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Question

二人暮らしの生活費はいくら必要?内訳と上手な節約方法を解説

これから二人暮らしを始めようと思っているのですが、生活費を2人の間でどう分担すればよいのかや、どうすれば生活費を節約できるのかが分かりません。二人暮らしの生活費を考えるうえでのポイントを教えてください。

Answer

二人暮らしの生活費の内訳は、世代や住む地域ごとに異なるため、自分たちの状況に合わせて考えることが大切です。生活費の分担の仕方は、自分たちの収入と主な支出に合わせて決めるのがベストです。節約の工夫も知っておくと、二人暮らしがさらに充実しますよ。

情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二

目次

二人暮らしの生活費ってどれくらい?

夫婦や兄弟・姉妹、貸主に了解を得たうえでの同棲カップルやルームシェアなど、二人暮らしのケースはさまざまです。一人暮らしと比較すると、1人あたりの生活費が安くなる傾向のある二人暮らしですが、「生活費をどうやりくりすればよいか分からない」という人もいるかもしれません。今回は、これから二人暮らしを始める人たち、そして既に始めている人たちの、「私たちの生活費のやりくり、これで大丈夫なの?」という疑問について詳しくお答えします!

電卓、計算機 、貯金箱
※イメージ写真

目安は月額約29万円
生活費の内訳は、世代、住む地域、2人の就労状況、健康状態などといったさまざまな条件によって変化するため、世帯ごとに異なります。

参考として、総務省統計局の家計調査(2人以上の世帯)の報道資料によると、2022年4月~6月期平均では、消費支出(2人以上の世帯)は1世帯あたり月々28万9694円となっています。※1

また、勤労者世帯の実収入(2人以上の世帯)は、1世帯あたり64万8729円というデータが発表されており、そのうち、可処分所得(税金などを差し引いた手取り収入)は51万810円になります。

この調査の結果を参考に、2人の手取り収入の合計額が50万円の場合の居住費や貯蓄なども含めた支出の費用とおおまかな内訳をシミュレーションしました。

手取り50万円で二人暮らしする場合の支出のシミュレーションは以下の通りです。

項目 割合(%) 金額(円)
住居費 30% 15万円
食費 15% 7.5万円
日用雑貨 5% 2.5万円
水道光熱費通信費 10% 5万円
そのほか(交際費・医療費・交通費など) 15% 7.5万円
貯蓄 25% 12.5万円
合計 100% 50万円

ただし、こちらはあくまで二人暮らしをする場合の参考シミュレーションです。世帯人数が異なる場合、項目によっては、この表より支出をさらに抑えることも可能でしょう。

家計簿とお金と電卓
※イメージ写真

住居費が最も高いのは東京
固定費のなかでも、大きな割合を占める住居費。平均でどれくらいかかるのでしょうか。まず、二人暮らしに必要な広さについては、国土交通省の資料によると、30m2(最低居住面積水準)となっています。※2ただし、最低居住面積水準なので、ゆとりを持たせた場合、40~50m2になるでしょう。

また、住居費は地域によって差が大きいという特徴があります。総務局の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、1畳あたりの家賃は全国平均で3074円というデータが発表されています。

そのなかでも最も高い東京都は5128円、最も安い青森県は1882円となっていることから分かる通り、二人暮らしの生活費の内訳は、地域に大きく影響されるといえます。

ここまでの情報を整理し、東京都で二人暮らしの1か月あたりの家賃を計算すると以下のようになります。1畳は1.62m2として計算しています。※3

●30m2の場合
30m2 ÷ 1.62m2 × 5128円 = 9万4962円

●40m2の場合
40m2 ÷ 1.62m2 × 5128円 = 12万6617円

●50m2の場合
50m2 ÷ 1.62m2 × 5128円 = 15万8271円 ※小数点以下は切り捨て

上記の計算を参考にすると、東京都内でも、場所によって家賃の相場は異なりますが、最低でも10万円ほど住居費がかかることになります。

なお、主要都市の借家1畳あたりの家賃は以下の通りです。これから住もうと考えている地域の家賃がどれくらいなのか目安を計算しておくとよいでしょう。

土地名 1畳あたりの家賃
北海道 2016円
青森県 1882円
宮城県 2753円
東京都 5128円
千葉県 3198円
埼玉県 3276円
神奈川県 3898円
新潟県 2472円
石川県 2431円
愛知県 2824円
京都府 3282円
大阪府 3227円
兵庫県 2872円
香川県 2192円
広島県 2569円
山口県 2079円
福岡県 2589円
宮崎県 1972円
沖縄県 2336円

