マンション購入ガイド

2018.07.31

Question

住宅ローンの借り換えとは?メリットと注意点について

35年固定の住宅ローンで新築マンションを購入する予定ですが、金利が低い今。固定金利で借りるのはもったいないと妻がいいます。住宅ローンの支払い方法について調べてみたところ、借り換えができるとのことですが、借り換えとは具体的にどのようなことをいうのでしょうか?メリットや注意点についても教えてください。

Answer

借り換えとは住宅ローンの借り入れ先を変えること。場合によっては、返済額を減らすことができます

情報提供:税理士 宮原 裕徳

目次

住宅ローンの借り換えとは?

マイホーム購入は、人生で一番大きな買い物です。それだけに総支払い額(返済総額)がいくらになるか、どんな住宅ローンを何年で返済するかなど、資金計画をしっかり立てたいですよね。総支払い額は住宅ローンを組む金融機関や支払い方法・金利などによって変わってきます。

一度住宅ローンを組んだものの支払い額が高くなってしまった場合や、何らかの理由で住宅ローンを別の金融機関で組み直したい場合に、「借り換え」という選択肢があります。

ここでは、そもそも住宅ローンとは何か、どんな支払い方法があるのか、借り換えについて順を追って解説していきたいと思います。

購入資金の融資である住宅ローン
そもそも、住宅ローンとは住宅の購入資金として購入物件を担保として融資が行われる商品です。金融機関など借り入れ先から審査の承認が下りると、購入資金を住宅ローンとして借りることができます。

返済期間は最長35年までと長期。そのため、毎月の返済額が家賃と比べても安くなり、若いサラリーマンでも持ち家・分譲マンションを取得することが可能となりました。

当然、住宅ローンでは購入物件自体の資金のほか、利子も一緒に返済する必要があります。利子とは、住宅ローンの借り入れ金額に応じて支払うレンタル料のようなもの。また、この利子の割合のことを金利といいます。

金利にはタイプがあり、どの金利タイプを選ぶかで総返済額が変わってきます。

●固定金利
固定金利とは、ずっと金利が変わらず返済額が一定のもの。
世の中の経済情勢等によって金利が変化することがなく、常に一定の利率が適用されるため、金利が上昇したときには借りた人が有利となります。
一方、返済期日まで利率の変更はできない契約となっているため、世の中の金利が下がっても、そのままの利率で最後まで返済することになります。

●変動金利
変動金利とは、返済途中で金利が変わり返済額が増減するもの。
金利が高くなれば月々の返済額のうちの利息が高くなり、金利が低くなれば利息が安くなるもため、契約後も半年に一度金利が見直され続けます。
固定金利に比べて金利が低いですが、借りた人のリスクは高まります。金利変動を織り込んだ返済額は5年ごとに見直しが行われます。

住宅ローンの金利は原則この2種類を組み合わせて設計されています。ただし、以下のようなフレキシブルな制度も出てきました。

●固定金利選択型 
住宅ローン金利で今、主流になっているのは、この固定金利選択型。
これは契約時点の金利が一定期間固定され、固定期間が終了すると、その時点の金利で再び固定するか変動金利に戻すか決めることができるものです。

固定できる期間は1年から20年まであり、金融機関が独自に金利を定めています。このタイプは変動金利型の一種なので、固定期間が終了したとき固定金利を続けるかどうか利用者が申し出ないと、自動的に変動金利になるので注意が必要です。

ご紹介したように金利には種類があり、それぞれによって返済額があることが分かりましたね。それでは、次に借り換えについてお話ししましょう。

住宅ローンの見直しである「借り換え」
住宅ローンの借り換えとは、現在借りている銀行の住宅ローンの借り入れ残高分を完済するために、新しい銀行から同額を借り入れし、その後は新しい銀行に返済していくことをいいます。

以前に借りた住宅ローンより金利が低かったり、サービスがよくなっているなどより条件がよい商品があれば、新しい銀行の住宅ローンに借り換えすることが効果的です。

ただし、住宅ローンの借り換えには銀行に支払う事務手数料、信用保証会社への保証料などの手数料が再度かかることも念頭に置いておきましょう。

住宅ローンの借り換えのメリットとは?

借りた銀行より金利優遇が大きい銀行がでてきた、借り換えをするとなんだかよさそう…と思ったそこのあなた。次に、具体的なメリットと注意点をお話ししていきたいと思います。
実際に借り換えを検討している場合は、以下を参考に自分は借り換えをすることでお得になりそうかどうか、確認してみてくださいね。

返済額の減額
多くの住宅ローンの最長返済期間は35年に設定されています。資金計画の理想はローンの返済を定年退職までに終わらせることですが、もし定年後もローンが残る場合は、返済期間の短縮などのローン見直しが必要に。

最近は住宅ローン金利が「史上最低」といわれ、とても低い水準を続けてはいますが、借り入れ金額が多い場合は金利や返済期間によって総支払い額が1,000万円程度も違ってくることもあります。

より金利の低い住宅ローンに借り換えれば、残る毎月の返済額が安くなり総返済額を少なくできるのです。

<例>
●当初借入時
住宅ローン借入額:3,000万円
返済期間:35年
金利:2%

●10年後
金利:0.775%
残存期間:25年

⇒残り25年間の返済額は300万円程度お得に

金利変動のリスクを回避

借り入れ当初に変動金利を選んだ場合、金利の高低によって月々の返済額のうちの利息も変化するもの。そうすると、金利が低くなれば利息も安いですが、金利が高くなると利息が高くなるという恐れがあります。このような事態を避けるために、金利が上がりそうになったら固定金利へ変更するという手段があります

住宅ローン借り換えの注意点とは?

