マンション購入ガイド

2017.03.30

Question

住宅ローンで税金が軽くなる「住宅ローン減税」「住宅ローン控除」って?

新築マンション購入を予定しており、先日モデルルームを見に行ってきました!購入の手続きへ進もうと思っており、住宅ローンについて情報収集をしています。住宅ローンを借りてマンションを購入すると「住宅ローン控除」というお得な制度で税金が戻ってくると聞いたのですが、住宅ローン控除ではどれくらいの金額が戻ってきますか?また住宅ローン控除を受けるために必要な条件などがあれば教えてください。

Answer

住宅ローンとは、年末時点での住宅ローン残高の1%分が、借入後10年間にわたって所得税や住民税から減額される制度です。控除を受けられる条件や申告方法をチェックしておきましょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

住宅ローンを組んでマンションを購入すると、どんなメリットがある?

「やっぱり家を買おうかしら?住宅ローンを組むことで、将来の生活をしっかり考えるようになりそうだし、メリットありそう…」という声をよく聞きます。

実際に、住宅ローンを組んでマンションを購入したことで、「将来の生活設計を考えて、家族の浪費癖がおさまってきた」という人もいます。また「自分たちの家」という長い目で見た拠点ができることで、「子育てや地域の付き合いもより深く大切にしようと、意識が変わってきた」という方もいます。

確かにこうした意識面の変化もありますよね。そしてもう一つ、「税金が軽くなる」という大きなメリットも見逃せません。

なぜ住宅ローンを組むと税金が軽くなるの?

そもそも「住宅を購入して住宅ローンを組むと税金が軽くなる」という制度があるのはなぜだと思いますか?

それは、住宅を購入することが、日本の経済にも大きく貢献するからです。

まず、住宅を購入することで、引越しや家具・家電製品の買い替えなどの消費活動が促されます。
また、新しい住宅では省エネなどの新しい技術が入った設備を取り入れやすく、地球環境に優しい経済活動としても役立つでしょう。
さらに、住宅ローンを返し続けるために、きちんと収入を確保しようと真面目に働く意欲もアップするでしょう。

住宅マーケットは、建築資材業界・土木業界・不動産業界・家電などの小売業界などに多額のお金が回ることになるため、日本経済の底上げにも効果的だと言われています。

このように、大きな経済効果をもたらす住宅購入を積極的に促すためにも、ローン返済者が税金でメリットを得られるよう、「住宅ローン控除」という減税制度が導入されているわけです。

「住宅ローン控除」ってどんなもの?どれくらい税金が軽くなる?

では、税金が軽くなる「住宅ローン控除」とはどんな内容なのでしょうか?

これは、毎年「年末の住宅ローン残高の1%分が、借入後10年間にわたって、所得税から減額される」ものです。

もし、その年の所得税がゼロになるまで差し引かれても、まだ住宅ローン控除の額が残っている場合は、翌年の住民税から減額することができます(控除できる上限あり)。

どのくらいの住宅ローン控除を受けられるのかを、3300万円の住宅ローンを組んだKさんの例で見てみましょう。

年収600万円、住宅ローン3300万円、金利1.2%、返済期間35年の場合
[1年後]
住宅ローン残高が約3223万円なので、住宅ローン控除は約32万円(所得税約20万円、住民税から約12万円の軽減)

[2年後]
住宅ローン残高が約3146万円なので、住宅ローン控除は約31万円(所得税約20万円、住民税から約11万円の軽減)

このように、毎年のローン残高の減少に応じて、住宅ローン控除の金額も減っていきますが、10年間で約246万円相当の税金が軽くなる計算になります。これは金額面でも大きなメリットになりますね!

なお、たくさん借りれば減税メリットも大きいと思ってしまうかもしれませんが、あくまでご自身が払う税金の範囲内での減税です。そして、この減税の対象となる住宅ローン借入額残高の上限も、4000万円まで(長期優良住宅の場合は5000万円)までなので、自分が無理なく返せる範囲で借りることが何より重要ですね。

住宅ローン控除を受けるにはどんな条件があるの?

この住宅ローン控除ですが、誰でもどんなローンでも受けられるとは限りません。
以下の条件を満たしているかをチェックし、勘違いのないようにしておきましょう。

□減税を受ける人本人が6か月以内に居住していること
「居住の用に供した場合」とされているので、住宅の引渡しまたは工事の完了から6ヶ月以内に住民票を移して、自ら居住することが要件。別荘や人に貸す物件は対象外です。

□床面積が50㎡以上で、その1/2以上が自分の居住用であること
住宅の床面積(登記簿に表示されている床面積)が50m2以上であることが要件。マンションの場合は壁の内側と内側を測る内法計算によるので、その点も確認をしましょう。

□中古住宅の場合、築年数や耐震基準に適合していること
新築の場合は、現行の建築基準法に基づいた建築確認を受けているので問題ありませんが、中古住宅の場合、建築年と耐震基準に適合しているという証明が必要です。

□住宅ローンの返済期間が10年以上であること

□年収が3000万円以下であること

□住居の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の特例の適用を受けていないこと

など、詳しくはお近くの税務署にご確認いただくか、国税庁のHPをご参照下さい。

住宅ローン控除を受けるための手続きって?

こうした税金のメリットを受けるためには、必要書類を整えて税務署に確定申告をすることが必要です。誰が、いつ、何を準備するかを以下にまとめましたのでご参考ください。

<誰が申告をする?>
住宅ローンを返済していて、自分の税金の控除を申請したい人。
ちなみに、夫婦や親子でペアローンを組んだ場合、それぞれが個人単位で自分の所得と返済分に対して申告します。

<申告の時期は?>
税金が戻ってくる還付の場合は、通常の確定申告の2月16日~3月15日より前の1月から可能。
・会社員の場合は、1年目に申告をすれば、2年目以降は年末調整で手続き可能です。
・自営業の方は、毎年の確定申告時に合わせて申告をする形になります。
なお、早く申告をすれば、それだけ税務署から還付されるのも早くなります。

<必要な書類は?>
新築住宅を購入した場合、以下の書類を用意します。
・勤務先からの源泉徴収票
・新居の市区町村で発行してもらう住民票
・借入先から郵送される住宅ローンの残高証明書
・法務局で取得する建物や土地の登記簿謄本
・住宅の売買契約書のコピー(長期優良住宅の時はそれを証明する書類)
・マイナンバーの本人確認書類   など

これらをもとに、国税庁の確定申告書のフォーマットに従い、住宅借入金等特別控除額の計算明細書に記入の上、申告します。

住宅ローン控除のメリットを受けるには、このように手続きが必要ですが、申告書の記入そのものはとてもシンプルで、初めての方が1人でも十分準備できると言われています。もし心配な場合は、2月の混雑の前に、早めに税務署などに相談に行くとよいでしょう。

※記事の「住宅ローン控除」の内容・適用条件については、平成29年3月現在のものとなります。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。