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マンション購入ガイド

2018.10.31 更新:2026.08.07

Question

マンション購入時、頭金額を決めるときのポイントをご紹介

マンションの購入を検討しています。支払う頭金のことについて考えているのですが、どれくらいの金額を支払うものなのか、相場がわかりません。頭金に関して知っておくべきこと、金額を決めるときの注意点などあれば、教えてください。

Answer

自分で金額を決められる頭金。多く用意できれば、それだけ住宅ローンの借入額を抑えることにもつながります。ただし、頭金0でもローンの借り入れが可能な場合も。ケースに応じて自分に合った頭金の設定を心掛けましょう。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

そもそも頭金ってどういうもの?

一戸建てやマンションの購入について調べていると、頭金という言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。なんとなくイメージで知っているものの、そもそも住宅購入するとき、どのタイミングで支払うものなのか、どれくらいの金額を支払うものなのかなど、具体的なところまではわからないという人も多いのではないでしょうか?

まずは頭金に関する基本的な意味から、頭金として用意すべき目安をご紹介しつつ、マンションなどの購入を検討するうえで注意しておきたい頭金以外の費用についても併せてご説明していきましょう。

頭金は住宅の購入代金に充てる自己資金のこと
頭金とは、住宅購入代金のうち、住宅ローンを利用せず自己資金で支払う部分のことです。頭金を支払うことで、住宅ローンの借入額を抑えられ、利息の負担も軽減できます。

たとえば7,000万円のマンションを購入するとき、価格の10%を頭金700万円として支払うとすると、住宅ローンの借入額は6,300万円、その他、諸費用が必要になります。

頭金には、一般的に契約時に支払う手付金(後に購入代金の一部に充当されるもの)が含まれます。マンションの購入価格から住宅ローンの借入額を差し引いた金額が頭金となり、手付金を除く残額は代金決済時に支払います。下記は、頭金と諸費用と手付金に関して、図で分かりやすく説明したものになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、住宅を購入する際には、登記費用や印紙代、仲介手数料といった諸費用も準備する必要があります。したがって、一般的に頭金と諸費用を合わせたものが必要な自己資金となります。

頭金の目安金額はどのくらい?
頭金の一般的な金額の目安は、以前は物件価格の2割程度といわれていました。たとえば購入するマンションの価格が7,000万円の場合は、頭金として1,400万円を用意する、という意味ですね。

現在よりも金利が高かった時代は、住宅ローンの返済が滞るリスクを抑えるため、金融機関は融資額を物件価格の8割程度までに制限するのが一般的でした。特に住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)では、融資限度額が物件価格の8割に設定されていたことから、多くの金融機関も同様の基準を採用していました。頭金2割が目安とされる考え方には、当時の融資慣行が影響しているとされています。

しかし現在では必ずしも、頭金が2割必要とはされていません。多くの金融機関で物件価格の全額(いわゆるフルローン)まで融資するようになり、中には諸費用分についてもローンを融資するところもあります。

これまで歴史的な低金利環境が続いていたこともあり、金融機関は融資条件を緩和し、借入可能額を拡大するなど、積極的に住宅ローンを提供してきました。

頭金は2割という通説は今もいわれています。しかし、条件によっては物件価格の8割以上を借り入れられるため、必ずしも2割の頭金を用意する必要がないケースもあります。

ただし、近年は住宅ローン金利に上昇の動きも見られており、この頭金2割という考え方は、安全な範囲で住宅ローンを利用するという意味では、以前のように一定の目安として重要な考え方になりつつあります。

住宅ローンを希望の額まで借りられる場合は、頭金の額を自分で設定することができます。たとえば、2割以上頭金を用意したり、逆に頭金を全く用意せず、フルローンを選んだりするケースもあります。一方で、住宅ローンを希望の額まで借りられない場合は、不足分を頭金として用意する必要があります。

住宅購入時は、諸費用がかかることも忘れずに!
頭金の額を決めるときは、物件の購入代金(物件価格)以外にかかる費用のことを忘れてはいけません。住宅を購入する際には、頭金とは別に、諸費用として自己資金を用意しておく必要があります

