収納ガイド

2017.03.10 更新:18.09.07

Question

鍋やフライパンを使いやすく収納するには?

料理が好きなので、新しい鍋や便利そうなフライパンを見ると、ついつい買ってしまいます。その結果、鍋やフライパンが増えすぎて収納できないように…。収納がしにくいので取り出しにくく、結局あまり使っていないものもあります。鍋やフライパンを使いやすく収納するにはどうしたらよいのでしょうか?

Answer

本当に必要な鍋やフライパンだけ持ち、使いやすく収納しましょう。

情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

目次

自分の持っている鍋やフライパンの個数、分かりますか?

たくさんの種類や機能を持った、鍋・フライパン。卵焼き用、鉄製、焦げにくく加工されたもの…、フライパンだけでもさまざまなものがあります。さらにパスタ鍋、両手鍋、土鍋など、鍋にも種類が。「お料理が断然ラクになる!」なんて聞くと、ついつい欲しくなってしまいますよね。

その結果、気つけばたくさんの鍋やフライパンが積み重なり、取り出すのも一苦労に。フライパンがコンロの上に出しっぱなしになっている、という方も多いのではないでしょうか。今回はそんなかさばりやすい鍋・フライパンの収納方法をお伝えします。

調理中の鍋とフライパン
鍋やフライパンをこれ以上増やさないためには?

収納スペースに眠っているたくさんの鍋やフライパンは、はたして本当に必要なのでしょうか?「手持ちの品を見直す」「収納を工夫する」ことで、使い勝手のよいキッチンを目指しましょう!

必要な鍋の数やサイズを把握する
家庭用キッチンの場合、コンロは2つから3つ、多くても4つが一般的です。つまり同時に調理に使える鍋やフライパンは多くて4つまで。普段のお料理で同時に3~4つのコンロを使いながら、さらに鍋・フライパンを使うことはそうないはずです。そう考えると、普段のお料理で必要な鍋・フライパンは3~4個で十分だといえるでしょう。

また3人家族で一度に作る量は、炒め物なら直径24センチのフライパンで十分。4人家族なら直径26センチのフライパンが使いやすいサイズです。このように家族構成や人数によって、使う鍋やフライパンのサイズも決まってきます。特に一人暮らしの場合はなるべく効率的に収納するためにも、鍋・フライパン機能兼用のものを使用するなどして、シンプルな収納を心がけましょう!

人数は少なくても、「友達に料理をふるまうことが好き」「1週間分の食事を作り置きする」など、一度にたくさんの料理をする機会が多いという場合は、料理の際のこだわりに合わせて鍋・フライパンの種類や数を見直すことが大切です。

使っていない鍋やフライパンがないか確認
時短調理で圧力鍋をよく使う場合、じっくり煮込む用の鍋はほぼ使っていない…ということはありませんか?ご自身がよく作るお料理に必要な鍋・フライパンは何なのか?この機会に料理スタイルを振り返り、鍋・フライパンを必要以上に持ちすぎていないか整理してみましょう。

使っていない鍋やフライパンは手放す
「整理=不要なものを取り除くこと」。これが使いやすい収納への第一歩です!一度、全ての鍋やフライパンを出し、「今使っているもの」「使っていないもの」に分けて収納してみましょう。「収納=使うものを使いやすく収めること」。これこそが収納のコツ。使う鍋・フライパンを決められた場所に収納し、使っていない鍋・フライパンは思い切って手放してみましょう。

購入する際に「本当に必要か」見極める
鍋・フライパンは変形もせず、食器のように割れたり、電化製品のように壊れたりすることもめったにありません。そのため、気がつくと増えてしまいがち。手放すことが難しい鍋・フライパンほど、購入する際に本当に必要かどうか、見極めることがポイントです。

高額な鍋セットなどは、「揃えて持っている」という安心感や、「こんなに揃っていてこの価格!」というお得感で購入しているパターンが多いもの。しかし実際に使っているのはいつも同じ鍋ばかり、という人も多いのでは?使う用途がないのに、高額ゆえに手放すのをためらってしまうのです。

1つ買ったら1つ処分する
焦げにくい加工がされたフライパンは、焦げるようになったら買い替え時期です。ほかにも大きさが使いにくいものや、重くて洗いにくいもの、鉄鍋など調理後にメンテナンスが必要で使うのが面倒なものなど、あまり使わないものには必ず何か理由があります。なぜこのフライパンは使うけれど、あのフライパンは使わないのだろうか、と自問自答してみてください。

1つ1つの鍋やフライパンとじっくりと向き合うことで、よく使う鍋・フライパンの理由が分かります。最近使ったのはいつなのか、時間軸で区切って考えてみると自然と手放すものが見えてきます。

また、1つの鍋・フライパンで用途を兼用できるケースも。たとえば「親子丼専用の鍋」は、小さなフライパンで代用できるかもしれません。「○○専用」という鍋・フライパンでなくてもオールマイティに使える鍋・フライパンを使用するだけで、手放す鍋・フライパンが出てきます。

