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建ぺい率と容積率とは?計算方法や条件緩和について解説!

今、家を建てたいと思い土地を探していますが、土地の物件情報に必ず書いてある「建ぺい率(建蔽率)」と「容積率」いうものがよく分かりません。建ぺい率と容積率はどういったものなのでしょうか?

Answer

建ぺい率とは、敷地の面積に対して真上から見た建物の面積の割合を示すものです。また、容積率は、敷地面積に対する建物の延床面積の割合を示すもので、いずれも建物を建築する際の制限になります。なお、建ぺい率や容積率以外にも建物を建てるときの制限があります。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

建物の建築に関する制限

これから家を建てようとしている方のなかには、「うちの土地には、建物を建てるのにどんな制限があるんだろう?」「土地いっぱいに家を建ててはだめなの?」といった疑問をお持ちの方がいるのではないでしょうか?

家を建てる際には、さまざまな制限があり、代表的なものとして「建ぺい率(建蔽率)」と「容積率」があります。建ぺい率と容積率の数値を超えた家は、建築基準法に違反することになり、建てることができませんので、注意する必要があります。

今回は、建ぺい率容積率の基本的な意味を解説するほか、建物の建築に関する制限を紹介します。これから家を建てたいとお考えの方は、土地選びや家の大きさをイメージする際の参考にしてくださいね。

家の模型
※イメージ写真
建ぺい率とは?

建ぺい率とは、敷地の面積に対して真上から見た建物の面積の割合です。真上から見た建物の面積は「建築面積(水平投影面積)」といい、たとえば2階建ての家の1階と2階で面積が違う場合は、広いほうの面積が建築面積になります。

建ぺい率のイラスト
※イメージ写真

建ぺい率の計算方法は以下の通りです。

建築面積 ÷ 敷地面積 × 100

式に当てはめて、建ぺい率を算出してみましょう。

たとえば、100㎡の敷地に1階が50㎡、2階が40㎡の建築面積の建物を建てる場合、広い1階の面積が採用され、式は以下のようになります。

50 ÷ 100 × 100 = 50

この建物の場合、建ぺい率は50%になります。

建ぺい率は、行政が都市計画などによって、建築基準法にある数値のなかから地域ごとに上限を定めています。建ぺい率に制限がある理由の1つは、防災のためです。敷地にある程度の空き地を作ってゆとりを持たせることで、万が一火災が起こった場合、周囲への延焼被害をある程度抑えられます。また、周囲への日照や風通しを確保し、圧迫感のない美しい景観を守ることも制限の理由となっています。

住宅設計図と家の模型
※イメージ写真
容積率とは?

容積率とは、敷地面積に対する建物の延床面積の割合です。容積率も建ぺい率と同様に、行政が都市計画等によって、建築基準法にある数値のなかから地域ごとに上限を定めています。制限がある理由は、日当たりや風通しなど、周囲の環境との調和を乱さないためです。

なお、容積率に算入しない部分があるなどやや複雑な点もあるため、容積率を算出する際に使う延床面積については、以下の記事で詳しく説明しています。

●延床面積に関する記事はこちら

延床面積とは?生活に必要な広さも併せて解説

延床面積について詳しく述べています。理想の住まいを建てるためにお読みください。

容積率の求め方

容積率のイラスト
※イメージ写真

容積率は以下の式で求めます。

延床面積 ÷ 敷地面積 × 100

式に当てはめて、容積率を算出してみましょう。

2階建ての一戸建てで敷地面積が100㎡、延床面積は1階の床面積50㎡と2階の30㎡を合わせた80㎡である場合、計算は以下のようになります。

(50 + 30) ÷ 100 × 100 = 80

この建物の容積率は80%になります。ただし容積率は、指定されている数値がほかの制限や規制によっても変わります。

そのほかの制限や規制
また、建ぺい率や容積率以外にも、以下のようなさまざまな制限や規制もあるので覚えておきましょう。

・斜線制限
・日影規制
・絶対高さ制限
・高度地区指定
・前面道路幅員制限

斜線制限や日影規制は、周辺の住宅などに日が当たらない、風通しが悪くなるといった周囲に与える弊害を抑制するために設けられる高さに関する制限です。所定の位置から一定の角度で引かれた斜線の範囲内から建物がはみ出さないように制限されます。

