長谷工の住まい HASEKO URBEST

長谷工アーベストの新築マンション等住まい検索サイト

MENU

マンション購入ガイド

Question

空き巣から家を守る!手口と傾向を踏まえた防犯対策11選

最近マンションを購入して引越してきたばかりです。まだホームセキュリティには加入していないため、空き巣に狙われないか心配です。空き巣の被害に遭わないためにはどんな対策が必要ですか?

Answer

空き巣の被害は、年々減少してはいるものの、まだ年間に多くの被害報告が確認されています。空き巣に狙われるのは、容易に侵入しやすい家や犯行が周囲から見られにくい家です。この傾向を知って対策をとれば空き巣に狙われにくい家にすることができますよ。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

空き巣被害は減少傾向でも年間2万件以上

空き巣被害には遭いたくないものですが、実際にはどのくらい発生しているのでしょうか?建物に侵入して金品を盗む「侵入窃盗」の被害は、近年減少傾向にあります。被害に遭っている建物を種類別に見ると、一戸建てやマンションなどの住宅が半数以上を占めています。侵入窃盗被害が減少傾向にあるとはいっても、令和元年の1年間で2万8936件も発生しているのです。※1

住宅を対象とした侵入窃盗の手口は、「空き巣」「居空き」「忍び込み」が上位を占め、最も被害が多いのが「空き巣」です。ちなみに、「空き巣」が留守を狙って犯行を行うことに対し、「居空き」は昼間の在宅中、昼寝や食事をしているときを狙う手口で、「忍び込み」は就寝中に侵入する手口をいいます。

被害の多い空き巣に狙われない家にするためには、犯行の手口や傾向について知っておくことが大切です。それを踏まえて、実践するとよい防犯対策をご紹介しましょう。

鎖で守られている家の模型
※イメージ写真

空き巣の侵入手口の1位は「無締り」
戸建てでもマンションやアパートなどの集合住宅でも、空き巣の侵入手口の1位は「無締り」です。「無締り」とは、玄関や窓などを施錠をしていない状態をいいます。また、侵入経路として最も多いのが、「窓」です。空き巣に狙われないためには、日頃から出入り口や窓の施錠を徹底させることが大切ですよ。

空き巣の侵入場所の主な特徴
侵入経路として特に狙われやすい窓の傾向には、以下のような特徴が挙げられます。

●トイレや風呂場、勝手口の窓
一戸建て、マンション問わずトイレや風呂場、勝手口などの窓は換気のため開けておくこともあるでしょう。特にマンションでは、トイレや風呂場の窓は小さいものが多いため、油断して施錠されていないことがあり、ターゲットにされやすいのです。

●ガラス窓
ガラスは割って侵入しやすいため、場所を問わずガラス窓は空き巣に狙われやすい傾向があります。

●外部から侵入しやすいベランダの窓
特にマンションであれば、低層階のベランダの窓は、周囲の建物や電信柱、塀、屋上などといった侵入経路から入りやすいため、狙われる傾向にあります。また、マンションの最上階のベランダは屋上から侵入しやすいことがあり、低層階同様、注意が必要です。

加えて、一般的にベランダの窓の鍵として使われる半円形のクレセント錠は、周辺のガラスをこぶし程度の大きさで穴を開けるだけで容易に解錠できてしまうため、狙われやすいといわれています。

●格子の付いた窓
マンションでも共用廊下に面した窓は、ステンレス製の格子が付いていることもあり、侵入しにくいだろうと安心するかもしれません。しかし、格子部分は外から簡単に外せるため、かえって狙われやすい傾向があります。

割れた窓ガラス
※イメージ写真
空き巣に狙われやすい環境や条件とは?

空き巣の犯行手口や主な侵入場所が分かってきたら、空き巣被害に遭いやすい家の傾向についても知っておくとよいです。環境・住宅・時間帯や季節の観点からご紹介しましょう。

空き巣に狙われやすい環境とは?
空き巣が狙う環境には以下のような特徴が挙げられます。

●人通りが少ない場所
空き巣は、侵入が見つかりにくい環境を狙う傾向があります。入り組んだ場所にある、人通りが少ない路地の突き当たりにある、といった条件の家は要注意です。マンションでも同様に人通りのある通りから奥まった立地にあるマンションは注意が必要です。

●街灯がない場所
街灯がないような暗い場所は、空き巣が暗闇に隠れて侵入しやすいため狙われる可能性が高いでしょう。建物や塀などで光が当たりづらい場所に窓がある場合も注意が必要です。

●植木の茂っている場所
庭に植木が茂っている家は、一旦植え込みに隠れてしまえば外部の人から見えにくいためターゲットにされやすいでしょう。植木が茂るほどではなくても、ドアや窓の近くに大きな木が植えられているだけで外部から隠れやすいこともあります。

マンションであれば、特に専用庭のある1階や共用部分の植栽で囲まれた部屋、樹木などが伸び足場になって侵入できそうな2階も注意が必要です。

●盛り場周辺の住宅街
空き巣は、犯行後に人ごみに紛れて逃げやすい環境を狙う傾向があります。賑やかな盛り場が近くにある住宅は、犯行後に人ごみに紛れやすいためターゲットにされる可能性が高くなります。