1つ買ったら1つ処分するというルールは、単に収納場所の確保だけが目的ではありません。ルールを決めることで、新しい鍋・フライパンを購入する際にメリハリができます。手元にある鍋・フライパンを手放してもいいと思えるくらい、魅力やメリットを感じる鍋・フライパンこそ本当に必要なものなのです。

このようにルールを決めることで、購入の仕方に変化が表れてきます。「衝動買い」や「重複買い」が少なくなり、1つの鍋・フライパンを購入する際、慎重になります。それだけ吟味して購入したものは長く使える可能性が高いので、経済的にも家計の負担が軽くなります。

「1つ買ったら1つ処分する」という簡単なルール、鍋・フライパンをむやみに増やさない対策としては効果大!ぜひ今日から試してみてください。

きれいに収納されたキッチン
家事効率アップにつながる、鍋やフライパンの収納場所とは?

動線に合った場所に収納する
キッチンのような限られたスペースで効率よく調理を行うためには、調理をする時にサッと鍋やフライパンを取り出すことができ、使い終わった時には出しっぱなしにせずパッと収納できるようにすることが大切。「人の動き(動線)に合った収納」の仕組みを作る必要があるのです。

鍋・フライパンも、「どこで」「何をする」のかを考えて、使いやすく収納しましょう。

火の回りで使うものはコンロ下に
最初から火にかけて使う鍋・フライパンは、火の近く=コンロ下に収納。油や調味料など、火にかけながら使う食品もコンロ下に収納します。

さらに、鍋つかみや鍋敷きも同じ「火の回りで使うもの」のカテゴリーでまとめて収納。すると一回で必要なものが取り出せ、あちこち動かずに1ヶ所で調理ができます。

水を入れて使う鍋はシンク下に
パスタ鍋など最初に水を入れてから使う鍋は、水の近く=シンク下に収納しましょう。ほかにも色々と考えられそうですね!

魅せる収納
あえて片付けずに「魅せる収納」も、キッチンをキレイに保つ1つのテクニックです。雑誌やブログ、インスタグラムなどで素敵な収納方法を見てみましょう。目につくデザイン性の高い鍋やフライパンは、シェフのキッチンのようなお洒落なインテリアの一部になります。そうした観点で考えれば、購入時にはあらかじめ気に入ったものしか選ばなくなるので、衝動買いを防ぐこともできるでしょう。

フライパンでよく使うものであれば、コンロの近くに吊るしておくと使いやすく戻しやすいので便利。換気扇の凹みにS字フックを使えば、簡単に吊るすことができます。最近のキッチンコンロパネルはマグネットがつくようになっているものもありますので、耐荷重内であれば強力なマグネットフックで吊るすことも可能に。

ただ、コンロ回りはどうしても油などで汚れがちなスペース。めったに使わない鍋・フライパンを吊るしてしまうと油汚れやホコリをかぶってしまいます。使いたい時にすぐに使えることが「魅せる収納」の極意なので、使用頻度の高い品をレイアウトしましょう。

またデザインだけを重視して、使わず飾りのように出しっぱなしになっている状態をよく見かけますが、これでは本末転倒です。毎日の料理で鍋・フライパンをいつも使える状態で、美しく「魅せる」にすることがワンランク上のテクニックです。

この「出しっぱなしにするか、しないか」は意見が分かれるところですが、それぞれ理由があるはずです。迷った場合にはどちらも試してみた上で、自分にとって使いやすさやメリットを実感できるものを選んでみましょう。

雑誌やインスタグラムで素敵な収納方法を見ると、「同じようにしたい!」とつい真似したくなるものですが、それが自分に合っているとは限りません。鍋・フライパンの数、収納方法は人それぞれ違うもの。真似から入る収納は失敗することが多くありますので、自分のスタイルに合った収納方法を見つけることが大切です。

使いやすいキッチンを作る収納の基本とは?

さて、収納する場所が決まれば、次は使い勝手よく収めます。ここからは、使いやすい鍋・フライパンの収納テクニックをお伝えしましょう。

よく使うものは出し入れしやすく
人にとって使いやすい収納範囲は「ゴールデンゾーン」と呼ばれ、目から腰の高さになります。目線と手が届く範囲が目安といわれています。立ったまま作業を行うキッチンの場合、「立つ」「かがむ」の動作を繰り返さずにサッと取り出せるのが理想の収納です。

掃除しやすく収納する
使用頻度の高いやかんや鍋、フライパンなどは使いやすい定位置を決めておくことが理想です。「魅せる収納」と調理器具の「出しっぱなし」は全く異なります。しまうべきものは、使い終わったらすぐに収納場所に戻しましょう。そうすることで、キッチンはスッキリした状態を保つことができ、掃除もしやすくなります。

また、キッチン周りは健康につながる「食」を作り出す場所。衛生面に最も配慮が必要な場所です。清潔に保つためには、掃除をしやすくしておく環境作りも重要です。たとえば収納場所にあらかじめシートを敷いておき、汚れてもすぐ交換。これだと掃除が簡単にできますね!常に衛生的な収納を心がけることも収納の大切な要素です。

収納場所の形別、収納のコツとは?

