マンション購入ガイド

2018.01.11

Question

家の買い替え、新築マンションを購入する手順とは?

現在、中古で購入した戸建てに住んでいるのですが、子どもの独立を機にマンションを購入しようと思っています。家の買い替えをする場合の、マンション購入の手順などについて教えてください。

Answer

家の買い替えの手順は「売却先行」「購入先行」の2パターン。現在の状況に合わせてどのように進めるか計画しましょう。

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

目次

マンション買い替えの流れとは?

長年住んでいた中古マンションの傷みが気になりだした、子どもの独立を機に利便性の高い土地に移りたいなど、家の買い替えを検討する方は少なくありません。

持ち家の方がご自宅を売却し、新たにマンションを購入される“買い替え”では、ご自宅を売却するタイミングがポイント。そこで、ご自宅を売却するタイミングで「売却先行タイプ」「購入先行タイプ」にケース分けして、マンション購入の手順をご説明しましょう。

まずは、マンションの買い替えをする場合に、どのような工程が必要になるか、一般的な買い替えの流れについてご紹介します。

免震(構造)のマンションとは?

(1)現在住んでいるマンションを売却する
[ 売却価格の査定 ]
現在の自宅がいくらぐらいで売却できるのかわからなければ、買い替え先の資金計画が立てられませんよね。そこで、自宅を買い替える場合は、まずは売却価格の査定が必要です。

自宅の査定は不動産会社に問い合わせるか、ネットで無料の査定を試してみましょう。また、周辺の不動産がいくらで売りに出されているのかを事前に確認しておくと、相場を抑えることができます。査定の前に目を通しておくと良いでしょう。

[ 購入するマンション(新居)の資金計画 ]
自宅のおおよその売却可能額がわかれば、現在の住宅ローンなど、残債を支払った後の手元資金を大体把握できますね。その資金を元に、買い替え先のマンションの予算を決めることができます。

[ 売却活動 ]
現在のマンションの売却査定額を把握し、買い替えの決意が固まれば、いよいよ売却活動に入ります。売却活動とは、不動産仲介会社と媒介契約を結び、自宅の販売を開始することです。実際の売却活動自体は、不動産仲介会社が広告を出したり、ネットに掲載したりなどして、購入希望者を募ります。

不動産仲介会社は、査定を依頼した会社の中から選ぶこともできますし、または買い替え先マンションを販売する不動産会社やその会社の提携先の不動産仲介会社を紹介してもらえることも。紹介を受けた不動産仲介会社を利用した方が売却や買い替えに有利な場合があります。相談してみると何かお得なことがあるかもしれません。

[ 売買契約 ]
売却活動を通して、現在住んでいるマンションの購入希望者が決まれば、売買契約を結びます。

もし、この売買契約までに次のマンションが決まっており、さらに新しいマンションの引き渡し時期と現在のマンションの引き渡し時期が近いようであれば、売買契約に引き渡し時期を盛り込むこともできます。その場合は、自宅の購入者と契約前に事前の調整をしておくと良いでしょう。

[ 売却(引き渡し・決済) ]
現在のマンションの売買契約が済んだら、購入者へ引き渡し(決済)をします。自宅の売買代金の支払いを受けて、住宅ローンの残債を支払います。残った資金は、買い替え先のマンション購入の資金となります。

売却の時点で、まだ買い替え先のマンションが決まっていない、または引き渡しがもっと先という場合は、一旦実家や賃貸住宅に仮住まいへの引っ越しが必要となります。

(2)買い替え先のマンションを購入する
買い替えの場合、売却と同時に、次の新しい買い替え先マンションを購入する必要があります。

[ 購入するマンションの決定 ]
購入するマンション選びはいつから始めても大丈夫です。ご家族のご要望に合わせて、マンション選びから始めていきます。ただし、「資金計画を確実にしたい」という方は、今住んでいるマンションの売却が完了してから購入先のマンションの申し込みをする方がより確実です。一方で、引き渡しのタイミングが合わないと、一時的に賃貸で暮らす必要がでるなどの出費がでるため、何を重視したいかを整理しておくことが大切です。