絶対高さ制限とは、第1種および第2種低層住居専用地域に定められており、都市計画によって10mまたは12mのいずれかが設定されています。高度地区は、行政が定める建築物の高さの最高限度または最低限度を定めるものです。

前面道路幅員制限とは、敷地に面した道路の幅(幅員)が12m未満の場合、その道路幅に定数(地域によって異なる)をかけた数字と、指定された容積率のいずれか小さいほうの数値が容積率の上限になるという決まりです。

これらの制限や規制は指定の建ぺい率や容積率よりも厳しくなるものもあります。

建ぺい率・容積率の上限はどこで分かる?

建ぺい率と容積率の上限は地域ごとに異なり、行政によっても変わります。各行政が都市計画として、「用途地域」に応じて建ぺい率と容積率の上限を定めています。用途地域とは、「市街化区域」といわれる地域を、住宅系・工業系・商業系などの13種類の用途に分けたものです。市街化区域とは、おおむね10年以内に市街化を優先的に、そして計画的に推し進める地域として定められた地域をいい、居住や商業活動などを促進する地域のことです。

用途地域は、用途に合わせて快適な環境を整備するために、建物の用途や建ぺい率、容積率を規制しています。都市計画法で定められている数値のなかから選んで行政が指定するため、同じ用途地域でも建ぺい率や容積率の数値が異なります。

13種類の分類には、「低層住居専用地域」「中高層住居専用地域」「住居地域」などの住居系、「商業地域」「近隣商業地域」の商業系、「準工業地域」「工業地域」などの工業系があります。また、用途地域が指定されていない地域でも、建ぺい率と容積率は定められていることがあります。用途地域ごとの建ぺい率・容積率の上限を表にまとめました。※1

用途地域 建ぺい率(%) 容積率(%)
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
田園住居地域
30、40、50、60 50、60、80、100、150、200
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
30、40、50、60 100、150、200、300、400、500
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
50、60、80 100、150、200、300、400、500
近隣商業地域 60、80 100、150、200、300、400、500
商業地域 80 200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300
準工業地域 50、60、80 100、150、200、300、400、500
工業地域 50、60 100、150、200、300、400
工業専用地域 30、40、50、60
(住宅の建築不可)
100、150、200、300、400

所有している土地や購入を検討している土地が属している用途地域や、建ぺい率・容積率の上限を調べるには、市区町村に直接問い合わせるほか、市区町村のホームページを検索してみましょう。用途地域の区分地図と建ぺい率・容積率がホームページ上に公開されている場合があります。

なお、一般的に不動産会社がチラシやインターネットで土地の物件情報を公開する際は、広告の規約で、その土地の該当する建ぺい率や容積率を記載することが定められています。物件を検討する際にはチェックしてみるとよいでしょう。

建ぺい率や容積率の上限を超えて住宅を建築することはできません。もし、上限を超えている状態で建築しようとしても行政から建築の許可が下りず、許可のないまま建築した建物は違法建築となります。建築の許可のない住宅では、住宅ローンが利用できないので、くれぐれも注意しましょう。

道路を挟んだ家の模型
※イメージ写真
建ぺい率・容積率が緩和される条件がある!

