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Question

抵当権抹消登記の必要書類は?手続きの流れや費用について詳しく解説!

住宅ローンの返済がようやく終わりました。ローンを組んだときに銀行の抵当権を設定しましたが、ローンを完済すれば、登記簿に記載されている抵当権は自動的に消えるのでしょうか?自動的に消えないとしたら、どうやって登記簿の抵当権を抹消したらよいのでしょうか?手続きの方法を教えてください。

Answer

住宅ローンを借りた際に設定された抵当権は、対象の住宅ローンを完済すると、権利としては消滅します。ただし、権利が消滅したからといって自動的に登記簿から抵当権の記載が抹消されるものではありません。登記簿の記載を抹消するには、不動産の所在地を管轄する法務局で、抵当権抹消登記の手続きを行う必要があります。必要な書類と手順さえ分かれば、自分でも抵当権抹消登記の手続きをすることができますよ。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

抵当権はローン完済後に抹消しておくべき

抵当権とは、住宅ローンを利用して資金(お金)を借りるときに、購入する住宅の土地や建物を「担保」とするために金融機関が設定する権利のことです。住宅ローンを完済しても登記簿から自動的に記載が抹消されることはありません。抵当権抹消登記は、司法書士に依頼するのが一般的ですが、抵当権抹消手続きは自分でもできます。

そこで今回は、「抵当権の抹消の方法が分からない・・・」といった疑問を抱いている方へ向けて
自分で手続きを行う場合をメインに、抵当権抹消登記の仕方と手続きの流れや費用についてご紹介します。

家の模型と電卓
※イメージ写真

抵当権を設定する理由は?
抵当権を設定することで、対象の不動産を売却して換金したとき、金融機関が優先的に債務の返済を受けることができます。

なお、抵当権には順位があり、登記簿に記載(設定)された順番に「1番抵当」、「2番抵当」…と呼びます。抵当権の順番が早い抵当権者(債権者)から、優先的に債務を返済してもらうことになります。

たとえば、5000万円の住宅を購入した際、4500万円は金融機関Aから第1抵当で住宅ローンを借りて、別の金融機関Bから500万円を第2抵当で借り入れたとします。10年後、ローンの返済に困り、競売となってしまったとしましょう。この競売での落札価格が4000万円だった場合、仮にこの時点で金融機関Aの残債は4000万円、金融機関Bの残債が400万円だったとします。

このケースでは、わかりやすく必要経費などを考えない場合、競売での売却資金4000万円は優先的に金融機関Aに支払われ、金融機関Bは競売による債務の返済はないことになります。実際には、金融機関の間で弁済額の調整をすることもありますが、原則的にはこのように順位の早い抵当権の返済が優先されます。

金融機関の住宅ローンの融資条件に、「1番抵当権を設定すること」とあるのは、対象の不動産を売却したときに少しでも回収額が増えるよう、最優先で資金を返済してもらうためなのです。

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抵当権を抹消しないとどうなる?
住宅ローンを完済すれば、権利としての抵当権は消滅します。ただし、前述している通り、登記簿上の権利の記載は自動的に抹消されるわけではありません。そのため、登記簿上の記載については、別に抵当権抹消登記の手続きをする必要があります。

「権利が消滅したなら、記載が残ったままでも困らないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、登記簿上で抵当権の記載が残っていると次のような問題が生じることがあります。

・次の融資をスムーズに受けられない
・不動産の売却がスムーズにできない
・不動産を相続した場合、抵当権抹消登記の手続きが通常よりも複雑になる
・放置している間に銀行の体制が変わり、抵当権抹消に必要な書類がそろいにくくなる恐れがある

このようなリスクを避けるために、住宅ローンを完済したら、早めに登記簿上の抵当権を抹消することをおすすめします。

スーツを着た男性
※イメージ写真
抵当権抹消登記は自分でもできる

抵当権抹消登記は、必要書類を準備し、次項でご説明する手続きの流れに沿って進めれば、自分でも申請できます。登記には決まった申請期限がないため、急ぐ必要がなければ、時間が空いているときに抵当権設定者である本人が手続きを行ってもよいでしょう。

手続きにかかる費用は以下の通りです。申請時の登録免許税と事前調査や確認のための登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)の発行手数料は、土地や建物など不動産ごとに必要になります。

