マンション購入ガイド

2017.02.13 更新:2018.06.11

Question

住宅ローンの審査・手続きの流れとは?

モデルルームを見学して気に入った新築マンションを購入することに決めました。購入の際は住宅ローンを借りたいと思っていますが、住宅ローンの手続きの手順がよく分かりません。住宅ローン借入手続きの手順について教えてください。また、審査ではどのようなところを見られるのでしょうか。審査の基準についても教えてください。

Answer

住宅ローンの審査基準は、金融機関によって異なり、総合的な判断をされることになります。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 風呂内 亜矢

目次

住宅ローンとは?

いざ、住宅ローンを借りて新築マンションを購入しよう!と決意しても、住宅ローンは誰でも借りられるというわけではありません。新築マンションの購入となると、数千万単位の大きな金額を借りることになりますが、貸す側の気持ちになってみると、「こんな大金を貸しても、本当に返してくれるの?」「信用できる人なのかな?」ということが気になりますよね。

そこで必要になるのが「審査」です。
住宅ローンを借りるためには、事前に「この人に本当にお金を貸しても大丈夫なのか?」を審査するというステップがあるのです。今回は住宅ローンの審査・手続きについてご紹介します。

住宅ローンの手続きをする4つの手順

「この新築マンションを買おう!」ということが決まったら、住宅ローンの契約手続きをはじめます。
住宅ローンを借りるには大きく分けて、以下の4つの手順を踏むことになります。

1.借入先を選定する
2.事前審査を実施する
3.本申込・本審査を行う
4.住宅ローン契約

1. どこからお金を借りる?借入先の選定
まずはどこから住宅ローンを借りるのかを選びましょう。
住宅ローンを貸してくれるのは主に民間金融機関である銀行や、独立行政法人である住宅金融支援機構などで、それぞれ特徴があります。

もっと住宅ローンについての知識をつけたいという人は、銀行などが休日に開催している住宅ローン相談会に足を運んでみましょう。銀行の支店などで行われていることが多いので、近くの銀行を探してみるとよいでしょう。

銀行の住宅ローン相談会は、分譲マンションの販売センターで開催している場合もあります。営業担当者に相談してみるとよいですね。マンション販売会社の営業担当者は、住宅ローンに詳しいことが多いです。「マンション販売会社と提携のある金融機関をすすめられるのでは」と心配する人もいますが、提携があることで手続きがスムーズになり、消費者にとっての利点も多いので、気軽に相談してみるとよいかもしれません。

また、マンションの営業担当者であれば、複数の金融機関を知っているというメリットもあります。これがなぜメリットなのかというと、住宅ローンの審査の基準はそれぞれの金融機関や物件によって異なるからです。例えば、住宅ローンの融資にあたって、年収に対する返済総額を気にする金融機関もあれば、返済比率を重視する金融機関、勤め先の安定性や年齢などを重視する金融機関など、重きを置くポイントがそれぞれ異なります。

複数の金融機関を知っている営業担当者であれば、そうした傾向も知っているため、情報をもらえるというわけです。また、勤務先の総務部門が住宅ローンについての情報を持っている場合もあるので、勤務先で確認してみるのも手です。

2. あなたは住宅ローンを借りられそう?事前審査とは
住宅ローンを借りる場合、事前審査と本審査の2回の審査を行うことをご存じでしょうか?
金融機関が「住宅ローンを貸すことができるかどうか」を判断するには、本来はある程度まとまった期間(1週間など)が必要です。一方で、物件を購入する人にとっては住宅ローンを組めるかどうかが分からなければ、そもそも購入の検討自体が難しくなりますよね。

そうした不安を払拭するためにも、対象者が概ね住宅ローンを借りられそうかどうかの判断材料を得るために、短期間(2、3日など)の事前審査のステップが存在しているのです。

住宅ローンの審査や契約には、過去の源泉徴収票など多くの公的書類を揃えなければなりません。
具体的に、事前審査前に必要なものはこれらになります。

・源泉徴収票
・運転免許証などの身分証明書
・健康保険証など

こうした公的書類を集めるのにも意外と手間がかかりますので、時間に余裕を持って準備するようにしましょう。

3. ドキドキの住宅ローン審査!本申込・本審査とは
事前審査で承認がおりたら、マンションが完成する頃に本申込・本審査を行います。
書類は事前審査のときより多く、これらを提出することになります。

