マンションと一戸建て、どっちがいい?
マンションと一戸建てのどちらにもメリットと注意点があり、「絶対にマンションがよい!」や「間違いなく一戸建て!」と断言することはできません。
マンションと一戸建てには、それぞれによいところがあるため、自分の今の状況や将来の暮らしをベースに優先条件を考えてから検討するのがおすすめです。住み心地、物件にかかる費用、資産価値など、何を優先させたいかで向いている住まいが見えてきますよ。
【一覧表】家購入でマンションと一戸建ての住み心地を比較
マイホームはこれから先、数年・数十年にわたって生活の拠点となる場所なので、住み心地は重要な判断基準の1つです。心地よい生活を実現するためには、家の中の環境だけでなく、家の周囲の環境や交通機関を利用する際の利便性なども考慮して考える必要があります。
| 比較項目 | マンション | 一戸建て |
|---|---|---|
| 駅からの距離 | エリアや物件による | エリアや物件による |
| 家事動線 | ワンフロアの場合、家事動線がシンプル | 階段等の昇り降りがある |
| 騒音 | 集合住宅なのでお互いの配慮が必要 | 外から騒音が入ってくる場合がある |
| 安全性 | 最初からオートロックや防犯カメラが設置されている物件が多い | 防犯対策は自己管理が必要(設備を自由に後付け可能) |
| ペット | 大きさや種類などに規定が設けられていることが多い | 飼育について規定がないケースが多い |
上記のよい住み心地に必要な5つのポイントについて、マンションと一戸建てを詳しく比較してご紹介します。
駅からの距離
駅からの距離はマンションでも戸建てでも様々ありますが、一般的には、マンションは駅の近くに、戸建ては駅から少し離れた静かな場所に建つことが多いようです。その理由のひとつは、駅周辺では容積率(敷地面積に対する建物の延床面積の割合)が高く設定されているため、高層建築物であるマンションが建てやすいからです。また、通勤や通学で毎日電車を利用する場合、駅からの距離は多くの人にとって重要なポイントです。マイホームが駅に近ければ、移動が楽になり、忙しい朝にも時間の余裕が生まれます。
家事動線
マンションの場合、多くの部屋はワンフロアで構成されており、2階建て以上の一戸建てに比べて家事動線がシンプルな傾向があります。家事動線とは、キッチンや洗濯機置き場など、家事を行う際に人が移動する経路のことです。マンションでは室内に段差がほとんどなく、移動距離も短いため、家事がコンパクトに収まる物件が多く見られます。
一戸建ての場合、2階建て以上になると、家事のたびに階段を使う必要があり、手間が増えることがあります。そのため、老後の暮らしを考える人の多くは、段差や障害物が少ないフラットな空間を好む傾向があります。ただし、一戸建てはマンションに比べてリフォームやリノベーションがしやすく、生活スタイルの変化に合わせて間取りを柔軟に変えられるというメリットもあります。
騒音
マンションの場合、同じ建物内で他の住人が暮らしているため、生活音を完全に遮断するのは難しいと考えられます。上階からの足音や共用廊下での話し声が気になることもあるでしょう。また、自分自身も部屋で子どもを自由に遊ばせたり、楽器を演奏したりするのは制限がある場合が多いです。
一戸建ての場合は、家の中で子どもが走り回っても、近所迷惑になる心配は少ないでしょう。ただし、ドアや窓が多いため、外からの騒音が入りやすいという特徴があります。
騒音の問題は、家族の過ごし方によって感じ方が変わります。「子どもをのびのび遊ばせたい」「楽器を楽しみたい」など、ライフスタイルを基準に、マンションと一戸建てのどちらが合っているか考えてみましょう。
安全性
マンションでは、オートロックや防犯カメラなどの防犯設備が充実した物件が一般的です。また、ほかの住人や常駐する管理人などがいて人目が多いことも、空き巣や放火などの犯罪を抑止する効果があります。さらに、高層階になるほど、空き巣の侵入が難しくなるため、セキュリティ面の安心感がさらに高まります。
一戸建ての場合は、オートロック・監視カメラといった防犯設備を自分で設置管理する必要があるでしょう。ただし、プライバシーの面では、一戸建てのように独立して存在する建物での生活のほうが人目を気にすることが少なくなる場合があります。
ペット
分譲マンションではペットの種類や大きさ、飼育頭数が制限されていたり、場合によっては飼育できない種類もあります。その理由には、鳴き声による隣人トラブルの防止や、動物アレルギーの住人への配慮などが挙げられます。ペット可の分譲マンションでは、ペットの種類・数を細かく規定した「ペット飼育細則」のような特別なルールが存在することが多いです。
一戸建てはこのようなルール・規則がない場合が多く、自由にペットとの暮らしを満喫することができます。
【家購入】マンションと一戸建てをお金で比較したら?
