長谷工の住まい HASEKO URBEST

長谷工アーベストの新築マンション等住まい検索サイト

MENU

マンション購入ガイド

Question

不動産契約における重要事項説明書とは?チェックポイントを解説

マイホームを購入予定です。売買契約の前に「重要事項説明」というものを行うそうで、事前に重要事項説明書を受け取りました。内容が難しそうなのですが、どのように目を通せばよいでしょうか?

Answer

重要事項説明書には、売買の対象となる物件や取引条件にかかわる重要事項が記載されています。物件については権利や法令上の制限など、取引条件については売買代金や解約時の取決めなどについて記載されており、見落としがないように丁寧に確認することが大切です。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

重要事項説明とは?

重要事項説明(「重説」と略されることもあります)とは、物件の物理的状態・権利の状況や取引条件などの重要事項を、宅地建物取引士が買主や借主に詳しく説明するものです。不動産を売買・賃貸・交換する際に行われ、売買の場合は、売買契約を締結する前に実施されます。

不動産を取引する相手にしっかりと物件について理解してもらい、売買契約や賃貸借契約を締結した後に、物件や条件に関して「こんな話は聞いていない」といったトラブルが起こらないようにすることが目的です。

重要事項説明は、「重要事項説明書」という書面を用いて行われます。説明を行う宅地建物取引士には、宅地建物取引士証を提示する義務があるので、必ず説明者が宅地建物取引士であるか確認しましょう。また、取引を媒介する不動産会社が宅地建物取引業者であるかどうかも確認が必要です。

不動産の購入を検討している方のなかには、「重要事項説明書はどのように見たらよいの?」「確認するべきポイントは?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか?この記事では、重要事項説明書のチェックポイントについて解説します。重要事項説明の内容は「物件の説明」「取引条件の説明」「そのほかの説明」の3つに分類されます。それぞれのチェックポイントを詳しく見ていきましょう。

書類を見る女性
※イメージ写真
物件における重要事項説明書のチェックポイント

物件について、重要事項説明書に記載されている主な項目は以下の通りです。

重要説明事項 主な内容
土地や建物に関する事項 土地建物の所有者や所在地、面積、構造など
権利に関する事項 土地建物に登記されている権利(所有権、敷地権、賃借権、抵当権など)
法令に基づく制限 都市計画法(区域や用途地域など)、建築基準法(高さ制限や敷地と道路の関係など)、その他法令や条例など対象不動産に関係する法律による制限
災害警戒区域に関する事項 土砂災害や津波災害警戒区域内か否かなど、ハザードマップに関する事項
建物の性能評価や調査に関する事項 住宅性能評価や石綿使用調査、耐震診断に関する記録や書類の有無など
インフラ(飲用水・電気・ガス)について 飲用水・電気・ガスの整備状況、下水処理方法など
重要事項説明書と住宅
※イメージ写真

物件の説明では、購入を検討している物件に問題がないか、聞いていた条件と異なる点はないかなどを確認することが大切です。ここからは重要なチェックポイントについてお伝えします。

物件が売買対象と一致しているか
物件の所在地や土地や建物の所在地、面積などを確認して、売買対象となっている物件と一致しているかチェックしましょう。
土地については、謄本や公図、測量図といった説明時に添付される資料と比べて確認するようにします。
建物については、物件の面積や構造などは重要事項説明書で確認できますが、仕様や設備などは記載がないので、重要事項説明書と一緒に交付される物件状況報告書(物件状況確認書、告知書ともいわれます)や付帯設備表、または新築であればパンフレットを確認し、説明と異なっていないかも確認する必要があります。

物件の売主と所有者は一致しているか
重要事項説明書では、売主についての説明が記載されています。最新の登記簿に記載されている所有者と売主が一致しているか必ず見ておきましょう。

特に、所有者2名以上で共有されている場合は、共有者も契約時には同席するのが通常ですが、共有者が同席していない場合は、共有者の同意が取れているのか確認が必要です。また、相続登記が完了していない場合は、売主と登記簿上の所有者が異なることがあります。この場合は、必ず引渡しまでに名義変更されることが条件になっているか確認が必要です。

物件に取引を阻害する権利が設定されていないか
不動産の権利関係については、土地・建物ともに所有権を阻害する権利が設定されていないか、最新の登記簿と併せてチェックしておかなければなりません。

