マンション購入ガイド

2018.09.26

Question

住宅ローンで税金が軽くなる!?住宅ローン減税制度「住宅ローン控除」って?

新築マンション購入を予定しています。住宅ローンを利用してマンションを購入すると「住宅ローン控除」という制度で税金が軽くなると聞きました。住宅ローン控除とは、どのようなものですか?また、住宅ローン控除を受けるために必要な条件などがあれば、教えてください。

Answer

住宅ローン控除とは、年末時点での住宅ローン残高の1%分が、借入後10年間にわたって所得税や住民税から減額される制度です。控除を受けられる条件や申告方法をチェックしておきましょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

目次

住宅ローンが税金を軽くする!「住宅ローン控除」って、いったい何?

住宅やマンションの購入は、何千万という高額なものになります。一般的にはとても一度で用意できる額ではありませんよね。そんなとき、ほとんどの人が利用するのが、住宅ローン。

住宅ローンとは、購入する物件を担保にして、住宅やマンションの購入資金を融資してくれるローン商品のことで、主に銀行などの金融機関が、この住宅ローンを取り扱っています。契約した内容に沿って毎月一定の額を返済していくことになり、その期間は長期にわたります。よく、賃貸と購入はどっちがお得なの?という疑問を耳にしますが、その疑問はこの期間の長さによるゆえんですね。

そんな住宅ローンですが、マンションなどの購入資金を融資してくれる以外にも、実はお得な節税制度があることをご存知でしたか?

住宅ローンを利用している人だけが使える、減税制度
住宅ローンの利用は、意外なところでも家計の支えになることがあります。実は住宅ローンを利用している人だけに使える減税制度というものがあり、これを「住宅ローン控除」と呼びます。

住宅ローン控除とは、年末時に残った住宅ローンの残高から1%分で算出した金額を、その年の所得税の額、そして住民税の額に順に割り当てて控除することができるという制度です。適用できる期間は借入後10年間。計算できる年末のローン残高の上限が一般住宅で4,000万円と定められているので、10年後まで残高が4,000万円以上ある人は、最大で毎年40万円、総額400万円の控除を受けることができます。

住宅ローン控除という制度は、そもそもどうして生まれたのでしょう?それは、マンションなど住宅購入が日本経済に大きな貢献をしてくれるという背景があるから。

住宅購入は、土木関係や建築関係にお金が回ることはもちろん、購入者自身も家電の買い替えという消費活動、住宅ローンの返済のための積極的な勤労が促されるという、日本の経済活動にとっての、さまざまなメリットがあります。

こうした背景から、一定の住宅を購入をした人に対して、生活の負担を少しでも軽減できるよう、住宅ローン控除という制度が生まれました。

住宅ローン控除で、どれくらい減税される? 受けられる条件は?

住宅を購入し、住宅ローンを利用している人にだけ適用される、住宅ローン控除。その控除額を決める具体的な要件は、どのようなものがあるのでしょう。住宅ローン控除を受けるための具体的な事例などを交えながら、わかりやすくご紹介します。

住宅ローンの控除額を決める3つの要件
住宅ローンの控除額を決める要件の1つ目は、住宅ローンの残高。住宅ローンの控除額は、まず住宅ローンの年末残高から1%分が算出されます。

一般の物件であれば10年の控除限度額が最高400万円ですが、省エネや耐震性など一定基準を満たした認定住宅を購入している場合は、10年間の上限が500万円に引き上げられます。
たとえば、年末の住宅ローン残高が約3,000万円であれば、1%の約30万円という額がその年の控除額となります。この30万円はまず、その人が払う所得税の控除に充てられます。所得税の額。これが控除額を決める、2つ目の要件ですね。

その年に支払った所得税が20万円の場合、その20万円に対して、住宅ローンの控除が充てられます。住宅ローン控除が所得税に適用されると、支払った所得税の20万円が、そのまま戻ってくるということになります。ところで、控除しきれなかった10万円はどうなるのでしょうか。実は所得税の控除に続いて、住宅ローン控除は、住民税の減額にも充てることができるのです。