先にもお話ししましたが、契約時に支払う手付金は、一般的に売買代金の一部として扱われます。決済(残代金の支払い)時には購入代金に充当されますが、資金計画によっては手持ち資金との調整の中で、頭金や諸費用の一部として考えられることもあります。

ただし、手付金は物件の売買契約時には必ず必要で、住宅ローンは利用できません。従って、自己資金での支払いが必須となっていることも注意しておきたいところ。フルローンで購入する場合でも、手付金分は自身で準備できるよう、しっかりと事前に用意しておきましょう。

さらに、手付金のほかに自己資金として必要なのが、中古住宅などであれば不動産会社への仲介手数料、新築・中古を問わず登録免許税・司法書士手数料といった登記費用、契約用の印紙代、固定資産税などの清算金、火災保険料などが発生します。これらを合わせて諸費用と呼びます。

諸費用の金額の目安は、新築マンションの場合は、物件価格の4~6%ほどといわれています。ただし、手付金と違ってこちらは金融機関によっては一部の諸費用についてローンの利用ができることがあります。諸費用の支払いのタイミングは、売買契約時や物件の引き渡し・決済(手付金を除く物件価格の残金支払い)のとき。なお、中古物件等の場合に仲介する不動産会社によっては、仲介手数料を物件の売買契約時に半分を支払う、というところもあります。

支払い時期を把握しよう
さて、ここでは住宅購入時の資金を支払うタイミングについて見ていきましょう。下記を参考に、それぞれの段階までに必要な費用を準備しておくようにしましょう。

[ 1 ] 売買契約の締結時
・手付金
・印紙代(物件価格により変動)
・(中古物件等の売買で仲介手数料の半金)

[ 2 ] 引き渡し・決済(住宅ローン融資の実行時)
・物件購入代金の残金
・追加の頭金(住宅ローン借入額と手付金を合わせても購入代金に不足がある場合)
・諸費用(仲介手数料、登記費用、各種清算金等)
※新築マンションの場合は上記に加え諸費用として修繕積立準備金・管理準備金等

どっちがお得?頭金が多い場合と少ない場合

頭金の額は、住宅ローンを希望する金額まで借りられる場合、購入者が自分で決めることができます。従って、頭金を高額に設定して住宅ローン借入額を抑えるという方法もありますし、購入時の自己資金の支出を抑えるために、頭金を少なめにしてその分住宅ローンを利用するということも可能です。

ここでは、実際に頭金を多めに設定した場合と少なめに設定した場合、それぞれにかかる月々の支払いから総支払い額まで、どのくらいの差があるのかをご紹介しましょう。わかりやすく比較するため、ここではシミュレーションの条件を以下のようにそろえます。

[ 例 ]
・物件価格:7,000万円
・返済期間:35年
・返済方式:元利均等返済
・利用ローン:フラット35(全期間固定金利)
・金利:融資額9割以下 年3.14%、融資率9割超 年3.25%(2026年7月時点)
※最新の金利は各金融機関のホームページをご確認ください。

[ 1 ] 頭金を2割用意した場合
頭金を1,400万円(物件価格の2割)用意すると、住宅ローンの借入額は5,600万円となります。固定金利3.14%、返済期間35年の場合、月々の返済額は21万9,915円です。

35年間のローン総返済額は約9,236万円で、そのうち利息負担は約3,636万円となります。頭金1,400万円を含めた総支払い額は、約1億636万円です。

[ 2 ] 頭金を1割用意した場合
頭金を700万円(物件価格の1割)用意すると、住宅ローンの借入額は6,300万円となります。融資率が9割以下のため、適用金利は3.14%となり、月々の返済額は24万7,405円です。

35年間のローン総返済額は約1億391万円、そのうち利息負担は約4,091万円となります。頭金700万円を含めた総支払い額は、約1億1,091万円です。

[ 3 ] 頭金なしで購入した場合
頭金なしの場合、住宅ローンの借入額は7,000万円となります。借入額が物件価格の9割を超えるため、適用金利は3.25%となり、月々の返済額は27万9,160円です。

