ZEHとは?
ZEH(ゼッチ)とは、net zero energy house(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、住宅で使用する年間の一次エネルギー収支をゼロに抑えることを目指した住宅のことです。一次エネルギーとは、電気に変換される前の石炭や天然ガスなどのエネルギー資源のことを指します。
断熱性や省エネルギー性能の向上で空調や給湯、照明、換気などで使用する一次エネルギーの消費量を抑制しつつ、再生可能エネルギーの導入により、自らエネルギーを作ることで、消費エネルギーよりも創出エネルギーが多くなること(消費量が実質ゼロ以下になること)を目標にしています。
ZEHは国土交通省、環境省、経済産業省が主導して行っている取り組みで、地球温暖化の抑制と、自国のエネルギー需給構造の改善のために策定されました。地球温暖化を防ぐためには、温室効果ガスの排出を削減する必要があります。そこで日本政府は国内の削減目標として以下の2つを掲げています。
- 2030年度までに2013年度比で46%の温室効果ガス排出を削減する
- 2050年度までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする
そしてこれらを達成するために、政府は2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画において、ZEHの普及を推進しており、「2030年度以降の新築住宅についてZEH水準のエネルギー性能の確保」、「2030年において新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が設置されること」を目指しています。
ZEHに必要な基準とは?
ZEHでは、「省エネルギー」「断熱性」「創エネルギー」の3つの基準をクリアしていく必要があります。ZEH住宅を建築するうえで欠かせない3つの要素について、詳しく説明していきます。
省エネルギー
一次エネルギーの消費量を現在指定されている省エネ基準と比較して、20%以上削減できる住宅である必要があります。一次エネルギーとは、石油や石炭などの天然資源など自然界から調達できる資源全般のことを指します。一方で、太陽光発電で得られた電気のような再生可能エネルギーをはじめとする、自然界から得られたエネルギーは2次エネルギーになります。
消費エネルギーの削減には、「空調」「照明」「給湯」「換気」がポイントとなります。そこで、一次エネルギー消費の管理と抑制を行うために、HEMS(Home Energy Management System)と呼ばれるシステムの導入が推奨されています。HEMSは、自動的に電気やガスなどの使用量を管理し、使用されている場所や量を数字で表示させるシステムです。これにより、どこで、どの程度のエネルギーが使用されているのかリアルタイムで確認できます。また、家電製品を自動的に制御する機能や遠隔操作する機能もあるため、住宅全体の家電製品を一括で管理できるのです。
断熱性
断熱性とは、外気温による室内温度への影響を遮断する性能のことをいいます。そしてZEHには、断熱性にかかわる「強化外皮基準」という基準があります。「外皮」とは屋根や外壁だけでなく、床や窓などの開口部も含めた住宅の外側全体を指しており、外部に逃げる熱量を地域ごとに定められた値以下にしなければなりません。
具体的には、断熱シートや断熱窓の導入により断熱性能を高めることで、エネルギー効率を向上させることが必要になります。断熱性能は、UA値(外皮平均熱慣流率)という指標で評価され、この数値が0.4W/m2K~0.6W/m2K以下(地域により変動)であることが必須条件となります。断熱性が高ければ、夏は冷気が外に漏れ出さず、冬は寒気が室内に入ってきづらくなるので、冷暖房効率が格段に上がるでしょう。
創エネルギー
創エネルギーとは、エネルギーを創ることを指しています。ZEH住宅では一次エネルギー消費を実質ゼロとするため、創り出したエネルギーを日常生活で利用することを基本としています。
具体的には、太陽光発電や二酸化炭素排出量削減につながる家庭用燃料電池による発電を利用し、発電された電気を無駄なく利用するために蓄電池も併せて導入することが一般的です。その結果、日常生活だけでなく、災害時などによる急な停電でも安定したエネルギーの確保が可能になります。
施工する事業者
上記のような建物や設備の条件をクリアするだけでは、ZEHとは認定されません。設計・建築や販売を行うハウスメーカー、工務店、建築設計事務所、住宅販売会社、リフォーム業者などが、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII:Sustainable open Innovation Initiative)に登録されている「ZEHビルダー」または「ZEHプランナー」である必要があります。
ZEHビルダーとZEHプランナーの違いは、登録する事業者の業種にあります。ZEHビルダーは建設会社が、ZEHプランナーは設計事務者が事業者登録するときに選択することになっています。なお、SIIは、ZEHの補助金を国から受け取り、書類審査によって申請者に給付する役割を負っている社団法人です。
ZEHには種類がある?
