マンション購入ガイド

2017.06.14 更新:2018.05.30

Question

マンション購入後にかかる固定資産税とは?

家族が増えることになったので、数年後にはマンションを購入したいと考えています。マンションを購入すると固定資産税という税金がかかってくるそうですが、固定資産税とはどのような税なのでしょうか?

Answer

固定資産税とは、毎年1月1日現在、土地や家屋を所有している人に対してかかる税金です。軽減措置もあるので、条件をチェックしてみましょう。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

固定資産税とは?

住宅購入に諸費用がかかることは、以下の記事「分譲マンション購入や住宅ローン借入にかかる諸費用とは?」でも紹介されていますが、今回は、住宅を所有している人全員にかかる固定資産税について整理しておきましょう。

住宅を取得すると、固定資産税や居住区域によって都市計画税という税金がかかりはじめます。この2つは同時に支払うので、まとめて「固定資産税」といわれることもあります。

●固定資産税とは?
固定資産(土地、家屋など)を所有することで、市区町村が提供する公共的なサービスを受ける関係性が高まることに着目し、その資産価値に応じて課税する税金です。
住宅購入後、住宅ローンを完済したとしても、住宅を所有している限り毎年この税金の支払いは発生するため、もし途中で滞納してそのまま放置してしまうと、差し押さえられてしまうこともあります。

●都市計画税とは?
都市計画事業または土地区画整理事業に要する費用に充てるための税金 (すでに市街地を形成しているか、概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域である「市街化区域内」にある場合が対象)。 なお、「1月1日現在」の所有者に対して請求されるので、1月2日以降に住宅を購入した場合は、売主との間で、日割り計算して固定資産税・都市計画税を清算するのが慣例になっています。

全市区町村で、税収の42%が固定資産税、6%が都市計画税で賄われている(平成25年度決算額、総務省発表)ことから、各自治体にとっても重要な税金だということがわかりますね。

これらの税金は、そもそも誰が誰に対してどういう名目で徴収する税金なのでしょうか?
固定資産税は、国ではなく市区町村から請求される税金です。毎年1月1日の時点で土地や家屋等を所有している人が、納付先となる市町村(東京23区は東京都)が算出して通知する税額に従って毎年4月以降に納税します。

固定資産税の計算方法とは?

住居の形や大きさはさまざまですが、この税額はどのように決められるのでしょうか?固定資産税や都市計画税の税額は、市区町村が「土地」と「建物」について「課税標準額」という税金計算の対象となる額を決め、それに一定の税率をかけて計算されます。

●固定資産税(土地・家屋)の計算式
課税標準額×税率1.4%(標準)
※税率は市区町村によって異なるが、標準税率1.4%が採用されているところが多い

●都市計画税(土地・家屋)の計算式
課税標準額×税率0.3%(上限)

※税率0.3%は上限額で、市区町村により異なる

各市町村が定めた評価額が元になる
ここでいう「課税標準額」は購入価格ではありません。購入価格で計算してしまうとかなり大きな金額となり、ビックリされる方もいることでしょう。 しかし、実際は「固定資産税評価額」として総務大臣が定める固定資産評価基準に基づき、各市区町村が決定する評価額を指します。

その目安は以下の通りです。

・土地…地価公示価格の7割程度
・家屋…建築費の5割~7割程度

なお、マンションの場合、自分の住宅としての専有部分の他、マンション内の他の住人も共同で使う敷地(共用土地)がありますよね。専有部分については家屋としての固定資産税が計算されますが、共用土地については、敷地全体に対する専有部分の割合に応じて計算されます。

固定資産税の軽減措置とは?

さて、この固定資産税には税額が軽減される特例があることをご存知でしょうか?自分で住むための住宅の場合、住宅用土地については固定資産税と都市計画税が軽くなり、新築建物については固定資産税が軽くなるという特例があります。

さらに新築マンションの場合、条件を満たせば家屋に対する固定資産税が5年間(長期優良住宅は7年間)は半額となるので、条件を満たすかどうかは、重要なチェック項目となります。

●住宅用地の特例措置

新築建物の条件 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地部分(200㎡以下の部分) 課税標準額を1/6に軽減 課税標準額を1/3に軽減
一般住宅用地 (上記以外) 課税標準額を1/3に軽減 課税標準額を2/3に軽減

●住宅用の新築建物の固定資産税の特例措置:平成32年3月31日までに新築された場合

新築建物の条件 固定資産税の軽減内容
次の2つをいずれも満たすこと
・居住部分の床面積の割合が1/2以上
・居住部分の床面積が一戸につき㎡以上280㎡以下
・3階建以上の耐火構造・準耐火構造住宅 (マンション等)は、新築後 5年間、税額が1/2に
・一般の住宅(上記以外)は、新築後3年間、税額が1/2に
認定長期優良住宅の場合
(劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性、居住環境、住戸面積、維持保全計画の項目がある)
・新築から5年間、税額が1/2に
・マンション等は7年間、税額が1/2に減額
(注)減額を受けるには新築した年の翌年(1月1日新築の場合はその年)の1月31日までに申告が必要
固定資産税の支払い時期や徴収方法とは?