35年間のローン総返済額は約1億1,725万円、そのうち利息負担は約4,725万円となります。総支払い額は約1億1,725万円です。

頭金の割合 住宅ローン
借入額
月々の
返済額
利息総額 頭金を含めた総
支払い額
2割(1,400万円) 5,600万円 21万9,915円 3,636万円 1億636万円
1割(700万円) 6,300万円 24万7,405円 4,091万円 1億1,091万円
なし(0円) 7,000万円 27万9,160円 4,725万円 1億1,725万円

頭金の検討は慎重に
[1]~[3]を比較すると、月々の返済、総支払い額ともに、明確な差があらわれることがわかると思います。頭金を2割用意した場合は、頭金なしで購入した場合と比べると、月々の返済額が59,245円、頭金を含めた総支払い額は約1,089万円抑えることができます。

このように、頭金を多めに用意するほど住宅ローンの借入額を抑えられるため、毎月の返済額や利息負担を軽減できます。特に金利が高い局面ではその効果が大きく、頭金を増やすことで総支払額を大きく抑えられる可能性があります。

また、フラット35のように物件価格に対する頭金の割合によって金利が変わる場合、頭金を10%以上用意することで、利息負担を抑えられる可能性があります。

しかし、一方で無理をして頭金を支払い過ぎると、手元資金が不足し、新生活の家計に余裕がなくなる恐れもあります。そのため、ローンの返済額と手元に残す資金の双方を考慮し、バランスの取れた頭金額となるよう慎重に検討しましょう。

現在は物件価格が上昇しているうえ、住宅ローン金利も上昇傾向となっています。だからこそ住宅ローン利用時には用意すべき頭金の額によってどのような返済計画になりそうか、事前にしっかりシミュレーションしておくことで、新居での生活にもある程度余裕を持たせることが可能になります。

また、住宅ローンの金利タイプについても、頭金と同様に自身のライフプランに合わせて検討することが重要です。固定金利型は返済額が変わらない安心感がある一方、変動金利型は金利負担を抑えやすいという特徴があります。それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、無理のない返済計画を立てましょう。

このように頭金の額を決める際は、住宅購入後の生活や将来の返済計画まで見据えて検討することが大切です。将来的に繰り上げ返済を行うことも視野に入れながら、自身に合った資金計画を立てましょう。

頭金なしでもマンション購入ができる!?メリットと注意点

前述しましたが、頭金を用意せず、住宅の物件価格の全額分を住宅ローンでまかなうことを、フルローン(で購入する)と呼びます。これまで歴史的な低金利環境が続いていたこともあり、金融機関にはフルローンに対応するケースも多く見られました。

ここでは、頭金を用意しない一戸建て・マンション購入にはどんなメリットがあるか、頭金をなしとしたとき、どんなことに注意するべきかを順番にご紹介していきます。

賃貸住まいで頭金を貯めている人は購入時期も検討しよう
頭金を多く用意できれば、その分だけ住宅ローンの借入額を抑えることができます。一方で、賃貸住宅に住みながら頭金を貯める場合は、貯蓄期間中も家賃の支払いが続くほか、その間に物件価格や住宅ローン金利が変動する可能性がある点にも注意が必要です。

例えば、目標とする頭金を貯めるまでに3年かかる場合、その間の家賃負担に加え、希望するエリアの物件価格が上昇したり、住宅ローン金利が上昇したりすることで、購入時の総負担額が増えるケースも考えられます。

そのため、頭金を十分に貯めてから購入する方法だけでなく、現在の貯蓄額や返済能力を踏まえ、無理のない借入れが可能であれば早めの購入を検討するという考え方もあります。頭金の額だけにとらわれず、自身のライフプランや家計状況に合わせて判断することが大切です。

