【マンション購入の後悔】物件選びで失敗するケースと対策
物件選びでマンション購入を後悔してしまうのは、入居前と入居後で大きなギャップが生じることが主な原因です。具体的には、購入前に内覧したにもかかわらず、以下のような理由で物件自体に後悔したというケースがあります。
- 狭くて生活しにくい間取りだった
- 部屋数が適切でなかった
- 日当たりが悪かった
- 設備や共用施設が十分ではなかった
- 建物の耐震性や品質に不安があった
後悔しないためには、希望条件を整理し、ライフスタイルとライフプランの両方を考慮して物件を選ぶことが重要です。判断の精度を高めるためには、機能性や安全性を含む多角的な物件確認が欠かせません。

狭くて生活しにくい間取りだった
適切な間取りを選べないと、マンション購入を後悔するケースがあります。部屋の広さや間取りは、快適な生活に直結する重要な要素です。内覧時には十分な広さだと感じていても、家具や荷物を配置してみると狭いと感じることもあります。また、実際に住んでみると、「動線が複雑」「収納スペースが足りない」「家具がうまく配置できない」といった問題に気づく可能性もあります。
【後悔しないための対策】マンションの広さと間取りでの後悔を防ぐには、納得がいくまで内覧したりすることが大切です。特に新築の場合は、モデルルーム見学をすることが多くありますが、希望の部屋とモデルルームの部屋で寸法が異なることもあります。モデルルームだけでなく、間取り図の寸法も十分に確認して、問題点になりそうな部分も販売担当者に相談するとよいでしょう。

部屋数が適切でなかった
購入したマンションの部屋数に過不足がある場合も後悔する恐れがあります。たとえば、マンション購入後に子どもが増えたり、親と同居することになったりして、居住スペースや収納スペースが不足する場合もあります。また、近年ではテレワークの普及によって仕事部屋が必要になり、購入後に部屋数の不足に悩まされるケースは珍しくありません。その一方で、子どもが独立して、購入後に部屋が余ってしまうこともあるでしょう。
【後悔しないための対策】部屋数の過不足による後悔を防ぐためには、マンション購入時に、将来起こり得る可能性をよく考えることが大切です。たとえば近年では、始めから2つの居室間の間仕切り壁や収納が動かせる仕様になっている間取りが販売されています。可変性のある間取りを選べば、将来の変化に対応しやすく、おすすめです。

日当たりが悪かった
部屋の日当たりが悪いのも、マンション購入において失敗しやすいケースの1つです。たとえば、「洗濯物が乾きにくい」「電気代が高くなる」などのトラブルが起きるリスクがあります。また、換気を行わないと湿度が高くなり、カビも発生しやすく、健康を害する可能性もあります。
【後悔しないための対策】日当たりは、季節や時間帯によって変わります。内覧が1回限り、あるいは複数回見学できたとしても、同じ時間帯だと「その時間帯だけ、希望の日当たりになっている」ということもあります。特に低層階は実質的な日照時間が短くなりやすいため、注意が必要です。できれば異なる時間帯に、複数回内覧することをおすすめします。

設備や共用施設が十分ではなかった
部屋の間取りやデザインはよくても、マンションの共用施設(共用スペース)が十分でないことに後悔する場合もあります。たとえば、日常的に車や自転車を使いたい場合、駐車場や駐輪場の使いやすさを確認することが重要です。特にベビーカーを要する小さな子どもがいる人は、機械式駐車場の操作手順を十分にイメージしながら駐車場を確認することが望ましいといえます。
【後悔しないための対策】マンションの設備や共用施設で後悔しないためには、自分にとってどのような設備が必要かをあらかじめ洗い出しておくのがおすすめです。なお、マンションによっては共用施設に関する管理規約が設けられているため、併せて事前にチェックしましょう。また、エントランスやエレベーターなどの共用施設が汚れていると、管理組合がしっかり機能していない可能性があります。内覧時に確認するとよいでしょう。加えて、ライフスタイルによっては、オートロックや宅配ボックス、24時間ゴミ出し可能なゴミ置き場、ディスポーザーがあると、より快適に生活できるでしょう。

