マンション購入ガイド

2017.06.28 更新:18.08.24

Question

賃貸の更新料とは?更新の手続きや更新料の相場とは

現在、賃貸マンションに住んでいるのですが、住み始めてから2年が経とうとしています。初めてのひとり暮らしで知らなかったのですが、賃貸契約の更新料の支払いがあることを知りました。この更新料とは、いつまでにいくら支払う必要があるのでしょうか?賃貸の更新料について教えてください。

Answer

賃貸物件では、契約更新の費用として首都圏など更新料が必要な地域があります。契約更新時には更新料の他にもさまざまな費用がかかる場合も多く、思わぬ負担となることも。管理会社に問い合わせるなど、事前の確認をしておきましょう。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

そもそも賃貸の更新料って何?

首都圏などでマンションやアパートなどを借りたことがある人なら、一度は耳にしたことのある「賃貸の更新料」。賃貸に住むうえで知っておきたい更新料の意味や仕組みって改めて考えてみると意外とよくわからないのではないでしょうか。

更新料とは、賃貸物件の契約を更新するために必要な費用
一般的には賃貸住宅を管理している管理会社(不動産会社であること多いですね。)が間に入り、入居者と大家さんとの賃貸契約の更新手続きを行います。この更新にかかる費用が、賃貸の更新料です。

管理会社は賃貸管理会社と呼ばれることもあります。また、契約書などでは、入居者を借主、または賃借人、大家さん(オーナー)を貸主、または賃貸人と呼ぶこともありますが、基本的に意味は変わりません。入居者(賃借人)は貸主(多くは大家さん)に対して、賃貸の更新料を支払います。サブリースや借り上げと呼ばれる転貸借契約の場合には、貸主は大家さんではなく、大家さんから物件を借りて、それを入居者に又貸し(転貸)している事業会社になります。

さて、話を更新料に戻しましょう。実は賃貸物件における更新料には、法律的な決まりがありません。賃貸更新料の支払いは昔から地域によって慣習となっていたものが始まりなので、地域によってはそもそも更新料というものがありません。全国的には、更新料がない地域の方が多いのです。ただ、首都圏に関して言えば、慣習的に多くの賃貸物件で更新料が発生します。

更新料の支払うタイミングは?
賃貸物件の更新料を支払うタイミングは、賃貸借契約によって決まっているので、物件ごとにさまざまですが、首都圏では賃貸住宅の契約期間が2年というケースが多いので、更新料を支払うタイミングもその契約期間に合わせて多くの場合は2年ごとに支払うことが多いようです。契約期間満了の日が近づくと、管理会社から郵送などで、更新の案内が届きます。その案内の中に更新契約書などと一緒に更新料についても案内が書かれています。

このように更新料の支払いは、契約期間に従うので、契約期間が違えば、更新料の支払い回数にも差がでてきます。例えば、同じ賃貸住宅に6年住むとしましょう、仮に2年契約であれば、更新料の支払いは3回、3年契約なら更新料の支払いは2回となります。もし、同じ賃貸住宅に長く住むつもりなら、契約期間が長い方が更新料の支払いは少なくなります。

更新料については、「賃貸借契約」が重要になります。賃貸住宅を借りる際に、締結した契約書です。学生の方や初めてのひとり暮らしの方のなかには、契約内容をよく理解せずに捺印をした人もいるかもしれませんが、この賃貸借契約の中に、更新料金・更新のタイミングなどについて、しっかりと明記されています。

賃貸住宅を借りる際、つい毎月の家賃や、敷金、礼金など目先のことばかりが気になってしまいがちですが、この更新料や契約期間についても忘れずに確認しましょう。

賃貸の更新料の相場は、家賃の1か月分
では、更新料定めがある契約では、契約期間が満了するごとにやってくる更新料の支払い、いくらぐらい支払えばいいのでしょうか。こちらも契約(物件)ごとに異なりますが、一般的には「賃料(管理費などを除いた賃料のみ)の1ヶ月分」というところが相場のようです。地域や物件によっては家賃の1.5か月分、2か月分の金額を設定しているところもあります。

ただし、更新時の費用については注意が必要です。
更新のタイミングで支払うのは、更新料だけでなく、更新事務手数料や火災保険料などの費用も発生してきます。

賃貸住宅の更新時に必要なその他の費用とは?

