マンション購入ガイド

2018.09.26

Question

マンション購入後にかかるお金って?負担の軽減をご紹介

現在、マンションの購入を検討しています。そこで不安なのが、マンションの購入後にかかる費用や税金のことです。住宅ローンの支払いや管理費・修繕積立金に加えて、ほかにかかる出費などはあるのでしょうか。それらの負担方法などあれば、併せて教えてください。

Answer

マンションの購入後は、住宅ローンの返済や管理費・修繕積立金のほか、固定資産税・都市計画税、不動産取得税など、払うべき税金がさまざま。そんな税金の負担を少しでも軽くするためには、それぞれの税金の軽減制度をぜひ利用しましょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

目次

マンション購入後にかかる税金って?

日々の生活のなかで、私たちはさまざまな税金を払っています。物を買う際にかかる消費税から、住民税や所得税などが一般的でしょう。会社員であれば所得税などが給与から引かれたりと気づきにくいものですが、税金は少なからず、生活の負担に結びつくものになりますよね。

実はマンションを購入したあとにもかかる税金があることを、ご存じでしたか?憧れの新築マンションを購入したけれど、そのあとにかかる費用がかさんで、生活が苦しくなってしまった。そんな後悔をしないためにも、マンションの購入後にかかる具体的な出費や税金を順にご紹介していきましょう。

住宅ローンの返済
マンション購入後にかかる代表的な出費の1つは、やはり住宅ローンの返済。何千万とするマンションを一度の支払いで購入できる人はなかなかいません。住宅ローンを組むことで、マンションの購入をする人がほとんどでしょう。

住宅ローンの返済は毎月ごとに行われます。約4000万円のローンを例に計算してみましょう。金利は1.0%で、返済期間は35年とすると、月々にかかる返済額は約11.3万円。

金利や返済期間によっても返済額は変化しますが、おおよそ8~14万円程度が一般的な返済額の幅といえるでしょう。光熱費や食費などの出費に加え、この住宅ローンの返済が、月々の家計の出費に組み込まれていきます。

管理費・修繕積立金
マンションを購入したあと毎月かかる出費のうち、住宅ローンと並んで代表的なのは、やはりマンションの管理費と、修繕積立金ですね。

マンションは、個人が所有する各住戸(専有部分)と、住居者全員で所有する共用部分に分けられています。管理費は主に、この共用部分の清掃やエレベーターなどの設備の管理、管理会社の報酬にあてられるもので、一般的に専有面積に応じて決められ、月1万~2万円台が相場といわれています。

あわせてかかるのは、修繕積立金。マンションの建物の老化を防ぐために点検や修繕を行うのに積み立てるお金のことで、新築の相場は月7000円前後が目安ですが、年数が経つにつれて月1万円以上などと上昇するところも多いので注意が必要です。

修繕積立金は、物件ごとに「長期修繕計画」を定め、それに基づいて決められています。厳密な価格を知るには、この「長期修繕計画」を確認する必要があります。

固定資産税・都市計画税
マンションを購入した場合、所有している土地と建物に対して毎年かかる税金に「固定資産税」があります。また、固定資産税と一緒に発生する税金に、「都市計画税」というものがあります。これは自分が住んでいる市町村区の都市計画事業や、土地区画整理事業にあてられる税金になります。

毎年4月ごろ、マンションの所有者(購入者)あてに固定資産税・都市計画税の納税通知書が送られてきます。固定資産税・都市計画税の支払いは原則として、4月、7月、12月、2月の全4回と定められています。

固定資産税・都市計画税の税額は、市町村区が、その土地と建物に対してそれぞれ「固定資産税評価額」を決め、その額に対して「一定の税率」をかけて算出されます。固定資産税評価額は、自分の住む市町村区の役場に問い合わせ、固定資産税台帳を確認することで知ることができます。

固定資産税の税率は、各市町村区によって異なるので、自分の住む市町村区でのホームページでの確認が必要になりますが、全国の標準税率は1.4%と定められています。また、都市計画税の税率は、ほとんどの市町村区が限度税率の0.3%を採用しているようです。実際に固定資産税・都市計画税がいくらかかるかについては、具体例を交えて後述します。

不動産取得税
毎年、市町村区から納税通知が届く固定資産税・都市計画税とは違い、不動産を取得したことで、一度だけかかる税金があります。これを不動産取得税と呼びます。

不動産取得税は、固定資産税評価額×税率によって導きだすことができます。平成33年3月31日までに不動産を取得していた住宅の税率は、土地と建物、それぞれ3%と定められています。平成33年4月以降に不動産を取得した場合は、税率が4%になります。こちらの税額が実際にいくらかかるかも、詳しくは後述します。

住宅ローンの負担を軽減するには?