色々聞いていると、住宅ローンの借り換えはよいことばかりのような気になりますね。しかし、もちろんそれ相応の注意点も。ここからは、住宅ローンの借り換えの注意点について解説します。

手数料が発生する
住宅ローンを借り換えるには、さまざまな手数料が発生します。借り換え先の住宅ローンによっては結果的に大きな差額にならない場合も?たとえば、以下の諸費用が発生しますので、参考にしてくださいね。

●事務手数料
銀行に支払う事務手続きの手数料。「事務手数料」「取引手数料」など。

●保証料
保証料は、万が一住宅ローンの支払いができなくなった際に、信用保証会社に立て替えてもらうための保険です。新たに支払う保証料もあれば、完済した人から戻ってくる保証料もあります。

●団体信用生命保険料
住宅ローン返済中に亡くなってしまうというような不測の事態においても、団体信用生命保険から支払われる保険金。金利で支払うケースが多いです。それにより住宅ローンがゼロになるというものです。

●司法書士への登記費用
司法書士への登記費用は、抵当権の切り替えの際に必要となります。マイホームは銀行の担保に入っているため抵当権が設定されています。この抵当権は借り換えの際、現在ローンのある銀行の抵当権を抹消し、新たにローンを組む銀行の抵当権を設定することとなります。

固定期間終了後の金利も確認
住宅ローンの借り換え時に重要な金利についてですが、10年固定金利と銘打っていても「当初金利」だけで判断できず、「固定期間終了時の金利」も考えないと本当にメリットがあるか判断できません。

そのため、住宅ローンの商品価値を正しく判断するには、「元本(最初に借りたもとのお金)+当初固定金の利息+固定期間終了後の利息」を合わせた実質金利(トータルコスト)で比較することが必要です。

連帯債務と贈与税に注意
連帯債務とは、夫婦などで共同して債務を返済していくこと。たとえば夫婦などで住宅ローンの借り入れを分割し、それぞれの銀行口座から毎月ローンを返済していくことをいいます。この住宅ローンは、夫婦ともに長く働き続けることが前提となる返済方法となります。

この連帯債務の場合、夫・妻それぞれ、不動産の持ち分割合と同じ割合の借り入れ金の返済を行うことが必要となります。そのため、住宅ローンの借り換え時に不動産の持ち分割合を変えずに、夫・妻がどちらかだけで全額を返済する契約にしてしまうと、住宅ローンの肩代わりをした形に。そうすると、その分だけ贈与税の課税対象となってしまいます。

ちなみに、贈与税とは個人から財産をもらったときにかかる税金。1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかることになります。※ケースによって異なります。詳しくは税務署にてご確認ください。

住宅ローン借り換え手続きの仕方とは?

さて、ここまで住宅ローンの借り換えのメリットや注意点についてお話ししてきました。ここからは、実際に住宅ローンの借り換えをすることになった際の手続きの流れや必要な書類などについて触れていきましょう。

手続きの流れは7ステップ
手続きは以下のような流れで進めていきましょう。

( 1 ) 現状のローン残高や金利プランなどを確認する
( 2 ) 書類を用意する
( 3 ) 借り換える銀行を選ぶ(もしくは商品を絞り込む)
( 4 ) 借り換える銀行に審査を申し込む
( 5 ) 借り換える銀行の本審査を通過し、現在の借り入れ先に完済手続きを申し込む
( 6 ) 借り換える銀行に融資の申し込みを行う
( 7 ) 司法書士と面談し、ローン契約の締結を行う
( 8 ) 融資が実行されたら、現在の借り入れ先の融資を完済する

必要書類は早めに用意を
必要書類は融資を受けようとする金融機関によって異なってきますが、主に以下のようなものが挙げられます。

書類名等 書類の取得先
運転免許証またはパスポートの写し ご自身のもの
健康保険証の写し ご自身のもの
印鑑証明書 お住まいの市役所
住民票・源泉徴収票(前年分)または確定申告書 住民票はお住まいの市役所、源泉徴収票はお勤めの会社
住民税決定通知書または住民税課税証明書 住民税決定通知書はお勤めの会社より渡されたもの、住民税課税証明書はお住まいの市役所
売買契約書 不動産契約時に交わした書類
不動産登記簿謄本(土地・建物) 所轄の法務局
住宅地図 インターネットよりダウンロードしたもの
公図 所轄の法務局
地積測量図 所轄の法務局
建物図面 不動産取得時に渡された書類
建築確認書 不動産取得時に渡された書類
住宅ローンの返済予定表 ローンを組んだ際に渡された書類
マイカーローンや教育ローン等その他の借り入れ明細 ローンを組んだ際に渡された書類
対象物件の火災保険証券など 保険契約時に交わした書類

不安な人は借り換えシミュレーションを
将来の金利を予測することはとても難しいこと。金利が上がることで毎月の返済額は増加し、大きなリスクを背負うことがあります。20年~30年間にわたる金利予測を高い精度で行うことは専門家でも不可能です。

そこで発想を変え、リスクを金利予測で測るのではなく、ダメージの許容範囲はどれぐらいかを具体的な数字で把握することで判断するとよいでしょう。

住宅金融支援機構などでは、簡単に借り換え時のローン返済額を確認できるシミュレーションができます。

最長35年ものお付き合いになる住宅ローン。大きなお金が動くだけに、最終的に損をしないためには住宅ローンの借り換えの見直しは検討してみてもよいかもしれませんね。同じ買い物をするなら、よりお得になるように考えてみましょう!

情報提供:税理士 宮原 裕徳

株式会社ラムチップ・パートナーズ代表取締役。税理士。LAMTIP PARTNERS(Thailand) Co., Ltd. CEO日本と東南アジアの不動産にかかわる会計・税務に詳しい。法人や個人向けに、無駄な税金を払わないための節税対策セミナーなども行う。