たとえば、登記簿の甲区(所有権に関する権利)に仮登記や差し押さえ登記などの記載がないか、乙区(所有権以外の権利)では、抵当権や根抵当権、地上権、借地権、地役権などの権利が設定されていないか調べることも重要です。これらの権利が設定されている場合は、引渡しまでに権利が抹消されるのか、引き継いで問題のない権利なのか確認しましょう。

特に中古物件の場合は、抵当権根抵当権が設定されていることも多いので、その抹消については必ず確認するようにしましょう。

土地・建物が法令に準拠しているか
土地や建物が法令に準拠したものであるかどうかも大切なポイントです。重要事項説明書には、都市計画法(都市の健全な発展等を目的とした法律)や建築基準法(建築物の安全性を確保するための基準を定めた法律)、そのほかの法律に基づく説明などが記載されています。「住宅が建てられる区域か」「建設可能な建物の基準を超えていないか」などをしっかり聞いて確認しましょう。

災害警戒区域内か否か
昨今は水害や土砂災害などの自然災害も多いため、対象物件の災害に対するリスクについても、チェックが必要です。重要事項説明では、土砂災害警戒区域や津波災害警戒区域の区域内か否かについて、行政が公表しているハザードマップとともに説明されることになっています。

契約書にハンコを押す図
※イメージ写真

建物の維持管理状態はどうなっているか
建物がこれまでどのように維持管理されてきたかも確認しましょう。中古住宅で築年が古い場合は、石綿(アスベスト)使用調査や建物状況調査、耐震診断について調査した経歴があるかどうかについて説明されます。

また、新築時の設計図書(工事用の図面)、行政からの許可証(確認済証、検査済証)やそのほかの調査報告書の有無なども説明対象となります。管理状態のよい物件ほど、調査記録や書類が残っているケースが多いため、よく確認するようにしましょう。

●インスペクションに関する記事はこちら

インスペクションとは?メリットや費用を解説!

住まいの状態をチェックする検査であるインスペクションについて解説しています。

インフラは整っているか
生活をするうえで大切なインフラの整備も忘れずにチェックしましょう。重要事項説明書では、「飲用水・電気・ガスの供給施設および排水施設の整備状況に関する事項」と記された項目がインフラにあたります。

新築マンションであれば不備が見つかる可能性は低いといえますが、中古の一戸建てや土地を購入する場合は、上水道や下水道、ガスなどが整備されていないケースもあります。これらの整備は自己負担となることもあるため、注意が必要です。

重要事項説明書
※イメージ写真
取引条件の重要事項説明書におけるチェックポイント

取引条件について、重要事項説明書に記載されている項目は以下のようなものです。

重要事項 主な内容
売買代金とそれ以外の金銭に関する事項 売買代金と手付金、それ以外にかかるお金(固定資産税等、管理費、修繕積立金の清算金など)がいくらか
契約の解除、損害賠償の予定 売買契約の解除となる場合(ローン特約の有無など)や、契約違反などによる違約金や損害賠償の予定額の記載について
手付金の保全措置について 売主が宅建業者の場合における手付金の保全措置の有無と概要
ローンに関する事項 住宅ローン等の借り入れ条件についてなど
契約不適合責任に関する措置 物件に契約内容と異なる部分があった場合の措置について
住宅の模型とお金
※イメージ写真

売買契約のこの取引条件に関する部分は、お金にかかわる大切な内容が多いため、特に注意して読みましょう。重要なチェックポイントは以下の通りです。

売買代金以外にかかるお金はいくらか
重要事項説明では、対象物件の代金とそれ以外にかかる金銭について、確認と説明が行われます。売買代金以外にかかる金銭には、決済日を基準にした固定資産税・都市計画税の清算金額、マンションの場合は負担する管理費や修繕積立金の清算額などが挙げられます。そのほか清算が必要な費用がある場合には、その項目と費用が記載されます。支払い準備のためにも、漏れなく確認しておきましょう。

●分譲マンション購入後に必要になる費用に関する記事はこちら

分譲マンションを購入してからかかる費用とは?

