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櫻井幸雄の人生相談

2018.08.06

Question

第20回 【人生相談編】娘が何か抱えている様子…どうしたら?

こんにちは。22歳の娘のことで相談させてください。
娘とは時々お買い物や旅行などに行く仲で、比較的関係は良好。しかし、最近は大学やサークル、バイトに加え友達・恋人と出かけたりなどしており、顔を合わすことも会話をすることもかなり減りました。

そんな娘の様子が最近気になります。長年一緒に生活している母親の勘でしょうか?何だか普段の彼女らしくなく、何かを抱えているのではないかと思っています。

最近、私の勤め先の同僚は、学生の息子の借金が発覚したと話していましたし、少し心配です…。「最近どう?」「何か悩み事はない?」と聞いても、「ない」というだけの娘。
私が娘離れできていないだけでしょうか…?

櫻井先生は娘さんがいらっしゃると拝見しました。うちの娘と同じくらいの年齢かなと思います。ぜひ櫻井先生の、娘さんとの付き合い方についての考えを教えていただきたいです。よろしくお願いします。
(51歳会社員妻)

ご質問者は、「会社員妻」となっていますね。ということは、ご夫婦で子どもの成長を見守っていらっしゃるのでしょう。

夫婦での子育ては、父親と母親で役割分担が大切だと私は考えています。たとえば、子どもを叱るとき(ときには必要ですね)、母親が叱ったら、父親は黙って見ていて後で子どもを慰めてあげる役目に回る。そうしないと、母親はしっかり叱ることができません。いけないのは、父母が一緒になって叱ること。それを行うと、子どもの気持ちに逃げ場がなくなります。
同様に、子どものことを心配するときも、片方が心配のオーラを出したら、片方は鷹揚(おうよう)に、のんびり構えて普段通りにしていた方がいいですね。

ご質問者は母親として、心配でたまらないと思います。お嬢さんも、母親が心配していることを感じているはずです。なにしろ女同士、親子ですから、何でも通じ合ってしまいます。でも「お母さん、ゴメン。今はまだ言えない」とか、「こんなことを話せない」と思っているのでしょう。

母親からしたら「そんなことを言わないで。何でも相談してくれればいいのに」、ですよね。相談してもらえれば、たいていのことは解決します。「取り返しのつかないこと」は、滅多に起こるものではありません。
大人からしたら、相談しないのはおかしいし、時間のムダです。歯がゆいですよね。
でも、それは本当に時間のムダでしょうか。

自分がクリアしたゲームを子どもがやっている。端で見ている親は、「そこはこうして。ああ、そっちの道に行っちゃダメ」と口を出したくなります。しかし、口出しすることは、余計なお世話です。失敗してもそれが次の成功につながるのなら、失敗もまた楽し、です。

その楽しみや成長の過程を奪ってはいけません。ゲームをしている横で、洗濯物でも畳みながら、「やっぱり、そうやりたくなるよね」「そっちの道を選びたくなるよね」と心の中で微笑む。それが、「成長」を見守る姿勢というものでしょう。

「親」という漢字は、「木のそばに立って見る」という姿勢を表すものだと聞いたことがあります。口出しも手出しもせず、ただ見ているだけ。歯がゆいですね。でも、それが親というものなのでしょう。

それでも、心配ありません。子どもは、本当に困ったときは、必ず相談してきます。相談されたら、「そんなことだと思ってたわ」と言ってあげましょう。
「分かってたの?」「分かってるわよ、何年あなたの母親やっていると思ってるの」。
これが、母親の決め台詞です。
一方、父親は「ほう、そんなことが起きてのか。でも、大丈夫だ。任せておけ」…と、そんな台詞、一度でいいから言ってみたいと私は思っています。

情報提供:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

1984年から週刊住宅情報の記者となり、99年に「誠実な家を買え」を大村書店から出版。以後、多くの著書を送り出し、新聞雑誌への寄稿、コメント出しも精力的にこなす。2000年の文化放送「梶原放送局」を皮切りに、テレビ・ラジオに多く出演。