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一人暮らしにかかる初期費用は?平均50万円の内訳と節約のポイントを紹介

通勤時間短縮のために、実家を出てアパートかマンションを借りたいと思っています。初めての一人暮らしの場合、物件を借りたり、家電や食器を買いそろえたりするお金は、どのくらい必要なものですか?なるべく安く抑えたいのですが…。

Answer

初めての一人暮らしにかかる初期費用は、平均50万円といわれています。でも、工夫をすればもっと抑えることも可能!今後の生活も考えて、無理のないスタートを切りましょう。

情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二

目次

初めての一人暮らしは、初期費用の準備から!
一人暮らしの初期費用のポイント

大学進学や社会人になったことをきっかけに一人暮らしを始めたいと思ったとき、まず費用について気になるという人もいるでしょう。

アパートやマンションを借りるときには、想像以上にお金がかかります。そのうえ、初めての一人暮らしは買いそろえるものもたくさんあります。前もって十分な費用を用意しておかないと、経済的に余裕のない状態で新生活が始まってしまうことにもなりかねません。

そこで今回は、一人暮らしをスムーズに始めるために必要な初期費用の目安額と、その内訳を詳しく解説します。費用を賢く抑える節約のポイントもご紹介しますよ!

初期費用の平均は50万円!物件以外にかかるお金も

一人暮らしを始めるときに必要な初期費用は、平均50万円ほどといわれています。「そんなにかかるの!?」と、驚いた人も多いのではないでしょうか?大まかな内訳は、「住宅の初期費用」「引越し費用」「生活用品の購入費用」の3つです。では、それぞれがどのくらいかかるのか、具体的に見てみましょう。

住宅の初期費用

住宅にかかる一人暮らしの初期費用一覧

一人暮らしを始めるとき、まずかかってくるのが「住宅の初期費用」です。住宅の初期費用とは、敷金礼金といった賃貸物件を借りるときにかかる諸費用のこと。契約内容によっては必要ない項目もありますが、おおむね次のような費用がかかります。

項目 目安の費用
敷金 家賃 1~2か月分
礼金 家賃 1~2か月分
仲介手数料 家賃 1か月分+消費税
前家賃 契約月の日割り家賃+翌月分の家賃
保証会社利用料 初回契約時 家賃 0.5~1か月分
火災保険料 毎年4000~9000円
鍵交換費用 シリンダーキー 1万~1.2万円
ディンプルキー 1.5~2万円

[ 1 ] 敷金(目安: 家賃の1~2か月分)
敷金とは、借主が家賃を払わなかったときの埋め合わせや、借主が物件を破損させたときの修繕費用に充てるために、入居時に貸主が預かるお金です。家賃の滞納がなく、部屋も原状回復されていれば、退去するときに全額返金されることになっています。

この原状回復とは、借主が付けてしまったキズや汚れ、故障などを直すことです。建物の経年劣化や普通に生活をするうえでやむを得ず生じたキズや汚れは通常含まれていません。たとえば、家具を置いたことでできた床のへこみやキズの修復、日焼けにより変色した壁紙の張替えなどは借主の負担にはならないことが多いです。

以前は原状回復に明確な規定がなかったため、ハウスクリーニング代や畳の張替え代などの部屋の修繕費として、敷金を返してもらえないというトラブルも多くありました。しかし、2020年4月に施行された現行民法では原状回復の規定が明文化されたため、借主と貸主の原状回復のトラブルは減る方向になりつつあります。

[ 2 ] 礼金(目安: 家賃の1~2か月分)
礼金とは、物件を貸してくれた大家さんに対して、賃料の前払い金として支払うお金です。前払い金なので、支払ったら戻ってくることはありません。

ちなみに、敷金・礼金は、東日本の習慣。西日本では、「保証金」「敷引き」「償却金」という、異なる名称で呼ばれることがあります。

・保証金…東日本の「敷金」にあたるもの。ただし、相場は敷金よりやや高く、家賃の3~6か月分が目安です。
・敷引き(しきびき)…「礼金」にあたるもの。敷金や保証金のなかから一定額を無条件で差し引かれ、借主には返還されない金銭になります。目安は、家賃の1~3か月分です。
・償却金…敷引きと同様。「敷金償却」とも呼ばれます。