住宅ローンの控除額を決める3つ目の要件は、住民税。住民税の最大控除額は、前年の課税所得×7%(13万6,500円が上限)。住宅ローン控除で所得税から控除しきれなかった残りの10万円は、翌年に納める予定の住民税の減額に充てられます。

住宅ローン控除を受けるには、必要な条件がある

住宅ローン控除を受けるためには、いくつかの条件があります。条件は大きく分けて、申請する人自身に対する条件と、物件に対する条件の2つがあります。順番にご紹介していきましょう。

[ 申請者自身の条件 ]
まず、金融機関等から借りた住宅ローンの借入期間が10年以上でなければいけません。住宅ローンの控除の期間は10年にわたって行われるので、必要な条件ですね。なお、親族などからの借り入れは対象にはなりません。

それから、新築又は取得の日から6カ月以内に入居し、翌年の12月31日まで住み続ける、という条件もあります。また、返済者の年間の合計所得が3,000万円以下である必要もあります。あまり稼ぎすぎている人だと、控除の対象にはなりえない、ということですね。

そのほか、購入住宅に入居した年の前々年から翌々年までの5年間において、住宅関連の特例として、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例や、居住用財産の3000万円特別控除、買換えまたは交換の特例の適用を受けていた場合も、住宅ローン控除を使うことができません。

申請する人自身に対する条件のほかにも、住んでいる物件にも条件があります。物件に対する条件では、新築や中古、リフォームなど、状況ごとに以下にまとめました。

[ 新築物件の条件 ]
登記簿に記載されている床面積が50㎡(平米)以上であることが条件です。さらに床面積の2分の1以上が、自分の住居用の面積である必要があります。

[ 中古物件の条件 ]
新築物件の条件に加えて、中古物件では、ほかにも条件があります。たとえばマンションなどの耐火建造物は25年以内、耐火建造物でない物件の場合は、20年以内の築年数でなければいけません。なお、上記の築年数を満たせない場合でも、一定の耐震基準をクリアしていれば条件を満たすことができます。

[ リフォーム物件の条件 ]
リフォーム物件では、上記の新築物件の条件のほか、住宅ローン控除を適用するには、まず大原則として、自分が所有し居住する物件のリフォームであるという条件があります。

それから、工事費用が100万円を超えていること。一定の省エネリフォーム、バリアフリーや耐震のリフォーム、または大規模な修繕や間取りの変更が行われている必要があります。もしも店舗などと併用した住居のリフォームである場合は、住居用のリフォームに、費用の2分の1以上が充てられていなければなりません。

住宅ローン控除を受けるための方法は?

住宅ローン控除を受けるためには、具体的にはどのような手順を取ればいいのでしょうか?方法をわかりやすくご紹介します。

住宅ローンの控除は、確定申告で申請する

住宅ローンの控除を申請するには、購入した年について、確定申告をすることが必要です(会社員の場合、2年目以降は年末調整で可能)。確定申告とは、所得にかかる税金を整理し、正しい額の税金を支払うための手続きです。

2月16日から3月15日までの間に税務署に申告、書類を提出することで、人によっては払いすぎた税金が戻ってくることがあります。今回のケースでいえば、住宅ローン控除の申請を確定申告の書類上で行うことで、控除された所得税が戻ってくる、ということになりますね。

詳しい手順やわかりやすい方法は、同じサイトにある以下の記事でまとめているので、一緒にチェックしてみてください。
https://www.haseko-sumai.com/kurashi/archive/detail_176.html
(住宅ローン控除を受けるための確定申告の仕方とは?)

こんな時はどうなるの?住宅ローン控除を受けるパターン

住宅ローン控除を受ける際にも、いろいろなパターンがあります。ここでは具体的な例をもとに、パターン別に住宅ローンの控除はどういった扱いになるのか、ご紹介していきましょう。

夫婦二人でローンを組んだ、ペアローンの場合は?

