償内容などにより保険料負担は変わってきます。実際には購入するマンションに合わせて補償内容を吟味し、複数件見積りを取って検討することをおすすめします。
事前に被害に備え、快適なマンション暮らしをしたいですね!

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP®認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。