マンションを購入した後に必要になってくる費用について紹介しています。

売買契約の解除はどのように行うか
万が一、売買契約を解除する場合に備えて、あらかじめ解除の方法や解除にかかわる取り決めを確認しておきましょう。重要事項説明では、契約解除のほか契約違反をした場合の損害賠償や違約金の有無・内容について、売買契約書に記載があるかどうかを説明されます。

売主や物件によって変わりますが、契約違反の場合は売買代金の10〜20%が違約金として設定されることが一般的です。不動産売買は金額が大きいため、違約金、損害賠償額も発生すると大金になるため十分注意しましょう。

マンションとお金
※イメージ写真

契約不適合責任に関する特約があるか
物件に売買契約書の内容と異なる部分が認められた場合、売主が買主に対して負う「契約不適合責任」という責任があります。

重要事項説明書には、事前に告知すべき欠陥や瑕疵(かし)の情報、責任範囲などについて記載されており、原則その内容に従うため、しっかりと確認するようにしましょう。

●契約不適合責任に関する記事はこちら

瑕疵とは?不動産売買の責任について

売買した土地や建物が契約書の内容に適合しない「契約不適合責任」について解説しています。

マンションの瑕疵
※イメージ写真
重要事項説明書のそのほかのチェックポイント

ここからは「物件」と「取引条件」以外のチェックポイントをお伝えします。

マンション独自の項目
分譲マンションをはじめとする区分所有建物では、権利関係や維持管理に関して「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」という法律が定められています。そのため、この法律で定められた内容を説明するために、重要事項説明書でもマンション独自の項目が設けられています。
記載される主な項目は以下の表の通りです。

重要事項 主な内容
敷地の権利の種類 土地の権利が所有権か、借地権か(借地権の場合は借地期間などの説明を別紙で行う)
共用部分と専有部分等の規約の定め 共用部分はどこか、共用部分の持分について、専有部分の用途、使用制限についてなど、規約に記載されている内容の説明
専用使用権(共用部分のうち専用に使用できる部分)の規約の定め バルコニーや専用庭、専用駐車場などの有無とその範囲、使用料の有無など
修繕積立金等と管理費 修繕積立金の有無と毎月の支払い額、これまで積み立てられている金額や滞納の有無と滞納額、毎月の管理費と滞納額など
マンション管理の委託先 管理委託の内容と委託先
建物維持修繕の実施状況 共用部分・売買対象の専有部分それぞれの修繕記録の有無とその内容(内容については別紙)
マンション
※イメージ写真

敷地の権利
マンションでは、建物が建っている敷地をマンションの区分所有者全員で共有しています。この権利は「敷地権」と呼ばれますが、敷地権が所有権(その敷地を所有する権利)なのか、借地権(その敷地を土地の所有者から借りて建物を建てられる権利)なのかをチェックしましょう。

敷地権が借地権の場合、まず定期借地か、普通借地かを確認します。特に、定期借地権の場合、毎月の借地料が必要になるだけでなく、借地期間の終了時には建物を取り壊して更地にし、土地の所有者に返還する必要があります。また、敷地の一部に借地権部分がある場合にも、入居してから土地の所有者に地代(土地を借りるための費用)を支払わなければならなくなるため、注意が必要です。

●借地権に関する記事はこちら

定期借地権付きマンションとは?メリットと覚えておきたい注意点

土地を借りる形で居住する定期借地権付きマンションについて説明しています。

共用部分と専有部分
マンションでは区分所有者全員で共有する共用部分と、区分所有者が単独で所有している専有部分が決められています。重要事項説明では、マンションのどこが共用部分なのか、区分所有者が権利として持つ共用部分の持ち分はどのくらいなのか、といったことが説明されます。特に共用部分ではあるものの区分所有者が専用で使用できる部分、たとえばバルコニーや玄関ポーチ、専用庭などについても、使用できる範囲や使用料などが記載されています。

また、区分所有者が単独で所有している専有部分であっても、マンションは共同住宅であるため使用制限があることが一般的です。ペットの飼育や楽器の演奏、リフォーム時の仕様などについての管理規約も説明されるため、よく確認しましょう。

●分譲マンションの共用施設に関する記事はこちら

マンションライフが楽しくなる、分譲マンションの共用施設とは?