土地のある地域ごとに指定されている建ぺい率ですが、敷地の状況によって緩和されることがあります。同様に、容積率も条件がそろえば、緩和制度が適用されます。まず建ぺい率の緩和条件から見ていきましょう。

建ぺい率の緩和条件
一定の条件を満たした場合、指定の建ぺい率に10%が加算されます。緩和される土地の条件は以下の通りです。

・指定される道路幅や接する長さなど、条件を満たした2つの道路に挟まれた敷地
・指定される道路幅や交わる角度など、条件を満たした2つの道路の角地にある敷地
・防火地域内にある敷地で、「耐火建築物」「延焼防止建築物」(耐火建築物と同じく延焼防止性能を持つ建築物)を計画している場合
・準防火地域内にある敷地に、耐火建築物、延焼防止建築物、準耐火建築物、準延焼防止建築物(準耐火建築物と同じ延焼防止性能を持つ建築物)を計画している場合

どれか1つでも条件に当てはまれば、適用されます。また、敷地と道路の関係による緩和と防火地域内にある耐火建物の建築による緩和を同時に満たした場合は、合算して20%まで建ぺい率を加算することが可能です。なお、防火地域で指定された建ぺい率が80%の場合、敷地内の全ての建物を耐火建築にすれば、建ぺい率の上限は100%になります。

容積率の緩和条件
容積率を緩和する特例もあります。特定の条件を満たせば、容積率緩和の特例が利用できるため、利用しない場合と比べて延床面積が広い住まいを建てることが可能です。

ロフト
※イメージ写真

容積率緩和の特例を受けられるケースは以下の通りです。

●ロフトや屋根裏収納
ロフトや屋根裏部屋は、その直下の部屋の、床面積の1/2を限度として、容積率を算出する際に含まれません。ただし、ロフトや屋根裏収納は高さを1,400mm以下とする必要があります。

●地下室
地下室がある場合は、住宅として使用する部分の床面積の1/3までが容積率の計算から除外されます。

●車庫やガレージ
建物内に車庫やガレージ、駐車場を設置する場合、建物の床面積の1/5を限度として、容積率を算出する際に含まれません。

●特定道路から分岐した道路に接する土地
特定道路とは、幅員(道路幅)が15m以上ある道路のことです。この特定道路から分岐した道路(幅員が6m以上12m未満で特定道路までの距離が70m以内)に面する土地に家を建てた場合、容積率の緩和特例が適用され、特定道路までの距離によって容積率を加算できます。

●マンションや集合住宅の共用スペース
マンションや集合住宅のエントランス、廊下、階段といった共用スペースは容積率に算入されません。

●そのほか
昇降機(エレベーター)の昇降路(上下に移動する空間)は容積率の対象から除外されます。また、防災備蓄庫や自家発電設備なども容積率の計算には含まれません。

住宅設計図と家の模型、電卓、ペン
※イメージ写真
建ぺい率・容積率が異なる地域にまたがる場合

地域ごとに上限が定められている建ぺい率と容積率ですが、1つの敷地が2つの地域にまたがっていて、それぞれの地域で建ぺい率と容積率が異なるときがあります。その際は、地域ごとの敷地面積の加重平均値で割合を出します。以下で例を見ていきましょう。

●条件
・100㎡の敷地が異なる地域にまたがっている場合
・100㎡のうち40㎡が建ぺい率50%・容積率100%[A]
・100㎡のうち60㎡が建ぺい率60%・容積率200%[B]
・前面道路幅員制限はないものとする

●建ぺい率
50% × (40㎡[A]/100㎡) + 60% × (60㎡[B]/100㎡) = 56%

となり、この100㎡の敷地の建ぺい率は56%となります。

●容積率
100% × (40㎡[A]/100㎡) + 200% × (60㎡[B]/100㎡) = 160%

となり、この2つの地域にまたがる敷地の容積率は160%となります。

建物の制限や緩和条件を知り、家づくりに役立てよう

ここまで、建ぺい率や容積率の概要、制限や緩和される条件についてお伝えしました。建物を建築する際の制限には、建ぺい率や容積率だけではなく、斜線制限や日影規制、高さ制限などさまざまな制限があり、自治体によっては独自の規制を設けている場合もあります。これらによって、指定された建ぺい率や容積率の上限まで利用できないこともあるため注意してくださいね。

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※1出典:国土交通省「都市計画制度の概要」
https://www.mlit.go.jp/common/000046608.pdf
(最終確認日:2023年6月5日)

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。
HP:http://2103-support.jp/?page_id=14