特にマンションは駅に近い物件も多く、一戸建てよりも繁華街にある傾向がありますから、そういった立地にあるマンションではより防犯意識を持つことが肝心です。

夜の住宅街
※イメージ写真

空き巣に狙われやすい住宅とは?
一戸建て住宅や低層の集合住宅は、地上からの侵入がしやすいため特に注意が必要です。なかでも空き巣が狙う住宅には、主に以下のような特徴があります。

●高い塀や植栽に囲まれた家
高い塀に隔てられている家は、外部からの見通しが悪く、隠れて侵入しやすいため狙われる可能性が高くなります。特にマンションでオートロックが付いている場合、周囲から隔離するために高い塀や植栽があります。一度塀や植栽を乗り越えられると、周囲から侵入が見えにくくなるので、過信しないようにしましょう。

●単身者専用のオートロック付きマンション
オートロック付きマンションでは、オートロックに守られている安心感から玄関や窓の施錠をうっかり忘れてしてしまう人がいます。特に単身者専用のマンションの場合、隣近所との交流が少ない傾向があるため、周囲も異変に気付きにくく狙われやすい傾向があります。また、単身者の場合は、会社や学校などへ行っている間、家に誰もいない時間が長くなる傾向があるということも狙われやすい要因です。

●外階段がある集合住宅
外階段があるアパートやマンションなどの集合住宅は、外部から各部屋の出入りが確認きるため、居住者が外出したことが確認しやすく、狙われやすい傾向があります。また、アパートや賃貸マンション、やや築年の古い分譲マンションの場合、オートロックや防犯カメラなどの防犯設備が整っていないところが多いです。そのため、誰でも簡単に玄関前まで行くことができてしまうことも狙われやすい要因です。

●集合住宅の2階など低層階
集合住宅の2階や3階に住んでいる場合、階段があるため、1階のように外部から直接入ってこられないだろうという安心感から、玄関や窓の施錠が手薄になる傾向があります。しかし、特に2階程度の高さなら、隣の建物や電柱、隣地の塀、植栽などからベランダや窓などへ移動して犯行を行えるため、狙われる可能性があります。

マンションの外階段
※イメージ写真

空き巣に狙われやすい時間帯やシーズンとは?
空き巣は、住人が外出しているときを狙って金品を盗みに侵入します。空き巣に入られないためにも、どの時間帯や季節が狙われやすいのかを把握しておきましょう。

●10時~16時、特に10時~12時
空き巣被害に遭った時間を統計で見ると、10時~16時が最も発生率が高いことが分かります。この時間帯は、住人が仕事や学校、買い物などの用事のため外出していて、不在になりやすい時間帯です。

また、特に被害が多い10時~12時では、住宅の周辺を行き交う人たちも自身の仕事や買い物などの予定に集中していることが多く、おかしな行動が目に入っていたとしても印象に残りづらいことが発生率を上げている要因だと考えられます。

●秋や年末年始
空き巣の被害がより増える季節は秋という統計結果があります。その理由は、行楽シーズンとなり、日帰りだけでなく宿泊を伴う旅行など家を空ける機会が増えるからです。また、気候が過ごしやすくなって窓を開けたままにする機会が増えることも要因として考えられます。

また、クリスマスや年末年始のイベントの前後には、いつもより多くの現金を家に置いておく傾向が高まります。このため、年末やイベントごとがある前後は狙われやすいので要注意です。

空き巣対策!今からできる11選

簡単に侵入できる環境や、侵入する状況を見られにくい場所を狙う空き巣。被害に遭わないようにするためには、容易に侵入できない状況を作ることが大切です。以下に、おすすめの防犯対策をご紹介します。

防犯カメラ
※イメージ写真

空き巣に向けた対策
[ 1 ] 侵入への足場をなくす
一戸建てでは、家の庭に置かれた梯子やエアコンの室外機など、2階からの侵入の足場になりそうなものは、足場として使わせない対策が必要です。梯子は鍵のかかる保管場所に保管したり、室外機は利用されない場所に移動させたり、上部に足をかけられないよう工夫したりしておきましょう。

また、マンションの場合は、1階の居住者が2階への侵入を意識しておくことが必要になります。気になる人は管理組合を通じて、こうした防犯対策を相談するようにしましょう。

[ 2 ] 夕方には玄関や庭先、室内などの電灯を点灯させる
空き巣に留守であることを悟られないために、敢えて室内外の電灯を点灯するということも簡単な空き巣対策になります。また、明るくすることで、外部から見えやすい環境を作ることができるため効果的ですよ。

[ 3 ] 新聞や郵便を溜めない
長期で家を空けるときは、新聞や郵便物を貯めない工夫をして、長期間の留守を悟られないようにしましょう。新聞は、あらかじめ配達を休止しておき、郵便物は、近所の信用できる人に預かってもらうか一時的に実家に転送するのがおすすめです。

