マンション購入ガイド

2017.06.14

Question

マンション購入後にかかる固定資産税とは?

家族が増えることになったので、数年後にはマンションを購入したいと考えています。マンションを購入すると固定資産税というものがかかってくるそうですが、固定資産税とはどのような税なのでしょうか?

Answer

固定資産税とは、毎年1月1日現在、土地や家屋を所有している人に対してかかる税金です。軽減措置もあるので、条件をチェックしてみましょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

住宅購入後のお金は住宅ローン返済だけではない

住宅購入に諸費用がかかることは、以下の記事「分譲マンション購入や住宅ローン借入にかかる諸費用とは?」でも紹介されていますが、今回は、住宅を所有している人全員にかかる固定資産税について整理しておきましょう。

固定資産税は、国ではなく市区町村から請求される税金です。
住宅購入後、住宅ローンを完済したとしても、住宅を所有している限り毎年この税金の支払は発生します。もし途中で滞納してそのまま放置してしまうと、差し押さえられてしまうこともあるので注意が必要です。

以下、その意図や概要、軽減措置があるのかどうかチェックして、購入後も慌てないようにしておきましょう。

固定資産税とは?

住宅を取得すると、固定資産税と都市計画税という税金がかかりはじめます。この2つは同時に支払うので、まとめて「固定資産税」と言われることもあります。

これらの税金は、そもそも、市区町村が誰に対してどういう名目で徴収する税金なのでしょうか?

<誰に対して?>
毎年1月1日現在、土地や家屋等(「固定資産」といいます)を所有している人

<固定資産税とは?>
固定資産(土地、家屋など)を所有することで、市区町村が提供する公共的なサービスを受ける関係性が高まることに着目し、その資産価値に応じて課税する税金

<都市計画税とは?>
都市計画事業または土地区画整理事業に要する費用に充てるための税金 (すでに市街地を形成しているか、概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域である「市街化区域内」にある場合が対象)。 なお、「1月1日現在」の所有者に対して請求されるので、1月2日以降に住宅を購入した場合は、売主との間で、日割り計算して固定資産税・都市計画税を清算するのが慣例になっています。

全市区町村で、税収の42%が固定資産税、6%が都市計画税で賄われている(平成25年度決算額、総務省発表)ことから、各自治体にとっても重要な税金だということがわかりますね。

固定資産税の計算方法とは?

固定資産税や都市計画税の税額は、市区町村が「土地」と「建物」について「課税標準額」という税金計算の対象となる額を決め、それに一定の税率をかけて計算されます。

[固定資産税(土地・家屋)の計算式]

固定資産税=課税標準額×税率1.4%(標準)

※税率は市区町村によって異なるが、標準税率1.4%が採用されているところが多い

[都市計画税(土地・家屋)の計算式]

都市計画税=課税標準額×税率0.3%(上限)

※税率0.3%は上限額で、市区町村により異なる

各市町村が定めた評価額が元になる
ここで言う「課税標準額」は購入価格ではありません。購入価格で計算してしまうとかなり大きな金額で、ビックリされる方もいることでしょう。 しかし、実際は「固定資産税評価額」として総務大臣が定める固定資産評価基準に基づき、各市区町村が決定する評価額を指します。

その目安は、
・土地…地価公示価格の7割程度
・家屋…建築費の5割~7割程度
と言われています。

なお、マンションの場合、自分の住宅としての専有部分の他、マンション内の他の住人も共同で使う敷地(共用土地)がありますよね。専有部分については家屋としての固定資産税が計算されますが、共用土地については、敷地全体に対する専有部分の割合に応じて計算されます。

固定資産税の軽減措置とは?

自分で住むための住宅の場合、住宅用土地については固定資産税と都市計画税が軽くなり、新築建物については固定資産税が軽くなるという特例があります。

さらに新築マンションの場合、条件を満たせば家屋に対する固定資産税が5年間(長期優良住宅は7年間)は半額となるので、条件を満たすかどうかは、重要なチェック項目です。

[住宅用地の特例措置]

固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地
(200㎡以下の部分)
課税標準額を1/6に軽減 課税標準額を1/3に軽減
一般住宅用地(上記以外) 課税標準額を1/3に軽減 課税標準額を2/3に軽減

(注)建物の床面積の10倍が限度
(注)マンションの場合、敷地全体の面積を居住用住戸の戸数で除した面積で判定

[住宅用の新築建物の固定資産税の特例措置:平成30年3月31日までに新築された場合]

新築建物の条件 固定資産税の軽減内容
次の2つをいずれも満たすこと
・居住部分の床面積の割合が1/2以上
・居住部分の床面積が一戸につき㎡以上280㎡以下
・3階建以上の耐火構造・準耐火構造住宅 (マンション等)は、新築後 5年間、税額が1/2に
・一般の住宅(上記以外)は、新築後3年間、税額が1/2に
認定長期優良住宅の場合
(劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性、居住環境、住戸面積、維持保全計画の項目がある)
・新築から5年間、税額が1/2に
・マンション等は7年間、税額が1/2に減額
(注)減額を受けるには新築した年の翌年(1月1日新築の場合はその年)の1月31日までに申告が必要

固定資産税は軽減でいくらくらい変わるの?

新築マンションを購入した場合、条件を満たすと前述のように固定資産税の負担が軽くなります。 その軽減をより多く受けられる時期とそれ以降ではどのくらい税額が変わるのでしょうか?

ここでは、ざっくりとシンプルな数字で試算してみました。

新築マンション(仮定)
・土地(200㎡以下)の課税標準額1000万円、家屋の課税標準額1000万円
・当初5年間の軽減の特例措置の条件を満たす
・市区町村により税率は、固定資産税1.4%、都市計画税0.3%とした場合

購入後5年間(太字は軽減割合) 6年目以降(太字は軽減割合)
固定資産税・土地 課税標準額1000万円×1/6×1.4%
=2.33万円
課税標準額1000万円×1/6×1.4%
=2.33万円
固定資産税・家屋 課税標準額1000万円×1.4%×1/2
=7万円
課税標準額1000万円×1.4%
=14万円
都市計画税・土地 課税標準額1000万円×1/3×0.3%
=1万円
課税標準額1000万円×1/3×0.3%
=1万円
都市計画税・家屋 課税標準額1000万円×0.3%
=3万円
課税標準額1000万円×0.3%
=3万円
年間合計 13.33万円 20.33万円

数万円単位で負担が減る
新築マンションの場合は、購入後の5年間(長期優良住宅の場合7年間)は、家屋の固定資産税が半額になるので、数万円単位で税額が変わるのがわかりますね。

実際には、軽減措置がなくなると、負担感が増えるかもしれません。

しかし、家屋については、年数が経つと年々評価額が下がっていくので、6年目(長期優良住宅の場合8年目)以降は負担が膨らむことを心配する必要はないでしょう。

固定資産税の納付用資金として毎月1万~2万円の確保を
購入してから毎年続く固定資産税で慌てることのないよう、まずは年間の目安額を営業担当者に聞いてみてください。詳細がわからない場合も、目安として約月1万~2万円を固定資産税納付資金として毎年積み立てて準備しておくと、購入後も安心でしょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP®認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。