櫻井幸雄の人生相談

2019.01.08

Question

今どきのご近所付き合いってどんなことをするのでしょうか?

櫻井先生はじめまして。来年入籍を控えている31歳会社員の女性です。

私は1人暮らし歴6年で、これまでずっと賃貸で暮らしていました。結婚後はマンションの購入を考えているのですが、マンションの購入を検討するにあたり、少し気になっているのがマンションに住む場合のご近所付き合いです・・・

実家の母は、ご近所の人たちはよい方々だけれど、付き合う頻度の多さと、毎度話が長くなり疲れるときがある、といった話をしています。

私もそんな母の姿を見ていたせいか、ご近所の方とは、できるだけ一定の距離感を保ちたいと思っています。しかし、分譲マンションに住んだことがないので、戸建てと比較してマンションの場合のご近所付き合い事情が分からず、実際に住んでからストレスにならないかなど、少し不安に思っています…

今どきのご近所付き合いってどんなことをするのでしょうか?また、ご近所とうまく付き合っていく方法などありましたら教えてください!
(31歳 会社員女性)

ご近所に住む方々は、頼りになる半面、ときに面倒を感じることもありますね。このご近所付き合いは、マンションよりも一戸建てのほうが密になる傾向があります。マンションの場合、どこまでが「ご近所さん」となるのか、その線引きが難しくなります。同じ建物に住む人はみんな「ご近所さん」と考えると、際限がないからです。

総戸数50戸のマンションであれば、50世帯すべてがご近所さんといえそうです。総戸数100戸のマンションであれば、100世帯が。総戸数2,000戸の大規模マンションであれば……ちょっと気が遠くなりそうです。だから、ほどほどのおつきあいをしてゆきましょう、という暗黙の了解ができあがっています。

そのため、たとえばマンションを育って子どもが結婚式を挙げるときも、よほど親しい間柄でない限り、式に参列してもらうことはありません。

これに対して、一戸建て住宅地は、「ご近所さん」の数がぐっと少なくなります。向こう三軒両隣という言葉あるとおり、日頃親しくするのは5軒程度。多くても10軒くらいです。

5軒から10軒であれば、その人達を軽んじることはできない、という発想が生まれます。マンションよりも「ご近所さん」の数が少ないので、より大事にするわけですね。だから、子どもが結婚する場合、「ご近所さん」が式に参列することがあります。ご近所さんに対する考え方がマンションと一戸建てでは、大きく変わります。

私の知り合いで、旅行好きであるために、一戸建てからマンションに引っ越した人がいます。その理由は、ちょっと驚きでした。一戸建てに住んで、旅行に出かけると、その都度、お土産を買って帰ることになります。

「留守の間、お願いしますね」と頼むので、お土産無しではいきません。そのお土産探しが旅行先での頭痛のタネ。そして、土産を渡すと、「また行ったの、いいわねえ」と言われる。それも嫌になってマンションに引っ越したというのです。

マンション暮らしなら、「留守の間、よろしくお願いします」と頼むのは、管理員だけ。管理員にお土産を渡したい、と思ったときも、帰ってきてから、近所でケーキやお煎餅を買えばよい。そのほうが、ずっと気楽なので、マンションに引っ越したのだと笑っていました。

これからマンション暮らしを始めるとき、「たくさんの人が住んでいるので、おつきあいが大変」と思うかもしれません。しかし、実際のマンション暮らしでは、ほどよい距離感が生まれるので、むしろお付き合いは楽なのです。そんなに心配することはありませんよ。

情報提供:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

1984年から週刊住宅情報の記者となり、99年に「誠実な家を買え」を大村書店から出版。以後、多くの著書を送り出し、新聞雑誌への寄稿、コメント出しも精力的にこなす。2000年の文化放送「梶原放送局」を皮切りに、テレビ・ラジオに多く出演。