マンション購入ガイド

2017.06.28 更新:18.08.24

Question

DINKsとは?失敗しないためのDINKsのマンション選び

現在、新築マンションの購入を検討しているのですが、私たち夫婦には子どもはおらず、夫婦共働きの、いわゆるDINKs(ディンクス)と呼ばれる家族形態をとっています。私たちのようなDinks世帯がマンション購入をする際、マンション選びや住宅ローンの借り入れなど、どのような点に注意をすればよいでしょうか?DINKsのマンション選びについて教えてください。

Answer

夫婦2人の生活スタイルにあった物件を選びましょう。後悔しないマンション選びのためにも、お互いの将来のライフプランを事前に確認し合ったり、購入の際には住宅ローンなど、物件の権利関係を整理しておきましょう。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

そもそもDINKs(ディンクス)とは?

マンション購入について情報を集めていると、たびたびDINKsという言葉を目にしませんか?
その言葉の意味や由来、彼らがどのような理由でDINKsという家族形態をとるのか、ご紹介してきます。

DINKsとは、夫婦とも収入のある子どものいない夫婦のこと
DINKsとは「Double Income No Kids」を略した言葉で、Double Income(収入が二つあり)、No Kids(子どもがいない)と訳します。つまりDINKsとは、共働きで子どものいない夫婦(世帯)のことを指しています。

狭義では、あえて子どもをつくらない夫婦を指すこともあります。生活スタイルとして、互いの自立を尊重し、経済的にゆとりをもち、それぞれの仕事の充実などに価値を見いだす結婚生活と言えます。

1980年代に欧米でこの形態が広まり、90年代からは日本でも増加してきました。さらに近年では、時代の変化により女性の社会進出も増え、個人の価値観も多様化してきました。そうした背景から注目されているのが、このDINKsという家族の在り方です。

同じDINKsでも、90年代にDINKsとして注目され、現在は40代以上となったDINKs層と、最近の20代、30代のDINKs層は微妙に価値観が違います。休日に夫婦2人で過ごすことが多い40代のDINKsに対し、最近のDINKsは休日も別々の知人と遊ぶなど、個人の時間を大切にする傾向があるそう。

若いDINKs層は、さらに貯蓄も別々に行っており、夫婦それぞれの貯金によって家計をやりくりしていることが多い傾向にあります。個々の私物に関する生活費、交友関係にかかる食費なども別々にかかるので、財布を分けていることが多いようです。

夫婦がDINKsという形態を選ぶ理由はさまざま
Dinksという家族構成である理由は、人によってさまざまです。
例えば、子育てのための費用がかからないので、経済的な余裕が得られるという点に魅力を持つ世帯。さらに狭義のDINKsでは、子どもを意識的につくらないということで、子育てに時間を割くことなく、個人の時間を確保できることという点にメリットを感じるようです。また、将来子どもは欲しいけれど、若いうちはDINKsとして経済的な基盤をつくりたいと考えて計画的にDINKsである世帯もあります。

このようにDINKsを選ぶ夫婦は、比較的経済的な余裕を持ち、個人の仕事や趣味に、時間とお金を使うことができる世帯が多いようです。個人のための時間、自分のキャリアのための時間、夫婦2人でいる時間を重視したい価値観を持つ人に、DINKsという形態はピッタリな家族形態だといえます。

DINKsのマンションを選ぶポイントとは?

夫婦二人の収入があり、子どものいない夫婦であるDINKsは、どのような部分にこだわり、マンションを選んでいるのでしょうか。そこには、お互いの時間を尊重し、二人の時間も大切にする生活スタイルを選ぶ夫婦ならではのポイントがありました。

1人になれる空間がある
夫婦2人で過ごせる共用のリビングがあるほかに、個人用の部屋を求めることが多いDINKs。お互いに働いているので、就寝時間などが違う夫婦の場合は、寝室を分けていることもあります。

ほかにも、フリーランスなどの個人営業の夫や妻が、作業部屋として部屋を設けているケースもあります。リビングなどの共用スペースでは夫婦の時間を大切にしつつ、個人の時間にあてられる部屋の確保も、同じくらい重要視されているようです。

