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Question

住宅取得等資金贈与の非課税措置とは?申告に必要な書類を解説!

マンションを購入するために両親から資金を援助してもらうことになりました。そうした場合「住宅取得等資金贈与の非課税措置」というものを受けられると聞いたのですが、どういったものか分かりません。非課税措置とは何か、また受けるために準備するものについて教えてください。

Answer

住宅取得等資金贈与の非課税措置とは、親や祖父母から住宅取得や増改築などに充てる資金の贈与を受けた場合、要件を満たせば、贈与税が非課税になる制度です。現状、制度の期限は2023年末までの贈与が対象とされているため、手続きは早めに進めましょう。

※2023年12月に延長が閣議決定される以前の情報を記載しています。今後内容を更新予定です。
最新情報を確認されたい場合はこちらをご覧ください。(1月24日 追記)

情報提供:税理士 宮原 裕徳

目次

住宅取得等資金贈与の非課税措置とは?

「住宅購入のために親から資産をもらったけど、贈与税がいくらかかるか心配…」という人もいるのではないでしょうか?そもそも贈与税とは、個人から財産を受け取った際に発生するものです。たとえ、家族間の贈与であっても、贈与税は発生します。しかし、住宅を購入した際や増改築した際に資金として親や祖父母から贈与を受けた場合、贈与税の一定額を非課税にすることが可能です。これを「住宅取得等資金贈与の非課税措置」といいます。

この制度は、2022年に税制改正が行われ、その内容には、新しく購入する住宅が「省エネ等住宅」の場合は、非課税限度額が1000万円となることが含まれています。この省エネ等住宅とは、省エネ性の高い住宅や耐震性の高い住宅、バリアフリー性の高い住宅など、国が定める一定基準をクリアした住宅のことです。

なお、それ以外の住宅の場合は、非課税限度額が500万円とされています。

マンションと資金
※イメージ写真

●住宅取得資金贈与の非課税制度についての記事はこちら

住宅取得資金の贈与を受けたら?贈与税の非課税制度について解説!

住宅取得資金等贈与の非課税制度の概要や制度を受けるための条件などについてご紹介しています。

住宅取得等資金贈与の非課税措置を利用するには?

住宅取得等資金贈与の非課税措置を利用するには、要件を満たす必要があります。ここでは、要件のなかから主なものをご紹介します。

贈与できるのは直系尊属に限られる
この制度を利用する場合は、贈与をする側が、父母や祖父母のような直系尊属であることが要件となります。義理の両親や、叔父、叔母からの贈与の場合は、利用することができません。なお、義理の両親からの贈与に対してこの制度を利用したい場合は、養子縁組が必要となります。

翌年の3月15日までに住宅を購入(増改築)し居住すること
住宅購入や居住のタイミングにも注意が必要です。贈与を受けてから翌年の3月15日までに、住宅取得等資金の全額を使って住宅の購入や増改築を行う必要があります。また、翌年の3月15日までにその住宅に居住しなければなりません。

ただし、工事の完成が遅れてしまった場合でも、制度が適用されるケースもあります。例外的なケースについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてください。

●住宅取得等資金贈与の申請タイミングについてはこちら

住宅取得資金贈与の非課税制度を利用したい!押さえておくべき3つのタイミングとは?

住宅取得資金等資金贈与で押さえておくべき3つのタイミングについてご紹介しています。

受贈者の合計所得金額は2000万円以下
贈与を受けた年の所得金額の合計が2000万円以下である必要があります。なお、住宅の床面積が40m2以上50m2未満の場合は 1000万円以下となります。

これらのほかにも細かい要件があるため、住宅取得等資金贈与の非課税措置の利用を検討している場合は、事前に確認するようにしましょう。

なお、この制度を利用する場合は、翌年の3月15日までに確定申告を行う必要があります。贈与税がかからない金額であっても、住宅取得等資金贈与の非課税措置を受けるためには確定申告を忘れないようにしてくださいね。

お金の上の悩む人
※イメージ写真
住宅取得等資金贈与の非課税措置を受けるために必要な書類

住宅取得資金贈与の非課税措置を受けるには、贈与税の申告書、贈与を受ける人についての書類、取得する住宅についての書類が必要になります。それぞれの書類について、詳しく見ていきましょう。

申告書
住宅取得資金贈与の非課税措置を受けるためには、確定申告の際に、別途贈与税についての申告をしなくてはなりません。

[入手方法] 国税庁ホームページよりダウンロード

贈与を受ける人についての書類
住宅取得等資金贈与の非課税措置を受けるためには、贈与を受ける人が要件を満たしている証明が必要です。申請する際に用意する書類は、年齢や身元、収入など非課税措置を受ける要件を判断するためのものとなります。

