収納ガイド

2018.05.14

Question

使いたいときに期限切れ!上手な薬の収納術とは?

薬を上手に整理できないのが悩みの種です。何の薬かわかりやすく、すぐ取り出せるようにしたいのですが、種類も量もありすぎて…。どうすれば、上手に収納できますか?

Answer

薬を使いやすく収納するコツは、まず分類すること。そして、保管に適した場所を知ることで、いつでも安全に使うことができますよ。

情報提供:整理収納アドバイザー 今井 知加

薬の収納に関する悩み

風邪をひいた、ケガをした…薬は、急に必要になるもの。そんなとき、すぐに必要な薬を取り出せますか?置いた場所を思い出せなかったり、見つかっても使用期限が切れていたり、数が足りない…など。薬は、「いつ必要になるか?」という予定が立ちにくいぶん、つい管理がおろそかになってしまいがちですね。使いたいときに必要な薬をすぐ見つけることができる、上手な薬の収納術についてお伝えしましょう。

薬の収納が難しいのはなぜ?

一口に「薬」といっても、キズ薬や風邪薬など、家庭で保管する薬にはさまざまなものがありますね。しかも、一度に数種類の薬を使用することもあり、「アレルギー」「風邪」「胃腸風邪(感染性胃腸炎)」「頭痛」…など、症状によってそれぞれ用意するとなると、数がどんどん増えてしまいがち。これだけの薬を、それぞれの管理方法を知った上で上手に収納するのは、至難のわざ。「薬の収納は難しい!」と、苦手意識を持つ方が少なくないのもわかります。

まずは、薬の種類と特性から整理してみましょう。

薬にはさまざまな種類がある
薬の種類の分け方には、大きく2つあります。まず1つめは、「どこから身体に入れるか」。主に、口から飲む「内服薬」と、身体の外部で使う「外用薬」に大別されます。

・内服薬の例
錠剤、カプセル剤、粉薬(散剤・細粒剤)、液剤など

・外用薬の例
外皮用薬(塗り薬、貼り薬)、点眼薬、点鼻薬、点耳薬、口腔薬(トローチ)、坐薬など

続いて、2つめの分け方は、「どこで入手するか」。これは、病院などで処方される「処方薬」と、ドラッグストアなどで購入できる「市販薬」に分けられます。

・処方薬(医療用医薬品)
医師の診断のもと発行される「処方箋」に基づいて、薬剤師が調剤する薬。その人のそのときの症状に合わせて処方されているので、「同じ風邪だから…」などと家族間で貸し借りすると、安全性に問題が生じる場合があります。また、使用期限の表示がないこともあるので要注意。

・OTC医薬品(市販薬)
OTCとは「Over the Counter」の略で、「カウンター越しに販売される」という意味。ドラッグストアなどで、自分で選んで買うことができる薬です。OTC医薬品には、要指導医薬品と一般用医薬品があります。

薬にはこんな特性がある
どの薬の場合も、次のような特性があります。

・使用期限がある
・症状によって、服用する薬が異なる
・用法用量を間違えると、危険
・家族それぞれで、用法用量が異なることがある
・薬によって、保管方法が異なる(冷蔵庫内など)

これらの特性からわかるように、間違えた使用は危険を伴います。処方薬の使用方法で迷う場合には、必ず医師・薬剤師の判断を仰ぎましょう。市販薬については全て、外箱や添付文書に表示があるので、チェックすることが大切です。もし不明な点がある場合には、処方薬同様、お近くの医師・薬剤師に相談してください。

薬収納のコツ

さて、こうしたさまざまな薬を上手に収納するには、どうすればいいのでしょうか?安全に、使いやすく保管するには、いくつかのコツがあります。

薬を使いやすくするには、分類することが大切
[ 1 ]最優先!内服薬と外用薬に分類する
子どもや年配の家族が、外用薬を間違って口にすることがないように、まずはこの2つをしっかりと分類しておきましょう。さらに、外用薬の中でも「塗り薬(液)」「点眼薬」「点耳薬」など容器の見た目が似ているものは、用法を間違えないように注意して区別します。

[ 2 ]さらに処方薬と市販薬を分類し、症状別に分ける
内服薬と外用薬を、さらに処方薬と市販薬に分類します。次に、症状別に分けますが、同じ薬でも痛み止めに使われたり、解熱に使われたりと用途が異なることがあります。そんなときは、「解熱鎮痛剤」としてひとまとめにしておくのもよいでしょう。

