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Question

タワーマンションを購入するときに知っておくべきメリットや注意点とは?

友人がタワーマンションを購入したという話を聞いて、自分も興味がわいています。実際にタワーマンションに住むと、どんなメリットがあるのでしょうか?タワーマンションの魅力や、注意しておくべき点などがあれば、教えてください。

Answer

充実した共用施設、眺望のよさ、防犯やセキュリティ面の高さなど、タワーマンションにしかないさまざまなメリットがあります。ただし階層によってかかる税金が変わるなど、注意も必要です。マンションに住むことによってかかる費用などは、事前にしっかり把握しておきましょう。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

そもそもタワーマンションの定義って?

近年は主要な都市で次々と建てられているタワーマンション。駅に近いのはもちろんのこと、物件によってはコンビニやスーパーマーケットといった日常生活に必要な施設が揃っているのも、タワーマンションならではの魅力ですね。その見上げる高さや美しい外観から、しばしば街のシンボルにもなることもありますが、そもそもタワーマンションというものに、明確な定義はあるのでしょうか?

タワーマンションの明確な定義はない?
実は、タワーマンションには明確な定義はありません。建築基準法や消防法などでは、31m、60m、100mと建築物(建物)の高さによって異なる基準が設けられており、このうち高さ60mを超える建物を超高層建築物とする考え方が一般的となっています。不動産業界や建築業界では、一般的にこの高さ60m以上、階数にするとおよそ20階以上の居住用マンションをタワーマンションと呼んでいます。

東京や大阪といった主要な都市に特に多く、近年では都市が再開発されると、それに応じて駅の近くにタワーマンションが建てられることが通例にもなりつつあります。タワーマンションはある意味、街の発展を示す象徴ともいえるでしょう。

かつては物件数も少なく、ごく限られた人にしか住めない、憧れの物件といったイメージがあったタワーマンションですが、ここ最近は物件数も増え、価格も特に最上階など希少性の高い部屋を除けば、以前に比べて決して手の届かないものではなくなってきました。

高層階と低層階の違いには、どんなものがあるの?

タワーマンションのような超高層建物にもなると、同じマンションに住んでいても、高層階に住む環境と低層階に住む環境には、やはり違いが出てきます。具体的な特徴と、どのような違いがあるのかをわかりやすくご紹介します。

眺望を求めるなら高層階がおすすめ
高層階の魅力は、やはりなんといっても眺めがよいこと。隣に同じような高さのマンションが立たない限りほかのマンションによって眺望がさえぎられることもなく、部屋に居ながら素晴らしい景色を望むことができます。リバーサイドやベイサイドのように、近隣で花火大会などが行われるエリアであれば、夏には、リビングが花火大会観覧の特等席になることも。

高層階は低層階よりも眺望がよいこともあり、物件価格は高くなりますが、物件によっては高層階の部屋では、設備などの基本グレードが上がり、居室面積が広く設計されているマンションもあります。同じタワーマンションのなかでも、高層階は低層階と比べると眺望など代えられない希少性があるため、資産価値が維持しやすいことも、購入後のメリットの1つになります。

ただし地震発生時には、高層階は低層階に比べて揺れが大きくなりやすい点に注意が必要です。タワーマンションでは、地盤(建物の建っている敷地)と建物の間に免震装置と呼ばれる装置を設置することで、直接地震の揺れが建物に伝わらないようにする「免震構造」を採用しているところが多く、その構造上の特徴から高層階になるほど小さな地震でも思ったよりも揺れてしまい、しばらく揺れが続くこともあります。もちろん、地震の揺れや大きさは緩和されるのですが、家具などをしっかり固定しておくなどの必要があります。

コストパフォーマンスを求めるなら低層階がおすすめ
低層階の魅力は、同じタワーマンション内でも高層階と比べて購入費用を抑えることができることでしょう。同じ間取りや広さでも低層階の方が高層階よりも安く購入できます。しかし高層階、低層階を問わずラウンジやスポーツジム、ゲストハウス、キッズルームなどのタワーマンションに設けられた共用施設や設備を利用することができるため、購入費用が抑えられた低層階はコストパフォーマンスが高いといえるでしょう。

高層階と比べて眺望は劣るものの、地震などの災害発生時にエレベーターが止まって、階段を使うことになったとき、地上に近い低層階は、高層階と比べるとスムーズに避難できるのは大きなメリットですね。

また、立地もよく、コストパフォーマンスもよいことからあえてタワーマンションの低層階を購入する方もいます。しかも、タワーマンションの資産価値は一般的なマンションと比べて高めになる傾向があるので、タワーマンションの低層階も人気があるのはうなずけます。

高層階と低層階では、かかる税金も違う!
平成29年度の税制改正まではタワーマンションの固定資産税の計算方法は低層階や高層階などの高さに関係なく、同じ計算方法でした。しかし、高層階は低層階と比べると価格が高いのが一般的で、同じ広さや間取りでありながら資産価値が高いにもかかわらず、固定資産税は同じ税額になっていることからタワーマンションの高層階が節税対策の対象となっていることが問題視されていました。