●戸籍謄本
住宅取得等資金贈与の非課税措置は、両親や祖父母など、直系尊属からの贈与が一定の額まで非課税となります。そこで戸籍謄本では、贈与を受ける人の身元と、直系尊属からの資金援助であることを確認します。戸籍謄本は、本籍地のある市区町村役場で取り寄せることができ、本籍地が遠方の場合は、郵送での取り寄せも可能です。

[入手方法] 本籍地のある市区町村役場で入手

●源泉徴収票
源泉徴収票とは、年間に会社から支払われた給与の金額や所得税として納めた金額などが記された書類です。住宅取得等資金贈与の非課税措置を受けるには、所得額に制限があるため源泉徴収票で証明をしなければなりません。

源泉徴収票は、年末に勤務先でもらえるのが一般的です。紛失しないように大切に保管しておきましょう。一方、所得税の確定申告を行っている人に関しては、年間所得を証明する書類の提出は必要ありません。また、住宅ローン控除を併用する場合も必要ありません。

[入手方法] 勤務先より入手

財布と電卓
※イメージ写真

住宅に関する書類
非課税措置を利用するためには、住宅にも要件があります。その要件が満たされているかどうかを判断するためには、下記の書類が必要です。

●登記事項証明書
登記事項証明書とは、住宅がどこにあって、誰が所有していて、どのような広さでといった情報が記された書類です。非課税措置の対象住宅は、床面積や用途によって一定の要件が課されており、それらを証明するために登記事項証明書が必要となります。住宅の所在地にある法務局で入手できます。

[入手方法] 住宅の所在地にある法務局より入手

●売買契約書の写しと新築の工事請負契約書
売買契約書は、物件購入時に受け取る書類です。また、工事請負契約書は、施工会社に工事を依頼して合意が得られた段階で取り交わす契約書です。

非課税措置を受けるためには、贈与を受けた翌年の3月15日までに、贈与金を充てて住宅を購入することが要件となっています。これを証明するために、購入する住宅や土地の購入年月日が記載された書類が必要になります。

また、非課税措置は、配偶者や親族などの「特別な関係にある人」から購入する住宅の場合は適用されません。そこで、これらの書類は特別な関係性の人から住宅を購入していない証明としても使います。そのため、書類に取得者や工事請負業者の記載がない場合は、別途作成する必要があります。

[入手方法] 物件購入時や工事依頼時に入手

特別な場合の書類
住宅取得等資金贈与の非課税措置は、受贈者にとってはぜひ活用したい制度です。しかし、何らかの理由で取得した住宅にすぐに住むことができない場合、非課税措置を受けることはできないのでしょうか?

結論からいうと、そのようなときでも要件付きで非課税措置が受けられる特例があります。特例を受けるためには、次のような書類が別途必要です。

●期限までに取得する住宅に居住できない場合の特例※1※2
非課税措置を利用するためには、贈与された翌年の3月15日までに取得した住宅に居住していなくてはなりません。しかし、何らかの理由でこの日までに居住できない場合でも特例があります。
その後遅滞なく取得した住宅に、確実に住むことができると見込まれる場合には非課税措置を受けられます。

この特例の申請には、入居できない事情を記載する書類や、遅延なく入居することを誓約する書類などが必要です。これらの書類は、非課税措置を受ける人が自分で作成しなくてはなりません。特に記載する書式のひな型があるわけではありませんが、国税庁のホームページで様式を用意しているので、必要な人は一度確認してみるとよいでしょう。

●期限までに取得する住宅が完成しない場合の特例※1※2
住宅取得等資金贈与の非課税措置を利用するためには、取得する住宅が贈与を受けた翌年の3月15日までに完成しなくてはなりません。しかし、完成できない場合にも特例があります。建物の骨組みができあがり、家の最上部の屋根を支える棟木を取り付けた、棟上げの状態以降まで建築されていれば非課税措置を受けられます。

この特例の申請には、新築にかかわる請負契約書のコピーや、完成予定年月日が記載された書類などが必要です。これらの書類は、建築を依頼した工事会社から入手したり、自分で作成したりする必要があります。この特例の申請の場合にも、決まったひな型はありませんが、国税庁のホームページで様式が用意されています。

●省エネ等住宅に該当する場合※3
ここまでもお伝えしたように、非課税の限度枠が1000万円まで増加する省エネ等住宅を取得する場合は、その住宅の状況によって、申請の際に別途以下のいずれかの書類が必要となります。

必要書類 証明対象の住宅
A 1.住宅性能証明書 ①新築住宅
②建築後使用されたことのない住宅
③建築後使用された住宅※4
④増改築等した住宅
B 2.建設住宅性能評価書の写し ①新築住宅
②建築後使用されたことのない住宅
③建築後使用された住宅※8
C 3.住宅省エネルギー性能証明書※5
D 次の4及び5の両方の書類※6
4.長期優良住宅建築等計画の認定通知書等の写し※7
5.住宅用家屋証明書(その写し) または、認定長期優良住宅建築証明書
E 次の4及び5の両方の書類※6
6.低炭素建築物新築等計画認定通知書等の写し
7.住宅用家屋証明書(その写し)
または、認定低炭素住宅建築証明書
F 8.増改築等工事証明書※9 ④増改築等した住宅

