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ユニットバスとは?上手な使用方法を知って快適なバスタイムを!
今、浴室とトイレが別々の物件を探しています。先日、不動産会社の方が浴室とトイレが分かれている物件なのに、「ユニットバス」といっていました。どうしてトイレが一緒じゃないのにユニットバスというのでしょうか?ユニットバスについて教えてください。

ユニットバスとは「ユニット工法で造られた浴室」のことを指します。浴室とトイレがそれぞれ独立していても、浴室がユニット工法で造られていれば、ユニットバスなのです。
情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
目次
ユニットバスとは?
浴室の種類の1つを表す言葉としてよく耳にするユニットバス。浴室とトイレが一緒になったタイプのモノだと思ってはいませんか?実は、「ユニットバス」とは、浴室とトイレが一緒になっているタイプだけとは限らないのです。
今回は、日本の住宅で多く使われているユニットバスの意味や種類、上手な使い方などについてご紹介します。ユニットバスについて正しく理解をして、自分に合った浴室を見つける参考にしてくださいね!
パーツを組み立てて一体化させた浴室
ユニットバスとは、浴槽・壁・床・天井の各パーツが一体となって、防水性の高い素材でできている浴室のこと。あらかじめ工場で浴槽や壁、床や天井をそれぞれ成型しておき、現地で組み立てて造られます。この工法を、「ユニット工法」というため、ユニット工法で造られた浴室のことを「ユニットバス」と呼ぶのです。
ユニット工法には完成までにかかる施工期間を短縮できるため、現代の集合住宅の浴室の多くがユニット工法で建設されています。
一方、壁や床に防水加工を施した後、タイルを張って造る浴室を「在来工法」と呼びます。在来工法は職人が一から造るため工事期間が長いうえに、ユニットバスに比べ冬場は寒さを感じやすいというデメリットがあります。そのため、最近では戸建て住宅を新築したり、リフォームしたりする際は、ユニットバスを取り入れるケースが多いです。

多機能なユニットバスはシステムバスと呼ばれる
近頃は、分譲マンションや戸建ての浴室の種類の1つとして、「システムバス」という言葉も聞かれるようになりました。しかし実は、システムバスとユニットバスは同じユニット工法で造られており、明確な違いはありません。
異なる点は、システムバスには追い炊き機能、ミストサウナやジャグジーなどのオプション機能が多く付いていること。従来のユニットバスと差別化するために、多機能型のユニットバスをシステムバスと呼んでいます。
ほかにも、手すりを設置する、滑りにくい床材を選ぶ、出入り口に段差を付けないなど、バリアフリーのデザインのシステムバスも用意されています。
メリットは断熱性と使いやすさ
ユニットバスのメリットは、断熱性に優れているということと、掃除がしやすく使いやすいことです。ユニットバスは居住空間に浴室をはめ込んだ二重構造のため、浴室の熱が外に逃げにくい構造になっています。そのため、保温性が高く、特に寒い冬は浴室内が温かく重宝するのです。
また、ユニットバスは、水はけがよく、樹脂やプラスチックなどの汚れが落ちやすい材質でできていることが多いため、掃除がしやすく使いやすいという特徴もあります。在来工法のタイル張りの浴室の場合は、タイルの間に汚れが溜まりやすく、掃除に手間がかかることが多いようです。
さらに、ユニットバスは壁と床のつなぎ目が一体になっているため防水性が高く、階下への水漏れのリスクが少ないという特長もあります。
ユニットバスには3つの種類がある
ユニット工法で造られるユニットバスですが、大きく3つの種類に分けられます。洗面台やトイレがあるかないかによってその呼び方が変わってくるのです。その種類は以下の通り。
・浴室のみ…1点ユニットバス
・浴槽+洗面台のある浴室…2点ユニットバス
・浴槽+洗面台+トイレのある浴室…3点ユニットバス
ここでは1点ユニットバス、2点ユニットバス、3点ユニットバス、それぞれの浴室を使用するのに向いている人とその理由をご紹介します。