資産価値が高い高層階と低層階の払うべき税金は同じという不公平をなくすため、一部を除く平成29年1月2日以後に新築されたタワーマンションの、平成30年度分の固定資産税から計算の仕組みが見直されました。本年度から適用された税制では、中央階の固定資産税は変わらず、そこから1階上下するたびに、およそ0.25%ずつ増減されていきます。

たとえば、1階を100とした場合、40階では110となります。その差は10%になり、たとえば、これまで20階の固定資産税が40万円だったとするとこの改正によって1階はおよそ38万円、40階はおよそ42万円となります。年間数万円の差でも、長期でみればその差は広がってくるので、しっかりと把握しておきましょう。

タワーマンションでは、高層階と低層階には、眺望や日当たり、災害時の対応といった違いがあるほか、税金の違いがあることを忘れないでおきましょう。もしもタワーマンションの購入を検討していて、具体的な固定資産税などを事前に調べておきたいという人は、下記ページの参照をおすすめします。

出典:総務省「平成 29 年度税制改正の大綱 」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000455835.pdf
(最終確認日:2023年3月20日)

タワーマンションが人気の理由とは?

タワーマンションには、住むことによって具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは項目ごとにわけて、主な人気の理由をわかりやすくご紹介していきます。

眺望の良さ
ほかの一般的なマンションと比べて高さの高いタワーマンションでは、何といっても高層階の眺望のよさがやはり人気の1つといえるでしょう。高層階ではまわりを遮る建物もないので、日当たりがよいのもポイントの1つです。しかも、周囲からの視線もなく、生活するうえでプライバシーも確保されるというメリットもありますね。

充実した共用施設
タワーマンションは居住空間である専有部分も充実していますが、マンションの居住者が自由に使うことのできる、さまざまな共用施設が設けられています。物件にもよりますが、来客があったときに便利なパーティルームや、宿泊もできるゲストルーム、眺望のよいラウンジやスポーツジム、プールといった暮らしを豊かにする嬉しい施設が設けられているのも、タワーマンションの魅力です。

虫が出にくい
些細なことですが、一戸建てや低層マンションに比べると、高層階では虫が出にくいのも意外な人気の理由の1つです。虫が苦手という方には、魅力的なポイントですね。

セキュリティ・防災面が優れている
最近のタワーマンションでは、Wオートロック(エントランス、エレベーターホールといった要所にオートロック設備がある)、24時間有人管理や防犯カメラなど防犯環境が整っているなど、セキュリティ面に強みがあるのも、タワーマンションの大きな特徴です。また、日本では一般的に高層建築物ほど地震に対する建築基準も厳しくなっており、タワーマンションは高い耐震性も兼ね備えているといえます。

生活の利便性が高い
タワーマンションの多くは、都市計画や建築基準法といったさまざまな要件から、駅から近い好立地な場所に建てられます。そのため、スーパーマーケットや病院といった、生活に必要なものが身近に揃う立地に建つことになります。従って、タワーマンションは、生活の利便性が抜群に高いマンションといえるでしょう。

高さもあり、敷地内に緑地や歩道などゆとりある空間も確保されているタワーマンションは、しばしば街のランドマークにもなります。街のシンボルに自分が住むという、一種のステータス性も、タワーマンションの魅力の1つといえるでしょう。

これだけは注意!タワーマンションに住む前に知っておくべきことは?

タワーマンションに住む際には、いくつかの注意点もあります。いざ住み始めてから後悔するといったことがないよう、確認しておきましょう。

まず1番に注意したいのは、管理費や修繕費が一般的なマンションと比べて、ある程度かかってしまうこと。充実した共用施設やフロントサービスなどの有人管理ではその分維持費がかかってしまうものです。それらの維持費は、マンションを所有する区分所有者で負担しあうことになります。

共用施設や管理する人の人件費や点検・軽微な補修の費用といった毎月の管理費はもちろん、建物の共有部分の修繕のための修繕積立金も支払っていかなければなりません。マンションの共用施設をそれほど使わない人も、同じようにこれらの費用は支払わなければならないので、損をしている気分になってしまう可能性もあるでしょう。

また、高層階では、消防法などの法律によって窓が開けられないという制約がつくこともあります。そのため、洗濯物や布団などが外に干せない可能性があるので、高層階を検討している場合は確認しておきましょう。

そして、タワーマンションは1つの建物にたくさんの住宅がつくられているため、それだけ居住する人も多くなります。それを踏まえ、タワーマンションならではの悩みとして、エレベーターの混雑も注意しておきたい点です。特に、朝の出勤時は、エレベーター待ちで時間がかかってしまうことも。ただ、最近は高層階と低層階で利用するエレベーターを分ける、複数のエレベーターを設置するほか、運用効率をよくしたエレベーターを採用するなど工夫されるようになってきています。

住宅に求めるものは人それぞれです。タワーマンションならではの魅力はたくさんありますが、一方でタワーマンションならではの注意点もあります。優れた眺望や魅力ある共用施設などタワーマンションに住むことで得られるメリットが自分の求めるものと重なる方にはタワーマンションはおすすめです。一方、若干維持費がかかるのもタワーマンション。そういった点を比較して検討することで失敗しないマンション選びができるようになりますね。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。