たとえば、家賃6万円の物件に「保証金4か月分(うち敷引1.5か月分)」と記載されていた場合、入居時には合計24万円を支払い、退去する段階では原則として敷引金9万円を差し引いた15万円が返金されることになります。ただし、家賃不払いや物件の損傷などがあれば、敷引を差し引いた残りの部分から貸主に損害費用として充てられた額は戻ってこないことになります。

荷造りをする女性
※イメージ写真

[ 3 ] 仲介手数料(目安: 家賃の1か月分+消費税)
仲介手数料とは、不動産会社に対して、物件を紹介してもらった手数料として支払うお金です。賃貸契約の場合、仲介手数料の上限は「家賃の1か月分+消費税」と定められています。

ただし、物件によっては「0.5か月分」や「なし」という場合も。これは、不動産会社が貸主と借主の双方から0.5か月分ずつ受け取ることも、貸主から1か月分受け取ることもできるためです。

[ 4 ] 前家賃(目安: 契約月の日割り家賃+翌月分の家賃)
前家賃とは、賃貸契約時にあらかじめ支払う翌月分の家賃のことです。これにより以降の毎月の家賃も前払いになるため、大家さんは安心して部屋を貸すことができ、住人も安心して生活することができます。もし、前家賃が必要な物件に契約した当月から入居する場合、最初に当月分の残りの日割り家賃と翌月分の1か月分の家賃を支払うことになります。

<例>4月1日に契約、4月15日から入居する場合
4月15日~30日までの日割り家賃+翌月5月の1か月分の家賃を、契約時に支払う

そして、家賃の発生を「契約日」からとするか、「入居日」からとするかは、契約前に借主・貸主の話し合いによって取り決めます。ただし、物件が空き室だったり、引越しが多いシーズン中だったりすると、契約日から家賃が発生するのを避けられない場合もありますよ。

また、家賃のほかに管理費や共益費といったお金を払わなければならない物件もあります。管理費や共益費は、入居するお部屋以外の、建物の共用部分のメンテナンスに利用する費用で、家賃と併せて毎月支払うものです。管理費や共益費が決まっている物件では、前家賃とは別にこれらの料金も負担することになります。

荷物を運ぶ女性
※イメージ写真

[ 5 ] 保証会社利用料(目安:初回契約時は家賃の0.5~1か月分、以降は更新ごとに1万円前後)
保証会社利用料とは、事情により連帯保証人が頼めない場合に利用する保証会社へ支払うお金です。

賃貸契約では、借主が家賃を滞納した場合に代わりに支払い義務を負う、「連帯保証人」を立てることが一般的です。たとえば、初めての一人暮らしなら、親が連帯保証人になることが多いでしょう。ですが、事情があって連帯保証人を頼める人がいない、または頼みづらいという場合は、代わりに保証会社を利用することができます。

利用料は保証会社によって異なりますが、初回契約時は家賃の0.5~1か月分、その後は更新ごとに1万円前後の金額が一般的です。更新の頻度は、保証会社によって1年ごとや2年ごとなど異なっているので、事前に確認しておくようにしましょう。また、保証人を頼める人がいるときでも、物件によっては保証会社を利用することが決められている場合もあります。

[ 6 ] 火災保険料(目安: 1年ごとに4000~9000円)
賃貸の契約をする際には、多くの場合、火災保険への加入をすすめられます。入居後に火災や地震などが起きて、建物または部屋の中のものが被害を受けた場合を考えると、入っておいたほうが安心ですね。保険料の金額は、物件の構造(木造、コンクリート造など)や立地条件によっても異なりますが、1年契約なら4000~9000円程度が目安です。

●火災保険に関する記事はこちら

火災以外の補償も厚い!火災保険とは?

火災保険の補償内容や保険料について紹介しています。

[ 7 ] 鍵交換費用(目安: シリンダーキー 1万~1.2万円 ディンプルキー 1.5~2万円)
鍵交換費用とは、新しい借主が入居するとき、鍵を付け替えるためのお金です。国土交通省のガイドラインでは、鍵交換の費用は「貸主が負担するのが妥当」とされていますが、借主が負担する場合もあります。一般的なシリンダーキーの場合は1万~1万2000円程度、防犯性の高いディンプルキーの場合は1万5000~2万円ほどかかると考えておけばよいでしょう。

