収納ガイド
共働きでも、休日のまとめ家事で疲れない!片付けやすく分担しやすい収納術
うちは共働きなので、仕事のある平日は家事を後回しにしがち。そのせいで、休日はいつもまとめ家事で終わってしまうのが悩みです。家事をラクにして、休日をゆったり過ごす方法はないでしょうか?

家事の負担を減らすには、普段から家の中を片付けやすくしておくこと。同時に、家族みんなが家事を分担しやすくなる仕組み作りにも取り組みましょう。
情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子
休日が家事で終わってしまうのはなぜ?
「休むための休日なのに、いつも家事に追われて休めない…」というお悩み。
特に共働きの家庭の場合、「仕事のある平日は最低限の家事しかできない」「仕事の後は疲れ切ってやる気が出ない」という事情から、どうしても休日にまとめて家事をすることになってしまいやすいようです。
さらに、「夫が手伝ってくれない」「子どもがいるとはかどらない」という問題も加わると、家事の負担はますます大きくなるばかり。
ですが、収納術を応用すれば、面倒な家事がグッとラクになるのです。
片付けやすい仕組みを作る
料理をすれば洗い物、服を着れば洗濯物が出ます。こうして一度出したモノは、片付けないと散らかって家事が増え続ける一方。
だからこそ、普段から家の中を片付けやすい状態に整えておくことは、とても大切です。モノの量自体を見直し、出したら元に戻しやすい収納の仕組みを作りましょう。平日の片付けがラクになれば、自動的に休日の家事負担も軽くなります。
家族で分担しやすい仕組みを作る
共働きでも、夫や子どもと家事を分担できれば、負担はかなり軽くなるはず。家事をリスト化して明確に担当を振り分けると同時に、誰にでもわかりやすく手伝いやすい仕組みも作ると、より効果的です。
たとえば、「出したモノをどこにしまえばいいのか」をはっきりわかるようにするだけでも、家族にとってはモノを片付けやすくなり、自分のことを自分でできるようにもなりますよ。

休日の家事を減らす収納術|①片付けやすい仕組みを作る
家が散らかって家事が増えてしまう主な理由は、管理できないほどモノの量が多いこと。収納スペースにしまいきれず、あふれて行き場をなくしたモノが、常に外に出ている状態になりやすいからです。また、使ったモノをついそのあたりに置いてしまうのも散らかる原因です。
でも、片付けやすい仕組みができていれば、こんな困った状態もすっきり解消。すぐ片付いて、しかも片付いた状態をキープできる家になる、仕組み作りの手順をご紹介しましょう!
動線を意識する
動線とは、人の通り道のこと。この動線を意識することは、収納の基本ルールのひとつです。自分や家族が、家の中のどこで何をしているかを振り返り、使うその場にモノを置くようにしましょう。こうすると、使う度にすぐモノを出し入れできるようになるので、後片付けがおっくうになってしまうことがありません。
モノの量を管理する
モノの量が多いほど、片付けなければならないモノも増え、片付け時間も長くなってしまいます。定期的に「整理」=使っていないモノを取り除き、使うモノだけを厳選することを行いましょう。
モノは、使ってこそ意味があります。「持っているけれど使っていない」というのは、存在しないのと同じこと。収納スペースのムダを省くためにも、なるべく手放すことをおすすめします。
まだきれいな状態だったりして処分しにくいモノは、リサイクルショップを利用したり、必要としている人に譲ったりするとよいでしょう。手放すことをネガティブに捉えずに、モノを活かすための前向きな行為としてスタートしましょう。
整理した後は、意識的にモノの量をコントロールすることも大切です。モノの適正量は、収納スペースに対して7~8割が目安。この量を超えたら、モノがたまり過ぎている赤信号です。「1つ増やしたら1つ手放す」というルールを作ると、リバウンドを防ぎやすくなりますよ。
モノの定位置を決める
出したモノをつい適当なところに置いてしまうのは、置き場所がきちんと決まっていないせい。モノにはそれぞれ、定位置を決めましょう。
基本的には、よく使うモノほど出し入れしやすい場所に収納します。引き出しなら手前、棚なら腰から目線までの高さなど、収納を開けたとき最初に目に飛び込んでくる場所が、最も出し入れしやすい場所です。
定位置には、「ラベリング」をするとさらに効果的。ラベリングとは、シールやマスキングテープにモノの名前を書いて収納場所に貼ること。モノを探しやすく、また出したモノを元に戻しやすくする方法のことです。
こうして定位置がきちんと決まると、置き場所を毎回考えずに戻せるので、散らかりにくくなります。また、「どこに、何が、どれだけあるか」もきちんと把握できるようになるので、無駄買い・重複買いも自然に解消。必要なモノを必要な分だけ買い足す仕組みができれば、買い物に要する時間も省くことができます!
モノの定位置を決めた後、さらにもう1つ取り組んでいただきたいのが毎日5分のリセットタイムです。毎日寝る前の5分間だけでいいので、出しっぱなしのモノを定位置に戻すことを習慣づけましょう。休日の家事を、膨大な後片付けから始める苦労がなくなりますよ。
休日の家事を減らす収納術|②家族で分担しやすい仕組みを作る
家事は、料理・洗濯・掃除だけでなく、ゴミの分別や洗濯物をたたむといった「名もなき家事」もたくさんあるもの。ですが、こうした家事の存在まできちんと認識されていないことが、共働き世帯の家事分担がうまくいっていない理由のひとつになっているようです。
こうした家事を家族間で上手に分担し、かつ夫や子どもが家事に取り組みやすくなる収納術にも、ぜひトライしてみましょう!
家事を明確に分担する
まずは、家事を具体的に書き出してリスト化しましょう。そして、リストの中から自分の担当する家事を、家族それぞれに選んでもらいます。数は少なくとも、確実に分担ができていれば、気持ちはだいぶラクになりますね。
また、分担内容は定期的に見直しましょう。家族の生活スタイルの変化や、子どもの成長に合わせるようにすると、全員が無理なく続けられるでしょう。
家族の動線を意識する
たとえば、夫や子どもが外から帰宅したとき。朝の身支度をするとき。家の中で、どういう動線を描いているかを考えてみましょう。その動線上に、コート置き場やランドセル置き場を確保すれば、それぞれ自分のことを自分でできるようになります。
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なぜ子どもがランドセルを片付けられないのか?を収納の観点から解説し、その解決策をご紹介します。
家族の「出しっぱなし、脱ぎっぱなし」が解消されれば、それを片付けるという余分な家事を減らすことにもつながりますね。
家族が家事にすぐ取り掛かれるように収納する
家事に使うモノがあちこちに点在していると、自分も家族も、家事に取り組みにくくなってしまいます。家事に使うモノも、動線を意識して収納することが大切です。
ポイントは、「使う場所に置く」ということ。「使う場所」と「収納する場所」が近ければ、動線が短くなって効率的なのです。
たとえば、リビングでアイロンがけをするのであれば、アイロンはリビングの収納に置くのがベスト。さらに、アイロンと一緒に使うアイロン台、霧吹き、当て布などもそばにまとめておきましょう。こうして一緒に使うモノをまとめて収納することを「グルーピング」といい、必要なモノをワンアクションで取り出すのに便利なテクニックです。
次の例を参考に、いつでも使いやすくスタンバイされた状態にしておきましょう。
●お風呂、トイレ掃除
お風呂もトイレも、掃除道具はその場に置くのがベスト。ただし、床に直置きすると床掃除に手間がかかり、水気やホコリがたまりやすくなるので、突っ張り棒やフックを使って、吊り下げ収納するのがおすすめです。

