マンション購入ガイド

2018.11.29

Question

不動産取得税とは?新築マンションを購入したときのケースをご紹介

現在、新築マンションの購入を検討しています。購入にあたって、不動産取得税という税金がかかることを知りました。不動産取得税について具体的に教えてください。

Answer

不動産の取得にかかる税金は、不動産取得税から固定資産税まで、さまざま。固定資産税と違って不動産取得税の支払いは、不動産を取得したときの1度きりです。軽減処置を使って、少しでも税金の負担を抑えましょう。

情報提供:税理士 宮原 裕徳

目次

そもそも不動産取得税って?どうやって計算するの?

人生において大きな買い物の1つでもある、マイホームの購入。いざ購入を検討するとなると、実際にどのくらいの費用がかかるのかは、気になるところですよね。無理のないマイホームの購入を実現するには、住宅自体の購入金額だけではなく、その他の諸費用の準備もしておかなければいけません。

何より忘れてはいけないのが、物件を購入したときにかかる税金です。今回はマイホームを購入したときにかかる税金のうち、新築物件を購入した際の不動産取得税にスポットを当ててご紹介していきます。

不動産を取得したときに払う税金のこと
不動産取得税とは、戸建てやマンション、新築や中古にかかわらず、住宅を購入し不動産を取得したすべての人を対象に課せられる税金の制度です。

マイホームの購入とは基本的に、建物自体の住宅と、住宅が建つ土地の両方を取得したことを意味しています。不動産取得税とは、この建物にかかる税金と、土地にかかる税金の2つに分けることができます。

マイホームを購入したときにかかる代表的な税金として、ほかにも固定資産税や都市計画税などが挙げられますね。それらの税金制度と違うのは、不動産取得税の支払いは、1度だけであるという点です。固定資産税や都市計画税が定期的に支払われるものに対して、不動産取得税は、不動産を取得したときにのみ支払う税金となります。

一度きりの支払いではあるものの、マイホームを検討している人は、事前に不動産取得税にいくら費用がかかるのかは、しっかりと把握しておきたいところです。

不動産取得税はいくらかかる?シミュレーションしてみよう
購入した物件の価値を示す金額(以下、固定資産税評価額)と、定められた税率によって、不動産取得税額は求められます。具体的な算定式は以下のとおりになります。

[ 固定資産税評価額(土地と建物それぞれ)×3%=不動産取得税額 ]

算定式にある税率3%は、平成33年(2021年)の3月31日までに不動産を取得した場合の税率となっています。期限以降に取得した場合の税率は4%となるので、算出時には注意しましょう。

また、購入した住宅がマンションである場合は専有部分となる自宅の面積に、エントランスなどの共有部分を割り当てた土地面積が足されて算出されることになります。新築マンションを購入したケースをもとに、実際にシミュレーションしてみました。

[ 土地の面積190㎡ 取得価格 1,900万円 固定資産税評価額 1,400万円]
1,400万円×3%=42万円

[ 建物の床面積130㎡ 取得価格2,100万円 固定資産税評価額 1,200万円 ]
1,200万円×3%=36万円

不動産取得税額は、土地と建物の税額を合わせたものなので、純粋に税額を求めた場合は、78万円となります。一見高額の出費のようにも思えますが、条件を満たすことによって軽減処置が受けられるので、ぜひ活かしましょう。次は軽減措置について説明していきましょう。

不動産取得税の軽減措置を活用しよう!