鍵とドアノブ
※イメージ写真

以上を合計すると、住宅初期費用はおよそ「家賃の5~6か月分」くらいになるのが一般的です。たとえば、6万円の物件で試算してみましょう。

・敷金 6万円(家賃1か月分)
・礼金 6万円(家賃1か月分)
・仲介手数料 6万6千円(家賃1か月分+消費税)
・前家賃 6万円(家賃1か月分)
・保証会社利用料 6万円(初年度家賃1か月分)
・火災保険料 1万円
・鍵交換費用 1万2千円
合計 32万8千円

ちなみに、家賃は「月収の2~3割」が目安といわれているので、物件探しはその価格帯から始めてみるとよいでしょう。

引越し費用
一人暮らしの引越しの費用

物件探しが済んだら、次に進めたいのは引越しの準備。荷物を新居に運び入れる際の引越し費用は、時期や移動距離、荷物量によって異なります。

時期:2~4月の繁忙期は高くなりやすい
距離:同じ市区町村など、近いほうが安い
荷物:少ないほうが安い

以上の条件に基づいて、なるべく安く抑えた場合は2~3万円、高いと5~6万円程度が、一人暮らしの引越し費用の相場です。詳しくは、引越し業者の各社で見積もりを取って比較してみましょう。

●引越しの準備に関する記事はこちら

引っ越し準備、何から進めたらいい?

引っ越しを計画的に行う準備について紹介しています。

荷物を運ぶ引っ越し業者
※イメージ写真

家電・家具・生活用品の購入費用
引越しの準備と同時に進めておきたいのが、新居で使うものの購入です。初めての一人暮らしの場合は、家電や家具、日用品や生活雑貨などを新たに買いそろえる必要があります。

カテゴリー 品物 目安の費用
家電 冷蔵庫 3万円~
洗濯機 2万円~
電子レンジ 5000円~
炊飯器 5000円~
掃除機 1万円~
ドライヤー 3000円~
テレビ 2万円~
家具・インテリア カーテン 3000円~
ベッド 1万円~
寝具 5000円~
ソファ 2万円~
収納ケース 2000円~
生活用品 キッチン用品 1万円~
食器 5000円~
その他(タオル、バスグッズ、掃除・洗濯グッズ、ゴミ箱、防災グッズなど) 1万5000円~

以上が、一人暮らしにかかる初期費用の内訳です。このほか、防犯対策グッズもそろえておくと安心です。窓から侵入されないように窓サッシ用の補助ロック(1000円前後~)や、窓を壊されても室内に侵入できないようにする窓用防犯フィルム(3000円前後~)で対策する人もいます。また、お部屋のインターホンがモニター付きでない場合は、穴あけや配線工事が不要のワイヤレスドアモニター(1万円前後~)を利用する人もいるようです。

●防犯対策に関する記事はこちら

空き巣が嫌がる家とは?被害を受けにくい家の特徴や防犯対策について解説

空き巣に狙われやすい家や防犯対策について紹介しています。

新居で作業する女性
※イメージ写真
一人暮らし初期費用シミュレーション
一人暮らしの初期費用シミュレーション

一人暮らしを始めるときに必要な初期費用の内訳が分かったところで、実際にいくらぐらいの金額になるのかシミュレーションしてみましょう!仮に家賃を6万円としたとき、必要になる「住宅の初期費用」を計算し、そこに「引越し費用」「家具・家電・生活用品の購入費用」を簡単に合計したのが以下になります。

<例>家賃6万円の物件で一人暮らしを始めた場合

住宅の初期費用…32万8000円
引越し費用…2~6万円
家電…7~10万円
家具・インテリア…4~5万円
生活用品…3~5万円
計 48万8000円~58万8000円

こうしてみると、「やっぱり50万円かかるのは避けられない?」と、ため息が出てしまいそうですね。ですが、工夫しだいで初期費用はもっと抑えることができます。次に挙げる節約ポイントをチェックして、費用計画を見直してみましょう!