ZEHは、エネルギー消費量の削減割合や導入設備などに応じて複数の種類があります。また、ZEHの基準は、大きく分けて、戸建住宅向けの「ZEH」、ZEHよりもさらに高い断熱性能・省エネ性能が求められる「ZEH+」、そして集合住宅向けの「ZEH-M」の3種類に分類されます。以下でそれぞれの特徴についてご紹介していきます。
ZEH
ZEHでは、一次エネルギー消費率を20%以上削減することが大きな基準になっています。また、ZEHは「ZEH」、「Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)」、「ZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド)」 の3つに分かれており、それぞれの違いは以下の通りです。
| 項目 | ZEH | Nearly ZEH | ZEH Oriented |
|---|---|---|---|
| 一次エネルギー 消費削減率 |
省エネルギー率 20%以上 (断熱性と省エネルギー) |
省エネルギー率 20%以上 (断熱性と省エネルギー) |
省エネルギー率 20%以上 (断熱性と省エネルギー) |
| 創エネルギー含めて 100%以上 |
創エネルギー含めて 75%以上100%未満 |
||
| 再生可能エネルギー発電設備の導入義務 | 〇 | 〇 | × |
| 断熱性能等級 | 5以上 | ||
ZEHは、再生可能エネルギー設備の導入が必須であり、創エネルギーを含めて一次エネルギー消費率100%以上を基準にしています。
Nearly ZEHは、土地が狭く太陽光発電設備が十分に設置できない都市部や、低日射地域、多雪地域を対象にしたZEHで、後述するZEH Orientedの条件を満たしたうえで、再生可能エネルギー設備の導入が必要になります。ただし、断熱、省エネルギーと創エネルギーによって、一次エネルギー消費量を75%以上100%未満削減した住宅でなければ適用されません。
ZEH Orientedは、Nearly ZEHと同じく都市部狭小地域や多雪地域を対象にしたZEHですが、断熱、省エネルギーで20%以上の一次エネルギー消費量を削減した住宅に適用されます。なお、再生可能エネルギー発電設備の導入は、必須条件ではありません。
ZEH+
「ZEH+(ゼッチプラス)」は、「ZEH」の最上位モデルに位置づけられ、ZEHよりも高い断熱性能と省エネ性能を備える高性能住宅です。一次エネルギー消費量を基準値から30%以上削減するとともに、再生可能エネルギーを活用して年間の一次エネルギー収支を実質ゼロ以下にすることが求められます。また、ZEH+は「ZEH+」、「Nearly ZEH+(ニアリー ゼッチ プラス)」の2つに分かれており、それぞれの違いは以下の通りです。
| 項目 | ZEH+ | Nearly ZEH+ | |
|---|---|---|---|
| 一次エネルギー 消費削減率 |
省エネルギー率 30%以上 (断熱性と省エネルギー) |
||
| 創エネルギー含めて 100%以上 |
創エネルギー含めて 75%以上100%未満 |
||
| 再生可能エネルギー発電設備の導入義務 | 〇 | 〇 | |
| 断熱性能等級 | 6以上 | ||
| 右の項目のうち1つ以上を満たすこと | 再生可能エネルギーの自家消費の拡大措置 |
具体的には以下の①~④のうち少なくともいずれか1つを設置すること 1. 昼間の沸き上げに対応した高効率給湯(ヒートポンプ/ハイブリッド給湯機) 2. 蓄電池(ただし、初期実効容量5kWh 以上のものに限る) 3. 電気自動車(プラグインハイブリッド車を含む)の充電設備(住宅との間において充放電が可能な設備を含む。また、分電盤において所要の容量を確保し、及び漏電ブレーカーの設置等の所要の措置を講じることを含むこと) 4. 太陽熱利用システム又はPVT システム(ただし、いずれも強制循環式であって一定の機能要件を満たすものに限る) |
