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瑕疵の意味とは?不動産売買で知っておきたい責任について!

子どもたちも自立したので、今住んでいる戸建てを売却し、夫婦二人暮らしに向けて郊外のマンションを購入しようか検討しています。検討にあたっていろいろ調べていて、「瑕疵」という言葉を目にしましたがよく意味が分かりません。瑕疵とは何でしょうか?

Answer

瑕疵とは、土地や建物に何らかの不具合がある状態のことです。売買後の土地や建物に瑕疵が見つかった場合、買主は売主に対して補修や賠償請求ができる権利が法律で定められています。実際の補償内容や責任期間は契約内容によります。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

不動産の瑕疵とは?

不動産売買を検討していると、「瑕疵(かし)」という言葉を目にしたことがあるかもしれません。瑕疵とは、欠陥・欠点といった意味の言葉です。不動産売買における瑕疵は、土地や建物に何らかの不具合があり、本来の役割を果たしていない状態を指しています。

瑕疵は、不動産分野でも頻繁に出てくる法律用語です。なかでも「隠れた瑕疵」として不動産売買の際に使われることがあります。

ほかにも不動産分野の言葉としてよく見受けられるのが、「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」という用語です。これは、不動産を売買した際に「隠れた瑕疵」が見つかった場合、売主は買主に損賠賠償や補修といった負わなければならない責任のことをいいます。2020年の民法改正で、「瑕疵担保責任」は、「契約不適合責任」という概念に変わり、売主が負う責任の内容も変わっています。

今回は、不動産の瑕疵とはどんなものか、また瑕疵が発覚したときにはどう対処すればよいのかについて、不動産売買の売主と買主、双方の責任や権利を踏まえながら解説します。

住宅の点検
※イメージ写真
不動産の瑕疵は大きく3つ

不動産における瑕疵にはいくつかの種類があり、その性質によって大きく以下の3つに分けることができます。

・物理的瑕疵
・心理的瑕疵
・法律的瑕疵

物理的瑕疵
物理的瑕疵とは、建物や土地そのものなど、目的物にある物理的な欠陥のことをいいます。物理的な瑕疵では、目に見える瑕疵以外にも、雨漏りやシロアリの被害などの、建物内の目に見えない部分も「隠れた瑕疵」として瑕疵とみなされます。建物の瑕疵には、以下のような例があります。

・雨漏りや水漏れする箇所がある
・壁にひび割れがある
・シロアリ被害がある
・建材にアスベストが使用されている
・給排水管の詰まりや故障がある
・耐震強度の基準をクリアしていない
など

建物に比べると分かりにくいですが、土地の瑕疵には、以下のような例があります。

・地盤が不安定で歪んでいる
・有害物質による土壌汚染がある
・地中にゴミや廃材などの埋設物がある
など

水漏れの点検
※イメージ写真

心理的瑕疵
心理的瑕疵とは、買主が嫌悪感や抵抗を抱くような心理的な欠陥のことをいいます。不動産に心理的瑕疵がある場合が、いわゆる事故物件と呼ばれているものになります。具体的には以下のような例があります。

・過去に殺人・事故死・自殺などの事件や事故があった
・近隣に迷惑行為をする人や指定暴力団構成員等が居住している
など

ただし、感じ方には個人差があるので、何が心理的瑕疵にあたるのか明確な基準は存在しません。そこで国土交通省は、心理的瑕疵に関して不動産会社(宅建業者)の取り扱いについてガイドラインを策定すべく、現在専門家による検討会を設け、意見公募が終了するところまで進んでいます。

法律的瑕疵
法律的瑕疵は、法律的に問題のある欠陥のことをいいます。不動産の法律的瑕疵に関係する代表的な法律は、「都市計画法」「建築基準法」「消防法」などがあり、それぞれ以下のような例があります。

・開発行為が基本的に認められていない市街化調整区域内に無許可で物件が建っている(都市計画法)
・土地の面積に対して建てることのできる建物の延床面積の割合を定めた容積率をオーバーしている(建築基準法)
・新築時には適法だった建物が現在の法律や条例に照らすと不適合状態になっている、既存不適格物件の状態である(都市計画法や建築基準法)
・火災報知器やスプリンクラー、防火扉や避難ハシゴなどの設置義務を満たしていない(消防法)
など

このほか、文化財保護法や農地法など本来守るべき法律の要件を満たさず建てられた建築物などは、法律的瑕疵に該当します。

不動産の瑕疵に対する責任とは?