・登録免許税…不動産1件(土地は1筆、建物は登記簿上の1件)につき1000円
・登記事項証明書…1件(同上)につき法務局の窓口で取得する場合600円(オンライン請求は郵送受け取りの場合1件500円、法務局での受け取りの場合480円)
・最寄りの法務局へ行く交通費

たとえば、土地2筆と建物1件の一戸建ての抵当権を抹消する場合、かかる費用は以下のようになります。

・登録免許税(土地2筆と建物1件の計3件)…3000円
・登記事項証明書(土地2筆と建物1件の計3通)…1800円(法務局で取得する場合)
・最寄りの法務局へ行く交通費…たとえば、800円なら 合計 5600円

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土地・建物の権利書
※イメージ写真
抵当権抹消登記手続きの流れ

それでは、自分で抵当権抹消登記を行う場合の手続きの流れについて見ていきましょう。1つずつ確認しながら作業を進めれば、初めてでもちゃんと手続きを行うことができますよ。

[ 1 ] 金融機関に抹消書類を請求する
住宅ローンを完済したら、金融機関へ抵当権抹消に必要な書類を請求しましょう。金融機関から書類が送付されることもありますが、自ら抹消に必要な書類を請求しないと抹消書類を入手できないことも多いのです。
なぜなら、抵当権はローン完済と同時に権利は消滅しており、抹消登記は任意だからです。特に、繰り上げ返済したときは、抹消登記に必要な書類をすぐに請求するようにしましょう。必要な書類については後ほど詳しく説明します。

[ 2 ] 管轄の法務局を調べる
抵当権抹消登記の手続きは、その不動産の所在地を管轄する法務局で行います。そのため、最初に管轄の法務局がどこかを調べておきましょう。

[ 3 ] 管轄の法務局に相談する
不動産の所在地を管轄する法務局で、抵当権抹消登記の手続きについて相談しましょう。
抹消登記申請の届け出の際に不備があると面倒なので、申請書類を作成、準備する前に相談することをおすすめします。法務局に出向いて直接相談するか、電話で相談するようにしましょう。登記の内容を確認するための登記事項証明書交付の請求はオンラインでも申請できますが、この相談のときに併せて取得すると手間が省けます。

抵当権抹消登記の手続きに必要な書類は専門的な部分もありますので、実際に申請書を書き始めると、書き方が分からない、ということがあります。申請書の書き方を間違っていたり、添付書類が不足していたりすると、申請が受け付けてもらえません。一見、手間に思えますが、自分で登記申請するなら、1度は法務局に相談したほうがかえってその後の手間は軽減できます。

なお、不動産を所有している人の登記上の住所や氏名に変更がある場合は、抵当権抹消登記の手続きをする前に、「登記名義人住所・氏名変更登記」が必要になります。引越しで移転したり、婚姻や離婚によって氏名が変わったりした場合は、先に法務局に変更の登記をします。住所変更の場合は、住民票、または戸籍の附票、氏名の変更の場合は、戸籍謄抄本と本籍地入りの住民票が必要です。詳しくは法務局に相談しましょう。
なお、2021年の不動産登記法の改正で、具体的な施行日は今後定められますが、2026年4月までに不動産を所有している場合の住所や氏名の変更登記申請が義務化されます。※1

パソコンと家の模型と登記申請書
※イメージ写真

[ 4 ] 法務局へ申請する
必要事項を記載した登記申請書と必要書類を法務局へ提出します。提出方法は、窓口で提出するか、郵送するか、オンライン申請の3つです。窓口に持参する場合は、事前に登記手続き相談の予約を取っておくことをおすすめします。その場で書類を確認し、書類に不備があれば教えてもらえるため、細かな修正のために何度も郵送やオンライン手続きする手間が省けます。

法務局の窓口へ直接提出する場合は、その場で修正することもあるので、必ず申請に使用する印鑑も持参するようにしましょう。

[ 5 ] 登記完了証を受け取る
書類を提出後、法務局では書類の審査を行い、問題がなければ、登記簿への登記(記載)が行われます。登記完了までは、1~2週間程度かかるのが一般的です。申請時に完了の目安となる日が指定されるので、指定日に法務局に出向きます。そこで「登記完了証」を受け取れば、抵当権抹消手続きが完了となります。受け取りには印鑑が必要になるため、忘れずに持参しましょう。

以上の手続きは、ネット環境があればオンラインで行うことも可能です。ただし、事前に申請用総合ソフトと電子署名の登録が必要なほか、添付書類は申請先の法務局へ持参か郵送にて別途提出することになります。

手続きの方法については「登記ねっと」にシミュレーション体験コーナーが設けられているので、利用してみると参考になるでしょう。

法務局看板
※イメージ写真
抵当権抹消登記手続きに必要な書類とは?