|
| 高度エネルギーマネジメント | HEMS により、太陽光発電設備等の発電量等を把握した上で、住宅内の暖冷房、給湯設備等を制御可能であること | ||
Nearly ZEH+は、太陽光発電などによる創エネが十分にできない寒冷地や日照率が低い地域、降雪量が多い地域を対象としたもので、断熱と省エネによる一次エネルギー消費削減率が30%以上、かつ創エネを含んだ消費削減率が75%以上100%未満となっている住宅に適用されます。
ZEH+、Nearly ZEH+ともに再生可能エネルギー設備の導入が必須となっており、創エネルギー含めての一次エネルギー消費削減率はそれぞれ100%以上、75%以上100%未満と違いが見られます。
また、ZEH+では上記の条件のほか、再生可能エネルギー促進のための以下の2つの措置のうち、1つ以上を導入しなくてはいけません。
- 再生可能エネルギーの自家消費の拡大措置
- 高度エネルギーマネジメント
ZEH-M
マンションをはじめとする集合住宅で適用されるのがZEH-Mです。ZEH-Mでは一次エネルギー消費削減率20%以上に設定されており、「ZEH-M」、「Nearly ZEH-M」、「ZEH-M Ready」、「ZEH-M Oriented」の4つに分けられています。
| 項目 | ZEH-M | Nearly ZEH-M | ZEH-M Ready | ZEH Oriented | |
|---|---|---|---|---|---|
| 一次エネルギー 消費削減率 |
省エネのみ | 共用部を含む当該住棟全体で 省エネルギー率 20%以上 (断熱性と省エネルギー) |
|||
| 創エネ含め | 100%減 | 75%以上減 | 50%以上減 | 規定なし | |
| 再生可能エネルギー発電設備の導入義務 | 〇 | 〇 | 〇 | × | |
| 断熱性能等級 | 5以上 | ||||
ZEH-M、Nearly ZEH-M、ZEH-M Readyでは、再生可能エネルギー発電設備の導入が必要で、それぞれ創エネルギー含めた一次エネルギー消費削減率に違いがあります。ただし、再生可能エネルギーの導入について、発電容量などの決まりはありません。
また、ZEH-M Orientedには、創エネルギー、つまり再生可能エネルギー発電設備についての義務はありません。
ZEHのメリット5つ!
ZEH住宅とすることで、日常の経済的なメリットはもちろん、新築や購入時の補助金や税制上の優遇措置もあり、また住む人の健康や建物の資産価値の面でもメリットがあります。以下で詳しく説明していきます。
[ 1 ] 光熱費を削減できる
ZEH住宅の最大のメリットは、省エネルギー性能や断熱性能の強化により、使用するエネルギーを削減でき、光熱費の削減につながる点です。また、再生可能エネルギーや燃料電池といった創エネルギー設備を導入し、自家発電することで、より一層の光熱費の削減が可能になります。さらに、自家消費では使いきれず余剰電力が発生した場合は、電力会社に売電し、収益を得ることもできます。
[ 2 ] 住む人の健康に優しい住環境になる
高い断熱性能により、住宅の中の温度を一定に保ちやすくなり、外気温が極端に変わる夏や冬でも室内では快適に過ごすことができます。そして、室内の気温の変化が少なくなることで、急激な温度変化によって発症するヒートショックの防止につながります。また、住宅内での寒暖差が小さく、高齢の家族や小さな子どもも健康的で快適な暮らしを送ることができます。
[ 3 ] 停電や災害など非常時に備えられる
再生可能エネルギーや燃料電池などの創エネルギー設備と蓄電池を導入したZEHの場合、停電や災害など非常時にも自家発電した電力を使用することができます。たとえば、太陽光発電設備と蓄電池が導入されている場合、日光があたっている時間帯に発電し、発電した電気を蓄電池に蓄えることで、非常時でも電気を使用できます。
