マンション購入ガイド

2017.05.31

Question

住宅ローン借入に必要な団信(団体信用生命保険)って何?

賃貸の更新が迫っているので、この際マンションを購入しようと考えています。マンション購入の際は住宅ローンを借りたいと思っているのですが、住宅ローンを借りる条件に「団信(団体信用生命保険)の加入」というものがあると聞きました。マンションを購入した友人からも団信という言葉を聞いたことがありますが、団信とは何ですか?

Answer

団信とは生命保険の一種です。返済期間中にローンの債務者に万一のことがあった場合に、ローン残高分の生命保険金が金融機関に支払われ、ローンが完済できる仕組みになっています。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

住宅ローン借入に団信加入が必須の場合が多い

「4年ほど前に住宅ローンを組もうとした時、組めなかったんです。その年に手術をしていたのが要因だったみたいで。今は無事に完治し、今回住宅ローンを組めてほっとしました。体調がローン借入に影響するとは思いませんでした。」

このように、その他条件はクリアしているのに、ご自身の健康面で住宅ローンを組めないという思わぬ足止めをくらってしまうケースは、よくあります。

住宅ローン借入条件「団信への加入」
ご自身の健康面で住宅ローンを組めないというのは、民間金融機関の多くが住宅ローンの借入条件の一つに「団体信用生命保険に加入できること」という項目を設けているからです。

この団体信用生命保険(通称:団信)の審査のために、住宅ローンの仮審査まではスムーズだったのに、本審査が通らなかったという声は多く聞かれます。

今回は、せっかくのマンション購入計画を大幅に変更せざるを得ないということのないよう、住宅購入前にあらかじめ知っておきたい団信のポイントをお伝えします。

住宅ローン借入に団信加入が求められる理由とは?

「ダンシン」とよく言われる団体信用生命保険は、生命保険の一種です。
ローンの債務者が万一死亡、または高度障害状態になってしまった場合に、ローン残高分の生命保険金が金融機関に支払われ、ローンが完済できるようになっています。

回収不能になるリスクを回避したい金融機関
この団信は融資する金融機関にとって、融資をするかどうか判断する重要な役割を担っています。

というのも、住宅ローンの融資上限として、通常本人の返済能力とは別に「8000万円まで」や「1億円まで」と明記されています。この額がどこからくるのかというと、実は団信で保障される上限額からきているのです。

住宅ローンは金額も大きく、返済期間も何十年と長いですよね。金融機関も、多額で長期の融資が回収不能となるリスクを少しでも回避したいのです。そのため、融資の際の条件として、団信の加入を求めるところが多いのが現状です。

団信加入の際は健康状態をどこまで告知するの?

では、この団信、実際にはどこまで健康面のチェックをするのでしょうか? 住宅ローンを扱う金融機関や団信の引受保険会社によって詳細は異なりますが、一般的には以下のような3項目と言われています。

(1)直近3ヵ月以内に医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがあるか?

(2)過去3年以内に所定の病気で手術を受けたこと、または2週間以上にわたり医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがあるか?

(3)手・足の欠損または機能に障害があるか?または、背骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害があるか?

ここで、ポイントになるのは、(1)の直近3カ月以内と(2)の過去3年以内、または2週間以上にわたるという期間です。冒頭で約4年前に手術をした人は、(1)(2)がもう該当しなくなったので、晴れて、団信の審査もパスして、住宅ローンを組めたわけです。

健康診断結果の告知が求められることはまれ
また、以前は上記の他、健康診断による異常の指摘について告知を求めるところもありましたが、最近は、医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を中心に告知をするようになっているようです。

団信の保険料はどれくらい?

一般の団信の保険料は住宅ローンに組み込まれている
団信は、それぞれの金融機関と提携している保険会社が引き受けており、その保険料は通常、住宅ローンの金利の中に組み込まれています。なので、一般の団信の場合、私たちが団信に保険料をいくら払っているか認識する機会はとても少ないでしょう。

フラット35の場合
しかし、団信の加入を任意にしているフラット35では、別途、団信の保険料を計算することができます。フラット35の場合、住宅金融支援機構による機構団信特約制度の特約料は例えば、残高が3000万円の場合、年間特約料(保険料)は10.73万円です。残高が下がれば、その負担も徐々に下がっていきます。

ワイド団信や特約付き団信の場合
また、上記の「ワイド団信」は保険料相当分として、通常の金利に対して0.2%~0.3%上乗せする方式をとっています。

その他、最近はがんや3大疾病、8疾病、9疾病などまで特約で保障範囲を広げた「特約付き団信」も増えてきており、それらも、保険料負担として金利に0.2%~0.3%上乗せするタイプが多くなっています。

保障内容が充実した団信を選んだほうがいいの?

最後に、健康状態に不安がない方からよく聞かれる団信選びの悩みとして、「8疾病、9疾病など、幅広い保障がある特約付き団信のほうがいいか?」という点について補足しておきましょう。

充実した団信はその分金利負担が大きく
所定の病気で働けない状態になるなどの条件を満たすと住宅ローンの返済が軽減され、更に一定期間経つとローンが完済できるという特約付き団信は、一見とても安心感があると思うことでしょう。

しかし、金利負担がそれだけ大きくなることには注意が必要です。また、多くの団信は最初に選んだら、途中で変更や解約ができません。

本来の住宅ローンの機能を考えると、通常の団信を前提に金利条件や返済のしやすさでしっかり選び、追加の保障については別途、変更や解約などもできる生命保険商品で補う程度に考えておくほうが、長い返済期間中も臨機応変に対応できるのではないでしょうか。

住宅ローンの団信について迷われている方は、ぜひ参考にしてください。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP®認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。