利便性を重視した立地を選んでいる
夫婦ともに共働きのため、利便性を優先した駅近の物件を選ぶのも、DINKsの特徴です。平日の昼間は不在であることが多く、なるべく駅に近く、スーパーも深夜までやっているなど、物件そのもの以外にも物件周辺を含めた利便性を重視しているといえます。子育てしているファミリー世帯に比べると、商業地立地の物件を選ぶ傾向にありますね。

また、DINKsでは、ファミリー層と比べると日当たりの優先順位も低い傾向にあるようです。共働きで昼間家を空けることも多いので、その弊害を感じることが少ないからと言えます。一方、外出が多いこともあり、セキュリティ面がしっかりしている物件を選ぶ傾向も、DINKsの傾向となっています。これから物件の購入を検討される方は、こうした傾向を参考にされるといいでしょう。

部屋は、2人で暮らすのに少し余裕のあるぐらい
近年増えてきたDINKs層に向けた物件も多くなってきています。DINKs向けに建てられた都心のコンパクト物件は、駅近にあり、ファミリー層ほど広すぎず、2人で暮らすのに少し余裕のある適度な面積のものが多いようです。

間取りは住まい方に合わせて1LDK~3LDKまでさまざまなタイプが用意されています。夫婦で暮らすライフスタイルに合わせて「どの部屋がどう使うか」「何部屋必要なのか」など、じっくり話し合って決めていきましょう。

特に、賃貸住宅を借りるのではなく、戸建てやマンションを購入する場合は、大きな金額を支払って一生の資産を購入することになりますから、夫婦でお互いのライフプラン(将来設計)を加味した間取りを想定しましょう。今後の働き方、転職、子ども、老後など・・・、今はDinksという家族形態だとしても、将来、その家族の形態が変わっていくこと可能性もあますから。

DINKsが注意したい住宅ローンのポイント

DINKsがマンション購入を決める際には、立地や間取り、周辺環境など物件に関すること以外にも注意しなければならい点があります。実際の購入に必要な頭金などの資金や住宅ローンの組み方といった経済面、購入する住宅の所有権の割合(持分割合)など不動産の権利関係などについても理解しておく必要があります。

ここでは実際に夫婦でマンションを購入する際のいくつかの事例をご紹介していきます。

DINKsのマンション購入は、どちらがどれだけ負担するかに注意しよう
DINKsの夫婦がマンションを購入する際、大切なものの1つに、「どちらがどれだけの資金を負担するか」を決めることがあります。この点は、後々、さまざまな税金でポイントになるだけでなく、将来起こり得る万一の事態に備えることに繋がります。

マンション購入にはさまざまなお金が必要になります。世帯年収に見合ったローンの返済計画を立てることはもちろん、頭金や住宅ローンを誰が負担するのか、住宅の名義をどうするのかなどの検討も必要になるので、忘れずに。

持分割合を明確にしておく
前述の「どちらがどれだけの資金を負担するか」ということは、実は、「誰かがどれだけ不動産の権利を所有するか」という、持分の割合に直結しています。

マイホームを購入すると第三者に対して自分の所有であることを主張するために「不動産登記」を行います。また、自分のものであるという所有権登記をすることで、住宅ローンを借りることができるようになります。
※銀行等からローンを借りる条件として、所有する不動産に抵当権(担保)を設定することが必要になります。

夫または妻のいずれか1人の名義で購入する場合と夫婦2人の名義で購入する場合がありますが、名義に合わせて登記することになります。この登記の段階で共有名義とする場合、「マイホームの権利をこの分は夫のもの、この分は妻のもの」ということを明確するために「持分割合」を決める必要があります。

持分割合は、支払った資金分だけその人の名義(夫なら夫、妻なら妻の名義にすること)としなければ、贈与税が課税されてしまうため、基本的には、実際に負担する金額の割合に応じて不動産の権利について持分の割合を決めていきます。

では、ここで頭金の支払いや住宅ローンの借り入れに関して、共働きであるDINKsで考えた場合の代表的な次のようなパターンで考えてみましょう。

[ 1 ] 頭金、住宅ローンともに夫(または妻)1人の名義
[ 2 ] 頭金は妻(または夫)が払い、住宅ローンは夫(または妻)名義で借りる
[ 3 ] 頭金も住宅ローンも夫婦で半分ずつ