また、創エネルギー設備のないZEH Orientedであっても、断熱性が高い住宅であるため、冬場の停電などでも室内は比較的暖かく過ごすことができるでしょう。
[ 4 ] 補助金制度や減税制度がある
ZEH住宅の要件を満たした住宅を新築または購入した場合、補助金を受けられる場合があります。また、ZEH水準の新築住宅は住宅ローン控除の対象となり、借入限度額は3,500万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は4,500万円)です。年末の住宅ローン残高の0.7%が最長13年間控除されるため、住宅取得時の負担軽減につながります。
ZEHに対する補助金や税制優遇については、後ほど詳しく説明します。
[ 5 ] 資産価値が上がる
ZEH住宅は、一般社団法人住宅性能評価・表示協会が運営する省エネ性能の第三者認証制度「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」において、高い評価を受けやすい住宅です。また、ZEH基準を満たす住宅は「フラット35S(ZEH)」の対象となり、当初5年間はフラット35の金利が年0.75%引き下げられます。そのため、省エネ性能の高さや住宅ローンの優遇措置は購入希望者へのアピールポイントとなり、将来的な売却時には資産価値の維持や売却のしやすさにつながる可能性があります。
ZEHの注意点2つ!
ZEH住宅では、初期コストやランニングコスト、採用する設備などの自由度、創エネルギーの安定性の面でいくつか注意が必要な点があります。以下で詳しく説明していきます。
[ 1 ] 設備・メンテナンス費用がかかる
ZEHの認定基準を満たすためには、それぞれの基準を達成している素材や設備機器の導入が必要になります。そのため、ZEH住宅を新築、または購入する場合は、一般的な住宅と比べて取得するための初期費用が高くなります。
また、初期費用のほかにも、創エネルギー設備(太陽光発電パネル、パワコンなど)やHEMSの定期的なメンテナンス費用が発生するといったように、住宅を建てた後も、一定のメンテナンス費用が発生します。
[ 2 ] 外観のデザインや設備が制限される
ZEHの基準を満たすために、素材が限定的になり、建物の外観のデザインや窓、玄関といった建物本体の選択肢が制限されることがあります。たとえば、太陽光発電設備を導入する際、必要な発電量が見込める位置を計算して設置するため、屋根の形や角度がある程度決まってしまうことがあります。間取りに関しては、断熱性を確保するため、吹き抜けや天井の高さなどで一部採用できないケースもあります。
また、基準を満たす設備機器を採用する必要があるため、気に入ったデザインの設備機器が選べないといった制限が発生する可能性もあります。ZEH住宅の購入を検討する場合は、外観のデザインや採用できる設備機器などに制限がかかってしまうことを、あらかじめ理解しておきましょう。
ZEH住宅には補助金制度がある
ZEH住宅では取得や改修に際して一般住宅に比べるとコストがかかりますが、補助金制度を活用することで、取得時のコストを抑えることができます。以下でZEHの補助金制度についてご紹介していきます。
ZEHを対象とする補助金
ZEH住宅を新築・購入する際は、国や自治体が実施する補助金制度を利用できる場合があります。補助金の申請には、ZEHビルダーまたはZEHプランナーとして登録された事業者への依頼など、所定の要件を満たすことが必要です。ここでは、ZEH住宅を対象とする主な補助金制度を6つ紹介します。
①新築戸建ZEHを対象とする補助金
ZEHの基準を満たす新築戸建住宅を対象とする補助金は、ZEH区分によって交付要件の基準が異なるほか、地域によって補助額が異なります。「ZEH」、「Nearly ZEH」、「ZEH Oriented」に該当する住宅は、一戸あたり45万円(地域4~8)または55万円(地域1~3)。一方、基準の高い「ZEH+」、「Nearly ZEH+」に該当する住宅は、一戸あたり80万円(地域4~8)または90万円(地域1~3)となります。