ここまで固定資産税の成り立ちについてお話ししてきましたが、続いて実際にはどのようにして徴収されるのか、その時期や方法についてご説明しましょう。

固定資産税の通知と納税のタイミングとは?
固定資産税の納付書は、毎年1月1日時点の土地や家屋等の固定資産の所有者に対して、4~6月頃に各自治体から送られてきて、4月からはじまる1年(年度)分を徴収する仕組みです。

年の途中で土地や家屋等を購入する場合、その年は税金を支払う必要がなく、翌年の1月1日の所有者として納付をします。反対に年の途中で物件等を売却する場合は、1月1日時点で所有していた者が納付することとなります。

●1月2日以降にマンションを購入した場合

なお、新築マンションの場合、不動産会社から購入することが多いと思いますが、その場合、購入年の分は日割り計算になることが一般的。不動産取引の慣例として契約条項に盛り込まれていることが多いので、必ず規約を確認するようにしましょう。

また、固定資産が共有名義の場合は、持ち分の多い人や登記で先に名前が来る人を代表者として、まとめて納付書が送られてきます。固定資産税は、物件等を所有している限り納付が続きますので、共有している当事者同士で、どのように負担するかをあらかじめ相談しておくことをおすすめします。

支払い方法は選択が可能
支払い方法は1年分を4回に分割する方法と、一括納付(全期前納)する方法のいずれかを選択することができます。分割の場合は、各市町村によって第1期~第4期の納期スケジュールが少しずつ違うので、必ず概要を確認するようにしましょう。なお、以前は一括納付で割引があるところもありましたが、最近は割引廃止の傾向にあり、単純に4回の合計が一括納付額になっているところが多いようです。また一括納付の場合は、分割納付時の第1期期限を過ぎてしまうと延滞金が発生する場合があります。そのため、毎年第1期に全額払えることのできる場合に、この一括納付の方法を選択するようにしましょう。

固定資産税における注意点とは?

一括払いも分割納付もできる固定資産税。しかし、単なる納税期限だけでなく、ほかにもさまざまな注意点があります。新しいタイプの疑問、従来からの問題、それぞれ順に説明していきましょう。

タワーマンション高層階は税額が上がる
タワーマンションは、低層階に比べて高層階の住戸の分譲価格が高くなります。しかし従来の計算式では、各区分所有者の専有床面積が同じなら固定資産税額も同じという仕組みとなっており、その点に多くの疑問が寄せられていました。そこで、マンションの高さが60m(およそ20階相当)を超え、複数階に住戸があるタワーマンションを「居住用超高層建築物」と定義し、平成29年4月1日以降に契約の物件から、固定資産税の算定方法に補正が加わることになりました。
これによって、固定資産税も高層階の方が多少高めになるように変更されています。

相続税の有無に関わらず、固定資産の相続人を決めておく

通常、所有者が亡くなると相続が行われますが、もしそれらの手続きをせずに放置していたらどうなるでしょうか?仮に相続税がかからない場合でも、固定資産税は毎年課税されていくことになっています。そのため、相続による固定資産の登記の変更がされなくても、自治体は戸籍をたどって固定資産税の課税対象者を探します。そして、相続人の代表者を決めて固定資産税の請求をされることがあるのです。

これは死亡者名義の固定資産税ということで「死亡者を名宛人とする課税」と呼ばれますが、滞納していれば、その分がどんどん蓄積されて、子孫代々まで影響を及ぼしかねません。土地や家屋は大切な財産です。それをどのように引き継ぐのか、納税も含めてしっかりと考えておきたいですね。

情報提供:ファイナンシャルプランナー 吹田 朝子

一般社団法人 円流塾 代表理事。ファイナンシャルプランナー(CFP®認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。1人1人の価値観を尊重しながら、暮らしを豊かにするお金との付き合い方を指南。テレビや新聞などのメディアや著書でも活躍中。