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Question

災害に強い家の特徴は?安心して暮らすためのポイントをご紹介!

新しい住まいを検討しているのですが、やはり地震や台風などに遭ったときにも安心して暮らせる所を探しています。災害に強い家とはどんな家ですか?その特徴を教えてください!

Answer

災害に強い家とは、被害を最小限にし、安心して暮らせる設備を整えた住宅です。地震が起きた場合は二次災害の火事への対応も必要になりますし、台風が起きた場合は、豪雨による床上浸水や暴風への対策も考えなければなりません。

情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二

目次

災害に強い家が重視される理由

自然災害は地震、台風、猛暑などさまざまですが、日本では特に地震や台風は深刻な被害となっており、近年内閣府が発表している激甚災害の多くが地震と豪雨によるものです。

地震が起きると、戸外での家屋の倒壊や屋内での家具の倒壊のほか、火災の発生も考えられます。また台風が起きると、豪雨や暴風による土砂崩れや床上浸水、外壁の剥がれや屋根の巻き上げといった被害に発展することも考えられます。

2021年1月に株式会社長谷工アーベストが行ったアンケートでは、「安心・安全に住むために重要だと考えること」の第1位に「台風・水害などの災害に強い建物」、第2位に「耐震性能などの建物の構造」という結果が出ました。地震や豪雨といった災害に強い家が重視されていることが分かります。

災害時の住まいの役割は、大きく2つ考えられます。1つは災害に遭った場合に被害を最小限に食い止めること、2つ目は災害の後でも住み続けられることです。ここでは災害に強い家とは何か、その特徴や住みながらできる対策などについてお伝えします。

マンション外観
※イメージ写真
災害に強い家のポイントは?

災害に強い家のポイントは、土地、建物の造り、材質などが挙げられます。さらに定期的なメンテナンスを怠らないことも重要になります。それぞれどういうポイントがあるのか、見ていきましょう。

土地
災害に強い土地を見極めるポイントは「どんな地盤なのか」と「どんな立地にあるのか」の2点です。水や泥などが多く含まれた柔らかい地盤や、水辺に近かったり谷になっていたりする土地は、災害時に被害を受ける可能性が高いといえます。以下に確認できる方法と確認するべきポイントをまとめました。

方法 ポイント
国土交通省のサイト 「重ねるハザードマップ」※1では、津波や洪水などが起こった際に被害が及ぶ可能性のある立地を確認できます。「Kunijiban」※1では、全国の地盤調査の結果を閲覧することができます。
地方自治体の窓口 地方自治体によっては地盤情報を閲覧できます。自治体によって、無料か有料かの閲覧サービスが異なり、閲覧自体ができない自治体もあるため、あらかじめ確認しましょう。
地盤調査 マンションや建売住宅の場合は、一般的に建設前に地盤調査が行われているので、売主に結果を確認してみましょう。注文戸建てを検討しているなら、地盤調査を業者に依頼しましょう。
自分の目 住まいの周囲を歩いてみて、周囲に災害の跡がないかを確認します。近所の塀や基礎部分にひび割れがあったり、傾いている家があったり、近くの山で土砂崩れの跡があったりといったことから、過去の災害による被害を自分の目で確認することができます。
古地図 図書館や役所でその土地が昔どのような場所だったのかを確認しましょう。江戸、大正、明治、昭和と時代を追いながら土地の特性をつかんでいきます。
地名の由来 地名がその土地の特徴を表している場合があります。水に関係していたり、「谷」や「田」などと付いていると、かつては谷であったり、水田であったりする可能性があり、地盤が緩いかもしれません。その場合は、地盤の強度をしっかり確認しましょう。

建物の造り
建物の形状や構造によって災害への強さが変わってきます。それぞれ見ていきましょう。

●形状
地震に対応する建物の形状は、凹凸が少ないほうが理想です。凹凸があると揺れの力が過剰にかかるポイントが出てきます。そうするとうまく揺れを逃がせず、建物の崩壊につながる可能性が高まります。正方形や長方形などのシンプルな建物は、揺れの力を均等に逃がす仕組みがある、といえるのです。

また、床上浸水を防ぐには、床が高い建物がよいでしょう。浸水した場合の備えとして、コンセントといった電気系統の場所を分散させ、できればブレーカーも複数設置すること、同時にコンセントや室外機を高い位置に配置することも大切です。

●構造
地震に強い家を見極めるには、耐震等級をチェックしましょう。耐震等級とはその名の通り、建物の地震への強さを1〜3段階に分けて表したものです。

基本的に現在建てられる建物は、建築基準法で「新耐震基準」を満たすように決められています。新耐震基準は、震度5強程度ではほとんど損傷せず、震度6強~7では倒壊・損壊しないほどの耐震性です。

そのうえで、耐震等級1は建築基準法が求める最低基準であり、耐震等級2ではその1.25倍、耐震等級3になるとその1.5倍の大きさの地震でも建物が倒壊、崩壊などしない程度とされています。