出費を抑える、6つの節約ポイント

なるべく抑えたい初期費用には、実は節約ポイントがいっぱい!一人暮らしの準備を始める前に、ぜひチェックしておきましょう。

電卓とお金と豚
※イメージ写真

[ 1 ] 敷金・礼金を抑える
敷金ゼロ・礼金ゼロの、いわゆる「ゼロゼロ物件」を探すと、初期費用は大きく抑えられます。
ただし、ゼロゼロ物件はその分家賃が高めに設定されていたり、敷金がないかわりに退去時にクリーニング代を請求されたりといったことも。不安や疑問点があれば、きちんと質問してから契約手続きに進みましょう。

[ 2 ] 仲介手数料を抑える
仲介手数料が安い物件、あるいは無料にされている物件を探すというのも、大きな節約ポイント。これらの多くは、入居者が早く決まるように、貸主側が仲介手数料を負担している物件です。
また、仲介業者を通さずに、大家さんと直接契約できる物件を選ぶことでも、仲介手数料を抑えることができます。ただし、大家さんと直接契約する場合は、契約に関することを全て自分で行わなければなりません。賃料の交渉、注意事項の確認といった難しいことをスムーズに済ませたいなら、やはり不動産業者が間に入っている物件のほうが安心でしょう。

[ 3 ] 火災保険料を抑える
賃貸契約を結ぶ際には、不動産業者から指定された火災保険に加入しなければならないというイメージがあるもの。しかし、貸主が指定した火災保険に加入する義務はありませんので、自分で安いプランを見つけて節約することは可能です。火災保険への加入は義務ではありませんが、加入するのが一般的です。失火責任法という法律により、他人からのもらい火で家財が焼けてしまった場合でも原因者に賠償請求ができないため、自分を守るためにも加入しておきましょう。

[ 4 ] 家賃を抑える
家賃は、最寄り駅や沿線を少しずらしてみると、相場が下がる場合があります。また、築年数や広さなど、妥協できる部分がないか検討してみましょう。

また、「フリーレント物件」を探してみるのもおすすめです。フリーレント物件とは、契約後から一定期間家賃が無料になる物件のことです。物件によって期間に差はありますが、最初の1か月間は家賃を無料にしてくれるケースが多いです。

[ 5 ] 引越し費用を抑える
可能であれば、2~4月の繁忙期と、依頼が集中しやすい土日を避けてタイミングを調整すると、引越し費用を抑えることができます。また、ファミリーに比べて荷物が少ない、単身者向けのお得なプランが用意されている引越し会社を利用するのもおすすめです。

[ 6 ] 家電・家具・生活用品の費用を抑える
家電は、必ずしも全て買わなければならないわけではありません。「テレビは見ないからいらない」「あまり料理はしないから、炊飯器はなくてもいい」など、自分のライフスタイルに合わせて買うものを減らすことも費用を抑えるコツとなります。

自分のライフスタイルに合うものがよく分からない場合は、とりあえず生活必需品のなかから必要最低限の「冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機」だけをそろえて、後は生活しながら必要だと思ったものを買い足していくのがおすすめです。

家具も同じく、自分にとって本当に必要なものだけを購入すればOK。購入するときは、リサイクルショップやネットオークション、フリマアプリなどを利用すると、お得にそろえることができます。生活用品なら、100円均一ショップで購入できるものも多いでしょう。

ミニマリストの女性
※イメージ写真
当面の生活費も準備しておくと安心!

一人暮らしをするとき、生活費は月いくらぐらいかかるのか、具体的には分からないという人も多いのではないでしょうか。節約しつつ初期費用をしっかり準備したら、加えて当面の生活費も蓄えておくのがおすすめです。「さらにお金が必要なの?」と思われるかもしれませんが、一人暮らしが始まった後は、家賃・光熱費・光回線使用料などを含む生活費が、毎月かかるようになります。一人暮らしをしたときの毎月の主な支出※1をまとめたので、ご覧ください。

項目 平均支出額
食費 41443円
光熱・水道費 9032円
電気代 3997円
ガス代 3172円
交通・通信費 26129円

このような主な出費のほかにも生活用品の購入や交際費などの諸費用がかかります。最初のうちは出費のペースがつかみにくく、上手にやりくりできないかもしれません。全国の一人暮らしの人の月間平均支出は18万3724円と決して安くない金額ですので、新生活早々困ってしまうことのないように、数か月分くらいの生活費も準備しておくと安心です。

ハッピーな新生活のスタートは、備えあってこそ!初期費用のノウハウを把握して、十分に用意を整えておきましょう。

情報提供:不動産鑑定士 竹内 英二

株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、不動産キャリアパーソン、中小企業診断士。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングを行う。

HP:https://grow-profit.net/