建物の耐震性や品質に不安があった
特に中古マンションの場合、築年数が古いことから耐震性といった建物の品質に対して不安を感じ、マンション購入を後悔する可能性もあります。また、壁が薄くて隣接する部屋の音漏れが激しかったり、断熱性が低かったりなど、建物自体の品質に問題がある場合もあります。
【後悔しないための対策】マンションは、建設時に地震対策が取られており、地震に耐える能力の基準となるのが「耐震基準」です。購入前に耐震基準を満たしているか、またどのような構造で造られているかを確認しておくとよいでしょう。
加えて、優良なマンションかを判断するのが難しい場合は、住宅性能評価書を交付されたマンションを検討するのがおすすめです。比較的新しいマンションであれば、住宅性能評価書を取得している可能性があります。住宅性能評価とは、専門知識のない人でも優良な住宅を選べるように制定された評価制度で、音環境や防犯、空気環境における健康被害など、住宅の性能が等級で分かりやすく表示されています。
【マンション購入の後悔】周辺環境で失敗するケースと対策
物件そのものだけでなく、物件を取り巻く周辺環境が理由でマンションの購入を後悔することもあります。物件自体の問題ならリフォームやリノベーションで解決できる場合もありますが、周辺環境は簡単には解決できません。以下で、よくある後悔と対策を紹介します。
- 立地が悪かった
- 生活利便施設が少なかった

立地が悪かった
「交通の便がよくない」「坂や階段が多くて大変」「周辺に工場や大きな道路があって、騒音、振動、臭気が気になる」など、立地選びの失敗談も多いものです。また、購入当初は問題がなかったとしても、老後の負担になったり、子どもが通学しにくかったりと、後に問題が発生する可能性もあります。
【後悔しないための対策】立地を選ぶ際は、子どもの成長や老後の暮らしまでイメージしてみるとよいでしょう。また、最寄り駅から物件までの道中を昼だけでなく夜も歩いてみると、帰宅が遅くなった場合でも街灯や人通りがあるかどうかなどを確認できて安心です。
生活利便施設が少なかった
物件の近くにスーパーやコンビニ、学校や病院などの施設が少ないと、生活に不便を感じることが多くなり、後悔につながる可能性があります。生活利便施設が物件の周辺に充実しているかどうかは、購入前の大切なチェックポイントです。
なお、建築基準法で定められた用途地域の1つである「商業地域」は、大型商業施設や映画館、オフィスビルなどの建築が許可されているエリアです。そのため、商業地域のマンションを選んでしまうと「購入したときは眺めも日当たりもよかったのに、全て遮られてしまった」という失敗につながりかねません。
【後悔しないための対策】共働き家庭では、近くの保育園の空き状況も事前に確認しておくと安心です。嫌悪施設に関しては個人による感じ方の違いがあるため、自己のストレスの源となり得る施設を把握しましょう。物件価格を考慮に入れたうえで妥協点を見つけることが大切です。
加えて、「用途地域」には、「商業地域」を含めて13種類あり、それぞれ制約や規程が異なります。物件のある場所がどの用途地域に該当するか、不動産会社に直接確認するか、もしくは自治体の窓口やインターネットで調べてみるとよいでしょう。

【マンション購入の後悔】経済面で失敗するケースと対策
物件や周辺環境に問題はなくとも、経済的な理由でマンションの購入を後悔することもあります。具体的な失敗ケースは以下の通りです。
- 住宅ローンの返済が苦しくなった
- 固定資産税が高くついた
- 修繕積立金や管理費が高過ぎた
住宅ローンの返済が苦しくなった
経済的な理由でマンション購入を後悔している方に多いのが、住宅ローンの返済が困難になってしまったというケースです。多くは、借り入れていたローンの金利が上昇したり、年収が減少したりしたことが原因と考えられます。また、住宅ローン控除(減税)の適用期間が終了し、実質的な返済の負担感が増える場合もあるでしょう。
【後悔しないための対策】大切なのは、現在の年収で借りられる上限ギリギリの住宅ローンではなく、将来的に起こり得る子どもの教育費等の支出の増加も考慮したうえで、無理なく返済できそうな金額の住宅ローンを利用することです。年収や家計の状況を踏まえたうえで、慎重に資金計画を立てましょう。
また、市場の動向も参考にしてみましょう。残債が多いうちに「繰り上げ返済」をすることも、返済期間や返済金額を減らすのに役立ちます。ぜひ参考にしてみてくださいね。