さらに、ZEH住宅に対象となる蓄電システムや太陽熱利用システムなどの各種システムを導入することで、追加補助金が支給されます。たとえば、再生可能エネルギーの自家消費の拡大措置に該当するZEH住宅に初期実効容量5kWh以上の蓄電システムを導入することで最大20万円/戸の補助金が追加支給されます。
また、公募方式は先着順になっています。ZEH、Nearly ZEH、ZEH Orientedのいずれかの建築、もしくは購入を考えている人は早めに申請するようにしましょう。
②ZEH-Mを対象とする補助金
新築ZEH-Mを対象とする補助金では、中層マンションと低層マンションで対象となるZEH住宅の種類が異なり、それぞれ交付の要件も異なります。新築中層ZEH-Mでは、「ZEH-M」、「Nearly ZEH-M」、「ZEH-M Ready」住宅が対象となり、新築低層ZEH-Mでは、「ZEH-M」、「Nearly ZEH-M」が対象で「ZEH-M Ready」住宅が対象になりません。
要件を満たした場合に交付される補助額は一戸当たり40万円ですが、ライフサイクルCO2 (LCCO2)算定を行った場合、50万円となります。なお、ライフサイクルCO2とは、建物が原材料の採掘・製造から施工、使用、解体・廃棄に至るまで建物の一生を通じて排出されるCO2の総量をいいます。また、追加補助の要件を満たす蓄電システムやEV充電設備などの設備を導入することによって、補助額が追加されます。
ZEH-M向けの補助事業でも、公募方式は先着順になっているので、賃貸住宅等としてZEH-M、Nearly ZEH-M、ZEH-M Readyのマンションの建築を考えている個人や法人はなるべく早めに申請するようにしましょう。
③ZEH+改修(既存戸建住宅をZEH+水準に改修する場合)を対象とする補助金
2026年の補助事業では、既存住宅のZEH水準への改修についても補助金が支給されるようになりました。
既存住宅をSIIに登録されている既存改修の区分を有しているZEHビルダー/プランナーに改修を依頼し、ZEH+改修の要件を満たした改修を行う場合に補助金が交付されます。補助額は、地域ごとに異なり、地域5~8では戸当たり最大300万円、地域1~4では戸当たり最大400万円の補助金が支給されます。さらに、改修効果を周知するために一般公開(オープンハウス等)を実施する場合は、法人申請なら50万円、個人申請なら10万円が加算されます。
また、既存住宅の「ZEH+改修」も公募方式は先着順になっています。ZEH水準の改修を検討している場合は早めに補助金の申請を行うようにしましょう。
④ZEHリノベ(既存住宅をZEH水準に改修する場合)を対象とする補助金
2026年の補助事業では、「ZEHリノベ」というZEH水準未満の住宅のZEH水準への改修工事にも補助金が支給されます。対象となる住宅は、2016年3月31年以前に建築された、または2016年4月1日以降に建築されたZEH水準未満の戸建住宅、集合住宅(マンション)となっています。対象となる改修工事を行った場合、補助額は工事内容に応じて戸当たり最大250万円(最低10万円)です。
⑤ZEH診断を対象とする補助金
2026年のZEHに関する補助事業では、新築や購入、改修以外に既存住宅(戸建、集合住宅)のエネルギー性能を定量的に把握する「省エネ診断」にも補助金が支給されます。
既存住宅をZEH水準に改修する場合には事前に活用することで、改修の見積もりが容易になるなど実用性のある補助です。補助額は、BELS(ベルス)の有無によって異なり、BELSありの場合、補助対象経費の1/3以内で、かつ戸当たり最大25万円、BELSなしの場合、同戸当たり最大20万円となっています。
なお、BELS(ベルス)とは、「建築物エネルギー性能表示制度」の略称で、建物の省エネ性能を評価・表示する制度です。具体的には、建物のエネルギー消費性能や断熱性能に基づいて、第三者評価機関が評価を行い、星の数でその性能を示します。