不動産を購入するとき、お金の面はもちろん気になりますよね。マンションと一戸建てはどれくらいの金額で手に入るのかだけでなく、住み続けるにはどれくらい費用がかかるのかも重要な観点です。以下ではマンションまたは一戸建てを購入する際にかかる費用と、その後の維持費、支払わなければいけない税金についてご紹介します。
物件価格
長谷工アーベストが作成するレポート「マンションマーケットリサーチ」※1を参考に首都圏の平均価格を見ていくと、2024年(1~9月)の新築マンションの平均価格は7,800万円台に対して、新築一戸建ての平均価格は5,500万円台と、マンションのほうが高額です。しかし、エリアによっては、もう少し安い価格帯で購入できる地域もあります。そのため、希望するエリアのマンションと一戸建ての相場を調べてみるとよいでしょう。
維持費
マンションでも一戸建てでも、購入した後も住み続けるためには維持費が発生します。マンションであれば、管理費や修繕積立金、駐車場代も加わります。そして、これらの費用はランニングコストとして毎月の支払いが必要となります。
管理費はマンションの住民が使うゴミ置き場や廊下の清掃、植物の管理、エレベーターのメンテナンスなどに使われます。また、修繕積立金は建物の老朽化対策のために積み立てる費用で、配管設備の管理や外壁の塗り替えなどに使われます。また、マンションの駐車場を契約した場合、首都圏であれば月々数千円~数万円ほどかかるでしょう。なお、管理費や修繕積立金は、使用の有無に関わらず返金されません。
一戸建ては毎月維持費がかかるわけではありませんが、必要に応じてまとまった額のお金がかかることがあります。そのため、自分自身で事前にある程度の費用を用意しておく必要があります。
税金
マンションや一戸建てを所有していると、その土地や建物に対して毎年固定資産税がかかります。そして、マンションと一戸建てではそれぞれ土地と建物にかかる税金の額が異なります。
土地にかかる税金については、一戸建てのほうが高くなることもあります。マンションの購入者は建物全体の敷地面積のうち、自分が住んでいる部屋の面積を建物全体の面積で割った共有持分だけを保有している状態です。保有している土地の面積はマンションのほうが少ないことが多いので、土地にかかる税金は一戸建てよりも低くなる傾向はあります。
一方、建物にかかる税金は、マンションのほうが高くなる傾向にあります。マンションの多くは鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造のものが多く、一戸建ての木造と比較すると建物評価額が高くなるためです。
中古で販売されている物件であれば、担当の不動産会社に固定資産税を確認することができる場合があります。購入を検討している場合は、確認してみましょう。
マンションと一戸建てを資産価値で比較したら?
マンションも一戸建ても、建ててから年数がたつと資産価値は下がっていくのが一般的です。ただし、土地の資産価値は下がりにくいといわれています。次は、マンションと一戸建ての資産価値を、「耐用年数」と「売却のしやすさ」という2つの観点から比較してみましょう。
耐用年数が長いのはどちら?
耐用年数とは、建物が持ちこたえられる寿命のことです。耐用年数には、「物理的耐用年数」と「経済的耐用年数」、「法定耐用年数」の3種類があります。
物理的耐用年数
物理的耐用年数とは、実際に建物が朽ち果てるまでの年数のことです。近年の建築物の物理的耐用年数は100年ともされています。
経済的耐用年数
経済的耐用年数とは、建物に経済価値が生じている期間のことです。一戸建てなら30~35年程度、マンションなら40~50年程度になります。
法定耐用年数
法定耐用年数とは、建物の減価償却費が計上される期間のことです。木造なら22年、鉄筋コンクリート造なら47年となります。
木造一戸建ての場合、経済的耐用年数は30~35年程度ですが、最近の一戸建てには経済的耐用年数が長い「認定長期優良住宅」があります。また、一戸建ての場合、建物の経済的耐用年数を超えても、取り壊して更地にして売ることができます。さらに将来の建て替えもしやすいことから、次世代も使える資産として有利という見方もできるでしょう。
一方で、鉄筋コンクリート造のマンションの経済的耐用年数は40~50年程度とされています。経済的耐用年数は一戸建てより長いので、資産価値の下がり方はゆるやかです。また、木造一戸建てと比較すると、新築当初の資産価値は高くなります。建築費は、木造よりも鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造のほうが高いため、同じ面積であればマンションのほうが自然と資産価値が高くなります。
売却しやすいのはどっち?