それでは、賃貸住宅の更新時には、更新料以外にどんな費用が発生するのかをみてみましょう。

火災保険料
賃貸住宅に入居する際に、ほとんどの入居者が火災保険に加入しますが、その保険料も契約期間満了に合わせて、次の契約期間分の保険料の支払いが発生します。加入する火災保険は一般的には賃貸入居者用の火災保険になり、万一火災などが発生した場合に、入居者自身の家財に対する補償の他、原状回復(火災の前の状態戻す)費用などが保険でカバーされます。

[ 火災保険料の相場 ]
火災保険料は保険会社や補償内容によって異なりますが、例えば、2年間の補償で15,000円~3万円以内が一般的です。補償内容(オプション等)や保険金額によって保険料は異なってきますので、面積が広い大きな賃貸住宅や高級な賃貸住宅では高くなりこともあります。

保証会社の保証料
賃貸住宅に入居する際、連帯保証人の代わりに保証会社を利用した場合、保証会社の保証料も更新時に更新料が必要になります。

[ 保証会社の保証料の相場 ]
利用する保証会社によって契約期間も費用も異なりますが、その更新料はおおよそ賃料の30%~70%が多く、賃料の1ヶ月分と設定しているところもあります。よくわからない場合は、更新前に賃貸住宅を管理会社か、直接保証会社に聞いておきましょう。

更新事務手数料
更新事務手数料とは、管理会社が更新手続きにかかる費用として入居者に請求するものです。
大家さんが受け取った更新料から管理会社に手続きの費用が支払われない場合に、管理会社がその費用として入居者に請求してくるものが、この更新事務手数料です。そのため、物件によって必要な場合と不要な場合があります。

入居者側からすると、費用ばかり請求されてあまりいい気分はしませんが、人が動いていることなので、ある意味仕方がない費用かもしれません。

賃貸更新料、払わないとどうなるの?

賃貸の更新料には、前述しましたが、法的な決まりはありません。賃貸契約の更新料は昔から慣習としてあった地域では、貸主(多くは大家さん)に対して、契約を更新してもらうお礼という意味合いがありました。ただし、賃貸住宅が増え、そうしたお礼的な意味も薄れ、更新料を支払う必要はなのでは、と考える方も増えています。

では、意味がないようなので、更新料は払わなくていいのでしょうか。更新料のある地域では、賃貸借契約書に更新料に関して明記してあり、説明されて、契約を結んでいる時点で、支払いの義務が発生します。
逆に、賃貸借契約書に更新料の記載がなければ、更新料を支払う義務はありません。とはいうものの、首都圏ではまだ多くの物件で更新料が条件となっているので、更新料のない物件を探すのはかなり難しいでしょう。

次に、賃貸更新料の支払いを怠った場合にどうなるかをご紹介しましょう。

最悪の場合は、契約の解除を迫られることも
平成23年、7月15日。賃貸借契約の更新料をめぐる大阪高等裁判所判決の3つの上告に対する最高裁判決がありました。この判決の際、最高裁は更新料について以下のような判断を下しています。

更新料特約(更新料は追加の約束なので特約となります。)は、入居者にとって加重(経済的負担)になるものの、物件を円満に継続使用するため役立っていると思われ、その性格は家賃の補充や更新のための対価とみていいのではないか、としたうえで、消費者契約法との関係について、「更新料条項は、更新料の額が、賃料の額、賃貸借契約が更新される期間に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条にいう民法1条2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものには当たらないと解するのが相当である。」としました。

つまり、賃貸契約書に事前に明記され、説明されていた場合、その更新料が家賃の額や契約期間等と比べて妥当なものであれば、契約を締結した以上更新料の支払い義務があるというわけです。

契約書に記載があるのに更新料を支払わずにいると、契約違反を理由に最悪の場合は大家さんからの立ち退きを迫られることがあります。訴訟にまで発展して、大家さんや管理会社との関係をこじらせてしまい、仮に訴訟に勝ったとしても(難しいですが。)その家に住み辛くなってしまうのは嫌ですよね。
従って、賃貸借契約に記載がある場合、更新料の支払いは、気乗りしない支払いではありますが、基本的には義務があると覚えておきましょう。