[ 住宅ローン等の申し込み ]
購入するマンションが決定したら、金融機関の事前承認を経て、住宅ローンの申し込みへと進んでいきます。
ここで、現在住んでいる元のマンションの住宅ローン状況によって、ローンの種類が変わってきます。

・現在の住宅ローンが完済できる場合
→ 新規で住宅ローンを申し込み、新しいマンションを購入する。
売却費用を利用したり、手持ちの資金を利用するなどして、住宅ローンが完済できる場合は、また新たに住宅ローンを組んで、買い替え先のマンションを購入します。

・現在の住宅ローンが完済できない場合
→買い替えローンを申し込み、新しいマンションを購入する。
売却費用を利用しても、最初の住宅ローンが完済できない場合は、買い替えローンというものを利用します。買い替えローンとは、最初の住宅ローンの残りを、新しく買うマンションの住宅ローンに加えるというものです。

・今住んでいるマンションがいくらで売却できるか
・今後のライフプランや家族構成
・買い替え先のマンション費用

など、様々のことを検討して資金繰りを行っていく必要があります。資金を楽観的に考えず、堅実に無理の内容に計画を立てていくことが大切です。資金繰りの相談は、マンション販売担当やFP、ライフプランナーに相談してみるといいでしょう。

[ マンションの引き渡し・決済 ]
購入するマンションが新築の場合は、マンションが完成し次第、随時引き渡しとなります。中古マンションの場合は、売主の引き渡し準備完了と住宅ローンの承認が整い次第、引き渡し(決済)となります。

売却が先行か、購入が先行か?

買い替えの場合は、現在のマンションの売却と、新しいマンションの購入とお金の流れを2つ同時に行う必要もあり、不安になりますよね。自分の資金と要望とこれからの生活を、整理し、スムーズな資金計画を立てていくことがポイントになります。売却先行と購入先行のそれぞれのメリットと注意点についてご紹介します。

売却することのメリットとは?

今の自宅を売却することのメリットとには、どのようなことがあるのでしょうか?

(1)売り急ぐことがないので、相応の価格で売却できる
今住んでいるマンションを買い替える際に、最も不安なことの一つとして、「売却予定の自宅が期日通りに売却できなかったらどうしよう…」ということではないでしょうか。今住んでいるマンションの売却を先行させる場合は、こうした心配に駆り立てられる必要がありませんので、じっくりと自宅の売却をすることができるというメリットがあります。

(2)購入するマンションの資金計画を明確に立てられる
自宅の売却が完了していれば、手元の資金がはっきりしますね。そのため、買い替え先であるマンション購入資金の計画を明確に立てることができます。

(3)売却できたことで、心理的に余裕ができる
上記でもお話ししたように、売却先行タイプは買い替え特約の期日を気にする必要がありません。従って、心理的に余裕を持って買い替え先のマンションを購入することができますよ。

売却先行タイプはどんな人に向いている?

売却先行のメリットはわかったけれど、自分はどっちに向いているのかわからない…そんな方のために、家を買い替える際、売却先行が向く人とはどんな人なのかをご紹介します。自分がどうしたいのかを整理する参考にしてみてくださいね。

(1)購入資金に余裕がない方
自宅の売却が思うようにいかなかった場合、購入資金に余裕がない方は資金不足になることがあります。買い替え先の購入資金を自宅の売却資金でまかなう予定の方は、先に手元資金を明確にすると安心です。

(2)住宅ローンの審査に自信がない方
転職等により勤続期間が短い方や収入があまり多くない方の場合、住宅ローンの審査では自己資金(買い替え資金)がいくらあるのかが見られることとなります。

そこで、自宅の売却が完了していないと手持ち資金がはっきりしないため、ローンの審査が厳しくなることも。「住宅ローンの審査に自信がない」という方は、先に手持ち資金額を明確にしておくと良いでしょう。