返済が何十年と長期におよぶ住宅ローンの支払い。金利(利子)も毎月払うことになるので、金利負担を少しでも減らすためには、返済期間を短くする繰り上げ返済を行うのも1つの方法です。

契約で決められた毎月の返済に加えて、返済額を上乗せする返済方法ですが、今はすでに住宅ローンの金利が低く、その効果が薄れていること、また、ボーナスが支給されたときなど、金銭的な余裕が生まれたときにするもので、手元の現預金が減ってしまうのが難点。

そのほか、税金の軽減や控除を利用するという方法もあります。各制度ごとにご紹介していきましょう。

住宅ローン控除を利用しよう
住宅ローンを利用している人だけが申請できる、住宅ローン控除と呼ばれる制度があります。年末のローン残高から算出された1%分の金額が、所得税、そして住民税の減額にあてられるというもので、借り入れ後から10年間、この控除を受けることができます。

直接の住宅ローンの返済額が減ることはないものの、普段の生活にかかる所得税・住民税の負担額が減り、多く払っていた分が還付されるという、お得な制度です。住宅ローンを利用している人だけが受けられる控除制度なので、ぜひ活用しましょう。

住宅ローン控除を受けるには、初年度の確定申告の際に、必要書類を一緒に用意し申請する必要があります。詳しい住宅ローン控除について説明や、具体的な申請方法などについては、同じサイトの記事にてご紹介しています。一緒にチェックしてみてください。

住宅ローンで税金が軽くなる「住宅ローン控除」「住宅ローン減税」って?
住宅ローン控除を受けるための確定申告の仕方とは?

すまい給付金を利用しよう
住宅ローン控除などの減税制度のほかにも、住宅やマンションを購入した際に、現金が給付される制度があります。すまい給付金と呼ばれる給付制度で、申請によって受け取れる現金の最大額は、30万円と比較的高額。

すまい給付金は、住宅購入にかかる消費税の負担を軽減するために設けられました。条件に沿った算出方法によって給付金額が決まり、物件や個人の収入状況などによっても、給付金額が異なります。

すまい給付金は、専用の窓口に持ち込むか、事務局へ必要書類の郵送をすることで申請することができます。詳しいすまい給付金についての説明や、具体的な申請方法などについては、同じサイトの記事にてご紹介しています。一緒にチェックしてみてください。

住宅購入をもっとお得に!気になる「すまい給付金」のすべて
固定資産税・都市計画税の負担を軽減するには?

毎年1月1日現在の所有者に対して支払いの通知が来る固定資産税・都市計画税。所有している土地と建物に対してそれぞれ税金がかけられますが、実は要件さえ満たせば、そんな負担を少しでも軽減してくれる措置があります。軽減措置を適用した固定資産税・都市計画税が、どれくらいの費用になるのか、具体例を交えてご紹介していきましょう。

建物にかかる税金の軽減措置がある
建物が新築の場合は軽減措置を受けることができます。軽減の内容は、マンションの場合は5年間(一戸建ての場合は3年間)、固定資産税が2分の1になるというもの(居住部分で1戸あたり120m2相当分までが限度)。なお、認定長期優良住宅については、マンションなら7年間(一戸建てなら5年間)の適用になります。

定められている新築とは、以下の要件を満たしたものになります。

・平成32年3月31日までに新築された物件であること
・居住部分の床面積の割合が2分の1以上であること
・マンションの場合は、床面積※が50~280㎡(平米)であること(賃貸住宅は40~280㎡)
(※床面積については、専有部分のうち居住部分の床面積に廊下や階段などの共用部分の床面積をあん分して加えたもの)

一戸建てなどの住宅の場合は、ほかにも要件がありますが、新築マンションであればこれらを満たすことで、軽減措置が適用されることになります。

建物の固定資産税評価額が1000万円だった場合を例にとって、実際に算出してみましょう。床面積が100㎡として、建物にかかる税金の軽減措置を受けられるものとします。

まず固定資産税は、建物の固定資産税評価額(1000万円)×標準税率(1.4%)×軽減措置(2分の1)で求めることができるので、約7万円となります。続いて都市計画税は、同じ計算式で標準税率が0.3%になるので、約1万5000円となります。合わせると、建物にかかる固定資産税・都市計画税は、約8万5000円。

そして気になる軽減措置の適用方法ですが、基本的には市町村区が手続きをしてくれるので、特別な申請は必要ありません。

土地にかかる税金の軽減措置がある
固定資産税や都市計画税は、建物にかかる税金の軽減のほかにも、土地にかかる税金を軽減してくれる措置もあります。軽減措置はその上に存在する家屋の条件によって異なっていて、固定資産税の課税評価額は、住戸1戸につき200㎡までの小規模住宅用地は6分の1に、200㎡を超える住宅用地は3分の1になります。