お風呂場の特徴をふまえての収納のコツをお知らせしています。気持ちのよいバスタイム・効率のよい家事のために上手なお風呂収納を!

おしゃれなトイレ収納の秘訣は、収納するモノをスペースに合った量に厳選すること。イメージアップのコツもお知らせします。
●キッチン
調理器具、掃除道具などこまごましたモノが集まっているキッチンは、それぞれ使う場所を意識して、機能的に配置することが特に大切です。フライパンなど火と一緒に使うモノはコンロ下、鍋やざるなど水と一緒に使うモノはシンク下。スポンジやたわしはシンク内に置きっぱなしにせず、フックで吊るすとスペースを取らず衛生的です。
●洗濯
脱衣カゴや洗剤、物干しハンガーなど、洗濯に必要なモノはすべて洗濯機回りに置くと、その場から動かず一連の作業ができます。乾燥機を使う場合は、乾いた衣類をたたむための作業台も一緒に置けば便利です。
ラベリング収納で片付けをサポートする
収納場所にラベリングをすれば、一目でモノの置き場所がわかるので、家族の誰でもモノを元に戻しやすくなります。洗面所などの家族共用スペースや、散らかりやすい子ども部屋には、特におすすめの方法です。
休日に余裕ができれば、家族みんなが幸せ
家事の負担を減らすには、効率的な収納術が役立つことはもちろんですが、自分は休日にゆとりができたら何をしたいのかという「ゴール設定」をすることも、家事に取り組みやすくなるコツのひとつです。
「子どもの相手をしてあげたい」
「大好きな映画を観に行きたい」
「ゆっくりコーヒーを飲みながら趣味の手芸をしたい」…
ゆとりができることによって得られるゴールをイメージすると、家事へのモチベーションがグッと上がりますよ。
●収納が苦手な人におすすめ!片付けの目標設定と5つの効果とは?

片付けられない人は、まず「なぜ片付けたいのか」を考えることが大切!片付けで得られる5つの効果についても詳しく説明しています。
また、夫や子どもの家事には、「ありがとう」「助かる」「上手ね」と声をかけることも効果的です。たとえ当たり前のことであっても、こうした言葉があるとないとでは、家の中の空気がまったく違うもの。家事の仕上がりに対して何か言うよりも、小さな感謝を示すことで、家事分担を円満に継続しやすくなりますよ。


情報提供:整理収納アドバイザー 角一 まり子
整理収納アドバイザー1級認定講師/&STORAGE代表 1000件を超えるご家庭の整理収納サービスや多数の住宅メーカーで収納監修を手掛ける。(セミナー受講生は6000名を超える)人・モノ・空間を整え『美しく、心地よく暮らしやすい』を提案している。