これまで見てきたように、不動産の瑕疵の種類はさまざまです。当初からそういった不動産の瑕疵が分かっていれば、購入をやめたり、それを納得して購入したりすることができます。ところが、現実はそうもいきません。不動産売買契約を締結した後に気付くこともあれば、買主が実際に引き渡しを受けてから気付くこともあります。

そこで、不動産売買においては、取引した物件や土地に瑕疵が見付かった場合、買主は売主に対して責任を追及できるよう民法で定められています。2020年に改正した民法では、不動産の瑕疵をめぐっては、これまでの瑕疵も含んだ「契約不適合責任」という概念に変わりました。これにより、売主の責任がより重くなり、買主の権利が拡大されました。

法律イメージ画像
※イメージ写真

売主が買主に対して負う責任
不動産の売主は、買主に対して不動産の瑕疵について責任を負います。この瑕疵に対する売主の責任について、2020年4月1日の改正前の民法では「瑕疵担保責任」と定義してその責任の範囲を規定していました。民法改正後は「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」という概念に置き代わっています。

改正前は、物件に「隠れた瑕疵」があり、物件購入後に瑕疵が見つかった場合、売主は買主に対して瑕疵担保責任が生じ、買主は瑕疵を発見してから1年以内に「損害賠償」の請求または目的が達せられない場合は「契約解除」することができました。

「隠れた瑕疵」とは、契約時に買主が通常の注意を払ったにもかかわらず発見できなかった瑕疵のことをいいます。

法改正でより重たくなった売主の責任
民法改正では、「瑕疵」という文言は使われず、「契約の内容に適合しないもの(契約不適合)」という表現になりました。改正前は不動産など「特定物」に限り「瑕疵担保責任」の対象としていましたが、改正民法では、特定物・不特定物を問わず「契約不適合責任」の対象となりました。

また、改正前は、売主は「不動産に瑕疵が見付かった場合に責任を負う」という考え方から、「売買した土地や建物がこれまでの瑕疵以外でも売買契約の内容に適合しない場合は責任を負う」という考え方に変わりました。それに伴って、「隠れた瑕疵」でなくても「契約内容に適合しない場合」であれば買主は売主にその責任を追及できるようになり、より売主の責任の範囲が広がったのです。

家と契約書
※イメージ写真

買主が請求できる5つの権利
契約不適合責任として買主が売主に請求できる権利は以下の5つです。

契約書と虫眼鏡
※イメージ写真

[ 1 ] 追完請求
追完請求とは、契約内容に適合しない部分、つまり不具合の補修や、代わりのもの、不足分の引渡しを求める買主の権利です。たとえば、雨漏りする箇所はないという契約内容で売買したにもかかわらず雨漏りが存在した場合は、雨漏りの補修を請求できます。

[ 2 ] 代金減額請求
代金減額請求とは、追完請求をしても売主が補修しない、あるいは補修することが困難である場合に、売買代金の減額を請求できる権利です。追完請求の補完的な請求権であり、補修や交換などを請求しても行ってもらえない場合に限って請求できるというのがポイントです。

[ 3 ] 損害賠償請求
損害賠償請求とは、履行利益を含む損害賠償を請求する権利です。履行利益とは、契約が適正に履行されたならば、買主が得られたであろう利益です。

以前の瑕疵担保責任で認められていた損害賠償請求の範囲は「信頼利益」に限られていました。信頼利益とは、契約が有効だと信じたために発生した損害のことです。支払う必要のなかった損失を請求できる権利はあったのですが、契約が有効だった場合に得られたであろう利益を請求することはできませんでした。

[ 4 ] 催告解除
催告解除では、売主が先に説明した追完請求に応じない場合に、買主が催告して契約を解除することができます。催告解除では、これまでの瑕疵担保責任では「契約の目的を達せられない場合のみ」契約解除が可能だったものが、契約の目的を達することはできるものの、補修や交換など軽微なものでない不適合でも解除できることになります。権利が行使された場合、買主は引き渡しを受けた土地建物とその所有権を返還し、売主は売買代金を返還することになります。