[入手方法]
1.2.住宅を購入した事業所や証明機関で入手
3.指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関または住宅瑕疵担保責任保険法人にて入手
4.6.住宅を購入した事業所や所轄行政庁より入手
5.7.(住宅用家屋証明書を除く)各建築士、指定確認検査機関にて入手
5.7.住宅用家屋証明書は市町村役場にて入手
8.依頼した建築事務所にて入手

※4建築後使用されたことのある住宅の場合は、その取得の日前2年以内または取得の日以後に、その証明のための住宅の調査が終了したもの、または評価されたものに限ります。

※5次の住宅の区分に応じ、それぞれ次に定めるものに限ります。
(1)新築または建築後使用されたことのない住宅・・・2023年3月31日まで(注)に、その証明のための住宅の調査が終了したもの
(2)建築後使用されたことのある住宅・・・その取得の日前2年以内または2023年3月31日まで(2022年10月1日以後にその住宅の取得をする場合にあっては、取得の日以後6か月以内)(注)に、その証明のための住宅の調査が終了したもの
(注)2023年4月1日以後に居住用の用に供される住宅の場合は、(1)で「2023年3月31日まで」とあるのは「その住宅の取得の日前」と、(2)で「その住宅の日前2年以内または2023年3月31日まで(2022年10月1日以後にその住宅の
取得をする場合にあっては、取得の日以後6か月以内)」とあるのは「その取得の日前2年以内または取得の日以後6か月以内」となります。

※6長期優良住宅建築等計画等の(変更)認定通知書の区分が「既存」である場合は、「5」の書類を除きます。

※7認定に基づく地位の承継があった場合には、地位の承継の承認通知書の写しも必要です。

※8建築後使用されたことのある住宅の場合は、住宅用家屋証明書(若しくはその写し)を除きます。

※9増改築等に係る工事が住宅を省エネ等住宅の基準に適合させるためのものであることについて証明がされたものに限ります。

ほかの制度と併用する場合に必要な書類は?
住宅購入を相談する親子
※イメージ写真

住宅を購入する際、援助してもらう資金が非課税措置の限度額を超える人もいるでしょう。このようなときは、「相続時精算課税制度」または、「暦年課税」という制度を併用しましょう。

相続時精算課税制度とは、一定金額まで贈与税を収めずに贈与を受け取ることができる制度です。一方の暦年課税とは、1~12月の間に受けた贈与の額が110万円以下だった場合は非課税になるというものです。住宅取得等資金贈与の非課税措置と併用することで、贈与税の非課税枠を広げることができますよ。

相続時精算課税制度を受けるためには、贈与税の申告書や相続時精算課税選択の届出書のほかに以下の書類を提出する必要があります。

・贈与する人と受けた人の戸籍謄本などの書類
・贈与を受けた人の戸籍の附票
・贈与する人の住民票または戸籍の附票

※附票とは、戸籍が作られてから現在に至るまでの住所などの記録が全て記された書類です。

[入手方法]
戸籍謄本と戸籍の附票は、本籍地の市区町村役場で入手
住民票は、住民登録されている市区町村役場で入手

一方の暦年課税は、特に別途書類は必要なく、贈与税の申告書に必要事項を記入して提出すれば完了です。

注意点としては、暦年課税か相続時精算課税制度のどちらか1つしか併用できないということです。相続時精算課税制度を選んだ場合、免除された贈与額は、最終的に相続財産として合算されます。加えて、いったん相続時精算課税制度の利用を選ぶとその後、一生にわたり暦年課税を選択することはできません。といったように、制度の併用は判断が難しいため、自分で決定することに不安を感じる際は、税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するようにしましょう。

専門家に相談して早めに進めよう

今回は、住宅取得等資金贈与の非課税措置についてご紹介してきました。この制度は、期限が2023年末までと決まっており、その後の継続は未定となっています。制度を利用する場合、住宅の購入や入居にはタイムリミットがあるため、早めに準備を始めましょう。

しかし、利用するための要件が細かく、制度の併用も難しいので、自分で進めるには分からないことや不安なことも多いでしょう。そういった場合は専門家や、不動産会社に相談をしてみるのがおすすめですよ。

正しい知識と余裕あるスケジュールで、住宅取得等資金贈与の非課税措置をスマートに利用しましょう!

情報提供:税理士 宮原 裕徳

株式会社ラムチップ・パートナーズ代表取締役。税理士。LAMTIP PARTNERS(Thailand) Co., Ltd. CEO日本と東南アジアの不動産にかかわる会計・税務に詳しい。法人や個人向けに、無駄な税金を払わないための節税対策セミナーなども行う。