マンション購入ガイド

2018.01.09

Question

新築マンションと中古マンション、購入の流れの違いとは?

古い戸建てに住んでいることもあり、現在マンションの購入を考えています。これまでマンションに住んだことがなく、マンション購入について調べ始めているのですが、新築マンションと中古マンションではどのような違いがあるのでしょうか?それぞれの購入の流れについても教えてください。

Answer

新築マンションも中古マンションも購入の流れの大枠は同じです。売主の違いから見学方法や申し込み方法に細かい違いがある場合も。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

新築・中古に共通する、マンション購入の流れ

マンション購入をする際の悩みのひとつとして、新築マンションにするか、中古マンションにするか、という点があるかと思います。

新築マンションと中古マンションで共通している部分と異なった部分にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、“購入の流れ”という観点から、新築マンションと中古マンションをご紹介したいと思います。

新築マンション、中古マンションもマンション購入の一連の流れは、概ね同じような手順で進みます。
まずは大まかなマンション購入の手順についてご紹介します。

(1)物件情報入手
まずは、物件情報の入手から始まります。そのきっかけは、インターネットや折り込みチラシなどの広告、ご自宅近くで建設を始めたマンションを見て興味を持ったなど、様々。いずれにしても、検討の材料となる物件情報を集め、立地や価格、間取り、仕様・設備などの情報を検討していきます。

(2)マンションの見学
物件情報を見て気になるマンションがあれば、次はマンションの見学です。 新築のマンションの場合、建設中の場合はモデルルームを、建設が済んでいる場合は実物を見学することができます。中古マンションは、実物の物件見学が可能です。

(3)資金計画
マンションの見学や質疑応答などを経て、マンション購入に前向きな段階になれば、具体的に資金計画を立てていきます。資金計画については、担当者が適宜相談にのってくれますので、遠慮せず相談しましょう!

ただし、資金計画の基本はまず「自分がいくら用意できるか」この部分は家計に無理のない範囲で自ら計算しなければなりません。自己資金が算出できれば、住宅ローンはいくら借りなければならないか導くことができます。毎月の住宅ローン返済額に無理がないか判断してください。

住宅ローン返済額に無理がないかどうかはこちらの住宅ローンのシミュレーションで判断することができます。住宅シミュレーションはこちらから是非試してみてください!

(4)購入申し込み
資金計画が固まり、家族の同意や資金準備などに一定の目途が立てば、ついにマンション購入の申し込みです。通常、新築、中古を問わず書面による申し込みとなります。

(5)住宅ローンの仮審査
マンションの購入申し込みをした後、もしくは申し込みを決めた時点で、銀行などに住宅ローンの仮審査(事前打診ともいう)を行います。

金融機関が用意する書類に必要事項を書き込み、購入希望マンションの資料を添えて銀行などへ提出します。この審査結果で、住宅ローンの希望額や金利などの条件がほぼ決まることとなります。ここで希望条件が整えば、先に進み、もし希望額に届かない、想定より金利が高く返済額が重くなったなど、厳しい条件となった場合には、自己資金を増やすなどの調整が必要になります。

(6)重要事項説明
契約締結の前に必ず宅地建物取引士による重要事項説明があります。重要事項説明では、不動産の法的要件や建物の共用部、室内設備などの細かな部分が説明されます。専門的な法律や用語が出てきますので、わからないことがあれば、説明者に遠慮なく質問しましょう!

(7)売買契約
重要事項説明に納得し、購入できる条件が整えば売買契約を締結して所定の“手付金”を支払います。売買契約の際、住宅ローン特約と言われる特約が付いていれば、万が一本審査において住宅ローンの希望金額が借りられなかったなどの際に、手付金が全額戻ってきます(ただし、特約期日内の解約である場合)。

その他、ご自宅の買い替えでマンションを購入する場合に、買い替え特約(今住んでいる住宅が一定期間内に売却できなかった際、契約を白紙にできる特約)が付されていれば、同様に特約期限内の解約で、手付金は全額戻ってきます。

(8)住宅ローンの本申し込み(本審査)
売買契約書を締結したら、契約書の写しなどを銀行などに提出し、住宅ローンの本審査を依頼します。事前の仮審査はあくまで“仮り”のため、契約した書面をもって正式な審査を正式な審査を受ける必要があります。

ケースにもよりますが、(5)の仮審査を経ず、契約後に本審査のみで住宅ローンに申し込む場合もあります。その場合、売買契約時の“ローン特約”が重要となりますので、覚えておくとよいでしょう。

