収納ガイド

2018.06.28

Question

壁面を活用して収納するアイディアとは?

家の中の収納スペースに、ものを収めきれません。家具を置くにはスペースが足りないし…。どうすれば、スッキリ片付けられますか?

Answer

収納家具が置けない場合は、壁面を使った収納を検討してみましょう。予算や好みに合わせて、造作家具・DIY・置き家具といったバリエーションから選ぶことができますよ。

情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

収納スペース不足を解決するのは、壁面!

スッキリ暮らすためには収納スペースが必須ですが、家の中の空間には限界がありますよね。そこで、散らかるものを収めるために、収納用品や置き家具を増やしてみるものの、気がつけば部屋が狭くなり、余計にものが散乱している…というお宅も少なくありません。

そんなお悩みを解消するのが、意外と見落としがちな壁面。この壁面を、賢く利用するための収納アイディアをご紹介します!

壁面を活用した収納とは?

壁面収納の利点は、天井までの高さを十分に活用できて、収納スペースが増えることです。とはいえ、「ものを入れるところがたくさんできた!」と安易に考えていると、またすぐにものが溢れてしまいます。

・何を収納したいのか?
・家具の配置や生活動線の妨げになっていないか?
・どこに何があったら過ごしやすいか?

「ものを詰め込むだけ」の収納ではなく、このようにしっかりと事前に計画を立てることが必要です。

また、壁面収納は大きなスペースを占めるので、存在感があるというのも注意点。圧迫感を防ぐには、周りの家具と素材や色・テイストを合わせて統一感を出すとよいでしょう。いわゆる「見せる壁面収納」も、ものを飾りすぎると空間全体がゴチャゴチャして見えがちなので、「余白(=壁)を活かした、引き算の空間作り」を意識してくださいね。

壁面に収納スペースを設けてみよう

それでは、実際に壁面へ収納スペースを設けるにはどうすればいいのか、具体的な方法をご紹介しましょう。

造作家具
家の間取りや、家族構成・ライフスタイルに合わせてオーダーメイドできるのが「造作家具(造り付け収納)」です。素材も色も自分好みにカスタマイズできて、住まいにぴったりの収納スペースに仕上がるのが魅力。中に収めるものに合わせて、収納棚の幅や高さを変えられる「可変収納」にすると、より使いやすくなるでしょう。

ただし、造作家具は一度設けると動かせません。ライフステージの変化や、子どもの成長に応じて間取りが変わる予定がある場合は要注意。また、動かせないだけにできるだけ掃除しやすくしておくことも大切なポイントです。「ホコリが入らないように扉をつける」「お手入れしやすい材質にする」など、要望を取り入れてもらえるメリットを活かし、十分な計画性をもってオーダーしましょう。

DIY
壁面収納の中でも、一番取り入れすいのがDIY。比較的リーズナブルな費用で、デッドスペースを有効利用できることがメリットです。インテリア性にも自由にこだわれるため、お気に入りのスペースなども作りやすいといえます。

そんなDIYの注意点は、扉の取り付けが難しいため「見せる収納」になる場合が多いこと。すると、天井などからのホコリをかぶりやすくなりますが、並べてあるものを取り除いての掃除はかなり大変。収納するものはカゴにまとめるなど掃除しやすい置き方にするとよいでしょう。また、収納グッズの色や素材を揃えて空間に統一感を出すなど、「きれいに見せるためのひと手間」を心がけるのがDIYで実現させる壁面収納のコツです。

ちなみに、賃貸住宅でのDIYは以下の点を確認しましょう。
・「原状回復」が可能な状態で設置できるか
・住宅の「利用規約」に反していないか
壁を傷つけにくいアイテムもありますが、物件のルールやマナーは、オーナーや管理会社によってもさまざまです。退去する際にトラブルにならないよう、事前に確認を取ることをおすすめします。

最後に、地震への備えもあればパーフェクトです。
・上部には重たいものを置かない
・割れやすいものは下段に置く
・全体的に、できるだけ軽いものを収納する

DIYによる壁面収納は、オープンで床への設置面が少ないため、造作家具や次でご紹介する置き家具に比べると、耐荷重が弱いのがネック。ものを収納するときの、少しの意識がいざというときへの備えにつながりますよ。

置き家具
置き家具は、工事が必要な造作家具より費用が抑えられるというメリットがあります。ほかにも、棚板が動かせたり、引き出しがついていたり、「見せる収納」「隠す収納」どちらにも対応できるなど、種類が充実しているのが魅力。

