マンション購入ガイド

2018.01.30

Question

住宅ローンをお得に返済! 繰り上げ返済の手続きとは?

新築マンションを購入し、新しい生活がスタートしました!お隣さんとも仲良くなり、先日住宅ローンの話が出ました。そこで繰り上げ返済がお得という話を聞いたのですが、繰り上げ返済とはどういうことでしょうか? 繰り上げ返済の手続き方法についても教えてください。

Answer

繰り上げ返済とは、住宅ローンを予定より前倒しして返済する方法。ネットや電話で簡単に手続きすることができます。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

目次

住宅ローンの繰り上げ返済とは?

マンション購入の際に多くの方が申し込む「住宅ローン」。長期間にわたりコツコツと支払うイメージですが、その返済期間を短くしたり、毎月の返済金額を減らすことのできる「繰り上げ返済」についてご存知でしょうか?

ここでは、「聞いたことはるけど、よくわからない」「繰り上げ返済したいけど手続きの方法がわからない」という方のために、住宅ローンの繰り上げ返済についてご紹介したいと思います。

住宅ローンを返済する際、通常は返済予定表(償還表)の通りに毎月返済していきますが、毎月の返済額に上乗せして、臨時に借入元金の全部または一部を、前倒して返済することを「繰り上げ返済」と言います。
繰り上げ返済については「住宅ローンの繰り上げ返済とは?」で解説していますので、詳しくはこちらをご覧ください。

一言に、「繰り上げ返済」と言っても2つの方法があります。

[ 1 ]期間短縮型
繰り上げ返済によって、その後の返済期間が短くなる「期間短縮型」
これは、繰り上げ返済によって借入元金を減らした分、もともと必要とされていた期間が短縮される仕組みです。その結果、期間が短縮した分だけ、本来払うはずだった支払利息が軽減されます。なお、住宅ローンの多くは元利均等返済方式をとっており、毎月返済額は変わらずに、期間が短縮される方法となっています。

[ 2 ]返済額軽減型
一方、繰り上げ返済によって返済期間はそのままに、その後の毎月の返済額が少なくなることを「返済額軽減型」と言います。これは、繰り上げ返済によって減った借入元金分が残りの返済期間で均等にならされることで毎回の支払利息分が軽減され、結果的に毎月の返済額が減るというものです。

ちょこちょこ繰り上げ返済がお得って本当?

繰り上げ返済は残りの返済期間や返済額が減るということについて簡単にご紹介しました。さて、では実際にどれくらいの支払利息が軽減されるのか、気になるところですよね。例を使って見ていきましょう。

〈例〉
借入額: 3,500万円
ローン期間: 35年
金利: 1%(全期間固定)
返済方式: 元利均等返済方式、ボーナス返済なし
毎月返済額: 約9万8,800円

●5年後に100万円を繰り上げ返済したとすると?
・期間短縮型
毎月の返済額13回分期間が短くなり、その13回分の支払利息として約34万2,600円分が軽減

・返済額軽減型
毎月返済額が従来の約9万8,800円から約9万5,000円へと約3,200円軽くなり、残りの30年の支払利息の合計で約15万7,800円が軽減

●1年目から毎年20万円ずつ5回にわたって繰り上げ返済したとすると?
・期間短縮型
1年後の20万円で3回分期間が短くなり、20万円ずつ5回の繰り上げ返済合計で支払利息は約36万9,700円軽減

・返済額軽減型
1年後から年20万円の繰り上げ返済ごとに約600円前後ずつ毎月の返済額が減り、繰り上げ返済5回分の合計で支払利息は約16万8,900円軽減
※上記の試算は、あくまで概算シミュレーションとなっております。詳細は必ず金融機関にご確認ください。

このように、繰り上げ返済は支払利息の軽減効果を上げるためなら、まとまった額になるまで待たずとも、早いうちに細かく返済した方が効果が大きいと言えるでしょう。

ただし、これら2つの方法は、節約できる支払利息合計額だけで選ぶのではなく、今後の返済について考えて選ぶことをおすすめします。例えば、「当初の契約通りの返済では、現役のうちに返せない」という方は、期間短縮型を優先。「近い将来、世帯収入が減る可能性があったり、住宅ローン以外の支出が膨らむ可能性があり、毎月の家計を少しでも楽にしたい」という方は、返済額軽減型を優先など、将来の家庭の収支の状況に合わせて選ぶとよいでしょう。

繰り上げ返済の手続きはどうしたら良い?

これらの繰り上げ返済の手続きは、各借入先によって異なりますが、次のような特徴があります。

手続き方法
インターネット上で手続きが完結するところ、窓口として電話やインターネットで申し込みをして郵送をするところ、更に金融機関の窓口で行うところがありますが、最近は、より低コストで便利に利用できるよう、従来の金融機関でもインターネットなどで手軽に申し込みできるところが増えています。
なお、窓口では、通帳や返済予定表などを持参して、必要書類に押印など必要事項もあるので、事前に必ず確認するようにしてください。

また、金融機関や取り扱うローンによって、「期間短縮型」「返済額軽減型」のどちらか一方しか選べないところもありますので、あらかじめ確認しておきましょう。

繰り上げ返済が可能な金額はいくら?
金融機関の窓口経由では、フラット35のように最低金額を100万円以上としているところがありますが、同じフラット35でも、インターネットを通して申し込む場合は10万円以上で可能となります(2018年1月現在)。
ネット専業銀行 (ネットバンク)では、ネット上で手軽にできるように1万円程度から繰り上げ返済できるところも多くなっています。

手数料はかかる?
住宅ローンの繰り上げ返済を利用する場合、特に注意したいのは手数料。手数料は、住宅ローンのシステムの変更などに伴う事務的コストや人件費などの費用とも言えるので、窓口だけでなく、繰り上げ返済する額や住宅ローンの金利タイプによっても、微妙に変わってきます。

インターネットで人手をかけずに手続きができ、変動金利タイプであれば、手数料が比較的安く、無料のところが多くなっています。一方、窓口で人手がかかり、繰り上げ返済金額も数百万円と多くなるにつれて、手数料も高くなる傾向にあります。

そして、金利タイプも固定金利期間中については、システムの変更コストがかかるために手数料が2万~3万円程度かかるところもあるので、固定金利期間が終わって変動金利になった時に繰り上げ返済をするなどタイミングを考えて手続きすることも大切です。

将来、繰り上げ返済をしようと考えている際に注意することとは?

繰り上げ返済はリスクがないように見えて、実は万能ではありません。支払利息の軽減に目を奪われて、繰り上げ返済をやりすぎて余裕資金が減って、家計が苦しくなっては本末転倒です。つまり、計画的に返済することが重要です。

そのためには、今の住宅ローンの借入金利などの条件を理解することが第一歩。住宅ローンの現状を理解した上で、他の住宅ローンへの借換えの効果が出そうなら繰り上げ返済よりも先に借換えを検討しましょう。最近は、ローン金利が低く、保証料など諸費用も低い住宅ローンがあり、借換えによって総返済額を軽減することも可能です。

借換えの効果も出ないくらいに今の住宅ローンが低い金利条件の場合、将来の家計の収支を予測しながら、繰り上げ返済をいつしたら良いか検討していきましょう!

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。