住宅を購入するとき、もしも夫婦二人でそれぞれローンを組んでいた場合、住宅ローンの控除の適用はどうなるのでしょう?

夫婦で別々にローンを組む、いわゆるペアローンの場合は、夫と妻、それぞれで住宅ローン控除の申請を行うことができます。

たとえば6000万円の住宅ローンを夫一人で組んだ場合は、住宅ローンの控除限度である4000万円の範囲内でしか控除が受けられず、2000万円分が浮いてしまうことに。ですが夫婦二人で仮に夫4000万円、妻2000万円の住宅ローンを組めば、それぞれが上限内で控除を受けることができるので、その分お得に。

ペアローンを組むにあたっては、ほかにもメリット、注意点などがあります。詳しくは下記の記事でご紹介しているので、合わせてチェックしてみてください。
https://www.haseko-sumai.com/kurashi/archive/detail_170.html
(パワーカップルとは?夫婦でローンを組むペアローンとは?)

夫の住宅ローンに妻が収入合算をした場合は?

これは妻が連帯保証人になって収入合算しても、住宅ローンの返済者はあくまで夫だけなので、住宅ローン控除は夫だけが申請できます。

1本の住宅ローンを、夫が主たる債務者、妻が従たる債務者として連帯債務で借りた場合は?

これは夫が何割、妻が何割という形で、夫婦が一緒に返済する形態なので、その割合に応じて、夫婦それぞれが住宅ローン控除の申請ができます。

住宅ローンの借り換えをしたら?

住宅ローンを利用していて、ほかの銀行のローンに乗り換えることを、住宅ローンの借り換えと呼びます。もし住宅ローンの控除を受けていて、この住宅ローンの借り換えを途中でしていても、住宅ローン控除は引き続き受けることができます。

気をつけなければいけないのは、借り換えた先の住宅ローンの完済期間が10年を満たないものだと、住宅ローン控除を受けることができない点です。

住宅ローン控除が受けられる期間は、あくまでも、居住した年から一定期間であり、住宅ローン等の借換えによって延長されることはなく、最初に利用していたローンの期間を引き継ぐことになります。4年間控除を受けていたとき、借り換えをして完済期間が延長されたとしても、控除が受けられるのは残り6年です。

ただし、場合によっては住宅ローンの借り換えをしたとき、年末のローン残高が、借り換え前よりも多くなることがあります。そういったときは、住宅ローンの控除の対象となる残高が再計算されることになります。具体的な計算式は、以下の通りです。

住宅ローン控除の対象となる残高=借り換えによる新たな住宅ローンの年末残高×(借り換え直前の当初の住宅ローン残高÷借り換えによる新たな住宅ローンの借り入れ時の金額)

繰り上げ返済をしたときは?

毎月ごとに決められた一定額のローンを払うほかに、たとえば臨時収入などがあったとき、ローンの支払いを契約上の額以上に多く返すことを、繰り上げ返済といいます。

住宅ローン控除を受けていて、もしも途中で繰り上げ返済をする場合は、1点注意が必要です。繰り上げ返済の期間短縮型を利用することで、ローン控除の申請時点で10年以上あった残りの返済期間が短くなり、10年未満になってしまうと、その時点で控除が打ち切られることになります。

住宅ローン控除を受けている間の繰り上げ返済は、慎重にしましょう。万が一、控除が打ち切られてしまうくらい期間が短縮されるようであれば、繰り上げ返済額の軽減型を利用する方法もありますが、まずは、住宅ローン控除による減税効果と、今後の利息の軽減効果のどちらがメリットが大きいかを比べてみましょう。

住宅ローン控除の制度について、その仕組みと条件などについてご紹介してきました。住宅購入を検討している方は、住宅ローン控除について一度チェックしてみるのはいかがでしょう。新築や中古に限らず、条件を満たしていれば控除の対象となります。

手続きや申請こそ必要なものの、控除を受けられれば、それだけ家計の助けに。ぜひ、住宅ローンの控除制度を利用してみましょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。