さらに、地震に耐えるための建物の構造には3つの種類があり、それぞれ以下のような特徴があることを押さえておきましょう。

揺れへの対応 耐震構造 製法
耐震 地震で生じる揺れに耐えられる構造 建物の構造自体が地震に耐えられるような強度で造られる
制振 地震の揺れを制御して軽減する構造 地震エネルギーを吸収する制振部材を建物に組み込む
免震 地震の揺れを吸収し、建物の上部に伝わる揺れの力を軽減する構造 建物と地盤との間に積層ゴムなどの特殊な免震装置を付ける
家の模型と耐震診断報告書
※イメージ写真

建物の材質
建物の材質の違いで、木造住宅、鉄骨造住宅、鉄筋コンクリート造住宅などに分かれます。それぞれが災害に対してどのような強度があるのかを表にしてみました。

耐震 耐水 耐火 耐風 対土砂崩れ
木造住宅 高い、材質が軽いため地盤に負担を与えづらい ほかの材質と比較すると低い 低い、材質は燃えやすいが、耐火構造にもできる 瞬間風速40mで倒壊するものがある 損壊
鉄骨造住宅 高い、揺れに対して柔軟に対応する、ただし材質が重いために地盤を強化する必要がある 中程度 中程度、燃えないが、熱伝導率が高く、曲がる。350度で変化、500度で変形が大きくなる。耐火被覆など対策が必要 瞬間風速40mで変形するものがある 多く損壊
コンクリート造住宅 高い 高い 高い、ほとんど燃えない 変化がない 土砂を受けとめることがある

材質で考えると、コンクリート造住宅が圧倒的に災害に強い、となります。ここでは材質に着目しましたが、各ハウスメーカーや工務店がそれぞれの材質で、災害に強い住まいづくりを開発しています。材質の特徴を把握しつつ、会社ごとにどんな災害対策を行っているかも確認しましょう。

建物の設備
災害が起こったときに役立つ設備を備えているかも災害に強い家のポイントです。
たとえば、大規模マンションでは、断水が起こり水道の復旧がままならない状況で活用できる「スマートウォータータンク」※2という設備があります。

スマートウォータータンクとは、水道水に加えて貯水した雨水を植物の水やりや非常時の飲料水生成に使う、雨水活用タンクです。スマートウォータータンクによって、マンション居住者の飲料水、1人当たり約3リットルとした場合の6日分を確保できます。

またエネルギーの確保としては、太陽光発電や蓄電池、自家発電機を活用する方法があります。電気の自家発電が可能であれば、IH調理器を用意しておくと便利です。都市ガスの場合は復旧までに日数を要するかもしれません。IH調理器があると心細い在宅避難時に煮炊きができます。

ソーラーパネル
※イメージ写真

建物の外装
建物の外装は、屋内を保護します。外壁や屋根に傷や剥がれがあると、雨風が屋内に侵入し、建物自体を傷めることになります。雨が建物内部に入ると、カビが発生し、続いてシロアリが発生することにもなりかねません。そうなると建物の寿命が短くなる可能性があります。

●外壁
外壁は、日頃から外壁の施行が十分になされているか、ひび割れがないかなどを確認しておきましょう。外壁の施行が十分でないと、豪雨にあってひび割れがあるとそこから内部に水が入って雨漏りとなり住宅が傷むことがあります。また暴風では外壁が剥がれる可能性があります。外壁の塗装に剝がれがないか、ふだんから確認しましょう。

●屋根
屋根や雨樋(あまどい)は、台風や竜巻などの暴風による下から巻き上げる力で飛ばされることがあります。奥行の広い軒先や庇は、柱で補強しておきましょう。

建物の間取り
建物の間取りは、大きな吹き抜けや柱や壁のない空間などは避けたほうが無難かもしれません。揺れの力をうまく分散しきれず、倒壊する可能性があるためです。また、戸外にすぐ出られる避難経路を確保しましょう。

●家具
大型家具は倒壊の恐れがあるため地震対策を行ったほうがよいでしょう。収納は備え付けにするのがおすすめです。

●寝室
寝室は、床上浸水の可能性を考えて、1階ではなく、2階以上にすると安心です。

●備蓄庫
備蓄庫を設置しておくと、被災後の在宅避難ができます。水や食料、トイレットペーパーなどをストックする備蓄庫の設置をし、日頃から鮮度や備蓄数のチェックを怠らないようにしましょう。

●窓
窓は、暴風対策として、雨戸を設置したり、飛散防止フィルム付きのガラスにしたりなど、窓ガラスが割れない対策を施しましょう。

大型台風による増水
※イメージ写真

建物のメンテナンス
建物のこまめなメンテナンスは、災害対策に必要不可欠です。外壁のひび割れや設備の状態などを災害対策の観点で定期的にチェックする必要があります。マンションに住んでいて定期的にチェックや修繕を管理者に任せられる場合はよいのですが、戸建てに住んでいる場合は、自分で管理しなければなりません。