ZEH住宅が対象となるそのほかの補助金制度
ZEH支援事業による補助金制度のほかにも、ZEH住宅が対象となる補助金制度があります。ただし、ZEH支援事業とは併用できない点に注意しましょう。
みらいエコ住宅2026事業
国土交通省・環境省が管轄する、住宅省エネ化の促進を目的とした補助金です。2025年に終了した、「子育てグリーン住宅支援事業」の後継として始められました。
ZEH水準住宅のほか、GX志向型住宅や長期優良住宅を対象とし、対象となる住宅を注文住宅として新築する建築主や新築分譲される住宅を購入する人が対象者となりますが、ZEH水準住宅と長期優良住宅の場合、対象者は子育て世帯または若者夫婦世帯に限られます。なお、一部の地域に立地する住宅は補助対象とならない場合があるので、注意が必要です。
補助額は、地域によって異なり、ZEH水準住宅の場合は、地域1~4で戸当たり40万円、地域5~8で35万円となっています。なお、既存の古家を除却して対象となる住宅を新築する場合は、戸当たり20万円が加算されます。補助申請については、事前登録された建築会社が行うことになっています。
地域区分については、日本の各地域の気候に合わせて1〜8のエリアに分けたもので、国土交通省によって定められています。
みらいエコ住宅2026事業の公式サイトで詳しく検索できますので、お住まいの地域の区分がわからないという方はぜひ参考にしてください。
出典:国土交通省ウェブサイト「地域区分の見直し」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001345409.pdf)
補助金を取得するには?
ZEH関連の補助金を取得するには、公募期限内に補助金取得の申請を行い、新築する場合は原則交付決定後に工事に着手する必要があります。したがって、ZEH住宅の新築を検討する際には、補助金の公募期限も一緒に確認して検討しておきましょう。
ただし、ZEH住宅の補助金申請は、一般の方には難しい内容が多いため、登録した設計会社やハウスメーカーなど(ZEHビルダーまたはプランナー)に依頼することがほとんどです。なお、補助金事業によって申請の流れや期間は異なりますので、ZEHビルダーやZEHプランナーと確認しながら申請を進めていくほうがより確実といえます。
また、ほとんどの補助金は、先着順で補助金の給付を行っているため、補助金の資金計画や家購入・建て替えの計画を立てる際には、補助金のスケジュールも併せて押さえておくと、スムーズです。ただし、補助金の金額や項目、対象要件などは、年度によって変動してしまうことに注意が必要です。政府の達成目標期限の前後で補助金支給が終わってしまうこともあるので、政府のZEH補助金事業に関しても常にリサーチをしておくようにしましょう。
さらに、補助金の取得後にも2年間で4回、定期的なアンケートに答えることが要件になっています。このアンケートでは、光熱費や住宅設備の使用状況、太陽光発電やZEHなどについて聞かれます。光熱費関連の質問に関しては、電気やガスの検針票もしくは領収書、HEMSに記載の太陽光発電記録を事前に準備しておくとよいでしょう。
ZEH住宅を検討してみよう!
ZEH住宅を新築、購入することで、生活する中でエネルギーコストを抑えることができ、かつ快適に過ごすことができます。また、環境にもやさしく、将来的に売却などの際に有利になることもあります。初期コストや一定の維持コストがかかりますが、初期費用については補助金を受け取ることで、一定程度負担を軽減することができます。一方、住宅の質が向上することから、住宅の資産価値の向上・維持が期待でき、長期的な視点で見れば、むしろ経済的メリットが高まる場合もあるでしょう。
今回ご紹介したZEHの種類や最新の状況をチェックして、自分に最も適したZEH住宅を検討してみてはいかがでしょうか?
長谷工アーベストではZEHの新築マンション・戸建てを多数取り扱っています。詳細は以下より確認できますので、ぜひご覧ください。