症状別の分類例(内服薬)

・風邪/感冒
総合感冒薬、そのほか処方薬(抗生剤、去痰薬、鎮咳薬、解熱鎮痛剤ほか)

・痒み/花粉症など
アレルギー薬

・胃腸風邪
胃腸薬、そのほか処方薬(抗生剤、整腸剤、胃薬、止瀉薬ほか)

・痛み止め
解熱鎮痛剤ほか(胃薬とセットで飲むことが多い)

薬収納に役立つ便利グッズ
内服薬は、100円ショップなどで販売されているシガレットケースや小物ケースなど、四角いふた付きの入れ物に入れるほか、引出しに仕切りを作って種類ごとに入れるのがおすすめです。

外用薬は、引出しに仕切りを作って種類ごとに入れるほか、一度にたくさん使う湿布などかさばるものは、カゴやボックスにまとめて入れておきましょう。使うときに持ち運びしやすく、便利です。

薬と一緒にしまっておくと便利なもの
体温計、包帯セット(はさみ、ピンセット含む)など薬と一緒に使うことが多いもの、また病院セット(診察券や保険証)など薬と関係のあるものは、一緒にしまっておくとよいでしょう。必要なときにすぐ取り出せるほか、それぞれ保管場所も覚えやすくなります。

薬の収納に適している場所とは?

「薬はなんでも冷蔵庫に入れておけば長もちする」と思っている方も多いのですが、実はそうとは言えないのをご存じですか?間違った方法で保管していると、本来の効き目が得られなくなるばかりでなく、場合によっては身体に有害な影響をあたえることもあります。薬の収納に適した場所を知って、正しく保管しましょう。

湿気を避けて「室温保管」が基本!
一部を除いて、薬は室温で保管するのが基本です。冷蔵庫に入れていると、取り出したときに室温との急な温度差で、薬が湿気を帯びてしまうおそれがあります。安全な収納・保管場所の条件は、次のとおりです。

・高温多湿・直射日光を避けた室内
保管方法に指示がない場合は、「高温多湿」「直射日光」を避けた室内で保管しましょう。日中に長時間、車の中に置きっぱなしにしたり、暖房器具の近くに置いたりしないように注意。ただし、「冷所保存」など冷蔵庫で保管する指示がある薬(シロップ剤、目薬、坐薬など)については、指示に従ってください。

・目線に入る場所
飲み忘れがちな内服薬などは、いつもの収納場所とは別に、視界に入りやすいところで保管するとよいでしょう。「今、飲んでいる」必要な薬だけを、カゴなどにひとまとめにして出しておきましょう。

・小さい子どもの手が届かない場所
誤飲を防ぐため、子どもの手が届かない場所であるかどうかも十分確認しましょう。「小児の誤飲事故の14.8%が医薬品・医薬部外品」という報告があります※。
※厚生労働省「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」(2016年)http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000193024.html

薬の収納場所

・内服薬: キッチンやダイニングなど
食卓周りにあると、取り出しやすいほか、目線に入ることで飲み忘れを防げます。

・外用薬: 洗面所周りやリビング、ダイニング
入浴後に使うことが多い塗り薬は、「どこで使うか」を考えて収納場所を決めましょう。イスが必要かどうかも、重要なポイント。子どもの場合は、座ったり横になったりできる和室の近くもおすすめです。

いずれの場所に収納する場合も、薬名のほか、用途や用法をラベリングしておくと、家族にも中身がわかりやすくなって間違いを防げます。ただし、病院で処方された薬は、独断で使用しないこと。飲み忘れなどで保管したままの残薬を服用してよいかどうかの確認も含めて、不明な点はお近くの医師・薬剤師に相談してください。

よりよい薬収納を目指して

持病の有無や、家族構成によっても、保管する薬の種類や量は各家庭でさまざまです。出し入れしやすい収納ももちろんですが、薬の場合は「飲み間違い」と「飲み忘れ」を防ぐという視点も大切です。「どうしたら、薬を正しく使用できるか?」について、家族の意見を聞きながら、家族みんなが安全に使える収納を作っていってくださいね。

情報提供:整理収納アドバイザー 今井 知加

薬剤師・整理収納アドバイザー2級認定講師・企業内整理収納マネージャー。整理収納の理論に脳科学を活用した独自のメソッドで「片づけ力」を身に付ける方法を、スクールやメディアで発信。家事を効率化して、自分の時間や家族との時間を充実させる方法をご案内。