抵当権抹消登記申請には、いくつか必要な書類があります。住宅ローン完済後に金融機関から入手するものと、自分で法務局から入手するものがあるので、それぞれ確認して必要書類をそろえましょう。

金融機関から入手する書類
住宅ローンの返済完了後、金融機関から以下の書類を入手しましょう。

●登記原因証明情報(抵当権解除証書等)
住宅ローンの債務を完済したことを正式に証明する証書です。金融機関ごとに名称が異なり、抵当権の抹消原因によって、「抵当権解除証書」「弁済証書」などの書面の場合もあります。

●登記識別情報通知
金融機関が抵当権の権利者として保有していた書面です。抵当権を特定し、権利者が抹消登記に同意していないと渡すことのできない重要な書面のため、抹消登記申請において、必要書類のなかでも重要なものになります。なお、登記識別情報通知の代わりに、抵当権設定契約書に「登記済」の押印があるものを提出することもできます。

●委任状(代理権限証明情報)
抵当権抹消登記を登記申請する人に委任する書類です。本来、抹消登記は金融機関と抵当権者が共同で申請するべきものです。しかし、実際には抵当権設定者や司法書士が申請を行うため、金融機関が申請行為を委任する委任状を用意します。

●金融機関の資格証明書
住宅ローンを組んでいた金融機関の商業登記簿(会社謄本、正式には登記事項証明書)です。委任状を添付する場合に、委任者の証明書として使用します。この証明書は、発行から3か月をすぎると無効になるので注意しましょう。もし、3か月が経過した場合は法務局にて改めて取得することができます。ただし、現在は抵当権者である金融機関の会社法人番号を記載すれば登記申請できるため、資格証明書は送られてこないことが多くなっています。

金融機関の看板
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法務局で入手して自分で準備する書類
法務局でそろえる書類は以下の通りです。

●抵当権抹消登記申請書
抵当権抹消登記を申請する申請書です。この申請書は法務局の窓口で取得するか、法務局のホームページからダウンロードします。申請書に書き込む際は、記入例があるので、法務局でもらってくるか、法務省のHPに掲載されているものを参考にするとよいでしょう。

なお、登記申請書は、法務局では作成をしてくれませんので、自分で記入し、作成する必要があります。

関連して、抵当権抹消登記申請書と印紙台紙には契印(割り印)を施しましょう。抵当権抹消登記申請に必要な登録免許税の支払いのため、収入印紙を貼る台紙を追加し、その登記申請書と印紙台紙をホチキスなどでまとめ、登記申請書に捺印した印鑑で、登記申請書と印紙貼付台紙の間を契印します。

契印(割り印)とは、2枚の書類を並べてつなぎ目に印を押し、それらが1つの契約書であることを示すものです。

●収入印紙
抵当権を抹消するには、登録免許税の支払いが必要になります。登録免許税は土地と建物の両方にかかるため、不動産の件数に応じて支払いが必要です。A4サイズの用紙を用意し、必要な金額の収入印紙を貼りましょう。収入印紙は法務局のほか、郵便局でも購入可能で、少額であればコンビニでも購入できます。

書類に捺印しようとする人
※イメージ写真
司法書士に依頼する際は必要書類を持って相談へ

上記のように、必要書類をそろえ、申請書などに必要事項をきちんと記載して申請すればよいので、比較的簡単に自分で登記手続きをすることができます。一方、実費と報酬を支払えば、司法書士に代理申請を依頼することも可能です。

司法書士イメージ
※イメージ写真

こんな人は司法書士への依頼がおすすめ
自分でもできる抵当権抹消登記ですが、次のような人は司法書士への依頼がおすすめです。

●忙しい人
仕事や家事で時間が取れない場合、司法書士に依頼すれば、書類の準備や申請手続きのために法務局へ行く手間が省けます。

●自分で行うのが不安な人
「専門知識がないし、様式や書き方を間違えたらと思うとやっぱり不安」という方も、登記の専門家である司法書士に依頼すれば安心です。

●住宅ローンが残っている状態で売却する人
売却(引渡し)と同時に抵当権を抹消する場合は、司法書士へ依頼することがほとんどです。ローンが残っている不動産を売却する際は、売買代金の受け取り(決済)時に、その代金でローンを完済し、買主への所有権移転と同時に抵当権の抹消手続きを行うことになります。買主のためにも確実に手続きを行う必要があり、抵当権抹消登記の手続きのタイミングも限定されるので、司法書士に任せるのが一般的です。