一人暮らしより安い部分
一人暮らしと比較して安く抑えられる項目は、住居費です。賃貸と分譲どちらの場合でも、月々の支払いを2人で折半できれば、一人暮らしでは支払いが難しい家でも住むことが可能になるかもしれません。

食費も、家で自炊をすれば安上がりになります。一人暮らしでは余らせてしまいがちな食材も、2人なら無駄なく使い切りやすいですね。

一人暮らしより高い部分
一方、二人暮らしをするとかさみがちなのが水道光熱費です。水道光熱費については、「一人暮らしの2倍」というように単純計算できないケースがほとんどです。というのも、一人暮らしよりも広い家に住むことにより、「冷暖房が効くまでに時間がかかり電気代が増える」「2人の生活時間帯がずれており、電気代が増える」といったことがあるためです。

料金プランを見直したり、冷暖房器具を使い分けたりと、一人暮らしのときより水道光熱費の節約を強く意識してみましょう。

生活費の分担方法は事前に決めよう

生活費のことは、実際に二人暮らしを始める前にきちんと話し合っておきたいもの。事前に決めておきたい分担方法と、把握しておくべきお互いの支出という2点について、詳しくご紹介します。

ノートと電卓
※イメージ写真

4つの分担方法
生活費の支払いをどのように分担するかは、2人の収入バランスに応じて決めるのが基本です。次の4パターンの分担方法から、適したものを一緒に選んでみましょう。

[ 1 ] 全てを折半する
住居費、水道光熱費を始めとする全ての支出をまとめ、半額ずつ支払う方法です。お互いの収入額が同程度の夫婦や兄弟・姉妹におすすめです。ただし、不公平にならないように、月々の支出ごとにきちんと計算する必要があります。

[ 2 ] どちらかが多く負担する
社会人と学生の兄弟・姉妹、高齢の親との同居など、収入額に差がある場合におすすめの方法です。収入額にそれほど差がない場合でも、家事を負担することが多い人の負担割合をいくらか減らすなど、費用以外の負担のバランスを考慮することは大切なポイントといえます。

[ 3 ] 1人が全額負担
貯金をしたいと考えている2人の場合、どちらかの収入を生活費に充て、もう1人の収入は貯金に回すというのも1つの方法です。どちらかに2人の生活を無理なく賄えるだけの収入があり、かつ生活費を負担することに不満がなければ、検討の余地はあるでしょう。

[ 4 ] 共用部分のみ折半する
2人の生活スタイルが大きく異なっており、支出の管理を一緒にするのが難しい場合は、住居費、水道光熱費など2人が共用で使うものだけ折半するとよいでしょう。これらは、毎月の料金が大きく変わらないものが多いので、計算も比較的簡単に行えます。

家事をする男女
※イメージ写真

お互いの支出を把握すると決めやすい
生活費について考えるとき、ポイントになるのが2人の支出の状況です。お互い、どのような金銭感覚を持っていて、趣味や交際費に使う金額はどのくらいなのかを把握しておくと、生活費の分担方法を決めるうえでの参考になるでしょう。

生活費を上手にやりくりするには?

お金の心配を減らすためには、節約の工夫も取り入れてみましょう。特に、結婚や出産などを控え、将来に備えて貯金をしたいと思っている人は必見です!

住居費を抑える
住居費という大きな固定費が抑えられると、月々の支出を大幅に減らせます。「最寄り駅を1駅ずらす」「駅徒歩20分までならOKとする」など、物件選びの条件を緩めてみると、住居費に変化が出てくるでしょう。また、リモートワークが多く、会社へ公共機関を使って通勤する機会が少ない場合には、郊外の住居を選ぶことで、住居費を抑えることができます。

住居費を抑えるために条件を緩めながらも、2人のライフスタイルに合った立地や間取りの物件を選ぶようにしてくださいね。

●住まい選びに関する記事はこちら

徒歩20分の距離感ってどのくらい?

駅から徒歩20分の物件のメリットと注意点をご紹介します。

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首都圏の住みたい街ランキング2022年版

●二人暮らしにおすすめの間取りに関する記事はこちら

二人暮らしにおすすめの間取りとは?