分譲マンション共用施設について紹介しています。

共有部分を掃除する女性
※イメージ写真

修繕積立金と管理費はいくらか
マンションでは区分所有者全員が持分に応じて管理費と修繕積立金を毎月支払うことになっているため、月々いくらの金銭的負担があるのか確認することが大切です。

ここでは、具体的に支払う金額をよく確認しましょう。

中古マンションでは、これまで積み立てられてきた修繕積立金や滞納金額のほか、管理費・修繕積立金の改訂や、一時的な修繕費用の発生が予定されている場合には、それらについても説明されます。

●修繕積立金に関する記事はこちら

マンションの修繕積立金とは?相場や適正額も解説!

マンションの修繕積立金について紹介しています。

●管理費に関する記事はこちら

マンションの管理費とは?修繕積立金との違いや相場を解説

マンションの管理費について紹介しています。

管理の委託先や委託内容はどうなっているか
マンションの管理は建物の資産価値を維持するうえで非常に重要なため、管理の委託先についてもチェックする必要があります。重要事項説明書には、管理の形態や委託先、委託内容も記載されているため、よく確認しましょう。

大規模修繕は行われているか
マンションの大規模修繕計画の有無や過去の実績、予定は重要なチェック事項です。大規模修繕の実施時期やその内容について確認するようにしましょう。また、専有部分についても大きな修繕(リフォーム)が行われた場合は、売主の知る範囲で説明されることになっています。

築10数年以上経っているのに1度も大規模修繕が行われていない場合は、今後実施する予定があるか確認する必要があります。もし今後も大規模修繕の計画がなければ、将来、マンションの維持に問題が生じる恐れがあるため、注意が必要です。

●大規模修繕に関する記事はこちら

マンション購入後の「大規模修繕」って何をするの?

マンションの大規模修繕について解説しています。

マンションの大規模修繕
※イメージ写真

特約条項(特約事項)
特約条項(特約事項)とは、通常の条項のほかに約束される項目のことで、重要事項説明書の一般項目で記載できなかったことや、売主・買主間の取引により定められるものも含まれます。特約条項には、対象物件独自の告知すべき重要事項が記載されています。以下の表をご覧ください。

対象物件独自の重要事項 主な内容
近隣環境について 物件近隣の建築計画の有無や周辺の嫌悪施設(ごみ処理場や火葬場など)の有無、ある場合はその状況など
取得後の費用について 使用するCATVやCS/BSテレビの費用負担や、インターネット関連の契約やその費用など
近隣との申し合わせや容認事項について 道路や上下水道管の管理、越境物などの申し合わせや自治会・町内会のことなど
その他、事前に新所有者に承知(容認)しておいてほしいことなど

上記のほかにも近隣環境や入居後の使用にあたって発生する費用、近隣との申し合わせや容認事項のほか、特別な申し合わせ事項や、そのマンションだけに付いている特殊な設備の有無とその費用など、記載内容は物件によってさまざまです。見落としがないようによく確認しましょう。

マンションの近隣問題
※イメージ写真
重要事項説明書は事前に読んでおこう

実際に重要事項説明を受ける際には、説明者が宅地建物取引士であること、そして取引を行う不動産会社が宅地建物取引業者であることを必ず確認しましょう。説明時、宅地建物取引士には「宅地建物取引士証」を提示する義務があるほか、重要事項説明書の最初には、取引業者が宅建業者であることを示す免許番号や免許の有効期間などが記載されています。

また、重要事項説明を受け、署名捺印した後に「知らなかった」「忘れていた」というのは通用しません。内容について分からないことや不明な点は確認して、よく理解し、見落としがないようにすることが重要です。

また、重要事項説明には不動産や建築などの専門用語のほか法律用語も多く出てくるため、専門的な知識がない方にとっては理解が難しいものです。重要事項説明が行われる前に、不動産会社から重要事項説明書や契約書などのコピーを交付してもらい事前に読んでおくとよいでしょう。

用語の意味を確認、理解するのはもちろん、疑問点や質問も整理しておくことも大切です。不明点があった場合にはどんな小さなことでも遠慮せずに尋ねるようにしましょう。見落としがあって、署名捺印後にトラブルに発展することがないように、よく確認してくださいね!

ビジネスウーマンと夫婦
※イメージ写真

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。