更新料の支払いに困ったときは、諦めずに相談・交渉しよう
賃貸契約の更新時に、どうしてもお金が足りない。そういうときは、親や知人に相談するほか、管理会社や大家さんに相談し、更新料などについて交渉するという方法もあります。

場合によっては支払い期日を引き延ばしてもらったり、更新料や更新事務手数料を安くしてもらえることも。最近は賃貸住宅の空家も増えており、長く入居してもらいたいと考える大家さんも多くなっています。もし、交渉がうまくいかなくても、相談をするだけなら損はないので、掛け合ってみるといいでしょう。

費用で比較!賃貸更新と引っ越し ~賃貸更新の場合~

賃貸の更新時にかかる費用は、前述しましたが、賃貸更新料のほかにも様々なものがあります。ここでは賃貸の更新時にかかる費用、引っ越しにかかる費用をそれぞれ少し具体的にご紹介していきます。

賃貸更新にかかる費用をまとめてみよう
賃貸の契約を更新するときには、賃貸の更新料の支払いのほかにも、以下の費用が一緒にかかります。

[ 1 ] 賃貸更新料
[ 2 ] 更新事務手数料(賃料の約50%が相場)
[ 3 ] 火災保険料の保険料
[ 4 ] 保証会社の保証料(賃料の約30~100%)

では、実際にかかる費用を具体的に算出した場合、いくらになるのでしょうか。
例えば、家賃が8万円で、管理費(共益費ともいいます。)が1万円の賃貸に暮らしている場合、更新にかかる費用は以下のようになります。

[ 家賃8万円、管理費1万円の場合 ]
賃貸更新料(家賃1か月分:8万円)+更新事務手数料(仮に家賃の50%:4万円)+火災保険料(2年間の一般的なもの:約2万円)+保証会社を利用している場合の保証料(仮に「家賃の50%:4万円)
→ 更新料18万円

毎月の家賃の支払いに比べて、更新時期はだいたい2倍の負担がかかることになりそうですね。

費用で比較!賃貸更新と引っ越し ~引っ越しの場合~

賃貸更新にかかる費用をご紹介してきました。
続いて新しい賃貸住宅に引っ越した場合にかかる費用をご紹介します。

引っ越しにかかる費用をまとめてみよう
引っ越しから新居(賃貸住宅の場合)の入居までの間でかかる一連の費用は、以下の通りです。

[ 1 ] 入居時の敷金(新居の家賃の1カ月分が相場)
[ 2 ] 入居時の礼金(新居の家賃の1か月分が相場)
[ 3 ] 入居時の前払い家賃と管理費等
[ 4 ] 仲介手数料(最大で新居の賃料1か月分)
[ 5 ] 火災保険などの保険料
[ 6 ] 保証料(連帯保証人ではなく、保険会社を利用する場合)
[ 7 ] 引っ越しの費用(※)

※引っ越し費用は、利用する業者、移動距離、荷物の量、時期等で大きく変動します。

賃貸更新にかかる費用の時と同様、新しい賃貸住宅に引っ越した場合、実際にかかる費用はいくらぐらいになるのか、具体例をもとに算出してみましょう。家賃8万円、管理費1万円の賃貸住宅への引っ越しにかかる最大の費用は以下のようになります。

[ 家賃8万円、管理費1万円の賃貸住宅の場合 ]
入居時の敷金(8万円)+入居時の礼金(8万円)+入居時の前払い家賃と管理費(8万円+1万円)+仲介手数料(家賃の1か月分+税:8.64万円)+火災保険料(2年間でおおよそ2万円)+保証会社を利用する場合の保証料(家賃の50%:4万円)+引っ越し業者費用(仮に近距離の単身パック:4万円)
=約44万円

さて、一見すると引っ越しのほうが賃貸更新よりもはるかに高く見えますね。ただし、賃貸物件によっては敷金・礼金がない場合もあり、上の例をもとにすれば約28万円で済むことも。さらに引っ越し業者が必要なく、自分で荷物の移動ができる場合はさらに費用を抑えることができます。それでも約24万円になるので、やはり引っ越しの方が高くつきますね。

ただ、新居の家賃等の条件や引っ越し時期によっても費用は変わっていきますので、賃貸契約の更新と引っ越しでそれほど差が出ないこともあります。それぞれにかかる費用や具体的な金額を事前に算出しておくことで、賃貸の更新時期が近づいても、慌てずに対応することができます。

退去する場合の手続きは? 何をすればいいの?