1点&2点ユニットバスが向いている人
2人以上で住む人や、ゆったりバスタイムを過ごしたい人には、3点ユニットバスではなく、1点ユニットバス、あるいは2点ユニットバスをおすすめします。
なぜなら、1点ユニットバスと2点ユニットバスは、お風呂とトイレが独立しているため、1人がお風呂に入っていても、ほかの人は気兼ねなくトイレを利用することができるからです。
また、1人で住む場合も、3点ユニットバスとは違い、バスタブの外で体を洗うことができます。ファミリータイプの分譲マンションでよく見られる1点ユニットバスとほぼ同じ使い方ができるイメージですね。
さらに、1点ユニットバスや2点ユニットバスは、浴槽に溜まったお湯を洗濯に活用して、水を節約することもできます。3点ユニットバスの場合は、浴槽のお湯を抜いた後で体を洗うことが多いため、お湯を洗濯に再利用するのは難しくなります。
3点ユニットバスが向いている人
1人暮らしで、家賃を抑えたい方には3点ユニットバスをおすすめします。なぜなら、3点ユニットバスは面積が小さく、かつ、築年数の古い物件に多いからです。
また、お風呂はシャワーだけで湯船につからないという習慣の人にもおすすめ。お風呂掃除も湯船だけを洗えばよいので、掃除の手間が省けますよね。
ユニットバスを利用する際の注意点とは?
保温性に優れ、防水効果も高く、しかも掃除が簡単に済ませられるユニットバス。とても使いやすく便利なユニットバスですが、利用するときにはいくつかの注意点があります。
湿気でカビが生えやすい
ユニットバスには、カビが発生しやすくなるという注意点があります。それは、ユニットバスは気密性が高く、熱を逃さない構造のため、湿気が室内にこもりやすくなるからです。
カビは、湿度、温度、栄養という3つの条件が揃うと発生しやすくなります。ユニットバスではシャワーを使ったり、バスタブに熱いお湯を溜めたりしますから、湿気は多く、使用中の室温は高くなりがちです。また、バスタイムで使うシャンプーや石鹸はカビの栄養分になってしまうので、カビが発生しやすくなるのです。

カビを防ぐためには、換気をこまめに行い、浴室内に湿気を溜めないように心がけましょう。お風呂上りは湯船のお湯を抜き、扉を開けて換気扇も回しておくとカビが生えにくくなりますよ。また、お風呂から出るときに乾いたタオルで壁や天井、床などについた水分を拭いておけば、室内の湿気を減らすことができます。
また、浴室内にあるモノの収納方法を工夫することもおすすめです。シャンプーやリンス、ボディソープなどを床に直置きすると、ボトルの底がヌメって黒ずんでしまうことがありますよね。浴室の収納については、下記の記事でご紹介しているので、チェックしてみてくださいね!
●お風呂の収納に関する記事はこちら

シャンプーやリンスなどのバスタイムで使用するアイテムや掃除用具の収納方法をご紹介します!
3点ユニットバスは使い方に注意が必要
3点ユニットバスを利用する場合には、湿気以外にも、使い方に気を付けておきたいポイントが2つあります。
[ 1 ] シャワーカーテンの使い方
3点ユニットバスは、浴槽とトイレが同じ空間にあるため、シャワーカーテンで空間を区切るのが一般的です。シャワーを浴びるときは、隙間からお湯が床に流れないように、シャワーカーテンは浴槽の内側へ入れておきます。バスタブに浸かるときは、熱気でのぼせないように、カーテンは開けておきましょう。
なお、シャワーカーテンを購入する際は、防水・防カビのモノを選ぶのがおすすめです。そして、カーテンをカビさせないために、カーテンを開いて乾燥させたり、こまめに日に干したりするとよいでしょう。

[ 2 ] バスタブの使い方
3点ユニットバスには、洗い場がないため、シャワーを使う場所はバスタブの中ということになります。バスタブにお湯が溜まっているときは、シャワーを同時に使うことができません。その点に注意してバスタイムを楽しみましょう。
お湯に浸かる場合は、先にお湯に浸かって体が充分温まってから、お湯を抜きます。お湯を抜きながら、シャワーで体や頭を洗うようにしましょう。
自分に合った浴室を選んで快適なバスタイムを!
ユニットバスのメリットや注意点、3種類の特徴や使い方などについてお伝えしてきました。住まいを選ぶ際は、それぞれのお風呂の特徴を理解しておきましょう。そして、何人で住むのか、どのようなバスタイムを過ごしたいかを考えたうえで、自分のライフスタイルにふさわしいお風呂を選ぶようにしてくださいね!

情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二
株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、不動産キャリアパーソン、中小企業診断士。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングを行う。
HP:https://grow-profit.net/