ここまで、鍋やフライパンの数や収納の仕方についてお話ししてきました。次は調理台の収納タイプに合わせた収納方法で、より使いやすいキッチンを実感しましょう!

観音開きタイプの収納
広さ、高さ、奥行のある観音開きタイプの収納スペースでは、空間が広い分ついつい奥までものを押し込んでしまったり、鍋やフライパンを積み重ねてしまったりしまいがち。

そのため観音開きの特性を考えた使い方よりも、「広いから置いた」「高さがもったいないから積み重ねた」など、入ればOKという使い方をしている方を多く見かけます。

観音開きの収納の場合は、「空間を四角く仕切って使う」ことを意識するのがポイントです。

・「コの字ラック」で空間を上下に分ける
観音開きの収納を有効活用するには、「コの字ラック」などを使って空間を仕切りましょう。「コの字ラック」を使えば収納空間を上下に分けて使えるようになるので、鍋やフライパンなどを重ねず、1つずつ取り出せるようになります。

・よく使う鍋は「コの字ラック」上段に
調理をしながら(立ったまま)取り出せる高さはラック上段です。普段よく使う鍋を収納しましょう。ラック下段は、かがんで取り出すことになるので、使用頻度の少ないものや、重い鍋を収納するのに適しています。

・蓋はファイルボックスに立てて収納
鍋やフライパンの蓋はファイルボックスに立てて収納すると、スペースを有効活用できる上に取り出しやすくなります。

・小さいフライパンはかけて収納
卵焼き用のフライパンや、小さいフライパンなどは、扉裏にフックを使ってかけて収納すると使いやすくなりますよ。

スライド式引き出し収納
スライド式引き出し収納の場合、引き出しの奥まで全体を見ることができます。手前によく使う鍋、奥には使用頻度が低いものというように、用途に合わせた収納を心がけましょう。

・ファイルボックスに立てて収納
観音開きタイプの収納と同様に、フライパンや鍋蓋など、水平に直置き収納すると場所を取るものはファイルボックスやフライパン専用の立てる収納グッズに収めます。立てて収納することによりサッと取り出せて、出し入れがスムーズになります。

ファイルボックスの場合は1つ1つが独立しており、汚れた時などに洗いやすく手入れがしやすいという特性が。また、万が一使わなくなったときにほかの用途で使うことができるメリットもあります。

立てる収納専用グッズは手持ちの鍋やフライパンの幅に合わせて調整することができますので、収納空間を無駄なく使うことができます。100円ショップで売っているステンレス製の棚などは、多少の負荷がかかっても耐久性があるので安心です。

そのほかにもブックスタンドや仕切りスタンドで仕切るなど、立てて収納するアイテムは色々とあります。立てて収納するとき、気をつけたいのが引き出し収納の高さ。引き出しの高さが30センチなら、フライパンは直径26センチのものを購入する…など、ご自身のキッチン収納に合わせたもの選びをしましょう。

・蓋の収納
高さがない引き出しでは、鍋に蓋をセットして収納すると引き出しが閉まらないということも。次いで、蓋の取っ手が引っかかってしまうという話もよく聞きます。そんな場合は、蓋を裏返して鍋に乗せるとコンパクトにまとまり、収納力がアップします。

また手前等に突っ張り棒を横に渡して設置するというアイディアもおすすめ。蓋の取っ手部分を引っかけて収納することができます。少しの隙間を有効活用してコンパクトに収納できる分、鍋やフライパンにスペースを分けることも。

・巾木(はばき)収納には重いものを
巾木(はばき)収納と呼ばれる、調理台の最下段にある浅めの引き出し収納。ここには、何を収納するか迷う方も多いようです。重さのある煮込み鍋や、普段はあまり使わない土鍋などを収納してみましょう。土鍋と一緒に使うカセットコンロなども併せてしまっておくと、セットで使いやすくなります。出し入れしやすい場所なので、取り出すのが面倒でしまい込んでいたものを活用できるかもしれませんよ!

収納術でキッチンを快適に使いこなす

キッチン周りは清潔でお手入れしやすいのが一番です。「使いやすく、戻しやすい」収納を意識するのが、いつまでも美しい暮らしをキープするコツ!自分が使いこなせる量を知り、全てのものがフル稼働できるように、「使いやすく」「元に戻しやすい」仕組みを作っていきましょう。

整理収納アドバイザー 角一 まり子

情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子

整理収納アドバイザー2級認定講師、ファイリングデザイナー2級。インブルーム株式会社にて多くのお客様のご自宅で整理収納サービスを行う。世代や環境に合わせ、様々な角度から「快適で暮らしやすく、そして美しい」空間づくりを提案。