不動産取得税の算出には、購入した物件の価値を示す固定資産税評価額が使われます。固定資産税評価額に税率の3%を掛けると求めることができる不動産取得税額ですが、そのまま計算すると、土地と建物を合わせて何十万円と、高額になってしまうことも。

そんな住宅購入にかかる税金の支払いを、軽減してくれる制度があります。建物と土地で軽減措置の計算式が異なるので、紹介していきましょう。

建物にかかる不動産取得税の軽減措置
建物にかかる税金の軽減措置では、固定資産税評価額から、新築の場合1,200万円の控除を受けることができます。つまり、新築の建物の固定資産税評価額が1,200万円を超えない場合は、税金がかからないということ。

もし1,200万円を超えた固定資産税評価額だった場合でも、軽減措置を受けると受けないのとでは、大きな差がでます。固定資産税評価額が1,500万円だったときを例にとってみてみましょう。

[ 軽減措置を受けない場合 ]
1,500万円×3%=45万円

[ 軽減措置を受ける場合の金額 ]
(1,500万円-控除額1,200万円)×3%=9万円

軽減措置を受けるのと受けないのとでは、不動産取得税額に格段の違いがあります。この1,200万円という大きな控除は確実に受けたいところ。

土地にかかる不動産取得税の軽減措置
条件を満たすことで、土地にかかる不動産取得税にも軽減措置が用意されています。固定資産税の評価額が2分の1になり、さらに一定の額が控除されます。控除される額は、AとBが用意されており、算出した金額の多いほうが控除額として充てられます。AとBの内訳は、以下のとおり。

A:45,000円
B:(土地1㎡あたりの固定資産税評価額×2分の1)×(課税床面積(200㎡まで)×2)×3%

具体的なケースをもとにして、軽減措置を受けた場合と受けない場合に、どれくらいの差がでるのかを見ていきます。土地の固定資産税額が2,000万円で、共有持ち分け面積が40㎡、課税面積が60㎡を例に算出していきましょう。

[ 軽減措置を受けない場合 ]
2,000万円×3%=60万円

[ 軽減措置を受ける場合 ]
2,000万円×軽減処置(2分の1)×3%-控除額(90万円)=0円
※控除額の算出内訳
(2,000万円÷40㎡)×2分の1×(60㎡×2)×3%=90万円
A:45,000円よりも多いので、B:90万円の控除を適用

このケースでは、軽減措置を受ける前は60万円あった不動産取得税額が、軽減措置を受けることで、なんと0円になっています。建物の軽減措置と同様、とても大きな控除となりますね。

軽減措置を受けるには、条件を満たす必要がある!
不動産取得税の軽減措置を受けるには、建物と土地、それぞれが定められた条件を満たしている必要があります。以下に要件をまとめました。軽減措置を検討している場合は、ぜひ事前にチェックしておきましょう。

[ 建物の条件 ]
・課税床面積が50㎡以上240㎡以下(戸建て以外の賃貸住宅は1戸当たりが40㎡以上)
・住宅全般に適用される(マイホーム、セカンドハウス、賃貸用の住宅も含む)
・認定長期優良物件の場合は、控除額が1,300万円になる

[ 土地の条件 ]
・建てられた住宅が、建物の軽減の条件を満たしていること
・住宅よりも先に土地を取得した場合、3年以内に建物を新築すること
・建物の建築を先行していた場合、新築した人が1年以内にその土地を取得すること

ここでは、新築の建物や土地を購入したケースをもとに条件を紹介しています。中古物件を検討している場合は、さらに要件が加えられるので、注意しましょう。

書類での申請が必要!軽減措置の手続きの流れを知っておこう
軽減措置を適用するには、都道府県税事務所での申請が必要になります。「不動産取得税課税基準の特例適用申告書」という申請書類を、建物(家屋)と土地用にそれぞれ1通ずつ用意し、必要書類と合わせて提出をします。申告書以外で必要になる主な書類は、以下のとおりです。

・不動産取得税の納税通知書
・印鑑
・土地と住宅の売買契約書(住宅引渡証書)
・住宅の登記事項証明書(あるいは登記謄本)

あくまでも主な書類なので、場合によってはさらに必要な書類が増えることもあります。不安がある場合は、迷わず都道府県税事務所に相談してみましょう。

申請書の提出は、不動産を取得(登記)した日から原則60日以内となっています。不動産取得税の申告と同時に、軽減措置の申込書も一緒に提出できるとスムーズですね。都道府県税事務所によっては、不動産取得税の申告と同時に、自動的に軽減措置の手続きを行ってくれるところもあります。

また、軽減措置を受けずに不動産取得税を払ってしまったあとでも、不動産を取得した日から5年以内であれば、なんと差額分が還付されます。軽減措置の存在を忘れていた人も、諦めずに自分の住宅が要件を満たしているかどうか、一度確認してみましょう。

不動産取得税はどうやって納税するの?やっておくべきことは?