もし建物が、現行の耐震基準や耐震等級3に適っているかが不明な場合は、耐震診断の業者への依頼をおすすめします。また、耐震基準適合証明書があると、売却の際には買い手が付きやすくなりますよ。

マンション、戸建てそれぞれの強み

マンションと戸建て、災害に対するそれぞれの強みを見ていきましょう。

マンションの強み
マンションの建物は、形状がシンプル、鉄筋コンクリート造、さらに制振、免震の耐震構造のため、強固な造りになっています。また、備蓄庫やウォータータンクといった災害時に役立つ設備も備えているところが多くあります。

それらを定期的にメンテナンスする管理体制が整っているのであれば、災害に強い住まいといえ、安心して暮らせるでしょう。

戸建ての強み
戸建ては、マンションと比べて戸外に避難しやすいのが特徴です。また、戸建ての場合、生活に使用するガスを自由に選べるのも1つのメリットでしょう。プロパンガスを利用すると、都市ガスに比べて災害時のライフラインの復旧が早く見込めます。東日本大震災級の災害が起きた場合、都市ガスが9割復旧したのは被災した34日後でした。

ただし、マンションと違って、全て自身で対策を講じなくてはならない戸建ては、住んでいる人の防災への意識の高さとこまめなメンテナンスが必要不可欠となります。戸建てには戸外に避難しやすい身軽さがありますから、避難グッズの用意と避難所までの経路の確認をしっかりしておきましょう。

家と青い車
※イメージ写真
住みながらできる防災対策は?

ここまでは建物自体に着目しましたが、ここでは住みながらできる防災対策を考えます。

家具の置き方を工夫する
地震が起きたときに家具が倒壊したり、扉が開いて中の物が散乱したり、ということを防ぐ工夫が必要です。家具の倒壊を防ぐには、L字型金具や上下式ユニットなどで家具の固定をしたり、「耐震ラッチ」で扉が開くのを防いだりと、工夫しましょう。耐震ラッチとは、地震が来ても戸が開かないよう棚の戸を固定する器具です。

また、家具は避難動線を妨げたり、出入口をふさいだりしないように配置します。さらに寝室には極力家具を置かないようにし、置いたとしても背の低い家具にしましょう。

備蓄品を用意しておく
大きな災害が起こったとき、ライフラインが止まるかもしれません。電気やガス、水道などのライフラインが止まった場合のために食料や飲料、生活必需品などを備蓄しておきましょう。また、在宅避難が困難になる可能性を考えて、非常用持ち出しバックを用意しておきましょう。

非常持ち出し袋、備蓄品
※イメージ写真

避難場所を確認しておく
地域の避難場所を確認しておきましょう。避難場所は、自治体のホームページから確認できます。災害の種類によって安全な避難場所が異なるので、それぞれ避難ルートを確認しておくと安心です。

家族でのルールを決めておく
災害が起こったときの安否確認の方法を家族のなかで決めておきましょう。スマホがつながらないことを考えて、災害用伝言ダイヤルの活用を互いに確認しておくのがおすすめです。連絡が取れなかったり、ケガをしたりなど、何かあった場合の集合場所を決めておくのも大切です。また、家の中で非常持ち出し品の場所を家族全員で確認しておきましょう。

保険の加入をしておく
地震保険や火災保険などの保険に加入しておきましょう。それぞれについて調べ、補償される範囲を把握しておきます。既に加入している人は補償の範囲や内容などを再確認して、見直しの必要がないかどうかを確かめておきましょう。

地震保険、火災保険の案内
※イメージ写真
もしも、災害が起こったとしたら

内閣府の調査によると、「もしも、大地震が起こったとしたら、あなたはどのようなことが心配ですか」という問いに対して、「建物の倒壊」と答えた人の割合は72.8%でした。大きな地震がいつ起こってもおかしくない状況で住んでいる私たちにとって、建物が頑丈であることは、暮らしの安心にとって欠かせないものですね。

ところが同じ調査で、大地震への具体的な備えをしている人の割合は50%弱となっています。具体的な備えとは以下のようなことです。

・自宅建物や家財を対象とした地震保険への加入
・食料や飲料水、日用品などの準備
・停電時に作動する足元灯や懐中電灯などの準備
・家具・家電の固定
・避難場所の確保

激甚災害後は、災害対策をする人が多くなりますが、時が経つにつれて対策への意識が次第に薄れていく人が多いようです。

嫌なことを忘れることは人間のよい所でもありますが、災害に備えることは、災害を最小限に食い止めることになり、嫌なことを回避することになります。災害に強い家に住み、メンテナンスを怠らないこと、普段から災害に備えておくことを心がけましょう。

※1出典:Kunijiban ,国土交通省
https://www.kunijiban.pwri.go.jp/jp/service.html
(最終確認:2022年1月18日)

※2出典:プレスリリース ,長谷工コーポレーション
https://www.haseko-hkh.co.jp/20210129_1.pdf
(最終確認:2022年2月4日)

情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二

株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、不動産キャリアパーソン、中小企業診断士。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングを行う。

HP:https://grow-profit.net/