例えば、5,000万円のマンションを購入した場合を考えてみましょう。(※計算をわかりやすくするため諸経費は含めないものとします。)

[ 1 ] 頭金、住宅ローンともに夫(または妻)1人の名義
[ 夫 ] 頭金、住宅ローンとも夫の資金(名義)で5,000万円拠出
[ 妻 ] 0円
→夫:1/1(つまり100%夫名義)

[ 2 ] 頭金は妻(または夫)が払い、住宅ローンは夫(または妻)名義で借りる
[ 夫 ] 夫名義で4,000万円住宅ローンを借り入れ
[ 妻 ] 妻名義の資金で頭金1,000万円を拠出
→夫 : 4/5の持分、妻 : 1/5の持分

[ 3 ] 頭金も住宅ローンも夫婦で半分ずつ
[ 夫 ] 頭金、住宅ローンとも夫名義で2,500万円拠出 [ 妻 ] 頭金、住宅ローンとも妻名義で2,500万円拠出 →夫妻とも、1/2ずつの持分

いくつか注意点がありますが、その1つは住宅ローンの名義を持つ、すなわち資金を拠出したことになる点です。もし、夫婦が連帯債務者として住宅ローンを借りた場合は、その収入の割合でローンを借りたことになりますので、持分の割合を決めるときには収入に応じて借りたことになる住宅ローンの割合にも注意が必要になります。特に、DINKsでは夫婦の名義で住宅ローンを借りることが多いので、この点は忘れないようにしましょう。

この持分登記の段階で下記の住宅ローン控除の割合も決まってしまうので、その点にも注意してください。

また、妻や夫のいずれか一方が連帯保証人となる形で収入合算して住宅ローンを借りた場合には、その連帯保証人となった方は持分を持つことができず、下記の住宅ローン控除も受けることができないので、覚えておきましょう。

パワーカップルとは?夫婦2人で住宅ローンを組むペアローンとは?

ペアローンに関してはこちらでも詳しくご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

次に、不動産の所有について「持分を持つ」ということは、物件に対する権利が持てる分、不動産取得税や固定資産税、都市計画税といった税金もその持分に応じて税金を支払う義務を負うということになります。誰がどれだけ持分を持つかということは、その分の負担や責任を負うということにもなりますので、購入の際にその後の負担まで考えてよく夫婦間で相談しておきましょう。

住宅ローンなどの控除関係の確認も忘れずに
借入期間10年以上の住宅ローンを借りてマンションを購入する場合、物件と住宅ローンを借りた人が一定の要件を満たすと「住宅借入金等特別控除(いわゆる「住宅ローン控除」)」を受けることができます。

例えば、住宅ローンを夫婦それぞれが単独の名義で半分ずつ借りた(住宅ローンを夫婦それぞれの名義で2本の住宅ローンを借りた)場合、要件を満たしていれば、夫婦それぞれが自分名義の住宅ローンの年末残高×控除率(1%)の税額控除が受けられるようになります。
※平成33年12月31日までに住宅の用に供することが必要です。

DINKsの場合、共働きで夫婦ともに収入があり、所得税を支払っているので、住宅ローンの名義をそれぞれにすると、住宅ローン控除の恩恵を夫婦それぞれで受けることができます。

具体的な例では、住宅ローンを夫が自分名義で2,000万円、妻も自分名義で2,000万円借りた場合、年末の住宅ローン残高が夫婦それぞれ1,900万円であれば、住宅ローン控除はその1%となり最大夫婦ともに19万円が控除額となります。この控除は税額控除なので、夫婦ともに給与所得者であれば、支払っている源泉徴収税額から年末調整で19万円ずつ還付される(戻ってくる)ことになります。
(ただし、源泉徴収税額が19万円未満なら最大でもその徴収金額までとなります。)

夫婦名義で、マンションを購入する際は、こういった税金関係のチェックも忘れないでおきたいところです。

DINKsの方がマンション選びをする際のポイントや注意点をご紹介してきました。マンション購入で後悔しないためにも、DINsの方は特に夫婦間でしっかりとしたライフプランの共有をしておくことが大切になります。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。