[ 4 ] マーキングに注意する
日頃から玄関周りのマーキングをチェックしましょう。マーキングとは、空き巣が対象となる家の下見をしたとき、家族構成や留守になる時間などの情報を目印に残しておくことです。

表札や郵便受け、玄関ドアといったところに、女性ならWomanを表す「W」、1人暮らしならSingleを表す「S」などの暗号や「〇」「×」などの記号を残したり、色付きのシールを貼ったりされるケースがあります。家の玄関や表札周りに身に覚えのない暗号や記号などを発見したら、マーキングの可能性が高いので必ず消すようにしましょう。

家の庭の照明
※イメージ写真

セキュリティ強化対策
[ 5 ] ワンドア、ツーロックを実施する
空き巣の犯行手口の多くが、施錠されていない場所からの侵入のため、ドアや窓への施錠は必要最低限の対策です。さらに、1つのドアや窓に鍵を2つ付けることで防犯性が高まります。侵入に時間と手間がかかる状態は、空き巣が周囲から発見されるリスクが高まるため、狙われにくくなるからです。

賃貸や分譲マンションの場合は、玄関扉は共用部分に該当するため、勝手に玄関扉の交換ができません。穴を空ける必要のない、後付けの簡易的な鍵を取り付けることで対処しましょう。

[ 6 ] 防犯フィルムを窓に貼る
窓からの被害が多い空き巣では、手軽な防犯対策として窓に防犯フィルムを貼っておくことも有効です。防犯フィルムを貼ると窓ガラスが簡単には割れにくくなり、割るためには大きな音が出るほど強打しないといけなくなるため、防犯性がアップします。

[ 7 ] 防犯カメラを設置する
防犯カメラの設置は、空き巣に犯行を躊躇させる効果があります。また、万が一被害に遭った場合でも犯人逮捕の手掛かりにもなるので非常に有効性が高い対策です。一戸建ての持ち家であれば、防犯カメラの設置を検討してみてもよいでしょう。防犯カメラが高額で手を出せないという場合は、ダミーの防犯カメラであれば、ある程度の抑止効果にはなるかもしれません。

分譲マンションの場合は、共用部分に勝手に防犯カメラを設置することはできません。防犯カメラが共用部分にないマンションの場合は、管理組合へ設置の提案することから始め、総会などの議決を経て可決後に設置となります。まずは理事会などに相談してみましょう。

[ 8 ] 防犯ベルを設置する
防犯ベルを設置しておくと、空き巣が入るのを断念する効果が見込めます。防犯ベルは、犯行が行われたことを自分が察知できるだけでなく、近隣に知らせることができるため有効です。分譲マンションの場合は、自分の判断で設置できる室内設置型を検討するのが現実的です。

[ 9 ] センサーライトを設置する
空き巣が敷地内に入りにくくする方法としてセンサーライトを設置することも有効です。人感センサーによってライトが点灯すると家の人や周囲の人に気付かれやすくなり、空き巣がその場から離れる効果が期待できます。センサーライトも防犯カメラと同様に共用部分に勝手に設置することはできないので、賃貸や分譲マンションの場合は、設置については理事会への相談からとなります。

[ 10 ] 家の周りに防犯砂利を敷く
防犯砂利を建物周辺に敷くと、家に人が近付いたときに大きな足音が鳴るため、侵入者を察知しやすくなります。また、足音がすることを嫌う空き巣が、犯行を断念する可能性も高まるでしょう。一戸建ての持ち家の方は簡単に始められる対策なので、検討してみることをおすすめします。分譲マンションでは砂利を敷くことも共用部分の変更になるため、理事会への相談が必要です。

[ 11 ] 物置、車庫にも施錠設備を付ける
物置や車庫に施錠設備を付けるのは、梯子をはじめとした侵入の足場として利用できそうなものを持ち出させないようにするためです。ほかに、物置や車庫は、空き巣が犯行を行った後、一時的に隠れる場所として利用することがあるため侵入できないようにしておくという意味もあります。

分譲マンションであれば、もし気になる箇所があれば、モノを置かないよう管理組合を経由して居住者全体に注意喚起してもらうことは可能です。

施錠する人の手
※イメージ写真
空き巣に隙を見せずに安心な生活を送ろう!

ここまで、空き巣の手口や傾向を踏まえた防犯対策をご紹介してきました。空き巣は、5分で侵入できないと判断した場合や、防犯対策がしっかり成されていると感じた場合は、侵入をあきらめる傾向があります。

ご紹介した対策は、そんな空き巣の行動パターンを読んだものばかりです。どの対策も些細なことですが、何もしない状態に比べると空き巣を防ぐことができます。ぜひとり入れてみてはいかがでしょうか?

マンションの場合は、共用部に該当する部分は自分で勝手に対策することはできませんが、専用部分でできることから始めましょう。

犯罪に強く安全な住まい作りは、住む人の心掛けで成り立ちます。空き巣に隙を見せることのないよう、まずはできるところから防犯対策を実践していきましょうね!

※1出典:「住まいる防犯110番」,警視庁
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_b_1.html(最終確認:2021年3月8日)

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。
HP:http://2103-support.jp/?page_id=14