自炊する
外食の機会が多いと当然、出費がかさんでしまいます。そのため、余計な外食はなるべく避け、自炊を心がけると食費を節約しやすいでしょう。自炊をする際は、買った食材は使い切る、旬の安い食材や特売品を賢く選ぶなどのポイントを意識し、無理のない範囲で節約していきましょう。

マーケットで買い物するカップル
※イメージ写真

水道・電気・ガスの使い方を見直す
光熱費の出費は、先ほど触れたように、一人暮らしと比べて増えてしまいがちです。その代わり、2人のライフスタイルが強く影響するだけに、工夫次第で大きく節約できる出費項目でもあります。たとえば、食事や入浴、就寝のタイミングをなるべく合わせることで、別々の生活リズムで暮らすよりも、光熱費を抑えられます。

また、電気代の節約には、消費電力が少ない新しい家電に買い替えたり、お得な電気の契約プランに変更するのもおすすめです。資源エネルギー庁によると、10年前の家電と比較すると今の家電のほうが省エネであり、なかでも冷蔵庫の省エネ率は約40~47%アップしています。また照明器具のLEDランプは、一般電球よりも約86%も省エネ率が高いため、買い替えによる節電の効果は大きいといえます。一方、エアコンの省エネ率は17%で、冷蔵庫や照明器具と比べると、光熱費の節約の観点からは、買い替えの優先順位は低くなっています。※4

ただ、家電の買い替えにはまとまった金額が必要となるため、抵抗が大きいという人も多いでしょう。まずは実践しやすいところから、水道費の節約のため、トイレや風呂場に節水グッズを導入することから検討してみてはいかがでしょうか?

スマホ代・サブスク代を見直す
スマホのプランを最適化することも生活費を上手くやりくりするうえ大切です。スマホの料金プランは数年ごとに変更される傾向があるため、自身が使っている契約プランを見直してみるとよいでしょう。

また、サブスクリプションサービスを精査し、使用頻度の低いサービスと契約し続けていないかを定期的に確認しておくことも重要です。新しくサブスクリプションサービスを利用する際は、入会の段階から、解約方法や自動更新の仕組みをきちんとチェックしておきましょう。

共用できるものは2つ買わない
二人暮らしのために家電や小物などを新調するなら、「2人で一緒に使えるものはなるべく1つで済ませる」と決めるのも節約のコツ。趣味が同じ2人なら、マンガやCD、ゲーム機・ゲームソフトなども1つにできると理想的です。

家計簿を付ける
支出を管理するには、やはり家計簿がおすすめ。家計簿を付けると無駄遣いが発見できるため、その無駄を節約できるというメリットがあります。

「家計簿アプリで電子マネーの利用履歴を記録する」「1日の終わりに財布からレシートを出してノートに貼り付ける」など、できそうな範囲でトライしてみましょう。毎月どのようなことにお金を使っているのかが分かると、「電子マネーのオートチャージはあえてしない」「帰り道にコンビニへ寄らない」など、自分たちなりの節約術が見えてくるはずです。

シャンパンを飲む男女
※イメージ写真
2人の価値観を大切に!

お金のことは周囲に気軽に聞きにくいものですよね。二人暮らしを始めるにあたって、生活費の分担や節約方法について考える場合、1つの指標として、収入や居住地域別の出費の平均を知っておくのもよいでしょう。

ただし、それよりも大切なのは、共同生活をする夫婦や兄弟・姉妹のライフプランや価値観です。2人がお金をかけてもよいと思うもの、かけなくてもよいと思うものを明確にしましょう。生活費の平均的な金額や内訳に縛られて、無理に生活費を抑えようとしたり、お金をかける対象を制限したりすると、二人暮らしを続けることがストレスになってしまう場合もあります。

2人の価値観を共有したうえで、生活費の分担の仕方をあらかじめクリアにしておき、協力して節約することで、お互いに気持ちよく生活していくことができるでしょう。楽しい二人暮らしのために、ぜひ参考にしてみてくださいね!

※1出典:家計調査報告 ―月・四半期・年―,総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html
(最終確認日:2022年11月14日)
※2出典:国土交通省「資料8-3 住生活基本計画(全国計画)における誘導居住面積水準及び最低居住面積水準」
https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/hakusho/h20/data/html/js008030.html
(最終確認日:2022年11月14日)
※3出典:不動産公正取引協議会連合会「不動産の公正競争規約 」
https://www.sfkoutori.or.jp/webkanri/kanri/wp-content/uploads/2019/01/h_kiyaku.pdf
(最終確認日:2022年11月14日)
※4出典:経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/choice/
(最終確認日:2022年11月14日)

情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二

株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、不動産キャリアパーソン、中小企業診断士。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングを行う。

HP:https://grow-profit.net/