・源泉徴収票
・運転免許証などの身分証明書
・健康保険証
・住民票謄本
・印鑑証明書
・課税証明書など

ちなみに、ここで書類の準備漏れがあると時間がかかってしまいますので、必要書類はしっかり確認しましょう。

4. 晴れて審査通過!住宅ローン契約
本審査の承認がおりると、次は住宅ローンの契約となります。
住宅ローンの契約は「金銭消費貸借契約」、省略して「金消(きんしょう)契約」と呼ばれます。住宅ローンの利息を決める利率である借入金利は、この金消契約の数日後である融資実行時に決まります。事前審査や申し込みが金消のタイミングとずれる場合、適用金利は変わる可能性があることもあるので念頭に置いておきましょう。

審査にはどんな基準があるの?

住宅ローンには審査が必要とのことでしたが、この審査、一体どんなところを見られているのでしょうか?

国土交通省が行った「平成27年度民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、調査に回答した金融機関の95%以上が審査対象とするとした項目は以下の通りです。

・完済時年齢
・借入時年齢
・勤続年数
・年収
・健康状態
・担保評価

これらを見ると分かるように、現在の年収だけでなく、完済時の年齢など、将来の予測も含めて総合的に判断されているのですね。ただし、審査項目は金融機関や時期によっても比重の置かれ方が異なりますので、「絶対にここを見られる!」と一概にはいえません(平成26年度の同調査では返済負担率について96.6%審査項目に含めるという回答でしたが、平成27年度の結果では87.4%と割合を下げています)。

上記のような項目を見られるとのことですが、そこには具体的にどのような基準が定められているのでしょうか?平成27年度上位となった項目について、金融機関からの回答が最も多かった値は下記のようになっています。

・完済時年齢:80歳未満 ・借入時年齢:65歳未満 ・勤続年数 :1年以上 ・年収 :150万円以上 ・健康状態 :団体信用生命保険への加入が必要 ・担保評価 :融資判断に影響

上記のものは、住宅ローン審査を受けるために最低限満たす必要のある基準の目安となりそうです。

住宅ローン審査に必要な条件とは?何を見られる?

住宅ローンの審査を通過しないと、マンションを購入できない!そんな人にとっては住宅ローンの審査はとても不安ですよね。最善を尽くすためには、住宅ローンの審査条件を知ることからはじめましょう!

こんなことも審査に落ちる要因に!?

さて、このように苦労して色々な書類を準備しても、そもそも「審査落ち」しやすいような要因を見逃していては本末転倒ですよね。せっかくなら、なるべく不備のない状態で審査に臨みたいもの。ここではそうした、審査に出す前に気をつけるべき要素を説明します。

何回も審査に出す
住宅ローンが通るか不安で、いろんな金融機関に審査を出したくなる人もいるでしょう。何度も出すことがなぜ審査落ちにつながるのか、不思議に思う人もいるかもしれません。

実は、住宅ローン審査をした履歴は、信用情報に記録されます。そのため、何度も審査をしているのに物件購入に至っていない人の場合、何か問題があって物件を購入できていないのではないかと考えられてしまい、融資の判断が慎重になることがあります。

何でもとりあえず審査に出してみるのではなく、「審査が通ればぜひ購入したい」と思える物件に出会ったときに審査を行うようにする方がよいでしょう。

不安定な収入
特定の年で著しく収入が高くても、住宅ローンの審査では有利に働かないケースがあります。住宅ローン審査では複数年(3年など)の収入の動向を確認することになりますが、一般的には安定的に収入を得ていて、その収入が今後も続くことが見込めると有利です。こうしたことから、例えば稼ぎは多いが波のある自営業よりも、平均的な収入の会社員の方が住宅ローンを借りやすい傾向にあるのです。

クレジットカードの契約が多い
審査ではクレジットカードのキャッシング枠の分は既に借り入れをしているとみなされ、住宅ローンで借りることができる金額が減額される、などというような影響を受けることがあります。住宅ローンの審査を受ける予定がある人は、クレジットカードの枚数を確認し、必要のないカードについては解約しておくと安心でしょう。

マンション販売員が見た!住宅ローン審査が通らない理由とは?!