(3)自宅を相場より安く売却することに抵抗のある方
思い出のつまった自宅。自宅の売却は少しでも高く売却したいと思う方が多いはず。相場と照らして、「相応の金額で売却したい」という気持ちが強い方は、自宅の売却を先行した方が良いでしょう。

(4)マンションの購入を確実にしたい方
買い替え先のマンションを先に決め、自宅の売却を後にした場合、先にお話しした「買い替え特約」の期日を越えてしまうと、状況によってはマンションを購入できないということも起こり得ます。

従って、買い替え先のマンション購入を確実にしたい方は、自宅の売却を先行した方が安心ですよ。

売却先行の注意点とは?

さて、ここまでマンション買い替え時の売却先行に関して、メリット等についてお話してきましたが、もちろん注意点もあります。

自宅を先に売却する場合、注意しなければならないのは自宅売却後の住居。購入するマンションの引き渡しと入居時期が近ければ、売買契約時に自宅の引き渡し時期を合わせることを特約などで盛り込むことができます。

しかし、購入するマンションがまだ決まっていない場合や購入する新築マンションの完成・引き渡しがかなり先になる場合は、そうもいきません。そういった場合は、自宅売却後、一時的に賃貸住宅や実家などへ仮住まいする必要もでてきてしまいます。そのため、引っ越し代や賃料など余分な支出が増えてしまうので、注意が必要です。

購入先行のメリットとは?

次に、買い替え先マンションを先に購入する、購入先行のメリットについてご紹介します。

(1)買い替え先を決めてから自宅を売却するので、仮住まい等が不要になる
買い替え先のマンションを先に決めているので、自宅の売却が完了した後の住居は確保された状態になります。従って、仮住まいの必要がなくなることはメリットの一つです。余計な出費を抑えることに繋がりますね。

(2)購入と売却を一元化できる
自宅の売却を購入するマンションの販売(仲介)先の不動産会社(提携先含む)に任せると、手間が省けることに加え、様々な部分で優遇を受けることができますよ。

購入先行タイプはどんな人に向いている?

では、購入先行タイプはどのような方に向いているのでしょうか?次のような方は、購入するマンションを先に決めると良いかもしれません。

(1)仮住まい等の余計な費用をかけたくない方
自宅の売却を先行させた場合、仮住まいが必要になる可能性が高くなります。引っ越し等の資金を少しでも節約したいという方は、買い替え特約を使って自宅の売却を後にすることをおすすめします。

(2)気に入ったマンションがあれば、買い替えたいと考えている方
まだハッキリと買い替えをすると決めていないけど、気に入った物件があれば買い替えをしたいという方にも購入先行がおすすめです。購入する物件が決まってから、慌てずに自宅の売却をすると良いでしょう。

(3)買い替えの手間をできるだけかけたくない方
不動産の購入、売却と連続して行うことは非常に手間と時間がかかります。そうした手間や時間をできるだけ省きたいという方は、購入する物件を先に決め、その不動産会社や提携先に自宅の売却もお願いすると、購入と売却を一元化することができますよ。

購入先行の注意点とは?

購入するマンションを先に決め、自宅の売却を後にする場合、自宅の売却金額に注意が必要です。買い替え先のマンションを購入した後、自宅の売却金額が計画より少ないといった状況に陥った場合、住宅ローンを増額したり、別に資金を用意したりしなければなりませんね。

また、自宅の売却ができなくなったという場合には、買い替えが成立しなくなってしまいます。そこで、注意したいのは売却価格の査定と資金計画です。査定額を100%と考えず、査定額よりも少し低い金額を前提に資金計画を立てるようにしておいてください。

家の買い替えは、売却先行と購入先行の2つのタイプに分けられますが、どちらもメリットや注意点があります。どちらを選ぶにせよ、自宅の状況や自分の状況を踏まえ、安心して新居に移れるよう計画を立てるようにしましょう!

情報提供:不動産コンサルタント 秋津 智幸

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント。公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産コンサルタントとして、物件の選び方から資金のことまで、住宅購入に関するコンサルティングを行なう。