司法書士への報酬と実費を合わせた登記費用は、一般的なマンションや一戸建ての抹消登記であれば、およそ1~3万円が相場です。自分で行うよりお金はかかりますが、代わりに時間や手間の負担を減らすことができ、何よりも売買を確実に行うことができるという安心感がありますよ。

電話する女性
※イメージ写真

司法書士に依頼する流れ
司法書士への手続きの依頼は、次のような流れで行います。

●[ 1 ] 事前に予約を入れる
ネットで検索、または紹介などで司法書士を選び、相談の予約を申し込みます。知り合いの司法書士や知人から紹介してもらう場合でも、相談の予約は必要です。

●[ 2 ] 必要書類を持って訪問する
訪問時には必要書類を持参することで、手続きがスムーズに進みます。用意する書類は、主に次の通りです。

・ローンの完済前…手元にある不動産の権利証(登記識別情報)や登記簿(登記事項証明)など
・ローンの完済後…可能なら先に紹介した、金融機関から入手した登記抹消書類

金融機関から入手する書類については、司法書士が代理で受け取りに行ってくれる場合もあります。なお、そのほかの登記申請に必要な書類は司法書士が準備してくれます。

●[ 3 ] 委任契約を結ぶ
相談の結果、その司法書士に依頼を希望する場合は、委任契約を結びます。単純に司法書士への委任状を作成するだけで、委任契約までは締結しないケースもあります。

売却と同時に抵当権を抹消する場合は、仲介する不動産会社が司法書士を紹介してくれるケースが多く、その場合、上記の[ 1 ]、[ 2 ]、[ 3 ]は意識することなく、スムーズに司法書士へ依頼することができます。

●[ 4 ] 抵当権抹消後、書類を受け取る
代理人となった司法書士から、抵当権抹消完了の報告が入ります。法務局から登記完了の書類は代理人である司法書士に届くので、その後、司法書士から登記完了証を郵送などで受け取れば、手続きは完了です。

人の手と電卓と書類
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抵当権抹消登記は早めに済ませよう!

住宅ローン完済後は、抵当権抹消登記の手続きを速やかに行うことが大切です。後回しにすると、不動産売却や相続が発生した際に手間が増えてしまい、スケジュールがずれこむケースも出てきますので、手続きは早めに行いましょう。

書類の用意や法務局での申請手続きなど、登記申請までの準備には時間がかかるものです。手間や時間をかけても自分で行うべきか、手間や時間をかけずに専門家である司法書士に依頼すべきかは、そのときの状況で変わってきます。無理がなくスムーズなほうを選ぶのがおすすめですよ。

なお、抵当権に似た言葉として「根抵当権」というものがあります。根抵当権とは、契約する際に「極度額」と「債権の範囲」を定めることで、その範囲内であれば何度でも借り入れと返済を繰り返せるようにしたいときに設定する抵当権の一種です。根抵当権は返済期間を設定しなくてよいため、返済期間が設定されていない場合もあります。

根抵当権の多くは、企業や経営者が所有する不動産を対象として設定されますが、一部の金融機関では、個人でも住宅ローンの借り入れと同時にローンカードを作成する場合に、対象の不動産に根抵当権を設定することが条件となるケースもあります。

根抵当権が抹消されていないと、不動産を売却できない点は一般の抵当権と同じです。ただし、根抵当権の場合は、何度も借り入れできるため、当初の借り入れを完済しても、権利は消滅しません。根抵当権を抹消するには、金融機関との合意が必要になります。根抵当権の抹消時には、債権額の確定と元本確定請求を行う必要があり、抵当権と比べると抹消の手続きは面倒なものになります。

抵当権と同じく、根抵当権の場合も、住宅ローンが完済できたら速やかに抹消登記をするようにしましょう。

●根抵当権に関する記事はこちら

根抵当権とは?特徴や抹消方法を解説!

根抵当権とは何か、抹消登記の方法も解説しています。

家の前に立つ夫婦
※イメージ写真

※1出典:法務局「登記されている住所・氏名に変更があった方へ」
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000001_00017.html
(最終確認日:2023年3月13日)

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。
HP:http://2103-support.jp/?page_id=14