マンション購入ガイド

2017.06.28

Question

分譲マンションの修繕積立金とは?

マイホームを購入しようと、費用について調べているのですが、分譲マンションの場合、購入代金の他に管理費や修繕積立金がかかると聞きました。管理費は現在住んでいる賃貸マンションでも支払っているのでなんとなく分かるのですが、修繕積立金とは一体何のために必要なのでしょうか?分譲マンションの修繕積立金について教えていただきたいです。

Answer

修繕積立金は大事なマンションの資産価値を落とさないための修繕費です。修繕積立金の金額はマンションの階層や延床面積によりますので、事前に確認するといいでしょう。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

管理費と修繕積立金とは?

分譲マンションでは、気になる住宅ローンの返済の他に、毎月様々な支払いが発生します。その代表的なものが「管理費」と「修繕積立金」です。

その他にもマンションによってはケーブルテレビなどの利用料や同じマンションでも部屋によってはルーフバルコニー使用料などが毎月の支払いとして発生することがあります。

管理費と修繕積立金は、一部似たような使い方をするのでその違いが分かりにくいのですが、
簡単に言ってしまえば、次のような意味合いになります。

管理費…日々マンションを維持するための費用
修繕積立金…計画的にマンションを修繕する費用

分譲マンションの管理費と修繕積立金の使い道

では、具体的に管理費や修繕積立金がどういったものに使われているのか、見てみましょう。
以下のものが代表的な使い道です。

管理費
・共用部分の水道光熱費(エレベーター、電灯など)
・共用部分の電球などの消耗品代
・管理会社への委託費(管理人などの人件費や清掃代など)
・エレベーターや消防設備などの点検費用や軽微な補修
・管理組合の運営費(報告書の印刷代や総会等で出されるお茶代など)
・植栽(植木)の剪定など
(植栽が多いマンションでは計画的に剪定を行い修繕積立金が使われることもあります)

管理費ではこの他、共用部分の軽微な補修や毎月必要な必要経費といったものに使われます。

修繕積立金
・10年~15年周期で行われる大規模修繕
(外壁補修、屋上防水、配管補修、バルコニーなどの鉄部塗装など)
・機械式駐車場などの設備の防さび・塗装補修
・エレベーター等の消耗部品交換
・各部屋の排水管清掃
・長期修繕計画にはない大型改修(駐輪場の増設など)、補修(風水害等の災害による補修など)

修繕積立金は、この他修繕積立金で支出するにふさわしいと判断された費用が支払われます。

なお、ここに挙げた使い道は1つの事例で、マンションごとに様々な使い道がありますが、基本的には長期修繕計画に従って計画的に使われています。

長期修繕計画から算出する修繕積立金額

修繕積立金の金額を決める根拠となるのが、長期修繕計画で定めた修繕の内容です。
長期修繕計画とは、25年や30年といった長期的なマンション共用部分の修繕箇所や内容を定めたものです。一般的にはその修繕に必要な金額も定められています。

例えば、10年後の大規模修繕で5,000万円が必要となる計画であれば、毎月の修繕積立金をその時点で5,000万円以上積み立てられるような金額にしなければなりません。

通常は、以下の流れでの毎月支払うべき修繕積立金額が決定されます。
・新築時に「修繕積立基金(修繕積立金の基礎となる一時金)」を徴収
・必要な残りの金額を月額にまで割り戻す
・各部屋の面積按分で各部屋に割り当てる

修繕積立一時金とは?

新築マンションを購入すると、購入費用の中に「修繕積立一時金」というものがあります。前述の通りこれは修繕積立金の基礎となるものです。

修繕積立金を新築入居後、ゼロから積み立てる計画にすると、数年間は万一の修繕に対応することができません。そのため、最初にマンションの各部屋の所有者全員で出し合って修繕積立一時金として一定額を準備しておきます。

また、修繕積立一時金を最初に一定額確保することで、毎月の修繕積立金額を支払いに無理のない範囲に抑える意味合いもあります。

新築マンションの修繕積立金の目安

国土交通省が平成23年4月に公表した「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」では、以下の4つに区分して修繕積立金の1㎡当たりの平均月額と目安となる1㎡当たりの月額の幅を示しています。

・マンション15階未満かつ、延床面積5,000㎡未満     …平均218円/㎡・月
・マンション15階未満かつ、延床面積5,000㎡~10,000㎡  …平均202円/㎡・月
・マンション15階未満かつ、延床面積10,000超      …平均178円/㎡・月
・マンション20階以上 …平均206円/㎡・月

例えば、
10階建て、延床面積8,000㎡のマンションで、80㎡の部屋であれば、平均値の目安として16,160円(80㎡×202円/㎡・月)、
同じ部屋の幅の目安としては、11,200円(140円)~21,200円/㎡・月(265円)となります。

同ガイドラインでは、外壁の補修に特殊な足場が必要になるなどの理由で、次の場合は比較的高い修繕積立金となることが示されています。

・20階以上の超高層マンション
・機械式駐車場があるマンション

修繕積立金の必要性(重要性)

マンションの建物も、風雨にさらされ、経年とともに劣化していくため、その時々の建物の状態に合わせて補修、交換等の修繕を施して維持していく必要があります。

この建物の維持に欠かせないものが、清掃や点検といった日々の管理と計画的な修繕です。
良い管理と良い修繕がなされていれば、そのマンションは良好な生活環境と資産価値が維持されていきます。

修繕積立金は、長期にわたるマンションの維持に、そして良好な生活環境を維持するため、ひいては大事な資産であるマンションの資産価値を維持するためにも必要不可欠なものと言えます。

これからマンションを購入される方は、ぜひマンション管理やアフターサービスについても、販売担当者に確認するようにしましょう。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。