壁面を大きく使った置き家具は、大容量のお店のディスプレイのように、たくさんのものが収まって一気に片付きそうなイメージがあります。ですが、「とりあえず…」で安易に購入すると、大きな落とし穴になりかねません。「何を収納したいのか?」をよく考えてから購入しましょう。

場所別・壁面収納の活用例

次は、家の中の各スペース別に、壁面収納を設けた場合の賢い使い方についてご紹介します。

キッチン
キッチンはそもそも、お料理をする場所。作業しやすい、機能的で清潔な空間を壁面収納で叶えましょう!まず、調理器具や家電・食器類の収納は、「置き家具の食器棚」、またはDIYなどによる「オープンタイプの見せる収納」のいずれかが考えられます。

食器棚を使用する場合は、今持っている調理器や、家電・食器類の数を事前に把握しましょう。食器棚の収納量には、限りがあります。棚板が動かせるかどうか、調理家電の置き場所が確保できるかなど、収納計画を持って家具を選びましょう。

食器や調理器具にこだわりがある場合は、オープンタイプの見せる収納もおすすめ。ただし、すべてが常に見えてしまうので、整った状態を維持する意識が必要です。また、既成の食器棚に比べると、収納量も減ります。

こまごまとした調味料の収納は、作業中に使いやすいコンロ近くの壁面にDIYで棚を作るのも一案。出しっぱなしになるので、調味料入れを統一するとごちゃついた感じになりません。また、コンロ近くは油がはねやすいので、お掃除しやすくしておくのもポイントです。

リビング
リビングは滞在時間が長く、さまざまな人が集まるので、同時にものも集まりやすい場所になります。大容量の壁面収納で、居心地のよい空間を演出しましょう。

たとえばテレビ周りは、DVDやCD・ゲーム機などのこまごましたもの、配線などでごちゃつきがち。また、写真や雑貨などを飾っている家庭も少なくないでしょう。こんな風に、「見せたいもの」と「隠したいもの」が混在する場所は、「余白(=壁)の空間」を意識するのがポイント。壁面収納は余白をある程度もたせることが、美観を壊さないために重要なのです。

また、リビングによくある本棚は、ライブラリーのように壁面いっぱいに本を収納したり、カラーボックスを壁一面にたくさん並べて本棚にしたりなど、仕様はさまざまでしょう。ただし、本は思いのほか重さがあるもの。DIYの壁面収納は家具に比べると耐荷重が弱くなりがちなことに注意が必要です。また、収納する本の適正量とルールを決めて、あふれたりムダが出たりしないようにすることも大切です。

玄関・廊下
玄関には、靴のほかにも掃除用具や外出時に必要なものなどが多く、意外に収納スペースが必要な場所。唯一、外とつながっている場所なので、掃除しやすくスッキリした空間を維持したいですよね。

・上着、帽子
外出時にさっと身に着けられるよう、玄関に上着や帽子の収納場所がほしいと思ったことはありませんか?わざわざ自分の部屋から持ってくるのが面倒で、帰宅後リビングなどに置いてしまうようになると「もの溜まり」ができる原因にもなります。DIYで壁にフックを取り付けて、上着やストール・帽子などの定位置を決めておくと、ものの散乱を防ぐこともできますよ。

・外出時に使うバッグや小物
エコバッグや鍵など、外出時に使う小物は玄関に壁掛けしておくと、忘れもの防止につながるうえ、わざわざ部屋に取りに戻る手間も省けます。また、幼稚園や学校からの帰宅後、持ち物を玄関に置きっぱなしにして遊びに行ってしまう子どもも案外多いのでは?そんなとき、壁面収納をバッグなどの一時置き場にするというのも便利な使い方かもしれませんね。

壁面を使うことで新しい収納を楽しむ

海外ではポピュラーな壁面の利用。最近は日本でも注目する人が増えてきており、特にDIYで自分好みにカスタマイズできる点が人気のようです。また、天井まで高さを活かせることが壁面収納の魅力ですが、目線より上に重いものや割れるものを置かないといった、基本的な地震対策は十分念頭に入れておきましょう。

取り入れるのは意外に手軽でも、後々使いやすいものにするには、あらかじめしっかりと計画を立ててこそ。ご紹介したポイントを参考にシミュレーションして、新しい収納をムダなく楽しんでくださいね。

情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

整理収納アドバイザー2級認定講師、ファイリングデザイナー2級。インブルーム株式会社にて多くのお客様のご自宅で整理収納サービスを行う。世代や環境に合わせ、様々な角度から「快適で暮らしやすく、そして美しい」空間づくりを提案。