一般的に、一戸建てよりマンションのほうが売却しやすい傾向があるといわれています。これは、マンションのほうが建物の価値の下落が比較的ゆるやかで、長期間にわたり価値を維持しやすいためです。また、マンションは立地条件の良い物件が多いことも理由の一つです。立地によっては、購入時より高い価格で売却できる場合もあります。そのため、購入を検討する際は、交通利便性や生活利便性の高い立地を選ぶとよいでしょう。
一方、一戸建ての場合も、駅から近いなど立地条件のよい物件であれば売れやすい傾向がありますが、一戸建てならではの魅力として「静かな環境」や「周囲に一戸建てが多い」といった住環境が重視されることも多く、利便性とともに購入者にとって大きなポイントになります。また、一戸建ての大きなメリットとして、築年数が古くなった場合でも、更地にして売却できる点があります。土地として価値を活かせるため、資産の柔軟性が高いのです。一方、マンションは自分の判断だけで取り壊すことができず、築年数が非常に古くなると売却が難しくなるケースもあります。
資産価値は、立地条件や物件の状態、不動産市場によっても異なりますので、一概にマンションが高い、一戸建てが高いといい切れませんが、 住まいを選ぶための判断基準のひとつになるのではないでしょうか。
マンション・一戸建て、どんなタイプの人におすすめ?
これまで、住み心地や費用、資産価値などさまざまな側面からマンションと一戸建ての特徴を見てきました。ここでは、前述した特徴を踏まえてどのような人がマンションに向いているのか、あるいは一戸建てに向いているのかをご紹介します。
利便性やセキュリティを重視するならマンションがおすすめ
前述してきたように、マンションには、駅から近い場所に建てられることが多かったり、オートロックや監視カメラなどのセキュリティが充実しているといったメリットがあります。一方で、ほかの人も同じ建物に住んでいるため音が気になったり、毎月管理費や修繕積立金などの維持費が発生したりするという注意点があります。そのため、マンションには次のような人が向いているでしょう。
- 利便性を重視する人
- 眺望のよさを求めている人
- メンテナンスをラクにしたい人
- 防犯や防災などを重視する人
- バリアフリーの家に住みたい人 など
庭や収納量を確保したいなら戸建てがおすすめ
一戸建ては、駅から少し離れた静かな場所に建てられることが多く、広い敷地を活かして庭や十分な収納スペースを確保できます。マンションでは周囲の生活音が気になる場合がありますが、戸建てならそうした心配は少なく、子どもが走り回ったり声を出したりしても近隣への迷惑になりにくいのも魅力です。ただし、駅から離れる分、通勤・通学に時間がかかることや、オートロックや監視カメラなどの防犯設備は自分で整える必要がある点には注意が必要です。
上記のような特徴を踏まえると、一戸建ては次のような人に向いているでしょう。
- 庭が欲しい人
- プライバシーを重視したい人
- 家族が多く、住まいに広さが必要な人
- 小さい子どもがいて騒音を気にする人
- 管理費、修繕積立金などの毎月のコストを抑えたい人
- サーフィンやスノーボードなど大きいサイズの趣味の道具があり、収納量を確保したい人 など
自分にとっての優先条件が購入の決め手!
マンションと一戸建ての比較をしてきましたが、どちらにもメリット、デメリットがあります。新たな住まいの購入を本格的に検討していて、マンションと一戸建てで迷っているという人は、まず自分にとっての優先条件を決めて検討してみるのがおすすめです。
たとえば、落ち着いて暮らせる環境を求める人は「住み心地」、安心して暮らせる環境を求める人は「セキュリティ」、現在の悩みや将来気になることから優先順位を導くのもよいかもしれません。ほかにも、自分の年齢、ライフスタイルやライフプランも考慮して住まいを検討するとよいでしょう。
自分の人生のタイミングによっては、一戸建てからマンションへと買い替えることもあります。たとえば、子育てを行っている間は郊外の一戸建てに住み、子どもが独立したら駅の近くや商業施設が近いなど利便性の高いマンションへ移る、といったライフプランが考えられます。将来的に売却して住み替えを考える場合は、「売りやすさ」を優先して考えるのもよいでしょう。
マイホームを購入する際は、このようにさまざまな視点から比較検討し、悔いのない決断をしましょう!もし、どうしても決められない場合は、住まいのプロである不動産会社に相談してみるのもおすすめです。今後のライフプランやマネープランを考慮した総合的なアドバイスをもらうことができます。
長谷工アーベストの住まいアドバイザーなら、住まい探しや購入に関する悩みを無料でサポートします。要望に合った住まいのご紹介はもちろん、予算や購入までの流れに関する疑問なども気軽に相談することができますよ。
※1出典:株式会社長谷工アーベスト「Mansion Market Research(2025.5 特集レポート〔首都圏版〕)」
(最終確認日:2025年11月4日)