固定資産税が高くついた
固定資産税によってマンションの購入を後悔する可能性もあります。固定資産税は毎年かかる税金で、マンションの立地や築年数によって額が異なります。土地や建物について3年に一度評価替えが行われ、土地の値段が上がれば、それに伴って固定資産税も上がっていきます。また、マンションが建っているエリアによっては都市計画税が課されることもあります。固定資産税を考えずに資金計画を立てると、予想外の出費に悩まされることもあるでしょう。
【後悔しないための対策】マンションを購入するときは、頭金や住宅ローンに目がいきがちですが固定資産税や、地域によって都市計画税の納税があることも念頭に置いておきましょう。
修繕積立金や管理費が高過ぎた
修繕積立金や管理費もマンション購入を後悔する1つの要因となることがあります。修繕積立金とは、マンションの修繕工事やメンテナンスを行うために、マンション所有者が毎月積み立てるお金のことです。修繕積立金は築年数によって大きく異なります。築年が増すにつれて必然的に修繕箇所も増えるため、段階的に金額が上がっていくことが一般的です。そのため、購入当初よりも思った以上に修繕積立金が値上がりしたことを負担に感じ、後悔する方もいます。
また、管理費は、所有者の快適な暮らしを維持するために毎月支払う費用です。そのため、共用スペースが充実していたり、管理人が24時間滞在していたりするマンションは管理費が高くなる傾向があります。
【後悔しないための対策】購入するマンションの修繕積立金や管理費については必ず事前に確認し、固定費に加えたうえで資金計画を立てることがおすすめです。また、多くのマンションでは、定期点検や大規模修繕を見据えた、20年、30年にわたる「長期修繕計画」を策定しています。特に、タワーマンションの修繕積立金は高い傾向があります。値上がりが予定されているか、将来それを支払えるかどうかを、購入前に確認しておきましょう。

【マンション購入の後悔】タイミングで失敗するケースと対策
マンション購入においては、購入するタイミングも非常に重要です。ここでは、購入後に大きなライフスタイルの変化が生じ、後悔する主なケースを紹介します。具体的には、以下の通りです。
- 狭い間取りの物件を独身のタイミングで買った
- 転勤・転職が決まった
- 市場の動きを見ていなかった

狭い間取りの物件を単身(独身)のタイミングで買った
独身のときに単身世帯向けのコンパクトマンションを購入することはメリットも多くありますが、後悔する可能性もゼロではありません。なぜなら、同棲や結婚が決まった際、間取りによっては売却や住み替えを検討しなければならなくなるためです。また、結婚して子どもが生まれると家族構成が変わり、部屋数が足りなくなったり、騒音を考えて1階に移りたくなったりする可能性もあります。
【後悔しないための対策】単身のタイミングでマンションを購入する場合は、1Rといった間取りではなく1LDKのような少し余裕のある広さ・間取りの物件から検討してみるとよいでしょう。一人暮らしでも趣味の部屋に使うといった有意義な活用ができます。また、20代~30代のうちは人生の予測が立てにくいため、いざとなったら賃貸に出したり、売却したりすることを想定し、資産価値の高い物件を購入することがおすすめです。
転勤・転職が決まった
転勤や転職によってマンション購入を後悔することもあります。通勤に便利なところにマンションを購入しても、転勤や転職によって通勤が不便になったり、住めなくなったりするケースもあります。転勤は予測がつかず、また、近年は同じ会社に終身雇用で勤める人は減っているため、不測の事態に備えることが重要です。
【後悔しないための対策】住んでいるマンションを貸したり、売ったりする選択肢があることを踏まえ、物件のメンテナンスや管理の仕組みが整っている物件を選びましょう。
加えて、地震といった災害リスクが低い物件も、日本においてマンションの資産価値が下がりにくい傾向があります。また、利便性やブランド価値が高い立地を選ぶと、築年数に関係なく長期的に資産価値を担保しやすくなります。
市場の動きを見ていなかった
マンション購入を後悔しないためには市場の動きを見ておくことも大切です。市場の動きは、誰にも読めません。ですが、マンションの相場価格が上昇していたり、住宅ローンの金利が引き上がっていたりするときに購入すると、後になって「買う時期を間違えた」「もう少し待てばよかった」となる可能性もあります。
【後悔しないための対策】マンション購入のタイミングを見極めるには、不動産価格はもちろん、経済状況や市場動向も参考にしましょう。また、住宅ローンは、金利が低いうちに組むほうが有利なので、金利の動向もチェックポイントです。