不動産を取得した際に支払うことになる、不動産取得税。実際に納税には、どのような手順を踏む必要があるのでしょうか。具体的な方法や支払いのタイミングなど、わかりやすくご紹介していきます。

県税・都税事務所に届け出を行う
住宅を購入し取得したあとは、自分で住んでいる都道府県の県税事務所に届け出を行う必要があります。申告書は都道府県税事務所の窓口、もしくはホームページで入手することができます。申告書の必要欄を埋めて提出することで、申告が完了します。

各都道府県によって都道府県税事務所が申告を自動的に行ってくれるところもあります。提出期日も短いところでは不動産を取得した日から20日以内、長いところは60日以内と、各都道府県によってまちまちなので、不動産担当者に相談するか、直接、都道府県税事務所を尋ねてみましょう。

注意したいのは、不動産を取得した日とは、契約を結んだときでも、住み始めたときでもなく、登記が完了した日を指しているということ。提出期日に遅れることのないよう、事前の確認を忘れずに。

納付書がきたら納税する
申告が終わると、次は都道府県税事務所から不動産取得税の納付書が送られてきます。送られてくるのは、取得した日の半年から1年後がおおよその目安。忘れていたころに支払い納付書がやってくる、なんていうこともあるので、事前にしっかり備えておきましょう。都道府県によってタイミングはまちまちなので、支払いを把握しておきたい人は、税務署に相談してみてください。

納付書が送られてきたら、記載された額を期日内に納税します。納付書をコンビニに持っていき、手軽に支払いを済ませることもできます。また最近は、クレジットカードの支払いにも対応できるようになりました。

支払いに関して覚えておきたいのは、納税額が0円の場合は納付書が送られてこないケースもあるということ。この納税額が0円になるケースとは、多くが不動産取得税の軽減措置が適用された場合を指します。

不動産取得税で他にも知っておくべきことは?

今回は新築住宅における不動産取得税について、その仕組みと支払い方法、軽減措置まで一通りご紹介してきました。特に軽減措置は税の負担を軽くするためにも、忘れずに申請を行っていきたい部分です。

おさらいとして注意しておきたいのは、不動産取得税の申告や、軽減措置の申し込みは、住んでいる都道府県税事務所によって期日がまちまちであるということ。自分の住んでいる都道府県税事務所の期日を、事前に把握しておくことをおすすめします。

よく勘違いされがちなのが、不動産取得税や固定資産税の相談に、税務署へ訪れてしまうことです。税務署と都道府県税事務所はそれぞれが管理している税金に違いがあります。不動産所得税や固定資産税といった住宅に関する税金は、基本的には都道府県税と呼ばれるもので、相談は都道府県税事務所で対応しています。

そして、もうひとつ覚えておきたいのは、不動産取得税の算出基準となっている税率が平成33年(2021年)4月1日から4%に上がってしまうということ。現状の3%から1%上がるだけでも、支払う税金に大きな差がでてきます。住宅購入にかかる出費を少しでも抑えるためにも、新築マンションの購入を検討している人は、早めの購入をおすすめします。

住宅購入にかかる税金の仕組みや軽減措置をしっかりと理解して、少しでも負担を減らすことができれば、日々の生活の助けにもなりますね!

情報提供:税理士 宮原 裕徳

株式会社ラムチップ・パートナーズ代表取締役。税理士。LAMTIP PARTNERS(Thailand) Co., Ltd. CEO日本と東南アジアの不動産にかかわる会計・税務に詳しい。法人や個人向けに、無駄な税金を払わないための節税対策セミナーなども行う。