(9)住宅ローンの融資承認と金銭消費貸借契約
住宅ローンの融資承認(正式な条件確定)が出れば、ほぼマンションの購入ができる状態となります。そうなると、売主と銀行などとの日程調整を経て決済日を決め、その日付で融資を実行(住宅ローンのお金が買主の口座に振り込まれること)できるよう、金銭消費貸借契約(資金の使途が決まった金銭貸借契約)を銀行などと締結します。

(10)引き渡し・決済
銀行などとの契約も完了すれば、あとは売主と調整した日付、もしくは定められた日付で引き渡し、決済を行います。 決済とは、契約時に支払った手付金以外の物件の代金と、諸費用などのマンション購入費用の残金の全額を支払うことです。引き渡し当日は鍵の引き渡しを受けることとなり、固定資産税の清算の起算日や管理費などの起算日となります。

新築マンションと中古マンション購入で異なる点は?

ここまで、マンション購入の流れについてご紹介しました。新築マンションも中古マンションも購入の流れはほぼ同じですが、細かいところで異なってきます。ここでは、その違いをピックアップしてご紹介します。

(1)売主の違い
新築マンションと中古マンションでは、売主が異なります。
通常、新築マンションはデベロッパー会社が売主となり、中古マンションは売主の多くが個人になります。もちろん中古でも売主が不動産会社などの企業である場合もありますが、大半は所有者である個人となります。この売主の違いは契約条件や引き渡し後の保証に現れてきます。

また、多くの新築マンションは売主(または代理)から直接購入することとなりますので、仲介手数料が不要になるなど費用にもその差が出てきます。

(2)取引態様の違い
取引態様とは、不動産を取り扱う不動産会社がどういった立場で取引するかを表したものです。取引態様には、「売主」、「貸主」、「媒介」、「代理」があり、どれに該当するのかを明確に表示しなければなりません。

・新築マンションの取引態様
新築マンションでは、不動産販売会社が「代理」の立場で販売に携わることが多く、「代理」の場合は仲介手数料が不要となります。また、「販売提携(媒介)」という表示がある場合も、基本的に仲介手数料は不要となります。

・中古マンションの取引態様
中古マンションの場合は、マンションを買い取った不動産会社が「売主」として販売している場合もありますが、ほとんどの中古マンションが個人の売主から売却を依頼された「媒介」であり、仲介手数料が必要となります。 会社が売主として販売している場合、直接「売主」から購入すれば仲介手数料が不要となります。

・中古マンションの取引態様
中古マンションの場合は、マンションを買い取った不動産会社が「売主」として販売している場合もありますが、ほとんどの中古マンションが個人の売主から売却を依頼された「媒介」であり、仲介手数料が必要となります。
会社が売主として販売している場合、直接「売主」から購入すれば仲介手数料が不要となります。

(3)情報発信の違い
・新築マンションの情報発信
物件情報の発信方法にも、新築マンションと中古マンションで違いがあります。新築マンションではある程度広告宣伝費が確保されているので、新聞折り込みチラシやテレビCM、物件専用ホームページなど様々な媒体で情報を発信しており、その情報もコンセプトやロケーション、設備の細かいところまで多くの情報が公開されています。

・中古マンションの情報発信
一方、中古マンションの情報は、インターネットのポータルサイトに情報が掲載されるものもあれば、不動産会社の店頭にもなく、取り扱う不動産会社との対面でしか情報を見ることのできないものも
中古マンションの物件情報については、購入希望者側がある程度真剣に探さないと得られないとも言えます。

(4)物件見学の違い
・新築マンションの物件見学
新築マンションでは、モデルルームでじっくりと物件を見学することができます。収納の広さ、キッチンやベランダなど生活の動線、さらには地盤まで、実際に隅々まで確認してみましょう。

・中古マンションの物件見学
中古マンションのでは、居住者に直接お話を伺えるのがポイント!実際の住み心地や隣にはどのような方が住んでいるのか、周辺環境などについて伺うことができます。 物件の見学をする前には、「どこを見るべき?モデルルーム見学のチェックポイントとは」をチェックしてみてくださいね。

(5)申し込み方法の違い
・新築マンションの申し込み方法
新築マンションの申し込み方法は、人気物件の場合には抽選となることもあります。 物件によっては最初から先着順の場合もありますが、特に、販売開始となる第一期には抽選をする場合が多いです。