他にいい賃貸が見つかった、新しく住宅を購入することにした、実家に帰ることになったなど人によって賃貸を退去する理由は様々ですよね。

でも実際に退去するには、どういった手続きを取ればいいのでしょうか?ここでは、実際に賃貸を退去する際の手順・注意点をご紹介していきます。

退去期日を確認しよう
退去しようと決めたらまずは、賃貸借契約書の確認から。契約書では、退去を告知する解約予告の時期をいつまでにすべきなのかを確かめます。このように賃貸借契約書は、退去するときまで大切に保管しておく必要があることがわかりますね。

では、例えば、貸主(大家さん以外の時もあります。)への解約予告が1ヵ月前と記載されていれば、退去(部屋を明け渡す)の1ヵ月前までに貸主に連絡をする必要があります。予告が遅れると、その分家賃を余計に支払うことになりますので、解約予告の時期はしっかりと確認しておきましょう。

貸主または不動産会社に連絡しよう
退去の時期がわかったら、予告期間までに貸主、もしくは物件の管理会社に連絡をしましょう。
退去に際しては、退去届という書面による通知が必要な場合もあれば、電話連絡のみで受け付けてくれる場合もあります。特に書面で通知する必要がある場合は、書面が届いた日が届出日になりますので、注意が必要です。いずれにしても、まずは貸主か、管理会社に電話で連絡し、退去に必要な手続きを確認しましょう。
この退去届をすると、家主または管理会社の方とお部屋の退去立会いの日程を調整します。退去立会いとは、お部屋の状態(傷や汚れなどの状態)を現地で確認する機会のことです。

水道・ガス・電気など、生活回りの退去手続きも忘れずに
貸主または管理会社へ退去の通知をしても、安心しないように。水道やガス、電気、ネット回線、固定電話などの各事業会社に電話やインターネットで連絡、移転の手続きが必要です。
現在は、ほとんどの事業会社はインターネットで移転の手続きができますが、ガスはオートロックなど立ち入りが制限された物件の場合、入居者か代理人の方の立ち合いが必要な場合がありますので、注意が必要です。

引っ越し前日・当日までにやるべきことも
引っ越しにあたっては、住民票の異動も重要です。住んでいる役所への転出届の提出し、引っ越し先の役所へ転入届の提出もする必要があるので忘れずに。特に転入届は、新しく住み始めてから2週間以内に役所への提出が必要です。引っ越ししてすぐは慌ただしくなるもの。引っ越しの前から予定を立てて手続きを済ませましょう。

また、退去当日またはその前に前述した退去立会いを行います。その日は貸主または管理会社の担当立ち合いのもとで部屋の確認と鍵の返却を行います。お部屋の確認時は、自分が傷つけたり、汚したところがあれば報告し、入居時点で汚損があった場所があればそれも確認してもらうことが大切です。自分が傷つけたり、汚したりしていない場所の修繕費をあとで請求されないためにも、退去立会いは特に大切なものといえます。
退去立会い時にはお部屋を空にしておかなければなりませんので、引っ越し後に退去立会いを行うのが一般的です。この予定も念頭に置いて引っ越しの予定を組む必要があります。
退去立会いが完了したら、最後に鍵を返します。もし、鍵をなくしてしまっていた場合には、鍵交換の費用も発生しますので、あらかじめ受け取った鍵の本数と持っている鍵の本数も確認しておきましょう。
なお、敷金を預けていた場合、一般的には退去立会いで確認した修繕箇所の費用が差し引かれて、後日、指定の口座に返金されます。

自分の生活や経済状況によって、ライフスタイルは日々変化していきます。賃貸の更新は、そんな自分の状態を見直す一つの機会と言えるかもしれません。賃貸契約を更新する場合は、事前にかかる費用をしっかり把握しておくこと。新しい住居へ引っ越しをする場合は、かかる手続きの期間や費用を確認しておきましょう。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。