具体的に住宅を購入した場合のシミュレーションなどを見てみたいという場合は、一度不動産会社やFPなどの専門家に相談してみるのもいいでしょう。

頭金の額を考えるときの注意点とは?
頭金なしで住宅ローンを借りた場合は、ご紹介してきたように頭金を用意して住宅ローンを借りた場合よりも、当然ながら月々の返済額や総返済額、利息の総支払額が多くなります。

さらにフラット35などのローン商品を利用する場合は、物件価格に対する融資率によって金利が異なります。融資率とは、住宅価格に対して住宅ローンの借入額が占める割合で、この融資率が9割超になると、9割以下の場合よりも金利がやや高くなり、結果的に支払う利息の総額も大きくなってしまいます。

また、頭金なしで借りる場合のローン(フルローン)の審査は、頭金を用意した場合の審査と比べて厳しくなることが特徴です。頭金なしで住宅ローンを利用できる場合があるとはいっても、預貯金などの金融資産もなしでよいというわけではありません。

金融機関は、収入や預貯金等の金融資産を加味しながら、返済額がその人の収入等に見合ったものか(返済比率:年収に占める年間のローン返済額の割合)で融資を行うかどうか、あるいは融資する金額を決めています。仮に、フルローンまで借りられる場合でも、自身にとって余裕のない返済とならないよう借入額を検討するようにしましょう。

頭金を親から援助してもらう場合も注意
頭金を自分で用意できない場合、親から資金援助を受けるという方法があります。ただし、住宅の購入を目的とした資金の援助を受けた場合、本来は、親からの援助であっても、受け取った金額に対して贈与税が課されます。

一方で、住宅取得等資金の贈与には税制上の特例が設けられており、一定の要件を満たす場合には非課税措置などを受けられることがあります。そのため、親から援助を受ける際は、事前に利用できる制度を確認しておくことが大切です。

頭金の額を決めるポイントは?

頭金と住宅ローンの関係や、頭金が返済計画に与える影響についてご紹介しました。頭金の額が多ければ多いほど、住宅ローン返済の毎月の負担が軽くなるものの、資金を準備している間に物件価格や金利が上昇する可能性もあり、少ない頭金でも住宅ローンを利用して購入したほうがよい場合もあることを前述しました。頭金を2割用意するといった目安のようなものもあり、現在の状況だと頭金を貯めることは大切なことですが、あまり固執しすぎず、家族の生活状況と将来のことも加味して、柔軟に住宅購入を検討してみることをおすすめします。

十分な貯蓄も忘れずに
また、頭金以外にも、住宅購入の際にはさまざまな諸費用がかかることをお伝えしてきました。ご紹介した諸費用のほかにも、たとえば引っ越しの費用、新居での家具の購入費用なども必要になってくる場合があります。

さらに、住宅購入後にかかる税金も忘れてはならない出費の1つ。こちらの記事でわかりやすく解説しているので、一緒にチェックしてみてください。

●マンション購入後にかかる費用についてはこちら

一つの目安として、住宅購入時には諸費用分の自己資金を準備しておくと安心です。新築マンションの場合は物件価格の4%~6%程度(7,000万円のマンションなら約280万~420万円)、中古マンションの場合は7%~9%程度(同約490万~630万円)が諸費用の目安とされています。

また、物件価格や住宅ローン金利の動向を踏まえると、諸費用に加えて一定額の頭金を準備しておくことで、借入額や毎月の返済負担を抑えやすくなります。頭金の額に決まった正解はありませんが、一般的には物件価格の10%~15%程度を目安に検討するケースもあります。

なお、住宅購入に向けた資金計画では、頭金や諸費用だけでなく、購入後の生活費や予備資金も考慮することが大切です。

頭金など自己資金が少ない場合でも、自分の家を持ちたいと考えている人は、一度不動産会社に相談してみましょう。

下記の記事では、分譲マンションの特長や人気エリアをご紹介しているので、住宅購入を考え始めている方は、ぜひチェックしてみてください。

●分譲マンションについてはこちら

ここまで頭金について説明してきましたが、一戸建てやマンションの購入を現在考えている人は、頭金や諸費用のことなど資金面のことについて具体的に考えることも、忘れないようにしましょう。

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情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。