[ 5 ] 無催告解除
無催告解除とは、催告せずに売買契約を解除する権利です。ただし、契約に合致しないことにより「契約の目的を達することができない場合」に限ります。裏を返すと、不動産における契約不適合が契約の目的を達成できる程度の場合には、無催告解除は認められないことになります。

契約書を破る人
※イメージ写真

また、民法改正によりこれらの権利を行使する期間も変更されました。

瑕疵担保責任は、不動産における瑕疵を知ったときから1年以内に権利行使をする必要がありました。つまり、契約の解除や損害賠償請求を1年以内にする必要があったわけです。しかし、民法改正後の契約不適合責任では、契約不適合の事実を知ったときから 1年以内に通知をすればよいことになりました。また、売主が契約不適合につき悪意または重過失であった場合には行使期間に制限はありません。

契約書の確認
※イメージ写真
契約前の慎重なチェックが重要!

不動産における契約不適合部分で修理や交換などの費用を負うのは売主であり、買主は法律的にも保護されています。新築物件では、売主である不動産会社や建築会社がこれまでの「隠れた瑕疵」が見付かった場合に備えて、瑕疵担保保険に加入が義務付けられていますが、中古住宅では加入義務はありません。

個人が売主の中古住宅では、既存住宅売買瑕疵保険(瑕疵担保責任保険)に加入するには住宅の検査を受け、その検査を行う検査事業者が保険に加入することになります。なお、瑕疵担保責任保険が適用されるのは、建物の構造耐力上主要な部分(基礎、屋根、柱、壁、床など)と雨水の侵入を防止する部分(屋根、開口部、外壁など)に限られます。

一方、保護されているとはいえ買主側も不適合部分が見付かれば大変です。売買後に重大な隠れた瑕疵や不適合部分が見付かった場合、買主の権利を行使するには手間がかかり、実際に居住している場合は日常生活に支障をきたします。

住宅の点検
※イメージ写真

できれば、売るほうも買うほうも安心して不動産取引にしたいですよね。不動産の瑕疵をはじめとする契約不適合は売主と買主間のトラブルの元です。不動産売買でのトラブルをできるだけ防ぐには、まず売主が自分の知り得る故障や不具合について、正直にかつ正確に買主に告知することです。そのうえで、買主とその故障や不具合の箇所についてどうするか契約時に話し合って決めておくことが重要です。

買主は、契約書だけはなく、重要事項説明書や物件状況報告書(告知書)、付帯設備表を慎重にチェックし、疑問に思うところは売主に説明を求め、互いに合意を得ることが大切です。チェックするべき事項は、重要事項説明書や告知書、付帯設備表に記載されている内容と実態が合っているか、売却後の責任の範囲、売主の契約不適合責任の期間などです。売主は、あらかじめ契約書類に記載された内容と物件の実態に不適合がないかをしっかり確認しましょう。もし、物件に不具合がある場合は、売主はきちんと契約書や重要事項説明書、告知書、付帯設備表などで告知しておく必要があります。

●重要事項説明に関する記事はこちら

重要事項説明書はどこを見る?チェックすべき4つのポイント
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家の売買契約の際に必ずチェックしておくべき重要事項説明書について、チェックポイントをご紹介します。

また、中古住宅の売買では、安心して売買を行うためにインスペクション(建物状況調査)を行うというのもひとつの方法かもしれません。インスペクションは、住宅や施工に詳しい建築士や土地家屋調査士などの専門家が、住宅の劣化状況や欠陥の有無などを可能な範囲で検査し、評価するものです。

インスペクションのように、第三者が物件の現状を確認することで、これまで気づかなかった建物の不具合個所を発見できる可能性があり、そうした事実が分かれば買主に事前に告知することができ、その後のトラブルを防ぐことにつながります。中古住宅の売却を考えている人は、インスペクションの利用を検討してもよいかもしれません。

なお、不動産売買の仲介業者を選ぶ際には、不動産における契約不適合責任についての理解が深く、売主の責任について未然にトラブルを防ぐためのアドバイスや買主の注意すべき点についてきめ細かくサポートしてくれる会社を選ぶのもおすすめですよ!

●インスペクションに関する記事はこちら

インスペクションの意味は?不動産の売買前に知っておきたい基礎知識
インスペクションの意味は?不動産の売買前に知っておきたい基礎知識

中古住宅の売買の際に役立つインスペクションについてご紹介します。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。
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