例えば住んでいる家の土地が300㎡だった場合、200㎡部分に対しての税金が6分の1になり、残りの余剰100㎡分に対して3分の1で計算されます。

マンションなどの集合住宅地の場合は、敷地全体を所有者全員で分け合うことになるため、1戸あたりの土地も小さくなります。ほとんどが200㎡を下回っているので、固定資産税額が6分の1になると考えていいでしょう。

また、都市計画税にも、同様の軽減措置が設けられています。200㎡までの小規模住宅用地は3分の1に、200㎡を超える住宅用地は3分の2になります。

新築マンションを想定して、用地200㎡以下、土地の固定資産税評価額が1000万円だった場合を例に算出してみましょう。

まず固定資産税額は、土地の固定資産税評価額(1000万円)×標準税率(1.4%)×軽減措置(6分の1)で求めることができるので、約2万3000円となります。都市計画税は、固定資産税評価額(1000万円)×標準税率(0.3%)×軽減措置(3分の1)で求めることができるので、1万円となります。

合わせると、土地にかかる固定資産税・都市計画税は、約3万3000円。建物にかかる税金の軽減措置の適用と同じく、こちらは市町村区が手続きを行うので、特別な申請は必要ありません。

こうして比較すると、建物にかかる税金の軽減措置は新築に限り2分の1になる期限があるのに対して、土地にかかる軽減措置はずっと6分の1などが続き、影響が大きいことがわかりますね。これは建物にかかる税金が、年月による建物の劣化で評価が変わることで、徐々に下がっていくのに対し、土地にかかる税金は変わらないから、という背景があります。

固定資産税評価額は、3年ごとに評価替えが行われます。また、建物については、築年数に応じて、算出方法も複雑に変わっていきます。中古マンションなどの購入を検討している人は、年にどれくらいの固定資産税・都市計画税がかかるのかを、事前に調べておくことをおすすめします。

不動産取得税の負担を軽減するには?

固定資産税・都市計画税とは違い、一度きりの支払いとはいえ、やはり不動産取得税も気になりますよね。そんな不動産取得税にも、税額を軽減してくれる制度があるのをご存じでしたか?

不動産取得税の軽減制度を利用しよう
不動産取得税は、不動産の取得に対して課される税金で、土地と建物、それぞれにこの取得税がかかります。軽減制度も、土地と建物、それぞれによって軽減の度合いや計算が異なるので、順番にご紹介していきましょう。

まず、不動産取得税の軽減制度は、床面積が50㎡以上240㎡以下の住宅であることが条件となります。条件を満たすことで、固定資産税評価額から、1200万円が控除されます。なお、認定長期優良住宅の場合は、控除額が1300万円へと増額される(平成32年3月31日まで)ので、取得税がそれだけ軽減されます。

具体的な計算式は、以下の通り。
建物の固定資産税評価額-控除額(1200万)×税率(3%)=建物に対する不動産取得税

続いて土地に対する計算式は、軽減を活かせると、以下の計算式になります。
土地の固定資産税評価額×1/2×税率(3%)-控除額=土地に対する不動産取得税

この控除額は、以下の2通りの、金額が多いほうが適用されます。

[ A ] 4万5000円
[ B ] (土地1㎡あたりの固定資産税評価額×2分の1(※1))×(課税床面積×2(※2))×3%

具体的な計算式は、以下の通り。
土地の固定資産税評価額×軽減制度(2分の1)×税率(3%)-控除額(上記AかBの多いほうの額)=土地に対する不動産取得税

(※1)平成33年3月31日までの取得に限る
(※2)200㎡が上限

これらの軽減制度を適用することによって、不動産取得税は、実際の負担がゼロから数万円へと大きく軽減されるケースも多くみられます。

不動産取得税の軽減制度の利用には申請が必要
不動産取得税の軽減制度の利用には、住宅ローン控除やすまい給付金と同様、個人による申請が必要になります。固定資産税・都市計画税の軽減のように、市町村区が手続きを進めてくれることはありません。

うっかり忘れてしまうと、払う税金が数十万円になってしまうこともあります。住宅ローン控除やすまい給付金の申請と合わせて、この不動産取得税の軽減制度の申請も行うようにしましょう。不動産取得税の軽減制度の申請には最終代金領収書や不動産売買契約書などの書類が必要となります。

必要書類を用意し、自分が住んでいる都道府県事務所への提出を行います。提出期日などは都道府県によって異なるので、都道府県事務所のホームページなどで確認をしましょう。

マンション購入後にかかる税金の種類、具体的にどれくらいの費用がかかるかをご紹介してきました。マンション購入をこれから検討している人は、物件の情報はもちろん大切ですが、住んでからかかる費用や税金について、一度整理してみるとよいでしょう。

そして、それらの税金にも軽減制度が用意されています。必要な書類や申請の方法を事前に理解していれば、生活の負担の軽減にもつながるので、しっかりとチェックしておきましょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFPR認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。