不安を解消するには実際に体験した人の意見を聞くのが一番!住宅ローンの審査が通らなかった原因について、その現場を目撃したマンション販売員に聞いてみました。

自分はどれくらいの額を借りられる?

ここまで、住宅ローン審査の基準や思わぬ落とし穴についてお話ししました。ここからは、一般的に一体どれくらいの額なら住宅ローンを借りることができるのかを解説します。
金額として分かりやすい目安だと、総借入額が年収の7~8倍、年間返済額が年収に対して25~40%程度であると借り入れしやすいそうです。

例えば年収500万円の人であれば、「3,500~4,000万円の借り入れを年間125~200万円のペースで返していく」内容であれば、住宅ローンを借りられる目安に入るということになります。 自分はいくらなら借りられそうか、計算してみてください。

返済計画をシミュレーションしてみよう!
大体の借入額を算出できたら、次は返済計画を立ててみましょう。一般的な住宅ローンでは、最長35年間の借り入れを行うことができます。実際に自分が借り入れを行う際は、35年だけでなく、34年や33年だと月々の返済額はどうなるのか、確認してみてください。月々の返済に無理が生じず、数年でも短い借り入れでローンが組めるようであれば、総返済額を少なくすることもできます。

こうした返済計画の算出には、住宅ローンシミュレーションを使うことがおすすめです。シミュレーションは、担当営業に依頼する方法もありますが、インターネット上には住宅ローンシミュレーションサイトがたくさんあります。自分が納得いくまでいくつもの試算を行い、一番ぴったりくる返済年数を探し出せれば、安心して返済を行うことができますよ。

住宅ローンシミュレーション

住宅ローンの借り入れ、返済には計画が大切。納得いくまでシミュレーションを試してみてくださいね。

不安な場合は信用情報の確認をする
「ここまで備えても不安」という人には、信用情報を事前に確認しておくことをおすすめします。住宅ローン審査では、自分がどんな借り入れをしているのか、正しく説明できることも大切です。自分でも把握していない借り入れなどが出てくると、無頓着に借金をする人だと思われ、不利になることもあります。信用情報センターでは、自分の借り入れの状況を、審査をする金融機関同様に照会することができますので、ぜひ活用してみてください。

確認場所 返済状況等の情報管理期間
CIC
割賦販売法・賃金業法指定信用情報機関
5年
JICC
株式会社 日本信用情報機構
5年
JBA
一般社団法人 全国銀行協会
全国銀行個人信用情報センター
5年
無理のない返済をしよう

さて、ここまで、自分がどのくらいの借り入れができるか、事前の備えについてお話ししてきました。ただし「これだけ備えたから借り入れできる!」と早まってはいけません。

住宅ローンを返済しながらの生活は想像できていますか?いくら素敵な新築マンションを購入できたからといって、毎月の返済が家計の負担になり、生活が苦しくなってしまっては、理想的な暮らしとはいいにくいですよね。

大切なのは、住宅ローンが購入後の生活に大きな負担となりすぎないよう計画すること。
新築マンションを購入すると、ローン以外の住宅費用も必要になります。固定資産税、管理費・修繕積立金などがかかるので、これらを含めて月々の支払いを想定しておきましょう。その際、現在の賃料と比べてどれくらいか、といった目安を参考にしながら考えると生活設計が立てやすくなります。 また、将来家族が増える予定は?子どもの成長とともにかかるお金は? といった未来の予定もある程度想定しておくとよいですね。

物件購入には、物件自体の価格だけでなく、住宅ローンの手数料や物件に権利を登記するための費用、火災保険料、さらにマンションの場合には修繕積立基金などの諸費用が必要になります。新築物件などを不動産会社から購入する場合は物件価格の3~5%程度、中古物件などを不動産会社が仲介して個人から購入する場合は6~8%程度の諸費用がかかることも押さえておきましょう。

新築マンション購入はこれからの将来を考えるきっかけにもなります。無理のない住宅ローン利用を心がけて、安心の新生活をはじめましょう!

出典:「国土交通省 平成27年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」
http://www.mlit.go.jp/common/001122119.pdf(最終確認:2017年1月23日)

情報提供:ファイナンシャルプランナー 風呂内 亜矢

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、CFP®認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。自身のマンション購入をきっかけにお金の勉強を始める。様々なメディアでお金に関する情報を分かりやすく発信中。