・中古マンションの申し込み方法
一方、中古マンションは基本的に1つしか存在せず、様々な不動産会社が多くの方に紹介しているため、先着順であることが多いです。この場合、最初に申し込んだ方を“一番手”、以降“二番手”“三番手”と言います。基本的には、一番手の方が購入の優先権を持ちます。優先権と言っているのは、最終的に住宅ローンの審査がNGだった場合や途中やむを得ずキャンセルが発生することがあるからです。一番手の方が降りた場合は、二番手の方に優先権が移ります。

(6)住宅ローンの紹介の違い
・新築マンションの住宅ローン紹介
新築マンションでは、販売会社と提携した金融機関が用意されていることがあります。その場合、個人で融資を申し込むよりも有利な条件であったり、審査に通りやすかったりなど、メリットがあることもあるので、是非相談してみてください。

・中古マンションの住宅ローン紹介
中古マンションでは、金融機関と提携している販売会社は多くありません。そのため、基本的に自分で金融機関に融資の申し込みから手続きまで行うことが多くなります。ですが、不動産会社によっては、担当者が実績のある銀行を紹介し手続きのサポートをしてくれることもあります。事前に相談してみると良いかもしれません。

(7)融資条件の違い
・新築マンションの融資条件
新築マンションは、金融機関にとって最も優遇しやすい融資対象です。借りる側(購入者)の条件さえ整えば、より良い条件で融資(住宅ローン)を借りることができます。

・中古マンションの融資条件
中古マンションでも築年数が古くなると融資条件が厳しくなることも。ただし、昨今は新築マンションと中古マンションに融資条件の違いが少なくなってきました。金融機関によって異なるため、確認してみましょう。

(8)手付金の違い
・新築マンションの手付金
未完成の新築マンションの場合、宅地建物取引業法では、手付金等の額が代金の5%以下でかつ1,000万円以下であれば、宅地建物取引業法により「工事完了前の売買に係る手付金等の保全措置」を講じなくてよいとされています。保全借置というのは、売主に万が一何らかの事情で物件を引き渡せないなどの事態に、手付金を返すなどの借置の規定のことです。ということは、手付金がこの範囲外の金額、もしくは保全措置が講じられている不動産会社ならば、安心ですね。

・中古マンションの手付金
中古マンションは建物が完成していますので、少し数字が異なり、10%以下かつ1,000万円以内まで保全措置が不要となります。中古マンションは売主が個人や中小の不動産会社であることが多く、その負担が重くなるため、その範囲内で手付金が決定されることが多くなります。手付金の額についても売主と、買主の相談で決めることができますので、売主側が余程強い姿勢でなければ、少ない金額で落ち着くこととなるでしょう。

(9)引き渡し時の違い
・新築マンションの引き渡し
新築マンションでは、他の入居者も同じタイミングで引っ越すこととなります。そのため、引っ越しのタイミングが重ならないよう、引っ越し日は売主や販売会社が調整を行ってくれる場合があります。

・中古マンションの引き渡し
一方、中古マンションでは、居住者の引っ越し後に引っ越しを行うこととなりますので、居住者と日程の調整をして引っ越します。

(10)建物や設備の保証の違い
・新築マンションの建物や設備の保証
新築マンションに限らず、新築した住宅は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が定められており、マンションの基本構造部分(柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分)に関して、完成引き渡し後から10年間になんらかの欠陥が見つかれば、施工会社や不動産業者が無料補修などをすることが義務づけられています。

また、新築マンションでは、新しい設備が多くなります。各設備にはメーカーの保証が付帯している他、売主が一定期間の保証を行ってくれます。

・中古マンションの建物や設備の保証
中古マンションでは、売主や不動産仲介会社によって異なります。
個人が売主の場合、基本的には3ヶ月や6ヶ月の保証か、場合によっては保証がないこともあります。売主が不動産会社の場合は、「瑕疵担保責任」に基づき最低2年間保証されます。不動産仲介会社が大手企業の場合には、条件によっては10年保証を提供してくれることもありますので、アフターサービスという視点で仲介会社を選んでもよいかもしれません。

新築マンションと中古マンションでは、購入の流れの大枠はほとんど変わらないものの、具体的な部分では異なる点が多々あります。どちらが優れているということではありませんが、マンションの購入を検討する際には、あらかじめその違いについて知っておいて損はないでしょう。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。