マンション購入で後悔した場合の対処法
事前によく検討してマンションを購入したつもりでも、入居後に失敗したと感じるケースもあります。既に購入して後悔している場合にどのようにすればよいか、対処法をお伝えします。
売却する
購入したことを悔やんでしまうマンションは、思い切って売却するという方法があります。住宅ローンが残っている場合も、売却資金で完済し、残った利益を新たな物件の買い替え費用に充てられる可能性があります。
ただし、物件によっては、必ずしも希望通りに売却が進むとは限らない点に注意が必要です。たとえば、築年数が浅い物件に比べて、築年数が経過した物件はマンションの資産価値が下がることが多く、売却価格が安くなる傾向があります。ただし、物件が最寄り駅に近かったり、周辺の施設が充実していたりする場合は有利に売却できる可能性が高いので、まずは査定を受けてみるとよいでしょう。

賃貸に出す
住宅ローンが完済していることを前提に、購入したマンションを賃貸に出し、家賃収入を得る方法もあります。
ただし、入居者が見つからないと、家賃収入が得られず、物件の管理や維持費の負担だけが残る場合もあるので注意が必要です。売却するときと同様に、物件の状態や立地、周辺環境が好条件で、人気が高いと判断できる場合には、賃貸を検討してみるとよいでしょう。
「買わなきゃよかった」を防ぐために信頼できる不動産会社で購入しよう
マンションを購入して後悔する理由は、人によって異なりますが、事前に確認しておくべきポイントを押さえれば、失敗を未然に防げることもあります。購入後のミスマッチを少しでも減らすことで、納得できるマンション購入につなげましょう。以下はマンション購入で後悔しやすいポイントと、チェック項目を簡単にまとめた早見表です。ぜひチェックリストとして活用してください。
マンション購入で後悔しやすいポイント | チェックすること |
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部屋の広さや間取り | 部屋数や生活導線、収納スペースなど |
日当たり | 違った時間帯の日当たり |
設備や共用施設 | 設備や共用施設の管理が行き届いているか |
建物の耐震性や品質 | 耐震基準や住宅性能評価 |
立地 | 駅からの距離や人通りなど |
生活利便施設の充実 | 商業施設が充実しているか、嫌悪施設がないか |
住宅ローンの返済 | 自身の年収や家計の状況、リスクを踏まえられているか |
税金や管理費などの固定費 | 納税や固定費を踏まえた資金計画を立てられているか |
将来のライフプラン | 将来を見据えた物件選びができているか |
市場の動向 | マンションの相場価格や住宅ローン金利 |
また、マンション購入で後悔しないためには、信頼できる不動産会社に相談することも大切なポイントの1つです。マンション購入に対する疑問や不安について、丁寧に答えてくれる不動産会社であれば安心して任せられるでしょう。長谷工アーベストでは、住まいのプロである「長谷工住まいアドバイザー」が納得のいく住まい探しをお手伝いしています。全国の新築マンションと一戸建ての紹介も行っており、Webや電話から簡単にお申し込みいただけます。マンション購入を検討している方は、ぜひご相談ください。


